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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

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2005-05-22

[notice]internal server error修復(3月のエントリ関連)

3月のエントリを表示させようとすると発生していたinternal server errorにつき、対応しましたので無事表示されるようになっていると思います。

[economy][BOJ]やってもうた・・・(続)

昨日に引き続いて金融政策決定会合での決定(いわゆる「また書き」)についてのネット(blog)での評価ですが、むしろ周辺に話題が移っているようです。具体的には、中村宗悦先生finalventさんは報道の反応、bank.of.japanさんは決定会合と日銀の事務方との関係を論じられています。

報道については別エントリを立てますが、bank.of.japanさんのご指摘は結構気になります。今回の決定が総裁主導で事務方は消極的反対だったけれども止められなかった、ないし諦めて何もしなかった(これがbank.of.japanさんの見立て)のか、それとも事務方も(少なくともマネタリー部門は)同調していたのか。webmasterは後者だと見ています。

bank.of.japanさんのように日銀職員と常日頃から接触しているわけではありませんが、だからこその視点もあると思いますので異論を唱えるわけでして、その根拠は会合前日(18日)の日経記事です(保存のために全文転載します)。

量的緩和残高目標、下限割れ容認協議へ・日銀

日銀は19、20日に開く政策委員会・金融政策決定会合で、量的金融緩和策の誘導目標である当座預金残高(30兆―35兆円程度)が一時的に下限を割り込むことを容認する方策を協議する。同時に資金供給の強化策も盛り込む方向で検討する。金融不安の後退で金融機関の資金需要が減り、残高目標を維持するだけの資金供給が難しくなっていることに対応する。

日銀は2001年3月から金融政策の対象を金利から当座預金残高に切り替える量的緩和策を導入。その後、景気悪化や金融不安に対応するために段階的に資金供給目標を引き上げてきたが、金融不安は後退、17日発表の1―3月期の実質国内総生産(GDP)速報値も前期比年率で5.3%増という高い伸びになった。目標水準の引き下げを容認すべきだとの意見が政策委員の間からも出てきた。 (07:00)

オペの手直し(「短期国債売買および国債の条件付売買における売買対象先選定基本要領」の一部改正等について)を含め正確な予測ですが、これは非常に高い確率でアドバルーン、つまりその反応を見て最終決定をするためのリークでしょう。結局、さしたる拒否反応もなかったのでそのまま実行されましたが、もし激烈な拒否反応があった場合には各審議委員に「やっぱりあの話は今回は見送ります」という根回しをせざるを得ず、そのためには時間もないので手駒が必要だからです。

もちろん、総裁や事務方が事実上決定権を握り、審議委員がそれらの意のままに動いているという予測をしているわけではありません。ただ、今回の話は技術的問題を理由にしているわけで、事務方がそうした技術的問題があるといってしまえば、各審議委員にはその事実関係を確認するすべは事実上なく、「また書き」(7票)か目標の引下げ(2票)のどちらかしか選択の余地はないと誘導されても不思議はありませんので・・・。

#そんなことがあってほしいとは全く思いませんが、やたらと技術的問題だと振りかざすのは、そうした審議委員対応が最大の理由だったりして(笑)。

[economy][BOJ][media]「また書き」をめぐる各紙社説

というわけでメディアの対応です。21日の社説で、全国紙では東京新聞以外の各紙が取り上げました。リフレ派の観点から採点もしつつ、それぞれ見てみましょう(カッコ内はwebmasterの寸評です)。

