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2005-01-29
■ [economy][politics][BOJ]国会における経済論戦
「男子の本懐」
昭和の初期、厳しい経済財政政策を断行するとともに、ロンドン軍縮条約を結んだ濱口雄幸首相は、軍部や官僚、経済界の強い抵抗や介入の中、不退転の覚悟で自らの責務を果たすことができれば、たとえ国家のために斃(たお)れても本懐であるとの決意で難局に臨みました。
野田議員は冒頭、24日の衆院本会議での岡田克也代表の再質問や小宮山議員の質問に対する小泉首相の答弁姿勢をめぐって「施政方針演説の結びでは濱口雄幸にあやかりながら決意を表明したが、その資格はない」と断じ、暴漢に襲われ術後の経過が最悪だったにもかかわらず国会に臨み、命をかけて首相としての説明責任を果たしたのが濱口首相だったとした上で、「逃げて、ぼかして、開き直るあなたとは違う」と厳しい口調で指摘した。
そんなことより、どんなに命がけの主張であっても、中身が間違っていたらかえって有害だということを指摘してほしいものです(どのあたりが有害かは、以前紹介した、中村宗悦「経済失政はなぜ繰り返すのか」をご覧いただければ)。
ところで、同じ質問において、「室伏選手は砲丸投げのゴールドメダリストだが、首相は丸投げのゴールドメダリストだ」として、「リーダーシップの下に断固たる決断に基づいて行ったと胸を張れるか」としてそのビジョンを質した
らしいのですが・・・ハンマー投げでしょ(笑)。
「財政の健全性」
日経の報道によりますと、
「金利も上がって、円安になってもいいはずだが、現実の経済はなかなか理論通りにいかないということの表れだ」。小泉純一郎首相は27日の衆院予算委員会で、債券・為替相場の現状をこう分析した。
質問したのは1999年に首相がつくった「郵政民営化研究会」のメンバーだった民主党の島聡氏。島氏は「国債を大量に保有している日本郵政公社が民営化後に国債保有量を減らせば、長期金利の上昇につながりかねない」との趣旨でただした。
首相は「財政が今よりも不健全だったら国債は暴落する。今の状況でこれだけ大量の国債を発行したら、普通の常識的な経済・金融理論ならもっと金利が上がって、もっと円安(ドル高)になってもよいはずだ」などと強調した。
そのうえで「ところが歴史的な超低金利で、これだけ財政状況が悪いのに円安どころか円高を心配する状況だ」と解説。だからこそ財政の健全化に取り組み、郵政民営化を直ちに進める必要がある、との趣旨で締めくくった。
質問はしょーもないものですが(民営化後の公社が保有残高を減らすために国債を売りに出すとして、ファンダメンタルズから導かれる金利より高金利(=低価格)となれば、似通った商品特性を有する他の資産との裁定が働き、国債買い・他の資産売りという取引が行われるので、結局は元の金利水準に戻ります。つまり、ファンダメンタルズが問題なのであって、公社の国債放出=需給バランスの変化は、一時的な市場撹乱要因にしか過ぎません。まあ、公社の国債放出が一種のレジーム転換として機能する−将来見通しが一斉に悲観的になるという期待の変化それ自体がファンダメンタルズを変える−可能性は認めますが)、総理の答えは、実は掘り下げがいがあります。
財政と物価との関係について、FTPL(Fiscal Theory of Price Level, 物価水準の財政理論)という仮説があります。その含意を誤解を恐れず単純化しますと、次の式で表されます。
物価水準=政府が支払うべき金額/政府の支払能力
総理が言う、財政が不健全になることが金利上昇・円安につながるというメカニズムを考えますと、この式を前提として、政府債務が増加する比率よりも政府の支払能力が増加する比率よりも少ないことを意味します。この場合、分子と分母の比率において分子側が相対的に増加しますので、物価水準の上昇、つまりインフレとなり、これは、実質金利が一定であれば名目金利の上昇につながりますし、購買力平価(厳密には相対的購買力平価で十分)が中長期的に妥当する前提で、円安を引き起こすからです(いわずもがなですが、総理がこうしたメカニズムを頭に描いて答弁をしたとはwebmasterは全く思っていません(笑)。以上記したように、デフレが継続中の今、金利が上がらず円高だっていうのは理論どおりのことであって、理論どおりにいかないことの表れなどではないのですから)。
ただし、FTPLにおいては、現時点のみを考慮するものではなく、将来にわたってのものですから、仮にあるとき国債を大量に発行したとしても、その償還原資が将来の増税等で確保されるのであれば、その分、分母も大きくなりインフレにはなりません。インフレを引き起こすような財政状態とは、将来において増税等を行わないという前提で国債を発行するような状況で、確かにこれは財政が不健全といわれても仕方がないでしょう。逆に財政の健全化とは、将来にわたって見通せる範囲内において、政府債務を削減and/or歳入を増加させ、その埋め合わせをしないということです。
ん? この意味で財政を健全化すれば、先の式の右辺は小さくなりますから、左辺もまた小さくなる、つまりデフレをいっそう進行させることにつながります(インフレにするためのことの逆をやっているわけですから当たり前ですが)。・・・あれっ、総理って施政方針演説で、デフレの克服と経済の活性化を目指し
ていたのでは?
