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2005-08-23
■ [economy]リフレ政策に勝算ありや
財政赤字を問題視するならまずはリフレ政策の実現を、と以前書いたところ、そこで題材として取り上げさせていただいた徳保さんより、リフレ政策で本当に財政再建が可能なのかとの反問をいただきました。そこで、簡単な試算をしてみたいと思います。
保守的シナリオ
以前黒木先生がお示しのように、国の債務残高を方程式で表すと次のようになります。
来年の債務残高=今年の債務残高+利払い+利払いを除く支出−税収
「今年」を2005年度として初期値を置くと次の通りです(単位兆円。なお、データの都合上来年=今年度末、今年=前年度末としました)。
2005年度末の債務残高=505.1+8.9+73.2(=82.1−8.9)−44.0
(ソース:財務省資料(「平成17年度予算のポイント」、「一般会計公債の推移」)
2005年度末の債務残高見込みは538.4兆円なので若干の誤差はあります(税外収入の存在等によります)が、概ね妥当することが裏付けられました。ここで、「利払い」「利払いを除く支出」「税収」は次のような式にしたがうものと仮定します。
- 利払い
- その年度の国債の加重平均利率×前年度末債務残高(加重平均利率は、前年度の増分と残高の10%(借換の代用)が前年度の名目GDP成長率と同じ利率と仮定して算出。ただし、2006年度のみ2005年度と同一と仮定(2005年度はデフレ脱出前なので))
- 利払いを除く支出
- インフレ率と同じ比率で毎年度増加
- 税収
- 名目GDP成長率×1.1(税収弾性値)の比率で毎年度増加
冒頭リンク先で名目GDP成長率は5%台としていましたが、ここでは実質GDP成長率2.4%、インフレ率3%とし(2005年度の名目GDPは政府見通しに従い511.5兆円と置き、2005年度の国債加重平均利率は8.9/538.4(平成17年度利払いの同年度末債務残高に対する比率)=1.65%と置きます)、以上の前提で推計すると次の通りです(単位の記載がないものは兆円)。
| 年度 | 名目GDP(A) | 債務残高(B) | B/A(%) | 国債加重平均利率(%) | 利払い | 利払いを除く支出 | 税収 |
| 2006 | 539.1 | 576.1 | 106.9 | 1.65 | 8.9 | 75.4 | 46.6 |
| 2007 | 568.2 | 617.3 | 108.6 | 2.25 | 12.9 | 77.7 | 49.4 |
| 2008 | 598.9 | 661.9 | 110.5 | 2.75 | 17.0 | 80.0 | 52.3 |
| 2009 | 631.3 | 709.9 | 112.5 | 3.18 | 21.0 | 82.4 | 55.4 |
| 2010 | 665.3 | 761.2 | 114.4 | 3.53 | 25.1 | 84.9 | 58.7 |
| 2011 | 701.3 | 815.5 | 116.3 | 3.83 | 29.2 | 87.4 | 62.2 |
| 2012 | 739.1 | 873.0 | 118.1 | 4.08 | 33.3 | 90.0 | 65.9 |
| 2013 | 779.1 | 933.4 | 119.8 | 4.29 | 37.5 | 92.7 | 69.8 |
| 2014 | 821.1 | 996.6 | 121.4 | 4.47 | 41.7 | 95.5 | 74.0 |
| 2015 | 865.5 | 1062.6 | 122.8 | 4.62 | 46.0 | 98.4 | 78.4 |
| 2016 | 912.2 | 1131.3 | 124.0 | 4.74 | 50.3 | 101.3 | 83.0 |
| 2017 | 961.5 | 1202.5 | 125.1 | 4.84 | 54.8 | 104.4 | 87.9 |
| 2018 | 1013.4 | 1276.1 | 125.9 | 4.93 | 59.2 | 107.5 | 93.2 |
| 2019 | 1068.1 | 1351.9 | 126.6 | 5.00 | 63.8 | 110.7 | 98.7 |
| 2020 | 1125.8 | 1429.7 | 127.0 | 5.06 | 68.4 | 114.0 | 104.6 |
| 2021 | 1186.6 | 1509.5 | 127.2 | 5.11 | 73.0 | 117.5 | 110.8 |