朝日「金融政策 曲がり角の「量的緩和」」

評価できる点
(なし)
評価できない点
  • 20日の金融政策決定会合では、目標額そのものは据え置いたが、一時的に下限を割ることを容認することにした。金融市場の動きを踏まえた現実的な対応といえるだろう。(現実的かどうか検証してください。)
  • 量的緩和策の解除を早めるかのような印象をもたれることは避けるべきで、無理をしすぎない程度なら、現状の水準を維持するという判断は無難なところだろう。(なぜ「また書き」は「解除を早めるかのような印象をもたれること」ではないのでしょうか。あと、無理せず当預残高がここまでつみあがるわけないでしょうに(笑)。無理にやるべき政策に無理しすぎるなっていうのも・・・。)
総合評価
基本的に毒にも薬にもならない社説です。評価できないとした点も、日銀の言うことを引き写しているだけで批判精神がないということであって、妙な自説を唱えているというわけではありません。40点。

読売「[量的緩和政策]「デフレ完全脱却まで粘り強く」」

評価できる点
  • 将来のインフレを心配するよりも、現在のデフレを退治することが最優先課題であることに変わりはない。(当然のことでもきちんと繰り返す姿勢には拍手。)
  • 日銀は、量的緩和政策の解除の条件をすでに決めている。消費者物価指数の上昇率が安定的に0%以上にまで改善することなどだ。つまりデフレからの完全脱却を果たすことが解除の時点となる。(解除=事実上のゼロ金利解除であることにかんがみれば、デフレが脱却する前に徐々に当預残高目標は引き下げられるので、本当はこの主張では問題だと思いますが、多分、デフレ脱却後に引き下げろということが真意であろうと甘く見ました。)
評価できない点
  • こうした資金需要の変化によって目標値が維持できないことがあっても、そのこと自体は許容されるべきだろう。(やっぱりみんな技術的問題を持ち出されると弱いですねぇ。)
総合評価
従来からのスタンスどおりリフレ派よりの主張です。「リフレ派の観点から採点」なので、70点。

毎日「量的緩和策 残高目標を削減する時期だ」

評価できる点
(なし)
評価できない点
  • 今回は政策の柔軟化にとどまったが、次は残高目標の切り下げに踏み込むよう期待したい。(妙な期待しないでください。)
  • このような前代未聞の政策に踏み出したのは、銀行が巨額の不良債権を抱え、金融不安が起きかねなかったのが真の動機だ。(monetary policyに「金融政策」の訳語を当てるのが間違っているような気がしてきました。「貨幣政策」とかなら、こんなマネタリーとプルーデンスを同じ「金融」でくくる誤読は出てこなくなるのではないかと。。)
  • いま日銀当座預金残高が30兆〜35兆円でなければなにか問題が起きるだろうか。銀行が貸し渋りに走って景気が悪くなるだろうか。(銀行の貸出残高っていつ傾向的な増加に転じてましたっけ?)
  • 貸し出しでなく国債購入にまわしたので「国債バブル」ともいうべき状況になった。長期金利が低下したことを成果とみることも可能だが、いまでは逆に、バブル崩壊の脅威の方が大きい。効果が不明で資金の流れをゆがめる政策となっている。([[原田泰さんの本|http://reflation.bblog.jp/daily/2004-12-2/]]を読め。ちなみに「資金の流れをゆがめる政策」って意味不明です。短資会社の回し者ですら、無担コール市場が死ぬとはいっても、資金の流れがゆがんでいるとは言ってなかったような。)
  • 30兆円以上の残高維持が難しくなってきた。銀行がこれ以上、万一のための資金はいらないといっているのである。金融不安が遠のいた証拠だ。量的緩和を続ける必要性が薄れている。(技術論鵜呑み+マネタリーとプルーデンスの混同のあわせ技。)
  • 量的緩和の枠組みは約束した以上、消費者物価が安定的にプラスになるまで残す必要があるが、量にこだわる必要はない。量的緩和策の出口をにらんで残高の目標自体を切り下げていくべきだ。(ほらほら読売さん、こういう手合いがいるんですよ・・・。)
  • 政府は財政再建を進めれば、財政がデフレ的にはたらくことを懸念し、金融政策に経済運営の責任を負わせようとしている。財政・金融は経済政策の両輪として協調する必要はあるが、金融に非常識を期待するのは間違いだ。(そこまで言うなら、「デフレ脱却は金融政策ではなく財政支出で」と主張してみてほしいものです。)
総合評価
さすがに期待どおり(笑)。0点。

