toppage memoranda
(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)
2005-08-05
■ [economy]輜重輸卒も兵ならば蝶々蜻蛉も鳥の内
後段は「電信柱に花が咲く」ともいいますが、戦前・戦中の陸軍における兵站軽視を端的にあらわす言い振りとして有名なものです(兵站軽視だったのは海軍も同類で、陸軍だけがそうだったわけではありませんが)。なんでこの一節を引っ張り出したかといえば、「誰もが名も無き「大企業戦士」に支えられている」(@音極道茶室8/2付)を拝読したからです。
法務が弱くて訴訟を回避できなかった、財務が資金繰りに失敗して黒字倒産した、工程管理がなってなくて注文や在庫の山ができた等々、間接部門はうまくできて当然で目立ちもせず、他方で失敗すれば企業の命運を左右しかねません。得てして優秀な技術を持つヴェンチャー企業がこの手の事務に失敗して痛い目にあったりもします。
更に一般化するなら、ハイエクの市場による情報伝達という話も視野に入ってくるでしょう。農家の小麦がリストランテでパスタとなって消費者の口に入るまでの間には、市場に存在する様々なプレイヤーが介在しているわけで、シェフの腕がどれだけ優れていたところで、無名・無数の人々なくしては料理はできません。代替取引先が多くあるとはいえ、誰かがその過程を担わなければならないわけです。
別の一般論としては、人材の限界効用も逓減するのではないかと思います。優秀な人材を投入するとして、ほかの優秀な人材が既にいる職場に投入するケースと、現在優秀な人材がいない職場に投入するケースとでは、後者の方がより大きい改善効果が期待できるでしょう。むろん相対的な重要性には差があるわけですが、ある程度人材の質は均霑させた方が全体の効率がよい場合が多いのではないでしょうか。
#ちなみにJ2さんのその前のエントリで触れられている武富士のCM曲ですが、ジョー・リノイエ「Synchronized Love」といいます。ご参考まで。
■ [misc]長渕剛「気張いやんせ」
「気張れ」は鹿児島弁だったのか。
というHicksianさんに。この曲で聞く限りは、鹿児島弁以外のものであるとは絶対に思えません。いや、それがいいのですけれども。
この曲がどんな歌か、できることならカラオケで歌って差し上げたいのですが(笑)。
■ [computer]スティーブ・ジョブスを久しぶりに見たのですが
年とったなぁ・・・。当然、お互い様なんですが(年齢のみ。業績における天地の開きは言うまでもありません)。
やっせんぼやっどんからんよかぶいごろの小泉氏は、そのマクロ政策の痛みに歯を食いしばっている人に向かって「いっどどまけしんかぎい気張いやんせ」と言っているわけですね?
BUNTENさんのコメント、6割ほどしか解読できず。最近は英語よりも鹿児島弁の方が理解できない(聞き取れない)・・・orz。
「気張いやんせ」と言われれば鹿児島弁とわかるんですがね。「気張れ」は鹿児島弁で「気張る」は標準語ですか? 一発で変換できるし。う○こを気張る(下品ですいません)、とは言わないんでしょうかね(意味は変りますが)。そういえば、実家の近くには長渕の通った幼稚園やら小学校やらが。長渕=極真空手を真っ先に連想してしまう私は逝くべきですか、そうですか。
やっせんぼやっどんからんよかぶいごろ:意気地なしだけどいい格好しい
いっどどまけしんかぎい気張いやんせ:一度くらい死ぬくらいの気持ちでがんばれ
気張るは普通の意味では、いきむとか勇み立つとか(『広辞苑』)。でも、鹿児島以外であんまり使っているのは聞きませんね。宮崎とか熊本では使うかもしれませんが。
けっぱれ(北海道)も同じ語源では
日本で生きられないなら、世界中どこへ行っても生きられないと思います。