| 2022 | 1250.7 | 1590.9 | 127.2 | 5.15 | 77.8 | 121.0 | 117.3 |
| 2023 | 1318.2 | 1673.7 | 127.0 | 5.19 | 82.5 | 124.6 | 124.3 |
| 2024 | 1389.4 | 1757.7 | 126.5 | 5.22 | 87.4 | 128.4 | 131.7 |
| 2025 | 1464.4 | 1842.6 | 125.8 | 5.24 | 92.2 | 132.2 | 139.5 |
| 2026 | 1543.5 | 1928.0 | 124.9 | 5.27 | 97.0 | 136.2 | 147.8 |
| 2027 | 1626.8 | 2013.6 | 123.8 | 5.29 | 101.9 | 140.3 | 156.6 |
| 2028 | 1714.7 | 2098.9 | 122.4 | 5.30 | 106.7 | 144.5 | 165.9 |
| 2029 | 1807.3 | 2183.5 | 120.8 | 5.31 | 111.6 | 148.8 | 175.7 |
| 2030 | 1904.9 | 2266.9 | 119.0 | 5.33 | 116.3 | 153.3 | 186.2 |
2021年度に債務残高の対名目GDP比率はピークアウトすることとなります。
キャッチアップ効果シナリオ
上記の保守的シナリオでは、いわゆる「失われた10年」に抑制された成長は取り戻せないものとして推計しています。しかし、安定的に名目成長が確保されるとの期待が広く社会に行き渡れば、これまでの消費や設備投資を抑制していたことの反動分の成長があると考えるのが自然です。というのも、これまでデフレ期待の下で所得は消費や投資ではなく貯蓄に回されがちでしたが、貯蓄とは将来の消費や投資のために行われるものですから、所得のうち消費や投資に回す分に加え、貯蓄を取り崩して消費や投資が行われる部分があるからです。
この反動がどの程度のものとなるか、まずGDPギャップ(デフレギャップ)を見ますと、日本の潜在(実質)GDP成長率として用いている2.4%を割り込んだ1997年以降、平均して2.4%成長が可能だった場合の実質GDPは2004年で606.5兆円となり、実績の534.0兆円は差額で70兆円強、比率で約14%、本来可能だったはずのレベルを下回っていることになります。
また、リフレ政策の指標としてプライスレベルターゲットを用いた場合、仮にデフレがなかった場合の物価水準に追いつくことを目標にインフレ率を誘導することになりますので、追いつくまでの期間は巡航状態のインフレ率(保守的シナリオでは3%)よりも高いインフレ率が維持されることとなります。ちなみに追いつくべき物価水準は、1995年以降のGDPデフレータが平均3%上昇していた場合をゴールとすると、2005年政府見通しまでで約50%上の物価水準(1994年を100とした場合の2005年までの実績・見通しベース物価水準が90.9に対して、3%インフレが継続していた場合の物価水準は138.4)ということになります。
#以上の実質GDPやGDPデフレータなどは、平成12暦年連鎖価格GDE(GDP)需要項目別時系列表によります。
どの程度の期間をかけてこうした喪失分を取り戻していくかは政策判断ですが、とりあえず10年かけてキャッチアップすると仮定した場合、このキャッチアップ期間においては平均実質GDP成長率が1.28%押し上げられて3.68%、平均インフレ率は7.5%となり、平均名目GDP成長率は11.18%ということになります。
#これだけのインフレ率を維持した場合には為替レートが押し下げられ、輸出拡大によるGDPの更なる上昇があるとは思いますが、とりあえずその効果は捨象することとします。また、貯蓄取り崩しが原資となりますので、キャッチアップ期間における金利は名目GDP成長率を下回ると想定されますが、その効果も捨象することとします。というのも、いずれもwebmasterのスキルでは適当な推計式が立てられないもので・・・。
このキャッチアップ効果(キャッチアップ期間経過後(2016年度以降)は保守的シナリオと同じ前提に戻るものと仮定します)を加えて先の試算を再計算すると次の通りです。
| 年度 | 名目GDP(A) | 債務残高(B) | B/A(%) | 国債加重平均利率(%) | 利払い | 利払いを除く支出 | 税収 |
| 2006 | 568.7 | 576.6 | 101.4 | 1.65 | 8.9 | 78.7 | 49.4 |
| 2007 | 632.3 | 623.9 | 98.7 | 3.17 | 18.3 | 84.6 | 55.5 |
