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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

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2005-05-11

[notice]明日までお待ちください

GW期間中の導入を目指していた代替スタイルシートですが、明日には何とかなりそうです。申し訳ありませんが、今しばらく時間をください。

[politics]安保理常任理事国入り再論

webmasterの悪い癖でいろいろ宿題が積み上がる一方で消化できていないのですが、一つずつ片づけていくしかございませんで、まずは切込隊長さんのエントリのコメント欄で当サイトでの安保理常任理事国入り関連のテキストをご紹介いただいたのをきっかけとして、約束していました「アジアの代表、として」(@ネット樹海の魔窟から5/4付)へのリジョインダーをいたします。

魔窟さんのご主張は、ご自身の骨子を引用させていただきますと次のようなものです。

  1. (拒否権付き)安保理常任理事国になろうがなるまいが(今後も)日本は集られる
  2. であれば、なって(当面)得が無いとしても損は無い(現状と変わらない)
  3. 先のエントリでも少し触れた「中国と対峙せざるを得ない」アジア諸国との関係

第1点については、それをたかられると呼ぶかどうかはさておき(笑)、今後とも経済的なパワーの行使を中心に外交を行っていくであろうことについては、webmasterも異存はありません。

第2点については、機会費用的な考え方、つまりもしそうしなければ代わりに何ができるかを考えると、損はないとか現状と変わらないといったことではないようにwebmasterは思います。というのも、とにかく中国に自爆してもらっては困るわけです。巻き添えを食らうので。また、自爆せずにすんでも、それが反日により中国国内が結束したからという道筋であっても困るわけです。

中国政府に自制を求め、反日教育を改めさせ、といった日本にとって好ましい措置を講じさせるためには、確かに先日のエントリでのコメントにおいてaさんがご主張されるような強硬策という選択肢もありますが、それはリスクがあまりにも高いのではないでしょうか。共産党が日本に屈服したというイメージが中国国内において広まれば、下手をすればより反日的な「民主化」政権が誕生などということにもつながりかねませんし、それを恐れる共産党が窮鼠猫を噛むことだって十分に考えられます。

同エントリへのBaatarismさんによるコメントのように、もちろん交渉としてけっして容易なものではありませんが、残念ながら容易な外交交渉なんてものの方がよほど少ないわけで(ベタ降りするなら別ですが)、そのぐらいは政治家・外務省にがんばってもらうしかありません。

ただ、常任理事国問題はカードとして使いやすいというwebmasterの主張への魔窟さんの次の指摘には異論があります。

これに関しても、日本国内の「常任理事国カード」の価値評価如何に係わらず、先の反日暴動が広く欧米諸国でも報道された事で、国際社会でのメンツとして切って(捨てて)しまう事は「(世界から)屈服に見えてしまい」マイナスです。

まず、他国からどう評価されるかに関して言えば、何をバーターとして獲得するかによります。また、常任理事国は靖国や教科書と違って対国連ですから、屈服にはつながらない理屈を付けることもそれらより遙かに容易です。

そもそも今回の一連の騒動は中国政府の弱みを全世界にさらけ出し、しかもその要因の1つが常任理事国問題であることは周知の事実なので(例えばThe Economistの"Unrest that riles Tokyo and worries Beijing""China and Japan, Managing unrest"などの観測によります。リンクはそれぞれ〜「Nishitatsu1234の帝国」〜での邦訳です)、日本の優位は見る人が見れば明らかです。弱者である中国政府の窮地にきちんと見返りを確保しつつ手を貸したという評価こそあれ、屈服と見る向きはほとんどないでしょう。

第3点については、現に日本はアジアの代表として世界で認められています。しょせん外交は国力がものをいう分野ですから、アジアで現に国力が頭抜けている大国日本を無視しては、(東)アジア問題は語れません。例えば朝鮮半島問題で6ヶ国と言えば絶対に日本が入りますし、カンボジアの再建だって日本の貢献なくしては動かなかったわけです。これは、日本が安保理常任理事国になろうとなるまいと同じことです。

むしろこの問題で気をつけなければいけないのは、大国の上をいく超大国、要すればアメリカの意向です。EAECやAMFをめぐるアメリカの一連の動きを見れば、アメリカから距離を置くがごとき日本の動きは、必ずやアメリカの警戒感を招くであろうことは容易に想像がつきます。アメリカと同調的に対中国でアジア諸国を代表するのであれば独自の常任理事国ポストは不可欠ではありませんし、常任理事国ポストを用いて非同調的に代表しようとするなら、そのコストは極めて高くつくことでしょう。以上から、アジアを代表するために常任理事国になる必要があるとはwembasterには思えません。

逆説的ではありますが、もし中国共産党の威信が揺るぎないのであれば、安心して安保理常任理事国入りを目指せるとも言えます。不安定な中国をどのようにソフトランディングさせるか、その難事に取り組む際、常任理事国カードはその活用を考えずにすませるにはあまりにももったいないのではないのでしょうか。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 中国の反日運動と経済見通し
  2. 「もしも私がかの国の官僚だったなら。」(@梶ピエールの備忘録。4/15付)
  3. 日米関係と日中関係
  4. 安保理常任理事国入りを目指すべからざる理由
  5. 佐藤優×福田和也対談@月刊現代2005.6号

[science]「科学常識チェック」のチェック

先日のエントリで取り上げた科学常識チェックですが、次のような興味深い指摘を鹿野司さんがなされています

こうしてみると、この設問は、科学の常識を問うものとは、ちょっと毛色の違うものなんじゃないかという気がする。

そういうことより、創造説と進化論ではどちらが正しいかみたいな、もっと一般常識的なところを問うているような気がする。

どこまでが一般常識でどこからが専門に踏み込んだ常識なのかと問われますと、ちょっと悩んでしまいます。法学や経済学で考えてみれば、科学常識チェックで問われているようなレベルの設問は、明らかに専門に踏み込んだ領域に属するものであると社会的には認知されているようにwebmasterには思えます。

