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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)
2005-08-12
■ [politics][economy]郵政民営化と解散を考える・その1:個別のご指摘を拝読して
昨日の予告を変更して、「ESP」7月号での経済財政白書がテーマの座談会を取り上げるに先立って、標記テーマを取り上げたいと思います。選挙に当たって真っ正面から政府与党批判をすることになり、本当に匿名でなくてはできない部分に足を踏み入れガクガクブルブルですが(笑)、そういう気を回さずに書きたいことを書くためにサイト運営をしていると割り切っていきます。ホイッスルブラウワーの告発なのか抵抗勢力の妄言なのかは皆様のご判断ということで。
本日は導入として、巡回先で気になった記述について触れてみたいと思います。というのも、それらを見かけたことが、早めにこの問題を取り上げねばと思うに至った原動力だからです。以後、政府与党の考え方を批判し、最後にwebmasterの代替案を提示するという形を考えています。
「なぜ、郵政公社を民営化するべきなのか?」(@趣味のWebデザイン8/10付)
徳保さんの問題意識は財政赤字ですが、その構成は端的に次の部分に表されていると思います。
それは国民が、払った税金以上のサービスを国家に求めてきたからです。具体的には、有権者の希望を素直に聞いてくれる議員を国会に送り込んできたからです。
その結果、危機に瀕したこの国を救う処方箋は、ひとつしかありません。簡単に書きます。
- 増税により税収を増やし、サービスを減らして支出を減らす
どちらか片方だけ採用するのは、現実的ではありません。
財政赤字問題については以前詳しく書いたので概要のみ記しますが、巨額の財政赤字はそれだけ民間部門で使い切れない巨額の貯蓄超過があったことの裏返し(民間投資を賄ってなお余る貯蓄は政府か海外に貸すことになりますが、海外についても日本が世界最大の債権国であることからわかるように、目一杯貸し込んでいます)で、国民のわがままの結果ではありません。また、巨額の財政赤字といってもグロスではなくネットで見ればそれほど深刻な話ではありません(この点について、webmasterのレベルを超える議論としてBroda and Weinstein, 2004, "Happy News from the Dismal Science: Reassessing the Japanese Fiscal Policy and Sustainability"があります)。
さらに、財政赤字問題解消のための処方箋ですが、増税と政府支出削減だけでこれに対応しようとすればかえって悪化する可能性が高いといえます。当サイトではおなじみのドーマー条件ですが、要すれば増税をしなくても税収は最低でも名目GDP成長率に比例して増え、政府債務は金利に比例して増えますから、名目GDP成長率を金利よりも高水準で維持しなければ政府債務は発散します。近年の名目GDP成長率低下こそが歳入の著しい減少を通じて発散への道を着実に進ませているわけですから、まずはそこから手をつけるべきです。
#プライマリーバランスを喚いてうるさい財務省も、自ら公開しているプライマリーバランスの説明において、こっそり近年では名目金利>名目GDP成長率となっており、プライマリーバランスが均衡しても、公債残高対GDP比は上昇していきます
なんて書いています。わかっているならそれにどう対処するか少しは考えてほしいもので(笑)。
増税や政府支出削減は名目GDP成長率が安定的にプラス(5%以上(実質GDP成長率2%台前半、インフレ率3%程度)を念頭においています)で推移するようになってからやればいいことです。それをデフレ=名目値が引き下げられる現在にやればますます名目値を下げるだけで、金利は絶対にマイナスにはならない以上(マイナス金利で貸すなら現金のまま寝かせておく方が得なので)、財政状況をますます悪化だけさせるでしょう。そして名目GDP成長率の引き上げには、郵政民営化は全く寄与する面が見当たらないのです。
「郵政民営化の否決で自民党改革は加速するか?」(@Richstyles!8/11付)
richstylesさんの問題意識は、次のとおり抵抗勢力こそが不況の原因を作り、かつ、そこからの脱却を妨げているというものです。
小泉政権が誕生した際、郵政の民営化や聖域なき改革以上に印象的だったのが「自民党をぶち壊す」といった趣旨の発言だった。老廃した日本の政治は55年体制が崩壊後、連立政権といった形で復活した。日本のバブル崩壊を防げずに失策の数々で不況を長引かせた戦犯の多くは政治の場から退場させられるどころか迷走する中で閣僚として再入閣したり、改革の足を引っ張った。小泉政権が数多く実現した改革の中で一番手が付けられていないのは「聖域」とのものと化した自民党自身ではないか?