| 2008 | 703.0 | 680.8 | 96.8 | 4.52 | 28.2 | 90.9 | 62.3 |
| 2009 | 781.5 | 747.3 | 95.6 | 5.69 | 38.7 | 97.8 | 70.0 |
| 2010 | 868.9 | 823.6 | 94.8 | 6.67 | 49.9 | 105.1 | 78.6 |
| 2011 | 966.1 | 910.2 | 94.2 | 7.50 | 61.8 | 113.0 | 88.2 |
| 2012 | 1074.1 | 1007.0 | 93.8 | 8.18 | 74.5 | 121.4 | 99.1 |
| 2013 | 1194.2 | 1114.3 | 93.3 | 8.74 | 88.0 | 130.6 | 111.3 |
| 2014 | 1327.7 | 1232.2 | 92.8 | 9.20 | 102.5 | 140.3 | 125.0 |
| 2015 | 1476.1 | 1360.6 | 92.2 | 9.57 | 117.9 | 150.9 | 140.3 |
| 2016 | 1555.8 | 1487.0 | 95.6 | 8.80 | 119.7 | 155.4 | 148.7 |
| 2017 | 1639.8 | 1611.4 | 98.3 | 8.20 | 121.9 | 160.1 | 157.5 |
| 2018 | 1728.4 | 1733.8 | 100.3 | 7.72 | 124.4 | 164.9 | 166.9 |
| 2019 | 1821.7 | 1854.2 | 101.8 | 7.34 | 127.3 | 169.8 | 176.8 |
| 2020 | 1920.1 | 1972.2 | 102.7 | 7.04 | 130.4 | 174.9 | 187.3 |
| 2021 | 2023.7 | 2087.8 | 103.2 | 6.78 | 133.8 | 180.1 | 198.4 |
| 2022 | 2133.0 | 2200.4 | 103.2 | 6.58 | 137.3 | 185.5 | 210.2 |
| 2023 | 2248.2 | 2309.8 | 102.7 | 6.40 | 140.9 | 191.1 | 222.7 |
| 2024 | 2369.6 | 2415.4 | 101.9 | 6.26 | 144.6 | 196.8 | 235.9 |
| 2025 | 2497.6 | 2516.6 | 100.8 | 6.14 | 148.3 | 202.8 | 249.9 |
| 2026 | 2632.4 | 2612.7 | 99.2 | 6.04 | 152.0 | 208.8 | 264.7 |
| 2027 | 2774.6 | 2702.9 | 97.4 | 5.95 | 155.6 | 215.1 | 280.5 |
| 2028 | 2924.4 | 2786.3 | 95.3 | 5.88 | 159.0 | 221.6 | 297.1 |
| 2029 | 3082.3 | 2861.9 | 92.8 | 5.82 | 162.2 | 228.2 | 314.8 |
| 2030 | 3248.8 | 2928.6 | 90.1 | 5.77 | 165.1 | 235.0 | 333.5 |
こちらのシナリオですと、キャッチアップ期間中において債務残高の対名目GDP比率がいったん減少するものの、その際の高金利債務が巡航速度に移った後の利払い負担として残るので再度上昇し、最終的なピークアウトは保守的シナリオと同じ2021年度ということになりますが、いったん下がるだけにピークの高さはより低いものにとどまっていますし、先に触れた外需や金利上昇抑制の効果など、試算に組み込んでいない要素の存在を考えれば、さらに良い数字が出る可能性は十分にあると考えられます。
いくつかの補足
徳保さんのご指摘の中で、以上では若干舌足らずな部分について補足説明をいたします。
- 債務残高の対GDP比率はどの程度であるべきか
国債残高はGDP比40%以下とするべきと聞きます
とのことですが、現時点において対GDP比率について一定のあるべき水準が経済学界において見解の一致を見ていることはありません。財政赤字の本質的問題はクラウディングアウト、すなわち本来民間で活用されるべきリソースが政府に囲い込まれて民間部門がリソース不足になることですので、リソースの絶対量や民間での需給など各国の事情によって変わってきます。一説には、対GDPで200%を超えるような債務残高水準は経験則上サステイナブルではないとの指摘もありますが、いずれにしても、40%まで落とさなければならないといったことはありません。