日経「日銀は市場との対話に万全を期せ」

評価できる点
  • 政府との協調も含めてデフレ脱却に向けた金融政策運営に誤解が生じないように市場との対話に万全を期す必要がある。(市場との対話はもちろんですが、政府との協調も同時に訴えるところがポイント高いです。)
  • 中央銀行として一刻も早く量的緩和という異例の政策から抜け出したいという気持ちはわかるが、急ぎすぎて市場に誤ったサインを送っては逆効果になる。(そのとおりだと思います。(日銀から見れば)正しいサインを送っているといううがった見方をwebmasterはしてますが(笑)。)
評価できない点
  • あくまでも技術的調整で、政策意図はないということだ。市場の実情にあわせるとともに、金融緩和姿勢の継続を明確にした点で現実的な対応といえる。(やっぱりみんな技術t(ry。)
総合評価
あの日経が、とうれしい誤算です。ちらほら見られる福井体制へのほめ言葉も牽制かあてこすりではないかと思ってしまうほどです(笑)。80点。

産経「量的緩和 政策転換を焦る必要ない」

評価できる点
  • 日銀は政策転換を焦る必要はない。今回見せた「慎重さ」をもうしばらく維持してほしい。(今回のことを「慎重さ」と表現するのはちょっとマイナスですが、引下げには反対であるという趣旨だと受け止めます。)
評価できない点
  • 現状を追認しつつ、三十兆−三十五兆円という当座預金残高目標そのものは触らず、量的緩和策の堅持を強調するという決定は妥当なものといえる。(やっぱりm(ry。)
総合評価
朝日と同じ路線といいますか、日銀の(本音かどうかは知りませんが)公式見解をなぞったものでしょう。50点。
本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]
韓流好きなリフレ派 (2005-05-22 08:45)

はやくHotwirdのブログを開始してくれないとこのままではみんな(中村さんやbewaadさんたち)に先を越されてはなはだネタない話になるな、こりゃ笑。それにしてもデフレが自然治癒で解消できると本当に思ってるのかなあ。この点では最近、知人のごく一部も団塊世代の引退による雇用リフレをいいだす人がいて、非常に僕個人はげんなりしてます。

bewaad (2005-05-23 02:05)

>韓流好きなリフレ派さん
いやいや、日銀が繰り返し繰り返し「技術的問題」を語って洗脳してきた(笑)のですから、いろいろなところで何回も語っていくことには、十分に意味があるのではないでしょうか。

自然治癒といえば聞こえはいいですが(自力で回復したみたいで)、そういうものを当てにする人々は、加持祈祷に頼った昔の人々にも劣ると思います。昔の人々にとってはそれを頼りにするほかなかった側面もありますが、今は決してそうではないのですから。

本石町日記 (2005-05-23 18:06)

日銀の技術論は、かなり嘘臭い。さほど難しくないのに難しいと言い張り、「また書き」を正当化するのはいかがなものかと。昔、量的緩和をやっても短資会社の当座預金に「漏れるだけだ」と強弁していたのを思い出しました(「漏れる」のは取引慣行に問題があるからで、ちゃんと手を打てば漏れないことは言わなかった)。企画がしっかりしていればこんな隙のある判断はしなかったはずですが、この問題はあまり突っ込むと個々の人間の話につながり、差しさわりがあるので、深入りは避けます。

bewaad (2005-05-24 06:14)

>本石町日記さん
ぜひとも業務に差し支えない範囲でのご活躍をお願いします。田中先生の新blogでも紹介がありましたように、多くの人にとってとても有益な情報を提供されていますから、もしblogを停止ということにでもなったら・・・。


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