#セクションの趣旨からははずれますので、FTPL自体の妥当性はとりあえず脇に置いています。
「154兆円」
ゼロ金利政策の継続による家計の逸失利益だそうです(岩國哲人議員の質問より)。それを得たりと取り上げて経済失政だと指摘する岩國議員自身については、まあ証券会社出身という彼のバックグラウンドを考えればやむを得ないかな、という面はあります。基本的にファイナンスは名目値の学問ですから。
しかし、日銀総裁が金融緩和は一般的に家計部門に負担をかける
なんてことを言っていてはいかんでしょう(毎日新聞の報道によります)。リフレ派にとっては自明ですが、デフレというのは実質金利(名目金利−インフレ率)が高止まって−先の式でいえば、「インフレ率」の部分がマイナスになるわけですから−貯蓄をしている部門、端的には家計にとって非常にお得な状態であるわけです。そうでなければ、つまり借金をしている方がお得なら、利潤追求をその目的とする民間企業がせっせと借金返済にいそんしだりなどするわけありません。福井総裁は岩國議員と違って物価の番人である中央銀行総裁なのですから、名目と実質の違いを理解していないとすれば職務に不適格ですし、理解していた上でごまかしているなら単なるアジテータです。
・・・あ、だめです、岩國議員弁護しきれません。同じく毎日新聞報道によると、岩国氏は家計部門の減少分154兆円について「あのスーパーや、あの建設会社の救済に使われた」「経済用語では『所得移転』というが、一般用語では『どろぼう』だ」などと批判し、政策転換を求めた
とのこと。いちご経済板にて、ドラ様一刀両断です。利子が増えると付加価値総額(=企業収益+賃金)が増えるんだろう、彼らの頭の中では。(除く対外債権)
しかし、こうしてみると、次の2つのことが言えますね。
- なんだかんだ言って、
金融緩和策の早期解除に慎重な竹中平蔵経済財政担当相も、別の質問への答弁で両氏のやり取りを再び持ち出し、「家計から見ればローン負担も低下した。経済というのはコインの両面。総合的に見なければいけない」と福井総裁を援護した
という竹中大臣(これも毎日新聞によります)は、やはり今の政権の中ではシバキ主義への傾斜というマイナスもありますが、一番まともな経済を見る目をもっているように思います。 - 毎日新聞は経済記事では電波の含有量が多いことをもって一部で有名ですが(笑)、読売、朝日(ただし、ロイター配信)、日経を比べてみると、一番この問題についてポイントを突いた報道振りですね。次点は朝日ですが、ロイター配信なのが難点。読売は毒にも薬にもならないという感じで、日経は・・・
国民所得統計でみると、家計部門が受け取るはずだった金利収入の大部分は、借り入れが多く金利低下の恩恵を受けた企業部門に移ったとみられる
というあたり、やっぱり名目と実質の違いはまったく念頭になさそうです。
#脱線ですが、同日に次のような記事を見ると、かの国がうらやましくあります(ロイター配信ですが、24時間でネットから削除のようですので、リンクは張っておりません)。本来うらやむべき話でもなく、こうしたグローバルスタンダードにこそ従ってほしいものなのですが・・・。
[トロント 27日 ロイター] カナダ中銀のドッジ総裁は、同中銀は、想定された金利の道筋にコミットしておらず、むしろインフレを抑制することや設備のフル稼働に近い状態に経済を維持することに努力を傾けている、と語った。