- 歳出規模を維持・拡大して何をすべきか
昨今の政治状況を見るに、公共事業では国民の支持が得られません。手厚い社会保障施策を国債発行で賄うような形になる?(つまり最終的な「消費」の主体は国民)……そのあたりも含め、どのような政策が考えられるのか、ぜひご意見をうかがいたいです
とのことですが、公共事業にしても外環道や圏央道などには需要があるように思いますし、環境問題でも幸か不幸か経済停滞のおかげで現在はCO2排出量の伸びが抑えられているものの、経済成長が続けば何らかの対策は必至でしょうし、廃棄物問題もより深刻になるでしょうからその対策ですとか、いくらでも政策対応すべき課題は出てくると思います。重要なのは、総額を減少させる中で減少幅を調整してシェアを変えるよりも、総額が増加する中で伸び率に差をつけてシェアを変える方が経験則上政策転換が容易であるということです。もちろん無駄な歳出を削ることにwebmasterは本質的に反対というわけではありませんので、安定的な名目成長期において個別政策を精査した結果として全体の歳出額が減少するというのであれば、それは結構なことだと思います。ただ、デフレの現在においてそのような緊縮政策は愚の骨頂だと思うわけです。
- 「わかりやすさ」の裏側にあるもの
勝算の見積もりがないのは構造改革も同様ですが、「収支均衡を目指す」のは理屈としてわかりやすいと思うのです
とのことですが、(以前のエントリと重なる部分もありますが)まず財務省が掲げるプライマリーバランスは利払い費も控除して算出するものなので、その意味でのプライマリーバランス均衡を達成しても債務残高が減るとは限らないということが言えます。利払い費に正直に向き合えば名目GDP成長率のことを考えざるを得ないにもかかわらず、見たいものしか見ないためにそのような定義を用いているとしか思えません。さらに、いわゆる財政乗数の如何にかかわらず(0以下であれば話は別ですが)、政府歳出のカットand/or増税は必ず名目GDPを減少させます。そして名目GDPを減少させれば、ほぼ間違いなく税収は減少します。結局、(似非の)プライマリーバランス均衡を目指すのは、局所的に論じやすい部分にのみ焦点を当て、本当に重要な部分についてはアーアー聞こえない(AA略)としているからわかりやすく見えているだけのことだとwebmasterは思います。
- リフレ政策のフィージビリティ
日銀が長期国債を100兆円買い増すとインフレ率**%が**年間続き、GDPが**増えるので、結局、GDP比では借金が減るので勝負に勝てる、さらに**%のインフレ誘導政策を**年続けていけば、国債残高はGDP比で40%以下になる……そういったプランがほしいのです
とのことですが、少なくとも最初の買切オペ額とインフレ率の連動はよくわからないというのが正直なところです。しかし、日銀が国債を買う限りにおいて利払い負担は事実上消滅しますし(日銀に支払った利子は日銀の国庫納付金(税外収入)として戻ってきます)、日銀がロールオーバーしている限り元本償還負担も消滅します。そんないいことだらけの状態などあり得ないのでインフレが起こる、というのがバーナンキの背理法ですが、つまりは○○兆円買ったからインフレが起こるというものではなく、インフレが起こるまでどんどん買えばよく(ついでにロールオーバーもすべき)、かたや1970年代初頭の変動相場制の導入以後30年以上が経過し、インフレ率のコントロール手法(いわゆるインフレターゲット)はほぼ確立していますので、起きてしまったインフレはある程度のレンジ内でコントロール可能です。
繰り返しになりますが一定比率に債務残高を抑える必要はなく、発散過程になければそれでいいはずなのですが、現状の構造改革路線は発散過程を進んでいるので早くやめるべきということになるのです。
少し前に、ぐっちーさんがノーベル経済学賞受賞者であるマンデル教授が来日したときに通訳として同行し、小泉首相と会談したときも同席したという記事を読みました。 [http://blog.goo.ne.jp/kitanotakeshi55/e/a75d89ec5dfbaf5ffb6817724585ceb7:title] [http://blog.goo...
老人ホーム、介護保険お役立ち情報社会保障の経済効果について社会保障制度の充実は税・保険料の上昇を伴うため労働意欲を阻害し、経済を停滞させるという議論があるが、実証的な研究は見あたらない。もちろん、税・保険料率は低いほうがよいが、年金保険や公的扶助などの...
実証済みの事実を用いたわかりやすい説明?
