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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)
2005-02-14
■ [economy]デフレ対応樹形図 reloaded
英-Ranさんのところでいただいたコメントを元に、「男子の本懐派」の大半を「広義デフレ派」に移動させるとともに、TFPを重視する一派はそのままのポジションに残してみました。
デフレ ├まずデフレを止めよ派(最広義リフレ派) │ ├インフレ期待の醸成が必要だよ派(広義リフレ派) │ │ ├インフレ期待の醸成には将来の金融緩和期待が必要だよ派(狭義リフレ派) │ │ │ ├金融政策の主役は日銀だよ派(保守派) │ │ │ │ ├将来のインフレにコミットしさえすればいいんだよ派(原理主義派) │ │ │ │ ├実際に国債買わなきゃ信頼してもらえないよ派(マネタイズ派) │ │ │ │ └銃でもポテトでも買えよ派(合理的期待革命派) │ │ │ ├日銀を財務省がサポートすべきだよ派(穏健派) │ │ │ │ ├金利スワップ等で面倒みて上げようよ派(損失補填派) │ │ │ │ └バカでもわかるのは為替レートだよ派(バカでもできる派) │ │ │ └実は主役は財務省だよ派(過激派) │ │ │ ├チキンは無視して政府紙幣だよ派(独立性否定派) │ │ │ └日銀が損しないために流動資産の強制減価だよ派(復古ゲゼル派) │ │ ├流動性のわなにはまったら金融政策は効きが悪いよ派(弱い財政政策派) │ │ │ ├財政政策はそれ自体に存在意義があるよ派(独立派) │ │ │ │ ├自殺者や失業者は金融政策が効くまで待てないよ派(2ちゃんねる派) │ │ │ │ └バーナンキ背理法は財政政策の実施がコアだよ派(FTPL派) │ │ │ └有効な財政政策は有効だよ派(循環派) │ │ │ ├不良債権処理→貸出増加にはミクロ的基礎付けがあるよ派(毒舌派) │ │ │ └民間需要増加につながるものをやるべきだよ派(抽象派) │ │ └名目金利上昇で期待インフレ率は上がるよ派(フィッシャー方程式遍在派) │ ├構造改革でTFPを上げて潜在成長率を上げなきゃだめだよ派(RBC流男子の本懐派) │ │ ├イノヴェーションが足りないんだよ派(創造的破壊派) │ │ └追い貸しをやめさせれば資源が必要なところに回るよ派(ゾンビ退治派) │ └デフレギャップを埋めることが大事だよ派(強い財政政策派) │ ├財政政策の副作用防止にはシニョレッジが必要だよ派(コラム派) │ └世界恐慌は結局は戦争でしか解決できなかったんだよ派(世界史教科書派) └インフレにする必要はないよ派(広義デフレ派) ├デフレも問題だけどインフレも問題だよ派(反インフレ派) │ ├デフレでもインフレでもない状態がベストだよ派(ゼロインフレ派) │ ├インフレになったら名目金利も上がっちゃうよ派(金利懸念派) │ │ ├国債費が増えて財政が破綻しちゃうよ派(絶対財政派) │ │ └保有国債が減価して銀行等が破綻しちゃうよ派(ALM否定派) │ └無茶するとハイパーインフレになっちゃうよ派(両極端派) │ ├オイルショックの時は本当に苦労したんだよ派(懲羮吹韲派) │ ├そう主張した方が売れ行きがいいんだよ派(商売派) │ └マネタイズ禁止は神聖不可侵で破ればたたられるよ派(絶対日銀派) ├デフレ脱却より構造改革が大事なんだよ派(元祖男子の本懐派) │ ├明日伸びんがため今日は縮むよ派(旧ライオン派) │ ├景気が回復したら構造改革する意欲がなくなっちゃうよ派(新ライオン派) │ ├企業はリストラしてるよ国もリストラだよ派(ミクロ・マクロ二位一体派) │ └抵抗勢力の不当利得を剥奪しなきゃだめだよ派(国内陰謀論派) ├デフレは止められないよ派(宿命派) │ ├中国等の低賃金諸国からの輸入がデフレの原因だよ派(外生派) │ ├財政・金融政策ともに限界だから天命に身を委ねるべきだよ派(老荘派) │ ├少子高齢化で将来は需要が落ち込むから仕方がないよ派(閉鎖経済派) │ ├需要が飽和したから供給力の伸びに応じて物価は下落するよ派(清貧派) │ └アメリカが日本をデフレにしたがっているんだよ派(国際陰謀論派) │ ├アメリカは一定程度以上の円安を認めないよ派(貿易摩擦派) │ └アメリカは日本の資産を買い叩きたいんだよ派(ハゲタカ派) └むしろデフレがいいんだよ派(狭義デフレ派) ├とにかく円は強ければ強いほどいいんだよ派(前総裁派) ├短期金融市場が死ぬよりはデフレのままでいいんだよ派(だだちゃ豆派) ├デフレは高すぎた物価水準の解消過程なんだよ派(物価調整派) └私の所得は安定してるから物価は下がった方がいいんだよ派(選民派)
#「懲羮吹韲派」の「韲」(なます)には、正確にはくさかんむりがつきます。
■ [law][economy]法学の考え方と経済学の考え方
「後日談」(@断片的日乗1/29付)にて、次のようなご指摘をいただきました。
「おおやにき」の「大屋先生ほど「法」というものに愛情を持っていません(笑)」のリンクをたどってbewaad氏の日記を読んだ。よく整備されていて、「経済学的思考」の啓蒙活動として優れていると感じた。それに対して、法学あるいは法哲学の啓蒙活動にはどうしてもある種の「倒錯」が避けられない、というのが、私にとっても実感である(樋口陽一の「批判的峻別論」の話を想起する)。それが経済学と法学の体系性の格差によるものなのか、法の権威の独特の「歪み」によるものなのか、あるいは別の事情によるのか、よくわからない。
一応専門のバックグラウンドは法学(法学部卒ですので)であるwebmasterにかかる評価をいただいたことを喜ぶべきなのか悲しむべきなのかは微妙に迷うところですが(笑)、ご指摘の点について、徒然なるままに一時キーボードにむかひて、心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、次のようなことがあり得るのではないかと思います。
- なによりも、よこはまさんにとって経済学が専門外なので甘く採点していただいたのではないかという気がしてなりません。lawカテゴリでは法にまつわるテーマについてあれこれ書いていますが、economyカテゴリのそれと書き手としては違う姿勢で接しているわけではありませんし。要すれば優れていないのではないかということですが(笑。"Truth is in the eye of the beholder."ということです)。
- 高度なことももれなく書こうとすればどうしても敷居が高くならざるを得ませんが、webmasterが当ページで書いていることは、よく言われる言い方を使えば「ニュートン力学レベルの経済学」(にすら達していないという批判はこの文脈では見逃してくださいお願いします)ですので、とりあえずわかりやすい話が多いということがあります(ただしこのレベルでも、「『首都高は高い金取っているくせに混んでいてけしからん値下げしろ』なんてのは間違っていて、もっと高い金を取れば使う人が減って空くようになる」といった「世間の常識」に逆らうような話もあるので、たまたまそうしたテーマを扱うことがなかった、ということもあります)。法学系でそのレベルというと、どうしても法律相談的なものになってしまいがちな傾向はあるのかもしれません。
- 法は実際に生じている紛争を解決することを使命の一つとしていますから、理屈はどうであれ当事者が納得すればよし、という側面がなきにしもあらずで、その意味で普遍的な価値体系だけでなく、その法が適用される集団において共有される個別の価値観を反映せざるを得ない側面があり、それが「啓蒙」の存在意義にオブジェクションを提示しているようにも思います(かつて
法廷に関してどれが信頼性が高いかを判断するのは、一般の正義感覚であり、法学者に独占されるものではない。法学者もこの感覚に基づいて判断するのであり、また一般の判断を大むね正当化するやうに理論化する事が求められるのであり、法学がそれを権威付けるわけではない
とおおやにきで田島先生がコメントされていたがごとくにです)。
■ [politics][government]民間における政策形成
