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2005-01-26

[economy][BOJ]金融政策決定会合議事要旨(2004年12月16、17日開催分)

当面の金融市場調節に関して、多くの委員は、金融システムに対する不安感の一段の後退などから、市場の資金余剰感が強くなっているが、このところは資金余剰期に入っており、オペレーションによる資金供給必要額が減っているため、短期資金供給オペの運営上の工夫によって、当座預金残高目標を達成していくことは可能であるとの見方を示した。複数の委員は、当座預金残高目標の引き下げは引き締めと捉えられる可能性があり、景気が微妙な情勢である現状は、残高目標をしっかりと達成していくことが大切であると述べた。この間、一人の委員は、ペイオフ解禁を契機として金融市場の流動性不安が後退していく中では、デフレが継続するもとで、量的緩和政策における潤沢な資金供給と結果としてのゼロ金利の維持という枠組みは堅持しつつ、タイミングを十分に見極めながら、市場の資金の余剰度合いに応じて徐々に当座預金残高目標値を減額していくことも考えられるのではないかとした。もう一人の委員は、こうした考え方に基本的に賛成であるとしたうえで、実際に目標値を見直していく際には、その時点の景気動向なども無視できないと述べた。

現在の政策が金利に働きかける効果について、ある委員は、(1)ゼロ金利が一定期間続くことをコミットすることにより中長期の金利を引き下げる時間軸効果、(2)当座預金残高目標の引き上げが時間軸のアナウンスメントを補強する効果、(3)様々なオペレーションを通じて銀行間のクレジットスプレッドのばらつきを縮小させる効果、の3つに整理した。別の複数の委員は、こうした整理に概ね同意したうえで、現在の政策が経済に働きかける効果としては、さらにクレジットスプレッドの縮小が企業のバランスシート調整を促す効果なども考えられるとコメントした。もう一人の委員は、それぞれの効果の存在は否定しないが、時間軸効果以外の効果がそれほど大きいとは思えないと述べた。一方、量的緩和政策の副作用として、複数の委員は、(1)資金調達者のモラルハザードの拡大、(2)短期金融市場の市場機能の低下、(3)金融政策の機動性の低下、(4)財政規律の低下などを挙げた。これら委員を含めて、現状においてはこれらの副作用が効果との比較でみて著しく大きいとは言えないとの見方で一致した。

あのー、ここは笑うところでしょうか?

「効果」については、(1)はコミットする期間が変わらない以上さらなる引下げ効果は期待できないですなぁとか、(2)はじゃあ1年以上前(まあ議事要旨における議論の頃にはまだ1年経っていませんでしたが)に引き上げたのを最後に横ばいが続く今ではアナウンスメントをむしろ減殺する効果があるんじゃないのとか、(3)は次に出てくる副作用とバッティングしてるんじゃないのとか。

「副作用」については、(1)は頼むから中央銀行の意思決定機関で経済学のジャーゴンをそれ以外の意味で使わないでくれ(で、それ以外の意味として信用力に欠ける資金調達者であっても資金調達に苦労しないことを副作用だといってるんだろうけどそれなら効果の(3)とバッティングしてるねぇ)とか、(2)は何が言いたいのかよくわからんけど価格決定(=金融機関の信用力に応じた金利設定)の話だったら効果の(3)とバッティングしてるねぇとか、(3)は目標残高の上げ下げと金利の上げ下げとの間で機動性の差があると信じる理由も言えよ(国債保有残高に日銀券発行残高というキャップをはめているから残高を上げる余地が少ないからですかああそうですかそれは自分で勝手に決めたキャップですよねぇ)とか、(4)はどーせ低金利だから国債費が安上がりになるので歳出削減努力and/or歳出増加努力のインセンティブが働かないってことだろうけど絶対に削れない固定費ってのはあるんだから(国債費が典型だけど)急激な金利上昇の方がかえって歳出の野放図な増加につながるんじゃないのとか。

で、当預残高目標引下げですが、こんなことを言わせちゃ、何のために量的緩和政策の解除条件を明確化したのかわからなくなるでしょうに。目標維持を主張した「複数の委員」にしても、景気が微妙であることを維持の理由に挙げていますが、解除条件を見れば、景気は悪ければ条件を満たしてもなお継続するとの留保に過ぎないわけでして、よければ解除していいんだというものでは決してなく、解除すべきかどうかはあくまで物価及びその見通しに依存することをどう考えているのでしょうか。

これでは彼(女)らは、景気が好調であれば物価がどうであっても解除してもかまわない、ということを言っているようにしか思えません。だいたい、あなた方の景気判断については、景気が回復したと判断してゼロ金利を解除した前科がありますからねぇ・・・。あの解除条件には言いたいことはあるのですが、せめて決めたことぐらいは守ってくださいよ・・・。

これに比べ、政府側出席者は、今で満足しちゃダメだ、もっと努力しろ、とまともなことをいっていたので、それも紹介しておきます。まあ、財務省出席者については、「これから緊縮財政やりますんでその分金融政策でよろしく」っていう下心がないとも限らないですけれど(笑)。

現在の民間需要主導の景気回復を持続的なものとしていくためには、今後とも金融政策の役割が重要であると考えている。こうした観点から、緩和的な金融環境が継続するとの期待が将来に亘り維持されるよう、新たな工夫の検討を行って頂きたいと考えている。(財務省出席者)

デフレ克服には、結果としてマネーサプライが増加することが不可欠であることから、効果的な資金供給に繋がるような措置も含め、さらに実効性ある金融政策運営を行って頂きたい。また、金融政策運営に関する透明性の一段の向上に努める中で、デフレ克服までの道筋を明確に示して頂くことを期待している。(内閣府出席者)

#本エントリ中の引用部における強調はすべてwebmasterによります。

[economy][game]まんきうのげゑむ:ケネディ/ジョンソンに勝った!!

