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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)
2005-06-01
■ [economy]「真の失業率」推計最新版(2005-04現在)
先月にリニューいたしましたが、乗りかかった船ということで今月もまた。先月から以下の変更をしております。
- タームを総務省統計にあわせました。
- 前年同期比を見ることができるよう、2004/4から2004/12までの月次データを追加しました。
- 完全失業者数もあわせ掲載するようにしました。
- 2005/Q1につき、労働力調査詳細結果(速報)に基づき数値を修正しました(15歳以上人口が月次の平均とは明らかに異なる理由がよくわかりません・・・)。
- 算式と直近ボトムを最後に追加しました。
#なお、推計式に誤りがありましたので、訂正いたしました。
年月 完全 真の 15歳以上 就業者数 完全 真の 失業率 失業率 人口 失業者数 失業者数 1990 2.1% 3.2% 10,089 6,249 134 204 1991 2.1% 2.4% 10,199 6,369 136 155 1992 2.2% 2.2% 10,283 6,436 142 142 1993 2.5% 2.8% 10,370 6,450 166 183 1994 2.9% 3.4% 10,444 6,453 192 228 1995 3.2% 4.0% 10,510 6,457 210 266 1996 3.4% 4.1% 10,571 6,486 225 276 1997 3.4% 3.8% 10,661 6,557 230 262 1998 4.1% 5.1% 10,728 6,514 279 348 1999 4.7% 6.3% 10,783 6,462 317 435 2000 4.7% 7.0% 10,836 6,446 320 485 2001 5.0% 7.9% 10,886 6,412 340 551 2002 5.4% 9.4% 10,927 6,330 359 660 2003 5.3% 10.0% 10,962 6,316 350 700 2004 4.7% 10.0% 10,990 6,329 313 705 2004/Q1 5.0% 11.3% 10,983 6,236 329 793 2004/Q2 4.8% 9.4% 10,992 6,372 321 663 2004/Q3 4.7% 9.3% 10,988 6,379 314 653 2004/Q4 4.4% 10.1% 10,998 6,326 290 713 2005/Q1 4.7% 11.3% 10,982 6,236 305 792 2004/4 5.0% 9.7% 10,997 6,354 335 680 2004/5 4.8% 9.2% 10,995 6,389 319 644 2004/6 4.6% 9.3% 10,982 6,374 309 654 2004/7 4.8% 9.3% 10,984 6,373 318 657 2004/8 4.7% 9.0% 10,985 6,395 314 635 2004/9 4.6% 9.5% 10,994 6,369 309 667 2004/10 4.7% 9.7% 10,997 6,352 311 686 2004/11 4.4% 10.2% 11,003 6,322 290 720 2004/12 4.1% 10.4% 10,995 6,306 270 731 2005/1 4.5% 11.1% 11,004 6,261 296 782 2005/2 4.7% 11.6% 11,003 6,224 308 818 2005/3 4.8% 11.1% 11,003 6,260 313 782 2005/4 4.7% 9.7% 10,994 6,352 310 684 C/(B+C) D/(B+D) A B C D=Ax0.64-B (直近月次ボトム) 5.8% 11.6% -- 6,193 384 818 (03/3,4) (05/2) (03/2) (03/3) (05/2) (注) ・ソースは[[労働力調査(総務省統計局)|http://www.stat.go.jp/data/roudou/2.htm]]。 ・月次データは原数値を用いている(季節未調整)。 ・「真の」値は、1992年の労働力人口比率0.64(直近ピーク)を15歳以上人口に乗じた数を労働力人口として算出。 ・少子高齢化の進展による労働力人口比率のあり得べき低下は考慮していない。
■ [economy][history]経済学史学会大会第69回大会@大阪産業大学の模様
既にレジュメを紹介させていただいておりましたが、先週末に開催された標記大会について、昨日に続いて中村先生のblogから。
素人としても少しは口を出せそうな(2)についてwebmasterが思ったのは、もう少し「専門知」というものの敷居を低くした考え方があるのではないか、ということです。例えば中村先生のまとめによりますと、理論が淘汰されていって,ある「教科書的理論」に収斂されていくのか?といったようなところが,やはり問題になった
という議論があったとのことですが、ここでいう「教科書」とは、おそらく学部レベルのものを想定されているのだと思います。