金融緩和されまくりのバブル期に赤字国債解消、対して締められている現在は…。
バブル期にも消費者物価の上昇率は数%でしたから、ハイパー説の怪しさも突けます。それにしてもあの時期に金融締める代わりに都市部の居住用不動産の規制改革やってりゃ…。orz
でも世間的には、バブルを破裂させ「すぎた」のが問題で、破裂させたこと自体は肯定的な受け止めなんじゃないでしょうか。ハイパー懸念の声も、インフレ率の上昇というよりはバブル再燃が念頭にあるようですし。
日本は人口減少社会に突入するのにGDPがこんなに積み上がって行くものなのでしょうか?
特に2020年以降は団塊世代の寿命を迎え、毎年100万人規模の減少が見込まれているのに…
バブルの発生や崩壊も団塊世代の土地需要とリンクするという指摘もありますし、経済のドメスティックな要因である人口の減少は無視できないと思うのですが。
まず保守的シナリオの試算の表中の名目GDPの成長率は5%ではなく、2.4%で計算とされてますが、5%で計算されていないでしょうか?
5%でも保守的とされていますが、現状を鑑みるに先進国で20年以上にわたって5%の成長率を確保というのはちょっと楽観的に過ぎないかなと思います。(0〜3%の間の1.6〜2.5%辺りで推移するという予測の方は良くみますが)
リフレ政策で名目GDP成長率を11.18%、平均インフレ率を7.5%に設定というのも、目標として設定は可能かも知れませんが、実現する手段というと日銀(と政府支出)だけでは達成が厳しいように感じます。
政府歳出のカットand/or増税は名目GDPを減少させ、税収も減少する、というのは同感です。見かけ上のプライマリーバランスが取れているように見えたとしても、その裏で借款などによる財政赤字部分は増えていくのではないかと。(借金の元本は減らないので金利(利払い)分増加を続けていくことになるのかな)
現在の状況(方向性)は、政府歳出の増大(カットできる部分よりも自然増の部分の方が大きい)and/or増税(負担増)が名目GDP成長率を減少させるか伸びを停滞させ、税収も期待された程には伸びず、更なる増税(期待)が将来の成長率を更に鈍化させる、というのがありがちなシナリオかなぁ、と感じております。現在の(循環的な?)景気回復もどこまで拡大/維持するのか未知数ですしね。
個人的にリフレ政策で財政(租税)負担の増加を防ぎつつ経済成長を両立するのであれば、増大する社会保障費(年金給付含む)の公的支出総額の半分を税金でなく日銀の国債引受にすると、目的と支出先(とある程度の総額の制限)は明確になりますし、部分的な無税金政府の実現(=国民の負担軽=経済成長にプラス要素)を生み出すというのはいかがなもんでしょうか?(その場合のインフレ率の調整はさらに難しいものになるかも知れませんが)
>えとぴりかさま
ハンガリーはもう20年くらい人口減少していますが、名目成長率は2004年度で4.2%の成長をしています。
また、人口減少の話で必ず抜けるのが、人口は「国民」概念であり、GDPは「国内」概念であるという事です。極論ですがGDPを増やすには日本人が生産活動(テクニカルタームなので注意)をしなくても良いのです。
他にも、人口減少下でGDPがプラス成長させる方法はいくつかあります。「成長できないかも知れない」という危機感を持って対処するのは大事ですが、「成長できない」とアプリオリに決め付けてしまうのはよろしくないかなと思いますし、特に債務残高をコントロールしようとするのであれば、経済成長は必須です。
素人的なコメントでスミマセンが、インフレ政策は貯蓄に対して見えない税金をかけられているイメージなので、政治的な審判を受ける明確な「増税」より不健全な感じがします。
>一国民氏
もしそうだとすると、デフレは政治的審判を受けない減税ですな。
これは健康なんですかね。
>ハイパー懸念の声も、インフレ率の上昇というよりはバブル再燃が念頭にあるようですし。
うーん、その感覚わからんなぁ…。
マンション(賃貸分譲いずれでも可)の建っている土地の値段が大きく上がっても、高層化が可能になって一戸当たりの価格がさほど変わらないか下がれば自分的には無問題。m(_@_;)m
ついでに言うと、バブルは潰したからバブルなんで、軟着陸させてりゃただの好景気。その意味では潰したのはやっぱ大間違い。
間違って潰れたにしてもさっさと反転させていれば普通の不況で済んだんだけど、実際は失われた十ン年。orz
BEWAADさんが以前書いていたように政府の債務はグロスでなく、ネットで見るべきでは?