おっ、方言周圏論ですね。
「やっせん」は、おそらく"役-せん(役目をしない・役目を果たさない)"で、駄目な、あるいは役立たずの意。"こんテレビはもうやっせんど"(このテレビはもう役に立たないよ)などと使います。
「いっどどまけしんかぎい気張いやんせ」の"け死ん"を、少し意訳気味にすると"一度くらいは命の限り頑張りなさいませ"でしょうか。
「よかぶい」の語源は、おそらく"良か(良い)振り"でしょう。
小泉氏や福井氏は既に精一杯の人にも"けしんかぎいきばいやんせ"と言うわけですが、おかげで糸が切れて、けしんみゃいし(衆)がいっぺ(一杯)おい(居り)もそ(申そう)が。(おなくなりになる方がたくさんいらっしゃるじゃないですか)
(方言に関するツッコミ歓迎。m(_@_)m)
>BUNTENさん
小泉総理はやっせんぼではなさそうですね。それがどうも悪い方向に影響している気はしますが(笑)。
>Hicksianさん
margheritaさんやBUNTENさんの丁寧な解説が既になされていますが、BUNTENさんが最初にお書きになられたものは「気張いやんせ」の一節でして、リンク先に解説もありますのでご参考まで。
>margheritaさん
Hicksianさんの出されたお手洗いの例は、確かに「いきむ」かと存じます。「勇み立つ」のはご勘弁(笑)。
>シャインさん、Baatarismさん
調べてみたところ「けっぱれ」は東北で広く使われているようですが、確かに方言周圏論が当てはまる一例のように思えます。
沖縄で「頑張れ」の意味で使われる「ちばれよー(ちばりよー)」も漢字で書くと「気張れよー」なので、「気張る」と同じ語源ですね。
あ、そうそうそれです。ジョーリノイエでしたね。
情報ありがとうございます。
>輜重輸卒も兵ならば蝶々蜻蛉も鳥の内
すごい言葉ですねー。昨日、朝生で第2次大戦の元兵士の方々の証言をやってましたが、それを思い出しました。もっと戦前戦中の事を知る必要があるなあ。そうじゃないと正しい検証もできないし(昨日の総括はムチャクチャでした)
今の時代でも間接部門を支えてる人などは、bewaadさんおっしゃるようにどんなに「優秀」でも脚光浴びませんしね。というか、お役人もそうじゃないですかね。
先日、ある(実際に)優秀なフリーランスの方にお目にかかる機会があり、そのときの雑談でフリーランスだと「優秀」な人にばかり仕事が集中して忙しすぎ、そうでないひとは口先ばかりだからそちらには仕事を頼めないからとの愚痴を聞いて来ました。とりあえず Carlos Kleiber みたいに断っちゃえと口先しかない私は軽口を叩くしか能がなかったのですが、会社ってそういうのを比較優位みたいにして負担を均一化するものだと思うんだけどとの言葉が印象的でした。
個人的には優秀な人の名人芸に頼らないために理論があるんじゃないのと、前にも書いたことの繰り返ししか思い浮かびませんが。
>Baatarismさん
その沖縄方言は存じませんで、ご教示ありがとうございます。本当に見事な方言周圏論の実例になってますね。
>J2さん
例えば、よく当時は精神力偏重だったといわれますが、それ以外では太刀打ちできないというのが第一次大戦の観戦武官の見立てだったりします。技術・物量を軽視したからダメだった、という現在のありがちな評価は現象的にはそのとおりですが、重視していたら勝てたかのような誤解がまかり通ったりもしていまして・・・。
>小僧さん
でも、自分が仕事を頼む立場だとついつい優秀な人に頼みたくなってしまいますよね(笑)。
ルーチン化された部分は「技術」で対応可能ですが、対応不可能なスキル・エキスパティーズを有しているからこその優秀な人で、どれだけ技術が進歩しても(むしろ進歩するからこそそれで対応できない部分の相対価値が高まって)頼られてしまうのでしょう。