きっかけは、アイゼンハワーに勝ったことでした。

  • スコア 94.35
  • 平均実質GDP成長率 4.28%
  • 平均失業率 5.85%
  • 平均インフレ率 2.61%
  • 平均財政赤字 -5.25%

当然、勝負を決めたのは運だったのですが(笑)、基本的な政策運営方針は次のようなものでした。

先にラフな分析をしたとおり、フィリップスカーブは成立していないと考えて差し支えない(=インフレ率を低くしたからといって、失業率が高くなるという弊害が生じるとは限らない)一方で、インフレ率は低い方がスコアがよくなりますので、基本的にインフレ率は低ければ低いほどいいわけです。

他方で、スコアが高めに出るときは、いいイベントが起きて/悪いイベントが起こらずGDPが成長し続け(オークン法則は傾向としては成立していますので、これに伴い失業率も低い状態が続きます)、インフレギャップが継続的に存在するような状況ですから、多くの年において対インフレ政策を講じる必要があります。

しかし、そのすべてを金融政策で行おうとすると、マネタリーベースを引き下げ続けなければならなくなり(webmasterの上記以外の例では、最後の2年間マネタリーベースの伸び率を0%で据え置いたというケースもありました)、その結果民間投資が極端に落ち込んでGDP成長率が伸びなくなるので、「低成長・低失業率・低インフレ」というどこぞの政権が理想像として持っていそうな(笑)数字になってしまいます。

ということで、「財政政策でインフレ率をコントロールせよ」という恐ろしい命題ができあがります(笑)。継続的に存在したインフレギャップを財政支出削減で吸収し続けた(最後の2年間など、財政支出を対GDP比10%(下限)にしてもインフレギャップが吸収できなかったので、税率を22%に上げることまでしました)結果が、上記の「高成長・低失業率・低インフレ・莫大な財政黒字」につながったわけです。ちなみに、任期16年中は一回たりとも金融政策は行いませんでした。

・・・ん? なら、超財政緊縮+超金融緩和で意図的にそうした状況を作り出せばいいんじゃないだろうか、と思いついて何回かやってみたところ、出ました!

  • スコア 99.43(1位!)
  • 平均実質GDP成長率 4.87%
  • 平均失業率 5.87%
  • 平均インフレ率 1.21%
  • 平均財政赤字 -18.13%

具体的なやり方としては、まず、最初の数年はマネタリーベース伸び率を15%にキープする一方で、財政支出を10%に引き下げ、税率を30%に上げることにより、速やかにディスインフレ下で実質金利を-10%以下に誘導します。そのうちGDPが回復してきますので、あとは、なるべくインフレギャップを発生させないよう金融政策を運営していくというものです。このポリシーミックスは非常に高い確率で高得点がねらえるもので、イベント運にもよりますが、なれてくれば平均点が90点台に乗ります。

ただ、実際にはこんなうまい話はないよなぁ、というのがよくわかるのが金利です。1位になったときなど、最後の4年間の金利は実質で-25%以下、名目でも-25%前後でした。これは名目金利の非負制約がないゲーム世界限定の最適ポリシーミックスの結果でして、現実の経済運営であれば、これだけの経済成長を支える投資増をもたらす低実質金利は、インフレを伴わずに現出させ得ないのはいうまでもありません(実質金利が-25%になるということは、名目金利をゼロ金利にしてもインフレ率25%を必要とするわけですから)。

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]
鰻谷 (2005-01-26 10:25)

決定会合議事録につっこみを入れるのは反則でしょう。(笑)
少なくとも議事録を見る限りにおいて、意見表明の場であっても議論の場ではなさそうだし、「効果」と「副作用」議論の整合性なんて、言っている人間が違う(と思われる)から無くて当然かと。。。。。。ぁぁ鬱。

そもそも当預残高目標引上げという、長期国債買い切り等の直接日銀の腹の痛まない方法で金融緩和圧力を誤魔化してきたことが問題なんじゃないでしょうか。
量的緩和という手法自体を否定するわけではありませんが、惰性で30とか35兆とかまで引き上げても、直接的には金融緩和にはならないことを分かっててやってきたわけですから。
今、残高目標の維持が問題になってきているのは、オペが思ったように出来ないというあくまでテクニカルな問題ですから、単にもっと長いところを買い切って行くとか、ちゃんと「工夫」していって欲しいもんです。

svnseeds (2005-01-27 00:01)

99.43!すごすぎです。しかし実質金利が-25%の世界っていったい。投資家天国ですな。アニマルスピリット万歳。

しかしこの期に及んで(連中からしたらこの期に及んでこそなんでしょうが)出口論議とはなあ。あーあ。鰻谷さんの言うように、単にテクニカルに(現場で)オペがうまくいかないだけで「資金需要がない」って考えてしまう連中の近視眼はなんとかならんもんでしょうかねえ。マネーサプライの伸びが問題なのに、金利といえば金利だけ、量といえば量だけしか見てない。悪しき現場主義の典型ですなあ。

bewaad (2005-01-27 06:21)

>鰻谷さま、svnseedsさま
しかし、これがわが国の中央銀行における意思決定の実際なわけで(笑)。個人的に最近よくわからないのが、福井総裁に対する野口先生の高い評価で、好意的に考えれば戦略的なポジショントークなんでしょうけれど、あとあと東谷氏に「一貫性がない」と低格付けを食らわなければいいなぁと(笑)。


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