リフレ派の反論としては抵抗勢力ではなく金融政策が主犯、財政政策が従犯(多く財政支出をしすぎて改革を遅らせたからではなく、too little too lateで景気を反転させるだけの思い切りがなかった(内容の適切性において問題なしとするわけではありませんが)という趣旨です)ということになるわけですが、ここではその中でもネット上で参照可能なものとしてFRBのペーパーであるAhearne et al, 2002, "Preventing Deflation: Lessons from Japan's Experience in the 1990s"を引いてみたいと思います。
幸いにして山添さんが2002年8月22日付で概要の紹介をされていますのでそちらをご覧いただければと思いますが、この論文のアブストラクトの最後はBased on all these considerations, we draw the general lesson from Japan's experience that when inflation and interest rates have fallen close to zero, and the risk of deflation is high, stimulus, both monetary and fiscal, should go beyond the levels conventionally implied by baseline forecasts of future inflation and economic activity.
(webmaster試訳:以上から導かれる結論は、日本の経験から得られる一般論としての教訓は、インフレ率と金利がゼロに近づいてデフレに陥るリスクが高いときには、金融政策と財政政策の双方での景気刺激を、インフレ率や景気の将来予測から通常時の手法ではじき出される必要な程度を超えて行うべきである、というものである。)という一文です。
これだけですとまたぞろ陰謀論が出てきかねませんが(日本をハゲタカが食い荒らすためにわざと誤った政策へ誘導し、日本を弱い状態に維持しようとしている、等)、FRBはITバブル崩壊時にまさにこの論文が示唆するような歴史的規模での大幅な金融緩和を行い、ソフトランディング・景気反転に成功しました。また政府も、クリントン政権以来の財政黒字を赤字に転換するほどの財政拡大(戦費要因もありましたが)でサポートしました。彼(女)ら自身でこの教訓が有効である一例を示したのです。
というわけで、「戦犯」を退場させるなら改革の名の下に財政支出を削りまくっている小泉総理こそが真っ先に対象となるべきでしょう(残念ながら日銀は、その独立性によりいかんともしがたいので)。
「選挙戦へのつぶやき1」(@+ 駝 鳥 +8/11付)
swan_slabさんは抵抗勢力をさらに具体化し、公共事業を問題視されています。
聖域なき歳出削減といいながらも、土建的公共事業はそれなりに温存されてゆくだろう。仮に国土交通省と農水省の土建的事業で談合がゼロになったら、全事業費の3割から5割は歳出削減効果があるはず。2001年の統計では、日本政府の建設投資がGDPに占める割合はアメリカのほぼ10倍だという。農村漁村は建設依存症。無人島の一軒の番屋を守るために1千万近く投じて、裏の崖や谷をコンクリートで固めようとする国は他にないだろう。ほんのちょっと番屋を移動させれば崖から離れられるのに。小さな集落を守るためにひとつの河川に百基を越える砂防堰堤をつくる国。
まず公共事業は本当に温存されているのかを見てみましょう。小泉政権は平成13年4月発足ですから、予算としては平成14年度予算から彼の意向が反映されていることになります。以後平成17年度予算までの公共事業関係費の推移を見ますと、森政権最後の予算である平成13年度予算における9.4兆円から平成14年度予算で8.4兆円へとまず1兆円減額し、平成17年度予算においては7.5兆円となっています。額にして2兆円弱、カット率で20%強の削減です。