政府債務がGDPの10倍や100倍あろうと、政府の資産も同じくらいあれば問題ないわけですから。
今は地方の借金を合わせても政府の純債務は400兆円もなかったはず。
米国債など外貨も大量に持っているので、インフレになり、円安が進めば、純債務はさらに減るはずだし、
リフレ政策として国債買い切りオペをする場合も政府の純債務は日銀が買った分減るはずです。
>えとぴりかさん
人口が減少するといっても、低位推計でも今後2,30年は平均で0.5%にも満たないし、50年後でも毎年の減少率は1%未満です。
数%ずつ労働生産性があがるなら、この程度は誤差の範囲で大勢に影響はありません。
90年代ですら、労働生産性は平均すれば1%ぐらいは伸びてましたから、デフレが終わればもっと伸びるのは当然でしょう。
>名無之直人さん
実質成長率2.4%+インフレ率3%=名目成長率5.4%
ですから合ってますよ。
実質成長ですが、日本はまだ女性の労働参加率を上げる余地がありますね。もちろん移民でもいいと思います。しかしデフレではその働き口がありません。まずは需要を正常に戻すことが先でしょう。
ほっとくと貯金が減るという状態は結構な恐怖だと思うのですよね。特に高齢者とかには。土地神話もなくなった今、逃げる先もないし。消去法で国債ということになれば、一石二鳥ということなのかもしれないですけれど。
だから、需要不足で失業者がゾロゾロいる時代に、せっかく持っている
富を実物投資も海外投資もせずに、お札やそれに準ずるもので退蔵して
いるのは、持てる者が社会的責任を放棄して守銭奴に成り下がっていると
言うことなんですよ。
もちろん、各自が自己の利益を追求する自由は保障しなければ意味はない
のですから、貨幣の退蔵が損な富の保有手段だという状態に変えることが
政府・日銀の義務なんです。本当は。
TBしたのですがうまくつながらないので、よければhttp://takamasa.at.webry.info/200508/article_17.html
を、ご覧下さい。
>cloudyさん
>実質成長率2.4%+インフレ率3%=名目成長率5.4%
ああ、ちゃんとインフレ率3%で計算と書かれていましたね。ご指摘ありがとうございます&失礼致しました。>bewaadさん
ただインタゲしてリフレ政策とっても名目成長を5%台で達成し続けるというのは既に充分高いハードルのように感じるのですが、その点はどうなのでしょうか?(特にデフレ脱却直後は調整が難しいでしょうし)
女性の労働参加率を上げるにはM字カーブをどうするかという少子化対策のお話も混ざったりすると思いますし、高齢者活用も含めてパート労働者の賃金レベルの問題が混ざるので、労働力(労働参加率)の解消だけでGDP(経済成長)が確保できるとは考えにくい側面が多いかと思われます。(年金の法整備とかも一部絡むでしょうし。共働きと専業主婦の扱いの違いとか)
人口減分を移民でカバーというのは年間数十万単位受入は文化的/社会的体制的にすぐに実施は不可能かと思われますし、実施しても問題の先送りに過ぎないという議論もあります。(彼らが稼いだお金の大半を本国に送金してしまえば、雇用は日本で発生したとしても見合った需要は日本でなく彼らの地元で発生することになりますし)
(バーナンキ自身も著作の中で言ってましたが)根本的な問題は世界的な供給超過の状態にあるので、金融/財政政策だけで供給能力と実際の需要のギャップを埋めようとするのは、目的は正しいかも知れなくとも、それ(リフレ政策)だけで実現しようとするのは無理があるしまたすべきかどうなのかも私は疑問に感じる部分があります。(じゃあ金融/財政は何も手を打たなくて良いのか、というとそれも違うかも知れませんが)
>◆さん
