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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)
2005-02-19
■ [economy][history]愚者は経験に学び、賢者は・・・
(インタビュアー)私たちは今日もまだ大恐慌という戦争と戦っているのですか。
(フリードマン)そうです。ある意味で私たちは未だに大恐慌という戦争と戦っているのです。新たな大恐慌が起きること、これは誰もが一番心配していることです。さらに私たちは歴史から学んでいます。ただ、日本で今日起きていることを考えると、これはちょっと疑わしいですが(笑)。
from R.E.パーカー「大恐慌を見た経済学者11人はどう生きたか」 via A.R.N.(2/17)
#強調は引用元によります。
■ [economy][BOJ]総裁記者会見要旨(2月17日)の行間に見る今後の当預残高目標の行方
まずは次のやりとりから。
(問)先程、30〜35兆円、中心33兆円という大きなボリュームに政策の目標を置いているのが今の枠組みだとおっしゃったが、たまたま、下回った時あるいは政策判断で引き下げた時のいずれにしても、30〜35兆円という目標を資金供給額が下回った時は、それは金融引き締めであると受け止めて良いのか。また、逆に30〜35兆円を維持できないと判断した時に、金融引き締めでないとすると長期国債買入れを増額してまでこれを維持するのかどうかを伺いたい。
(答) 私どもはCPIの前年比変化率が安定的にゼロ%以上になるまで基本的に量的緩和の枠組みを維持しながら超緩和を続けるということを約束しているので、30〜35兆円という具体的な数字の評価と直接絡んでいないと思う。先程申し上げた通り、所要準備額を大幅に上回る、市場として吸収しうるぎりぎりのところを狙いながら緩和を維持しているということが枠組みだと申し上げたので、びた一文狂ったらすぐ引き締めかという法律的な定義のご質問であれば、私は答えようがないとしか言いようがないと思う。
それが証拠にこれまでも度々この席で申し上げている通り、仮に35兆円なら35兆円あるいは中心33兆円ということをコンスタントに供給し続けている場合でも、経済の回復度合いが高まれば実態的な緩和度合いがさらに強まるということを申し上げた。このように一種の相対性原理のように、経済のコンディションと流動性供給の状況との相対関係で緩和度合いというものを判断していかなければならない。量的緩和の難しさはそこにある。従って、数字が1億円あるいは1千億円狂ったらすぐ緩和か、引き締めかというご質問には答えようがない。その時の経済状況と合わせて我々はきちんと判断していくし、そのことに対する市場の反応は正確に出るであろうと考えている。
あれっ? 長期国債買入れについて答えてないじゃない、と思いきや。
(問) 資金供給の手段として、長期国債の買い増しの選択肢はないのかどうか伺いたい。
(答) 当座預金残高目標は維持できると思っているし、現在、長期国債の買入れについては月々1兆2千億円ペースで買い入れを行っているが、この点についても、全く方針の変更はないし、変えるつもりもない。
フォローGJ! しかし、単純に「目標を維持できなくなったら買入額増加するんだな」とは受け止められません。最初の応答を見れば、目標額を引き下げてもそれは引き締めとは限らないと言っているわけですから。
となると、とりあえず長期国債買切オペ額は増やさないことを前提とすると(日銀券発行残高との関係上、月1.2兆はテクニカルな制約によりサステインナブルな上限と考えられますので)、考えられる将来シナリオは、須田委員流の「目標を維持したまま未達を許容する」パターンではなく、「目標そのものを引き下げる(けどそれは引き締めじゃないよと説明する)」パターンでしょう(やはり日銀は官僚的組織で、過去にテクニカルに供給量が不足すれば長期国債買切オペ額の増額で対応可能と認めてしまったことを、良くも悪くも須田委員のようになかったことにはできないのではないかと)。とすれば、長期国債買切オペ額の増額なくして今のレンジが維持できなくなれば、レンジ自体を下げる方を選ぶのではないかというのがwebmasterの予測です(そのために予防線を張っていると読めます)。
#目標が達成できない(=オペに失敗する)ということは、日銀職員にとってそれほどまでにつらいのか、とは思います。世間的には須田委員流の方がよほどショックが少ないでしょうに、あえて批判されるリスクが多い手段を選んでまで、オペレーションはテクニカルに問題なく遂行されているのだというプライドを守ろうというのですから、因果なものです。
そうなればなったで、日本経済にとっては不幸なことだとは思いますが、ある意味リフレ派の主張の真偽が試されるいい機会だと思います。多少目標額を下げたところで、短期金利はゼロに張り付いたままでしょうし、長期国債買切オペ額も月1.2兆のままでしょうから、名目変数はほとんど変わらないと思われます。さらには、「今は緩和をしているんだ」という日銀のアナウンスメントも変わらないでしょう。果たして、そんな中でのレジーム転換はどのような効果を有することになるのでしょうか。
#過去の季節要因やら保有(中長期)国債の満期やらを勘案すれば、いつごろに長期国債買切オペの増額なくしては30兆円が維持できなくなるかが予想でき、ひいては目標引下げがいつごろ行われるかも予想可能ではないかと思います。