#この他に公共事業等予備費を平成14年度予算において3,000億円全額カットしていますので、これを加味すれば額にして2兆円強、カット率で23%弱となります。
もちろん公共事業の中にはくだらないやめるべきものもあるでしょう。しかしそれは、全ての公共事業がくだらないやめるべきものであることを示すものではありません。以前swan_slabさんには障害者自立支援法についてのエントリでtrackbackをさせていただきましたが、障碍者の中で不正受給を得ている事例(具体例を知っているわけではありませんが、人間である以上一例も存在しないことはないはずです)を取り上げて総額削減を突きつけられたとすれば、それは不当であるとお感じになるのではないでしょうか。しかし、おそらく小泉総理や経済財政諮問会議委員、財務省の官僚などには、建設業者も障碍者も国により多くの金をたかろうとする点で同じであり、障碍者だって「抵抗勢力」だとみなされていることでしょう。
当該エントリの締めに用いましたが、ゼロサム(ないし低成長のポジティブサム)を当然の前提としてそうした「抵抗勢力」たちがいがみ合う状態は、彼(女)らにとっては極めて居心地がいいはずです。逆に「抵抗勢力」たちが団結してモデレートな成長を求めることが最も居心地の悪い状態となります。webmasterの見立てでは方便として「抵抗勢力」をでっち上げているのではなく、本心から「抵抗勢力」の存在により経済成長が停滞していると信じていると思いますが、とまれ、このような分断統治を見るに、某法案の反対派がしきりに引用した次のエピソードを想起せざるを得ません。
ナチが共産主義者を襲ったとき、自分はやや不安になった。
けれども結局自分は共産主義者ではなかったので何もしなかった。それからナチは社会主義者を攻撃した。
自分の不安はやや増大した。
けれども依然として自分は社会主義者ではなかった。
そこでやはり何もしなかった。それから学校が、新聞が、ユダヤ教徒が、というふうにつぎつぎと攻撃の手が加わり、そのたびに自分の不安は増したが、なおも何事も行わなかった。
さてそれからナチは教会を攻撃した。
私は教会の人間であった。
そこで自分は何事かをした。しかし、そのときにはすでに手遅れであった。
マルティン・ニーメラー
#意図的にスクリーニングをかけているわけではないのですが、小泉政権の志向・行動の類例を歴史に求めると、どうしても人民独裁系のものばかりになってしまいます・・・。
久しぶりにBI@Kさんからご指摘を頂きました。このブログは知る人ぞ知る現役官僚によるブログでそのレベルの高さから注目されています。 若干デザインが混沌としていますが、RSSリーダーで読むと前文がすっきりと読めるので財政関連に興味がある人は自分のような雑文ブログ..
衆議院解散時、ふと思い出したのがマルティン・ニーメラーの警句ような文書。
bewaad さんに質問してみました。(回答待ち)
国民の側が余剰資金(貯蓄)をどこかに引き受けてもらう必要があり、それを政府が公債や公的機関(郵貯/簡保)などで借り入れて利息を払ってあげていたという見方は、他ではあまり見ない意見ですが説得力があると思います。
累積債務の総額でいえば小泉政権ほど短期に増やした政権はおそらく過去に無いわけですが(笑)、低金利時代(デフレ環境下)で運用先を他に見出せなかった民間資金を政府が引き受けていた結果の現れとすると考えやすいかも知れませんね。
今後の金利上昇は、まさにその国民の側の余剰資金(貯蓄)が高齢化に伴い取り崩されていく(貯蓄率の低下)によって起こるのではないかという意見を最近目にする事があります。
本来政府としては借り入れて"あげる"必要が無かったかも知れませんが、そのお金を使う体質にはおそらく馴染んでしまったわけで、政府支出からの貸し剥がしとも言える事態が政策金利(国債の表面利率)の上昇や利払い費の増加を招き、それがドーマー定理でいうところの非発散条件(名目GDP成長率>名目金利)を脅かす存在に成り得るのかな、と。