他方で、一般に教科書といえば、文部科学省の検定が話題になるように、高校以下のものとして受け止められるのではないでしょうか。そのレベルでは経済学教育はほとんどなされていないに等しいわけですが、そうしたレベルで物語ることを想定すれば、全く収斂できないというものでもないはずです。というか、そのレベルでの収斂ができないのは専門家の怠慢ではないでしょうか。
#リフレ派諸先生がよくニュートン力学のような経済学といったことをおっしゃられるように、webmasterが言うまでもないことではありますが。
高校以下の教科書でも研究の進展によって内容の変更を迫られることは多々あり、そうしたレベルの収斂とは学問の進歩を止めるようなものではないはずです。その時点において専門家として、社会的に知られていた方が役に立つであろうことをまとめ、世に知らしめるのは非常に意義のあることでしょうし、何よりwebmasterのような素人にとっては大変助かります(笑)。
と考えると、実は経済学史(と経済史)は経済学の中でも大変貴重な分野です。先に触れたように、高校以下ではなかなか経済学教育はなされがたいのですが、それでも世界史の教科書にはアダム・スミスやマルクス、ケインズといった名前が出てきます。現実を考えれば、高校以下において経済学の世界を紹介する数少ない機会を活かす可能性があるのは、この分野のみといってよいのですから。
そう考えると、改めて若田部先生の「経済学者たちの闘い」の存在価値を認識せざるを得ません。リンク先のamazon書評では否定的なものもありますが、読者層や出版のねらいを取り違えたものだとwebmasterは思います。学部レベルの経済学の知識すら怪しいwebmasterのような人間に経済学の世界をかいま見させてくれた、これ以上ない名案内役だと思います。
#竹森先生の月刊現代連載、単行本化されないかな・・・。
■ [science]ケインズによるニュートン評
上のエントリを書くに当たってぐぐっていたら見つかったものです。ニュートン生誕300周年に当たっての言葉だそうです。
「18世紀以来、ニュートンは近代科学者として現われた最初の、しかも最大の人物であり、合理主義者で、冷徹無比の論理に沿って考えることを私達に教えた人だ、と考えられてきました。しかし、私は、こういう見方はしておりません。ニュートンが1696年、ついにケンブリッジに最後の別れを告げるにあたって箱に詰めこんだものは、一部は散逸してしまいましたが、残りが私達の手に入りました。この内容を良く読んだら誰でもそういう見方はできなくなると思います。ニュートンは理性の最初の人ではありません。彼は最後の魔術師、すなわちバビロニア人やスメール人たち魔術の時代の最後の人物だったのです。」
■ [book]roumuyaさんのご紹介
シリーズでroumuyaさんが川喜多喬「人材育成論入門」を紹介されていましたが、ついに最終回を迎えました。
毎回ケースのご紹介があり、エントリの掲載を待ち遠しく感じたものです。本自体よさそうだと思いましたが、それ以上に紹介の仕方がうまいのでしょう、とても読みたい気持ちになってしまいます。
ところで本の種類としては、ビジネススクールのorganizational behaviorの教科書だと思えばいいのかな?
■ [economy][politics]「フランスとスペイン−国民投票を決めたもの」(@svnseeds’ ghoti!5/31付)
フランスのEU憲法についての国民投票結果についてはいろいろな議論が盛り上がっていますが、他に類を見ない観点からの分析です。必見。
コメンテーターのお一人の藤井賢治先生(青山学院大学)から頂戴した(全員に対する
はじめまして。田中先生のブログで非礼を顧みずに偉そうな事をのたまって迷惑をお掛けしている一古参です。bewaadさんのブログは参考になることばかりで常日頃から楽しく拝見させていただいております。
>竹森先生の月刊現代連載、単行本化されないかな・・・
私も同感でして、経済学の道具を用いてあれほどまでに歴史を生き生きと描き出す様はただただ驚嘆せざるを得ません。連載は第2部で終了したんでしょうかね? 単行本化が待ち遠しいものです。
TBありがとうございました。私はビジネススクールのorganizational behaviorで実際になにが教えられているのかは知りませんが、ロビンスのテキストなどをみる限り、organizational behaviorがメンバーのコントロールに関心の中心があるのに対し、この本の関心の中心はメンバーの育成(とそれを通じたキャリア)にあります。まあ、こちらは学部の教科書(しかも入門書)なので、ビジネススクールとは当然レベルの違いはあります・・・
もっと厳しい独逸を見てみると、95年頃の日本と同じですね。ドイツ連邦債10年物利回りは近々3%割りそうです。独インフレは1%台後半なんですが、色々と特殊要因でかさ上げされてるらしく、コアコアCPIはもっと低いかも。 独仏のマネタリーベース統計が見当たらないので、断言できないですが、最近までのユーロ高もソロスチャートに基づいたものだったのでは?と私は推測してます。
今のECBは速水日銀と重なって見えます。このままでは、数年後に独逸はデフレになりそう。一方、スペインなどはインフレでバブル拡大中。リフレ派のBewaadさんとしては、ECBはどのように対処したらよいと思われます?