「福井秀夫「官の詭弁学−誰が規制を変えたくないのか」」(@吐息の日々〜労働日誌〜2/8付)で当サイトをリファーしていただきました。気付いていたのですが、そこでのご指摘どおり対象となるテキストが未完でして、完結させてからコメントさせていただこうと思っていたものの、それではいつになるかわからないのでここでいったん触れておこうと思います。非体系的ですが、とりとめなく気づきの点を。
官のサイドにも言い分はあるわけで、そのひとつがまさに竹中氏のいう「永田町や霞が関で仕事したことがない人はそこが分かっていない」という点にあるようです
というご指摘ですが、わかっていないこと自体は当然だと思います。問題視したいのは、むしろ規制改革の実現そのものよりも、論破することが目的になっているのではないかという点です。例えば営業するときに、交渉相手が「商品の良さはそのとおりだと思うのですが、どうしても上司がうんと言わなくて」と行ったときに、上司の悪口を言っても始まらないわけで、如何にその上司にうんと言わせるかをその相手と一緒に考えるべきでしょう。様々な議会プロセス等をどうするかはそれこそ官僚の領分であって、官僚をその気にさせればそこは官僚がベストを尽くすべきなのですから。ここで登場している福井秀夫氏も八代尚宏氏も、竹中氏のいう「永田町や霞が関で仕事したことがない人」ではなく、むしろ「一度政府に入った専門家が外に出て活躍」に該当するわけですから、それは十分にご承知のうえなのではないかと思います
というご指摘ですが、そうした人の多く(そして福井さんも八代さんもそうではないかと察するのですが)は、この手の手続を批判するのではなく否定する傾向があるように思います。現に存在するものを否定してもしかたがないとwebmasterは思うのですが。- (その前日のエントリになりますが)
政府の仕事をした人が優遇に値するなら、実力主義のこの世界、とっくにそうなっているのが普通なのではないでしょうか
というご指摘ですが、上記の「官僚の領分」に属する密教的スキルは、霞が関・永田町でしか存在価値がないので金にならなくても仕方がないと思います(例えば産業再生機構については、そこに外資系金融機関等から転じた人には、その後のキャリアアップを視野に入れているのだ、という指摘もありますから、それが正しいとすれば、金になるスキルはやっぱり金になるようです)。 - (これも前日のエントリ関連ですが)竹中大臣のコメントは、相当程度自己正当化が入っている(笑)のであまり誠実に受け止める必要もないかと思います。偉そうなこと言うけどあなたが大臣になる前に行っていた提言のレベルはどうなのよとか、政策のアイデアとやらは自画自賛で、それに対置される民間の提言の中にも立派な対案となれるものはあるのに十把一絡げに切り捨てるのは逃げだろうとか、募集したけど来ないって小泉改革自体に魅力がないのではと一度自問すべきじゃないのとか。
#関連する議論を「共有地の喜劇」(第7幕以降)でかつてしたことがあるので、ご関心をお持ちいただいた方にご覧いただければと思い、紹介しておきます。
■ [sports]宮里藍、すごいですねぇ
ワールドカップ女子ゴルフ優勝、北田もがんばりましたが、やはり宮里の活躍の賜物でした。本当に脱帽モノです。
2月7日、2月8日のエントリについて、Bewaad Institute@Kasumigasekiさんからコメントとトラックバックをいただきました。。 http://bewaad.com/20050214.html#p03 私の感想とあわせてご紹介したいと思います。なお、以下の引用は私が勝手に一部省略、フォーマット変更して..
bewaadさんの日記の中の記事(「法学の考え方と経済学の考え方」http://bewaad.com/20050214.html#p02)で、1月29日付の日記にコメントをいただいた。無粋であることを承知で(罪深い)、「経済学」と「法学」の体系性の格差について、いくつかお答えしたいと思う。
...
「ニュートン力学レベルの経済学」という表現には、現在の経済学が、相対性理論や量子力学のレベルに達しているという暗黙の主張が感じられるが、私に言わせれば、現在の経済学の大部分は、ニュートン力学以前のレベルである。