同総裁は、中銀の金融政策報告書発表後に記者団に対して、「われわれのコミットメントは、2%インフレを目指し、設備のフル稼働に近い状態に経済を維持するという政策目標に対してであり、想定された金利の道筋に対してではない」と述べた。
■ [book][misc]香里奈と山田優のフォトブック
フォトブックってのは、写真集と違って中身を確認して買えるからいいですよね(笑)。webmasterがそれぞれで一番気に入った写真は次のとおりでした(しかし、どちらもページが振られていないので、うまく特定できているかどうか)。
- KARINA:最後から5枚目のわざと画面全体にフレアをかけた写真
- yu:「山田優のB面」の見開きから始まる一連の運転席の写真(あ、ちなみに矢野さんいわく、娘の方はともかく、ママの方は・・・とのことですが、「山田優が山田優であるために」のページ(目分量で半分より少し後ろ)の写真を見ると、大変きれいな方ですよ。)
#ところでリフレ派の有名人(ここでは、書籍の出版を出版社に提案できるような人々を想定しています)の皆様、次の文章(「20才になるということ」より抜粋)を読む限り、webmasterがかつてでっち上げた企画、山田優でトライしてみる価値はあると思うのですが、どなたかいかがでしょう? ジョブスがスカリーを口説いたときのように、「このまま一票を投じ続けるより、日本を変えるチャンスに賭けてみませんか」などと言って・・・。
誕生日から一週間と経たないうちに、ママの一言がきっかけで、初めて一人で選挙に行きました。緊張しました。どこからどうやって投票所に入っていいのか、政党名と候補者名とどっちから書いていいのか、・・・そういう初歩的なことはもちろんだったのですが、「自分が一票入れたことで、何かが変わるかも」という妙な気持ちが、投票所からの帰り道、ザワザワっと襲ってきたんです。その日の夜はテレビに釘付けになって、普段あまり見ないニュースを見てる私がいました。私の入れた人受かってる? あの政党はどうなっちゃうの?・・・とっても気になりましたね。
http://ruitomo.com/~hiroo/ たまに読むと有益な情報があっただけに残念です。 ところでまた煩悩かなあ。奇妙な経済学を読んでいるわけですが、藤井厳喜氏の『国家破産以後の世界』(光文社)ですが、アマゾン書評があまりにも盛り上がっているので読んでいるんですが。日..
●山田優本を買ってしまった。う〜ん、健康できれいなお嬢さんですね。お母さんもきれいな人ですね。でもエッセイ読んだけれども同世代に
yanoさんに加えて、『吉宗』ファン?だったと記憶しているFellow Traverlerさんも、この手の顔立ちがすきそうなnmさん、bewaadさんもファ
ノーガード更新。山田優問題を語りました。
また煩悩の中でもがくように奇妙な経済学を読んでいますが、藤井
あ、途中送信!
で、続き。
藤井厳喜氏の『国家破産以後の世界』(光文社)を読んでいますが、日本の債務超過が1000兆円とかすごいことになっています。
ところで悲惨な日本経済のシナリオを描いた経済本ベストという企画もありかな、と思うこのごろ。
>tanakahidetomiさん
債務超過が1,000兆円って・・・笑うしかないですねぇ。
ところで、ご指摘の企画については、「ベスト」の基準は、これならありそうだ、というものなのか、それとも、お話として面白い、というものなのかにより、ずいぶん方向性が違うのでしょうね(笑)。
山田優嬢が投票にいってこの一票が、という希望をもって投票活動を行う。これってやはり通常の自己利益モデルでは