政府の債務をネット、つまり資産と負債の対で見た時、資産の内容を確認して見ると、有形固定資産は負債の対の売却可能資産として捉えるには適当ではないものが大半かと思われますし、金融資産の大半は(広義の意味での)政府内貸付金や債券の持ち合い状態に過ぎず、そういった所からの資金の転用(いわば一部公的サービス資金からの運転資金の貸しはがし)が不可能なのであれば、債務の償還財源としてそれらの資産をカウントするのはやはり適当でないように思われます。
そこら辺については自分のサイトで雑考を書いてみましたのでよろしければご覧下さい。
http://plaza.rakuten.co.jp/outpostofnanasi/diary/200508180000/
http://plaza.rakuten.co.jp/outpostofnanasi/diary/200508190000/
http://plaza.rakuten.co.jp/outpostofnanasi/diary/200508200000/
>銅鑼衣紋さん
横レス失礼します。
>せっかく持っている富を実物投資も海外投資もせずに、お札やそれに準ずるもので退蔵している
お札やそれに準ずるもの=国債(郵貯での退蔵)を直接投資へ振り向ける為の郵政民営化として考えてみると、郵政民営化は小泉流リフレ政策?(失礼しました・・・。^^;)
物価とインフレの問題の根本が世界的な供給過剰だというなわ、バーバンキ
も焼きが回ったというか、FEDの偉いさんになるには社交辞令も必要とか(笑)
毎度同じ話で恐縮ですが、世界大恐慌という史上最大の需給ギャップの
下でも、適切な金融政策はデフレの波及をくい止められたし、起こった
デフレも止められたんですが、今の「供給過剰」がそれ以上とは思えな
いんですけど。
>名無之直人さん
企業の保有する実物資産の大部分も、それをばらして転売する価値では
ゼロのものがおおいんですけど。トヨタでもどこでも良いですが、資本
ストック(工場)は徹底的にオーダーメイドなわけで、そこで働く労働
者や管理者がいなければ、ただの粗大ゴミでしょう。これと高速道路や
橋や水道のどこに違いがあるかわかりません。
>郵政民営化
もし郵貯銀行が、現在市中銀行が貸さないような(新銀行東京とか日本
新興銀行も借り手を見つけられないわけですが)不良な借り手に貸すと
すれば、それを知った国民は郵貯銀行に預金せず、市中銀行に預金して
ブタ積み増やすか、手元に現金を置いておくだけです。民営化でリフレ
はできません。
お金で買えるモノは時間とともに価値が減るのが普通ですが、デフレというのは、何もしなくてもお金の価値が増えていく現象です。時間が経てばお金の価値が減るというのはあまたの生産物とシンクロした自然なことなわけです。
参考 http://d.hatena.ne.jp/BUNTEN/20050111
年寄りの、預貯金の減価に対する不安には年金の充実とか健康保険の充実とかで応えればいいところを、それらを削って守銭奴にさせてしまったためデフレで生産者が報われなくなり働く人が減って、結局高齢化社会を支えられなくしつつある、という構図なわけで。m(_@_;)m
>名無之直人さん
財務省のBSは特殊法人も連結してます.連結だからもちあい
はもともとネットアウトされてます.
運転資金だから資産カウントできないという話もまずいです.
ロールオーバーが出来ていればそれは(ちゃんと利付で帰っ
てきているわけですから)資産以外のなにものでもありませ
ん.いちどきに負債を返済する必要もないからいちどきに資
産を流動化する必要もないのです(一度に返済しなきゃなら
ない事態になったとしたら……どんな事態か想像つきません
が,流動化が難しいものもするしかない).
また社会補償基金についても預かり金部分は両方に積んでい
るのでかたっぽだけ落とすというのはまずいです.ただし,
将来の国庫負担予想分,もっと厳しく給付予定現価の全額は
負債に積むという考え方もある.これは試算額が載ってます
(H14以降なぜかこれが消えてるけど……!)でもこれを計
上するとなると将来の税収や社会保険料徴収分の現価を資産
に積まないとおかしな話になっちゃう.