論理的には気にかけないし、できないということになるんですかね。ECBはEU全体を見るべきだし、見られないと。しかしどうするんだろうか。
どうもですー。
> 平手 緑さん:僕もドイツはデフレに陥ると思っていたんですけど、2004年の実質GDP成長率をみると1.6%と回復してるんですよね。インフレ率(HICP)も2003年は1.0%ですが2004年は1.8%とまともになりつつあるように見えます。この回復は積極的な財政支出の効果が大きかったんじゃないかと思っています。依然として失業率は95年以来最悪の数字ですけど。
で、村さんのおっしゃるとおり、各国の経済パフォーマンスの格差はECBにはどうしようもない、というか金融政策にできることはないんですよね(まさに「縛られた金融政策」w)。残る手段は財政と人の移動と補助金による再分配なんでしょうか。そのうち後の2つの道筋をつけるためにも政治的統合が必要なんでしょうけど、まだ道程は長そうですね。
sということで、当面の解決策としては、クルーグマンの日本への処方箋の逆、つまり積極的に財政規律を失うことで国単位の期待インフレ率を上げ、もって実質金利を下げる、というのはどうだろうかと考えております。
マネタイズを財源に減税でもなんでもして、しかも「後で増税しませーん、何故なら今景気の良い他所の国が面倒見てくれるからでーす!」と宣言して期待をコントロールすると。これだけじゃ思いつきなんでちゃんとモデルで示せたらいいんですが実力が伴いませぬ。残念。
>Hicksianさん
ようこそ。田中先生のところの議論をどこまで理解しているかはきわめて怪しいのが残念なのですが(笑)、わからないなりにいろいろ考えさせていただいてます。引き続きよろしくお願いいたします。
竹森先生の連載は、確かに終わってしまったのかどうかよくわからないですよね。再開があり得ると思って待つ間に結構時間が経ってしまいました・・・。
>労務屋@保守おやじさん
こちらこそいつも楽しみに拝見しております。
なんとなくケース中心であるところからの連想でしたが、学部レベルの入門といっても、副読本としてなら十分それを超えても使い物になるのかなぁと。なにせまだ現物を見ていないので、早く探してみないと(笑)。
>平手 緑さん、村さん、svnseedsさん
webmaster不在中に結論が出たようですけれど(笑)、やはりECBとしては全体としてのユーロを相手にせざるを得ないのですから、域内の特定地域が不在であってもそれは財政政策なりの出番としか言いようが無いでしょう。
ところがEUは財政政策に足かせをはめています。遠からず財政政策の制限緩和か、それをしないがための脱落か、どちらかが起こる可能性は高いと考えられるのではないでしょうか。
心情的ケインジアンの時のレスを保存していてくださいましてありがとうございます。懐かしく拝見しました。ちなみに、真の失業率統計を作ってはコピペしていたのも僕でした。こちらも、こういった形で公にしていただいて感謝しております。
ECBの件も興味深く拝見しています。域内の地域格差を金融調節で埋められないという話は、通貨統合直後のイタリア・ドイツの好対照な状態でかなり明らかになっていました。
財政政策が景気調節機能を放棄し所得の再配分(地域間・所得階層間など)に特化するのが最近の流れですし、EU自体が連邦国家を志向しているようですので、本来はEU税を徴収し各国に交付税として配布する方向へ行くのかなと予想しております。そのためには各国政府の機能の一部を統一国家EU政府に移管しなければなりませんが。EU憲法問題など、まだまだ道のりは遠そうですね。
ちょっとこの「真の失業率」で質問なんですが、どういう目的でこれを作成したんでしょうか? 例えば、推計式の説明では「非自発的失業」を計測するためという話ですが、この「真の失業率」ですといわゆる構造的失業も含まれてしまいます。またこの原データからストレートに「自発的」と「非自発的」=需要不足を出すのは困難に思います。それと労働力率を一定で×ことの意味もちょっとわからないのです…たぶん「失業率」データとしては過大評価してしまう気がします。すまん、突っ込む暇もないのにつっこんでます、許してねm()m
>鍋象さん