一番直接的な影響としては、長期債の償還や利払いよりも、短国や政府短期証券や借入金といった政府が実質的に利息ゼロで短期で回してるお金の金利がわずかにでも上昇するだけで、かなりの出費増になるのではないかと思います。(すると借款分(実質的な政府の長期債務)の日銀引受にしろ増加していくのかな・・・。)
郵政の民営化に関しても、もう政府に預けるのではなく民間で運用しなさいね、というメッセージがもし正しいにしろ、170兆も抱え込んでる既発債が金利の上昇によって(政府内ではなく市中金融機関として)不良債券化したらどうなるんだろう、という方がちょっと怖かったりします。
最近の景気回復がなぜ起きたのか、そして続くのかどうか、私には分かりません。(笑)
中国や米国の景気に引っ張られたとか、金融機関の不良債権処理が進んだとかいろいろ理由付けすることはたぶん可能なのでしょうが、経済学的な裏付けの無い私の雑感で言うと、団塊世代の定年退職を受けて、退職金という形で大量のお金が出回り、そのお金が消費や金融商品などに回って更なるお金の循環を促している、のかなぁ、と。(企業も一時的な出費増にはなるものの、賃金ベースではかなり支払い減になるので、その余剰分が設備投資(の更新)や再雇用に向かっている、とか)
そうすると、少なくとも団塊世代が約束された退職金や年金を手にする間、2〜3%程度の成長率は確保できないとヤバイのではないのかなと感じています。
その間も貯蓄は基本的に取り崩されていく事になるかと思いますので、金利もその影響を受けて基本的に上昇傾向を続けるとなると、政府の支払い額も上昇するので増税論がにぎわってきたのでしょうか。(控除の廃止含む)
議論になってるかどうかわかりませんが、コメントとして長くなってしまいすみません。(せっかく書いたので私のサイトの方にもあげておきます。)
書きこみさせて頂いてから読み返してみると、民間の余剰資金を政府で引き受けてあげていたという意見は、デフレ環境(低金利環境下では)別に一般的なものなんじゃないかと気がついたのですが、私の一段落目は(というかbewaadさんのご指摘が)デフレ環境に陥る以前の長い期間も指してのもので、他ではあまり目にしないという事でお願いします。(何のお願いなんだか)
世界の歴史に小泉首相の手法を求めると、マルティン・ニーメラーの有名な言葉に行き着き、日本の歴史に求めると昭和恐慌を防ぐための台湾銀行への特別融資を憲法論を振りかざして否決した元老院の行動へ行き着くと思います。どっちがよいか、はなかなか判断しにくい物です。(でも、両方とも判断を後回しにした結果、とんでもない結果になったという意味では一緒ですね。)
あ、書き忘れましたが、元老院の行動が被るのは「郵政民営化は賛成だが、その政治手法の方が問題だ」と発言している反対派の方々の行動です・・・。
まぁ、公的機関のコーディネーターとしては、国に決定権を持つ金融機関は「回りがいくらでも制度の抜け穴を考えてあげる」状況がある以上、郵貯は民営化するべきだとは思いますが。
ご指摘の件、他所でも同様の意見を受けまして、11日未明に末尾へ付した補注2にて言葉を補っております。その中で、どの程度の物価上昇傾向が実現されれば増税を回避できるのか、素人には判断がつかないと書いています。「インフレ率3%を50年間継続で借金がGDP比30%以下に安定する」とかですね、そういった、素人にも判断しやすいモデルケースがあれば、ご教授いただきたいです。
ご無沙汰しております。リンクを張っていただいている"Killer Music"の管理人です。デザインが変わってからあまりチェックできていなかったのですが、小泉政権を国民社会主義になぞらえておられる今回の文章には感動しました。霞ヶ関のお方がそう書いておられることにです。さてそうしますと、選挙ではどこに投票すべきかという問題になりますが、小生としては今回は民主党か自民造反組(か欠席・棄権組)しかないのではないかと思料いたします。比例区は民主でしょう。民主と自民内反小泉勢力(=自民多数派)に政権を奪取する気があるのであれば、マクロ派・リフレ派に権力がころがり込む可能性がかなりあるのではないかと考えるわけです。うちのサイトの「管理人のつぶやき」をご覧いただければ幸いです。相当いいかげんな駄文ですが。
