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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

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2005-02-16

[economy]今朝のドラめもん

というページを偶然見つけたのですが(ドラ様(ドラエモン)の誤記ではありません)、これがなかなかおもしろいです。「債券ディーラーメモ」と題されていますから、マーケット関係者の方が執筆されているかと思うのですが、結構日銀やそのサポーターに対して辛辣な指摘があるかと思えば、非リフレ派(アンチリフレ派にあらず)の観点からリフレ派に対してもなるほどと思わざるを得ないコメントをされているところもあり、読み応え十分です。例を挙げれば、2/14付「お題「当座預金残高問題とゼロインフレ問題」」における次のようなコメントです。

所謂「リフレ派」といわれる人たちが具体的な施策について言及する場合、大体「日銀は長期国債をドンドン買いなさい」と言いますわな。で、目標インフレが達成されて、尚インフレが高進(ママ)しそうになった場合はそれまで購入した保有長期国債の売却を行ってマネーを吸収すれば良いという風に処方箋を書く訳なんですが、須田審議委員はこの点に関しても批判的なのではないかと思わせる部分であります。まぁあたくしも所謂「リフレ派」の言ってる事って「実際にその通りに出来れば結構な政策だ」とは思うのですが、具体的処方箋が「そりゃ実際にやったらマズイんじゃネーノ」って所(例えば上記の施策だと、マネーの供給・吸収に伴って債券市場の需給が大きくぶれることによって長期金利が無茶苦茶に乱高下するリスクが高いんじゃねぇかと。所謂「リフレ派」の方に言わせると「期待が安定化するから市場の変動が小さくなる」というんですが、そりゃちょっと違いわせんかねぇと思うのですが)ですわな。

実際、ポール・ボルカーがFRB議長になった際(1979-08-06以降)にマネーサプライコントロールを試みて金利を乱高下させたという歴史的事実もありますし、やっぱり金利がいたずらにぶれることは避けるべきですし、まして長期金利は振れ幅が大きくなりがちですから(日銀の公式見解は「長期金利は操作不能」です)、もっともな懸念かと思います。

こうした「筋のいい懸念」にはきちんと答えていく(あ、一応現段階でのリフレ派的な回答は、買い切った長期国債の放出のみで資金吸収をするのではなく、準備率の引上げや日銀手形の売出し等と組み合わせて国債の需給バランスには極力中立を保つ、というものになると思います)ことで、このドラめもんさんのような、好意的中立といいますか、どこか心配がぬぐえないという方々を取り込んでいくことは、リフレ政策の認知度上昇の観点からはとても意義のあることだと思います。

#webmasterと馬車馬さんの議論もフォローしていただいていたようですから(今年の1/6の記事参照)、このエントリもご覧いただけるといいのですが。

金融政策関連のトピックを以上紹介しましたが、他の話題もいろいろと取り上げられています(例えば、webmasterが思わず頷いてしまったのは、今や経済産業省をさしおいて産業政策の雄と化した感のある金融庁の行政スタンスへの批判です)。ぜひ一度ご覧いただければ。

[politics][government]経済財政諮問会議のゆかいな仲間たち

引き続きドラめもんさんの記事から。2/2には次のようなテキストが。

この「経済財政諮問会議」の議事要旨は毎回毎回見て楽しめる内容になっております。あたくしも人から読むのを勧められたクチなんですが、結構面白いです。特に麻生総務大臣のコメントは何というか本質的な問題提起というか突っ込みというか、実にいい味を出しておりまして、あたくしはこの会議録を読んでいるうちに麻生さんのファンになりつつある今日この頃でございます。議事要旨に関しても面白いのがあったらいずれご紹介致します。

他方、当サイトを嫌悪されているであろう(笑)本石町日記でも、12/21のエントリにおいて次のような指摘がなされています。

まとな人⇒麻生氏、細田氏。特に、麻生議員の発言は議事録を読むべき。感動する。日銀総裁になればいいのに、と思ってしまう。

#細田氏というのは官房長官です。為念。

というわけで一部でフリークを獲得しつつある麻生総務大臣ですが、霞が関から見た場合の評価を申し上げれば、インテリ受けするエスタブリッシュメントということかと思います。吉田茂の孫ですし(更に言えば大久保利通の玄孫、三笠宮殿下の義兄)、スタンフォード大やロンドン大に留学して会社社長を務め、さらにはオリンピック出場経験もあるという、官僚など及びもつかない(笑)エリート中のエリートですから、帝王学をたたき込まれているのでしょう、きちんと自分の言葉で語ることのできる政治家です。

#マンガオタですが(笑)。

他方でそうした経歴が災いしてか、脇が甘いところがあることもまた否めません。最も有名な事例は、魚住昭「野中広務 差別と権力」で明らかにされた「野中のような部落出身者を日本の総理にはできないわなあ」発言(ちなみに同書は、多くの人に読んでもらいたいとwebmasterが思う本です)でしょうけれど、自分の言葉を他人が聞いたときにどう受け止めるかについて鈍感といいますか、悪い方に解釈されることに無頓着であるように思います。そうした無防備さが人を引きつける側面もあるので功罪相半ばするのでしょうけれども。