であるなら、もし同じような国際比較を(法学は法体系ごとに違いが大きいですから)経済学でやったとしたらどうなるか。あまり考えたくない結果が予想されるのですが・・・。国際比較としてはともかく、国内の相対比較としては科学はやはり層が厚いといいますか、文部科学省も他の分野をチェックしてみた方がいいのではという気も。

ちなみに、あわせて鹿野さんがご紹介の「あんまり科学的じゃない文科省の「科学常識チェック」」、及びその続編となる「科学知識とメディアリテラシー」(@幻影随想5/2、5/8付)では、webmasterが軽々に読売新聞の問題とした事項が実は文部科学省の問題であるとの指摘があり、webmasterの裏取りも浅いものだと反省しました。

他方、これらのエントリでの放射能に関する指摘は、こと英文については弁護の余地があるのではないかと思います。前回webmasterが触れたように、radioactive milkについてはradioactive material(とか、他にもradioactive wastes)という類似の用例がありますから、素人としては日本語における放射能と放射性(物質)の誤用ほどには罪は重くないのではと思います。

また、"All radioactivity is man-made."の方は、そのような能力が人工的に付与されたものであるという文意と解する余地があるのではないでしょうか。

#さて、あこがれの鹿野さん(ちなみに何度か当サイトで触れている、現代は情報量が多すぎて人は狭く深く情報を集め、社会的に共有される情報が少なくなりコミュニケーション不全が起こりがちである、というアイデアも、実はかつて鹿野さんの記事で読んだものです)にtrackbackします!

[politics]警備会社?

イラクでの斎藤昭彦さん拘束事件ですが、彼の所属するHart Security社のことが警備会社として報道されています。しかし、これは明らかに以前webmasterが取り上げた「戦争請負会社」でしょう。こうしたケースについての有益な情報が満載ですから、関係省庁の担当者が同書を紐解いていることを切に望みます。

#ところでこの社名って、やはりリデル・ハートに関係があるのでしょうか? イギリスの会社ですし。

本日のツッコミ(全7件) [ツッコミを入れる]
Baatarism (2005-05-11 12:11)

日本が常任理事国問題で譲歩することで中国が安定するのであればそれも一案かもしれませんが、中国の問題はそれで安定するほど生易しいものだとは思えません。
そうなると中国は国内を安定させるために歴史や領土の問題で日本に譲歩を迫ることになり、日本としても全ての問題で譲歩をするわけにはいかない以上、反日の解消にはならないと思います。
中国に譲歩や支援をした結果、中国が国際ルールに則り国際的な約束を守る国になるのであれば、それもやる価値はあると思いますが、結局中国は国際ルールよりも国内事情が優先する国ですから、どこかで限界に突き当たると思います。
どうも中国への融和策は、韓国の太陽政策のようになってしまうのではないかという心配があるんですよね。太陽政策が韓国の目論見通りに行っていない理由も、北朝鮮が国内事情のために外交を利用しようとしてることにあるわけですから。

a (2005-05-11 17:53)

 さて、貴君は日本が今後もかわらず永続的に経済大国として存在し、アジアの盟主で有ることを夢想していられるのだろうが、それは確実なものだろうか。経済運営を誤れば、破綻する可能性も秘めていることをもちろん理解されていると思うが、そうなった場合、教科書や靖国が外交カードになると考えているのならばお笑いである。
あれは難癖をつけるために持ち出しているだけだと貴君は理解されていないのだろうか。村上龍が「半島を出よ」で書いている世界が現実になるとは思わないが、常に最悪のケースを想定し権力を得られるときに得るべきだと考える。

平手 緑 (2005-05-11 17:56)

この警備会社はキプロスが本社と一部報道であったんですが、キプロスという国って、どういう位置づけなんですかね?政治・軍事版ケイマン諸島なんかな?裏事情をご存知なら、教えてください。

bewaad (2005-05-12 06:09)

>Baatarismさん
しょせんは思考実験ですので、ご指摘のような可能性も十分にあると思います。さはさりながら、じゃあ強硬策でいいのかといえばそうでもないのではないでしょうか。

あと、太陽政策は単なる融和政策ではないので、日本がとるであろう政策とは比較対照にはなりづらいと思います。

bewaad (2005-05-12 06:16)

>aさん
日本が経済的に行き詰る可能性は否定しませんが、そうなった場合には(中国もまた行き詰っていないとすれば)米中間で小国外交をせざるを得ず、今とは取り得る選択肢が全く異なっていることでしょう。

靖国や教科書は当然難癖である側面はありますが、かの国の国民が難癖ではないと考えているのもまた事実でしょう。

bewaad (2005-05-12 06:19)

>平手 緑さん
裏事情など知る由もありませんが(笑)、「戦争請負会社」でも紛争地周辺にそうした企業が出てくる姿が描写されていましたので、キプロス紛争が何がしかの影響を与えたのではないかと思います。

a (2005-05-12 11:34)

正直一般庶民としてはどうでもいい、と思うのだが。それでも安保理に席を取るべきだという理由は入ってくる情報量が桁違いに大きくなることが解っているからである。現役官僚に釈迦に説法だとは思うが。
中国国民に適正な思考能力が存在すると考えられるあなたに、
民主主義の偉大さと限界を感じずにいられない。

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宿題に関連した事で少しばかりメモ書き。あるいはチラシの裏。 小泉首相の靖国参拝に


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