>名無之直人さん、ええっと(うみゅ)さん
近々郵政民営化の中身について論じたいと思っていますので、それにご意見があらばお寄せください。
>徳保隆夫さん
数字はちょっと探してみます。
>Killer Musicさん
貴サイト拝見いたしました。小泉総理にイニシアティブとられっぱなしの造反組・民主党にはご提案はかなり難しいのでは、と残念ながら思わざるを得ないような気がします。
>人民独裁系
岡田さんも小泉さんを真似したのか、その路線に乗っちゃいました。
■岡田500日プラン
http://www.asahi.com/politics/update/0813/002.html
>各省の局長以上の人事にも着手。「原則として基本方針に
>賛同・共鳴し、真の国益のため情熱を傾ける人材を登用」
>する方針を掲げた。同意しない幹部は異動させる。
どっちが勝っても独裁路線で粛正の嵐です。まぁ元々、もし政権交代すれば必然的に粛正は行われるものですから当然といえば当然なんですが。
2003年衆院選の際の民主党マニフェストでは、局長以上には辞表を書かせて、民主党の政策に賛成である人間のみ再任すると言っていましたから、反対者を異動で済ませるだけ妥協的なもの(笑)になってます。
ドーマー条件について疑問があるのですが、
ハイパーインフレが起こった場合も「名目金利<名目GDP成長率」となりGDP比の国債残高は発散しなくなるわけですよね。
しかし、ハイパーインフレになったら、財政破綻しないから安心だと思う国民はいないと思います。
逆に発散するとしても対外債務でないなら、GDP比の国民の金融資産も発散するということになり、国民にとってはのぞましい事かもしれません。
つまり、発散条件を満たすかどうかが、経済にとってそれほど重要なこととは思えないんですが。
実際バブルとかの時期を除けば、GDP比の財政赤字も増え続けています。
GDP比で発散させてはならないというのは、財政赤字は全て返さなければいけないというのと同じくらいおかしい事じゃないでしょうか?
>◎
誰も「ハイパーインフレで財政赤字解消」なんて言ってませんよ。
webmasterほかのリフレ派がめざすのはあくまでも数%のマイルドインフレです。
「並のインフレでは債務返済は無理」とお考えなのかもしれませんが、財政赤字はインフレによる債務の減価ではなく(多少はあるけど)、もっぱら産出を増やして税収をアップさせることによって減らすのです。
GDP比で発散してもOKって、今のペースだと指数関数的増大ですが。現に世間では問題視してるわけで、そのために社会保障なども切られています。あなたが政府や世間を「発散しても問題ありませんよ」と説得できるのならいいですが、できますか?
>誰も「ハイパーインフレで財政赤字解消」なんて言ってませんよ。
誰かがそう主張してるといってるわけではなくて、ドーマー条件というのは、ハイパーインフレだろうが収束条件を満たすことになるといってるんです。
つまり、ドーマー条件を満たすかどうかは国民の生活にはどうでも良い事です。
失業倒産が多くなるのはデフレだからなので、マイルドインフレの実現は財政赤字がなくても国民生活にとっては重要だと思います。
>「並のインフレでは債務返済は無理」とお考えなのかもしれませんが、
GDP比で発散しても良いと言ってることからもわかると思いますが、私は財政赤字は全部返済すべきとかGDP比で増やしてはならないとは思っていません。
>現に世間では問題視してるわけで、そのために社会保障なども切られています。あなたが政府や世間を「発散しても問題ありませんよ」と説得できるのならいいですが、できますか?
そんなことを認めたら、世間や政府や日銀がインフレ財政赤字不良債権を問題視してたら、デフレを放置して緊縮財政、不良債権処理を断行する構造改革が正しいってことになってしまいますよ。
リフレ派はそれでいいんですか?