ようこそお越しくださいました。2chでのご活躍、陰ながら応援させてもらっています。
過去の2chログは、その手のスレのものであればだいたい保存してありますので、他にサルベージすべきものがあったらご提案ください。
EUは他人事としては、日本のデフレと並んで将来の教科書の材料に恰好だなぁと考えてます(笑)。
>韓流好きなリフレ派さん
「真の失業率」表は、以前はネットで幅広く見られ、景気回復論に対する有力なオブジェクションだと思っていたのですが、最近見られなくなったので取り上げたものです。
自らのオリジナルではないものですから、従来からある表記で先月は取り上げましたが、ご指摘のような点が気になりましたので、今月は統計の表現にあわせ、誤解の可能性を減らすようにしています。
ただ考えてみるに、「真の失業率」というタイトル自体が、そういう意味ではミスリードなのかな、とご指摘を受けて思いました。要すれば公式統計の完全失業率は非労働力人口へのあり得べき人口シフトを考慮していない点で過小評価のおそれがあり、0.64を乗じているのはそのシフトとして考えられる最大値を推計しているわけですが、何かいい呼び方はあるのでしょうか・・・。
命名者として言い訳しときます。正直に言ってこれはミスリードを狙ったものです。近年の完全失業率統計が雇用情勢の変化よりも就業希望者数の増減で変化する事の方が多く、景況判断をミスリードをしていると言う考えから、敢えて挑発的につけたものです。
ある程度実感に沿った値で比較的短期の時系列で傾向がつかめればそれで良いと考えこの計算式を設定しました。クロスセクション比較のためみはILO基準の失業率を算出すべきなんですが、どういう計算をしているのかわからなかったですし。
これが過大評価かといわれると、女性の社会進出による母数の増加を考えれば過小評価の可能性もありますし、高齢化社会の進展で65歳以上人口が増えた事を考えれば過大評価の可能性もあります。また、基準を92年の2.2%においていますので、この下駄自体が違っている可能性もあります。実際、この計算式で9%程度の失業率の時に、「日本の失業率はILO基準では12%強」と書いた記事を見たことがあります。
それより、この失業率と完全雇用失業率の乖離の原因が何なのかが気になります。2002年に一気に差が開いている事、完全失業者数に300万人のキャップがはめられているように見えることなどです。
>鍋象さん
完全失業者数のキャップはないとは思います。担当者の良心とかいう問題ではなく、そういう統計操作をしていればかならずばれるリスクがあり、そのような危険は冒さないだろう、と考える故です。
2002年の変化は、本来非労働力人口を対象にした調査が必要なのでしょうけれども、直感的には、ちょうど2002年が最悪の景況だったわけですから、就労をあきらめた人間が多かったということなのではないかという気がします。
>bewaadさん
就労希望者が300万人超えたところでハロワの窓口がパンクしていた可能性はあるのかなと思います。で、行列に並んで登録する苦労と就労の可能性を比較して自発的に登録を回避した=諦めたというストーリー。雇用の流動性向上のためにはハロワの拡充が必要だったというサプライサイドな人には嫌味ともとれる結論が導き出せます(笑)
#デマンドサイド的にはハロワ拡充しても就職できないのには変わりないわけですが。
統計操作系の都市伝説もありまして、2002年の当時の2chのニュー速のニート系スレでしばしば書かれていた話なのですが、「登録だけして就職できないんなら、一旦ハロワの登録をとめてくれ」というお願いがあったとか。便所の落書きなので真偽不明ですが。
戯言はさておき、もし本当に「自発的に就労を諦めた人が増えた」のなら、それはそれで将来の日本にとっての大問題ではないかと思う次第です。
>鍋象さん
ハロワのオーバーフローはありそうですね(笑)。仮に非労働人口の増加の要因の一部であるなら、就労人口が増えれば増えるほど失業者が非労働人口から補充されると(笑)。
最後の点、多くのリフレ派の問題意識だと思います。現状がNAIRUを押し上げているのではないか=悪い意味での構造変化をもたらしているのではないかというおそれは、心配しすぎということはないでしょう。