なお、若干話は変わりますが、経済財政諮問会議自体については、先に触れた本石町日記のエントリにおいて、次のように書かれていることに全く同意です。

問題点⇒これがフィクションではないこと。公開されてしまったこと。政府のデットIRとしては究極だが、これが世界に知られたら、JGBがジャンクであることがばれる。金は国内で回るから当面は大丈夫だが…。

あるエコノミストの感想。「公開した事務方の勇気に脱帽する」

少し前にコメントさせていただいた労務屋さんのエントリで引用されている竹中大臣の発言、「日本のシンクタンクではマーケットウオッチャーがたまたまアルバイトみたいに政策を論評しているだけで、本当の意味のポリシーウオッチャーがいないんですね。経済財政諮問会議も日銀の政策決定会合も議事要旨を公表しますが、政策を追っている人で全部読む人、ほとんどいないんじゃないですか」は正気を疑います。諮問会議の議事要旨など、全部読まれたら如何に低レベルな議論に基づいて政策決定をしているかがばれてしまうのですから(笑)。

#経済社会総合研究所の浜田前所長が、所長を退任する直前の経済財政諮問会議が終わったときに、その議論のあまりのレベルの低さへの鬱屈がたまっていたので、わざと物音をけたたましくしてあてこすったという趣旨の報道をどこかで見たような気がするのですが、ネットでは探し切れませんでした(記憶違いの可能性もあることはお断りしておきます)。

webmasterとしては、せめて吉川先生にはもう少しまともな意見を期待したいのですが、ともかくそんなレベルの諮問会議がそれなりの権威を持っているように受け止められているのは、ひとえに竹中大臣が御神輿として担いでいるからです。散漫な議論の中から苦労して結論をとりまとめ(でっち上げているとも言えますが(笑)。今はともかく、就任当初に彼が他の大臣や自民党に対して振りかざせる武器は諮問会議しかなかったからそうしたのであって、別にあの会議に愛着があるとは思えませんけれども)、決定事項を積み上げていく彼がいなくなった後に諮問会議がその権威を維持できるかどうかは、竹中大臣の後任がどこまで同じような努力をさじを投げずに続けられるかに係っていると言えます。

[computer][book]児玉公信「UMLモデリングの本質」

読了はしましたが、まだwebmasterはこの本を読むステージに達していなかったなぁ、というのが正直な感想です。UMLの基本的な知識が身になっていないので、すんなりと頭の中に内容がしみこんでいきませんでした(英文を読むにはある程度の量のボキャブラリが必要ということと同じですね)。経験則上、こういうときには基礎知識をたたき込んだ後で再読すべし、ということになりますので、実は畏友からこの本の次にはマーチン・ファウラー「アナリシスパターン」を読めと薦められていたのですが、その前に「OMG認定 UML技術者資格試験対策問題集ファンダメンタル」とか「合格Expert UMLモデリング技能認定試験入門レベル(L1)対応問題集」「UMLモデリング教科書 UMLモデリングL1(T1・T2対応)」 といったあたりをこなしておこうと考えています。

#でも今は「終戦のローレライ」に入ったので、その後。

でも、この本を読んだおかげで、梅津信幸「あなたはコンピュータを理解していますか?」を読み返そうと思いました(特に第3章)。webmasterには、まだまだこの分野では行きつ戻りつしながら一定レベルの素養をため込むことが求められるようです。

[economy][book]黒田東彦「通貨の興亡」

ぱらぱらと立ち読み。アジア共通通貨と聞いたときには「財務官まで上り詰めた人間が最適通貨圏理論も知らないなんて」と思ったのですが、そこはさすがにバカにしすぎというもので、きちんと知った上で、今後資本移動や労働移動障壁を除去していくことにより将来的にアジア地域が最適通貨圏となった暁には共通通貨としようという提言でした。そんなのできやしないとwebmasterは思うのですが、そこは見解の相違というもので。

一番の印象は、マッキノン・大野流の円高シンドロームの実在が行間に記されているのではないか、というものです(もちろん明記はされていませんが)。なんでアジア共通通貨なんて色物を持ち出すのかと言えば、そこから抜け出すための手段としてということ。アメリカからの「ビナイン・ネグレクトは許さん」なんて働きかけ(=ファンダメンタルズが円安トレンドを形成するとき、そのトレンドが逆転するよう金融引締め等を求められる)は、彼ら通貨マフィアの間ではよくあることなのでしょうか? そうした実体験に基づき、アジア共通通貨の方が円よりも対ドルにおいてよりクリーンな(政策介入の少ない)変動相場が形成可能だという理解に至ったのではないかという疑いがわいてきます(根拠のない陰謀論ではありますが)。もしそれが本当なら、アジア共通通貨よりは国際円と国内円の二重通貨制を導入した方がベターなような気がwebmasterはするのですが。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
yama (2005-02-16 13:24)

http://hotwired.goo.ne.jp/altbiz/noguchi/040316/textonly.html

浜田先生ブチ切れが読めるのはここだと思います。

bewaad (2005-02-17 05:18)

確認しました。ご教示ありがとうございました>yamaさん。

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以前、ちょっと時間ができたら東アジア共同体の問題について触れると約束したので、まず比較的自分のフィールドに近いところから。 2月16日のbewaadさんのコメントを見て興味を引かれ、黒田東彦『通貨の興亡』を購入してざっと読んでみて抱いた疑問。 黒田氏がアジア共通..


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