現に説得できてないからこそ、リフレ政策を公約に掲げる政党はないし、日銀もインタゲをやろうとしてないわけですが。
ハイパーインフレの状況でドーマー条件を考えることは意味があるかないかを吟味した上でハイパーインフレ云々の議論をされているのでしょうか。また「つまり、ドーマー条件を満たすかどうかは国民の生活にはどうでも良い事です。」と仰っていますが、ドーマー条件自体の意義はどのようなものだと考えていらっしゃいますか。
一言でいえば書き込みをなされる前に、ドーマー条件がどのようなものかを確かめられたか否かが良く分からないということです。冷静に考察されることを望みます。
>ハイパーインフレの状況でドーマー条件を考えることは意味があるかないかを吟味した上でハイパーインフレ云々の議論をされているのでしょうか。
ハイパーインフレでなくてもドーマー条件を考えることはあまり意味がないと思っています。
それに長期的に見れば金利と成長率はほぼ等しくなるんだから、長期的に財政赤字を考える場合は金利と成長率は等しくなると仮定して考えても問題ないのではないでしょうか?
ドーマー条件は単なるGDPと債務の関係式であって、その条件を満たすかどうかからは経済のよしあしや経済政策はどうすべきかは判断できないと思います。
今はデフレだから、ドーマーの収束条件を満たすことと経済政策をどうすべきかというのが一致しているだけではないでしょうか?
たとえば、高インフレな状態から低インフレにした場合、固定金利の国債が多ければ、国債の金利は名目成長を上回ったりすると思いますが、この状況でドーマーの収束条件を満たすためにもう一度高インフレに戻すのは適切な経済政策とはいえないと思います。
>一言でいえば書き込みをなされる前に、ドーマー条件がどのようなものかを確かめられたか否かが良く分からないということです。
http://blog.livedoor.jp/sheep0713/archives/7904578.htmlで確かめました。
ドーマーの定理では名目金利と名目成長率の大小がスレッショルドになってるので、
>それに長期的に見れば金利と成長率はほぼ等しくなるんだから、
>長期的に財政赤字を考える場合は金利と成長率は等しくなると仮
>定して考えても問題ないのではないでしょうか?
は全くナンセンスです。
私などの文章力などでは到底ドーマー定理は分かっていただけないと思いますので、是非是非専門書を読まれることをお勧めします。
確かにほぼ0になるといっても、0.1%でも上回ったり下回ったりすれば、増え方は全然違ってきますね。
しかし、長期的にどちらかの状態が続くものなんでしょうか?
名目成長も金利も景気循環に応じて上下していくし、国債に固定金利が多いなら、名目成長の変動に遅れて既存の国債の平均の金利も変動しそうな気がするんですが。
でも発散条件を満たすとしても、対外債務でないなら、国内の貯蓄も同額ずつ増えるので、あまり気にする必要はないと思うですがどうなんでしょうかね。
新規発行があれば国内貯蓄だけでは将来的に足りなくなるかもしれませんが。
>ドーマー条件未達(財政発散)とハイパーインフレ
まず両者の「破綻」は別内容であるということが言えるでしょう(ま、前者もFTPL経路で後者に最終的には至るのかもしれませんが)。どちらもそれぞれ避けるべき「破綻」であって、どちらかを選択する問題ではないでしょう。
ちなみに債務残高が対GDP比で発散すれば国内の他部門の資産も同時に発散するから問題ないのでは、という思考実験については、三面等価的に考えれば国内のすべての所得に対して債務が発散していくということに等しいわけですから、(既往ストックの振り替えを捨象すれば)国内では国に貸す余裕が全くないということになり、海外から借りざるを得なくなるでしょう。
マルティン・ニーメラーの言葉なんですが、翻訳が捻じ曲げられているそうです。(私も愛・蔵太さんのところで知ったのですが)
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20050910#p2
教会云々の所は翻訳者の勝手な創造に過ぎず、原文には存在しないそうで。元Uボート艦長のニーメラーの言葉は正しく引用すべきだと、私も思いました。
ご教示ありがとうございました。本日(9/12)のエントリでとりあげさせていだたきました。