ただ200兆だってすごい額だetc.という話はあると思うんで,
そう言う場合はほぼ同じようなベースで計算した他の先進国の
BSを見てみましょう.もう少し慎重に行きたいなら負債−金
融資産で見てみましょう.まぁそれでも悪いんですが「最悪」
「空前」というのは言い過ぎかなと思います
皆様コメントありがとうございます。ほとんど付け加えることはないのですが、2点だけ。
○人口減少
こと需要側面に着目するなら、年金受給者は公的・私的な貯蓄を取り崩して消費していくわけですから、労働力人口の減少は需要減少の要因としてはそれほど心配すべきではないかと思います。
問題になるとすれば供給側面で、投入労働力不足でインフレギャップが生じることですが(ただこれは多くのご指摘のとおり、女性・高齢労働力の活用で対応できる部分が相当あると思います)、それをいうなら若年失業率やパート労働者比率を上げている現在の路線の方が、それらの労働生産性を押し下げておりよほど問題といえるでしょう。
○ネット
もちろんネットで見た方がベターかと思いますが、
1.収益率がよくわからない
2.今後のアセットアロケーションにどのような前提を置くべきか決めきれない
3.グロスで大丈夫なら当然ネットでも大丈夫
ということで、とりあえずグロスで計算してみました。
P.S.平家さんのエントリ拝読しましたが、その中のリンクがtrackback用のURIになっていますので、tb.rbというディレクトリ指定部分を削っていただければと思います。
いろいろご教授ありがとうございます。
理論的にはすっきりしているのですが、心情的に受け入れられない人がたくさんいそうな気がしていて、それでもなおかつ受け入れてもらわなければならないのだとしたら、選挙のような政治的な審判の過程が必要なのではないかな、と思います。
>一国民氏
これ、金融政策を巡っては毎度問題になる話ですが、利上げにしろ利下
げにしろ、いつだって心情的には受け入れられない人は沢山居ます。90年代はじめに本格的な株価下落が始まり地価も下がりはじめ、景気
後退が鮮明になってきた時にも、お金持ちは「株も土地も値下がりして
有利な資産運用の機会がなくなった。これで利下げなんかされたら追い
打ちだ。利下げ反対」と、ある会合で経済の話をしていたら地主さんに
怒鳴られた事があります。逆も同じで、住宅ローン抱えているサラリー
マンは利上げ絶対反対の人はおおいでしょう。
金融政策の運営を選挙に任せることはできません。だから中央銀行は
独立している必要があるのです。でも、まったく野放しに中銀官僚の
恣意に任せるわけにはいきませんから、あらかじめ「目標インフレ率」
を議会が定め、それを中銀に任務として課す必要があるというのが、
悪名高いインフレターゲット論のエッセンスです。
ですから、今からでも遅くはないので、国会は早急に日銀法を改正し、
インフレターゲットを明文として書き込むべきなのです。そのための
政治的な審判というなら、僕も賛成します。
まず、様々な不勉強・不備をご指摘頂きありがとうございました。
(小泉のリフレ云々は悪い冗談のつもりで書きましたが失敬しました。)
有形固定資産の扱いに関して言えば、企業の場合は投資に見合ったリターンを求めて行うので投資した資金の回収が見込めるなら資産の転売が不可能であっても資産と負債が見合っていると考えられのかな、と。
けれども、公共財の場合はそもそもリターンを求めない/求められないケースが多いので民間の投資や固定資産との比較が適当でないのかと思います。投資に見合った額の資産が積みあがれば問題無いと考えるには、関西国際空港等の投資した資金の回収すら困難で結局は公的資金(税金)の追加投入で赤字穴埋めといったケースや、誰もいない/めったに使わない所に公共財(種類にもよるでしょうが)を1億かけて作っても、それは投資した額が1億なんだから1億の価値があるとするのも違和感を感じるですが。(厳密な解釈でいうとものすごい難しい話になるのでしょうが)
財務省の統計の連結のネットアウトなどに関しては不勉強でした。(調べ直して本文の方も訂正しておきます)
ただ上の話も絡む質問があるのですが、政府が資金を貸し付けて利付きで返してくるのであれば、それは収益性を考えた時に貸付先の機関が黒字を出している、つまり自立採算が取れていると考えられるのでしょうか。だとすると政府がいろんな名前の債券をいちいち発行していろんな所に引受させてそのお金を貸し付けるという事をしなくとも、広義の意味で同じ政府内であるなら、政府に対して支払う利息分利用料金を下げる(還元)とか、400兆の内数%〜10%程度を(制度的な制約等いろいろあるでしょうが)一般会計に繰り入れて赤字国債発行分を穴埋めする(転用)とかは可能なのでしょうか?(自立採算が取れておらず債券を発行しその収入を運転資金として対象機関に投入しないと継続不可能なのであれば、また話が違ってくるように感じるのですが)
社会保障基金に関しては資産と負債側両方で落として別枠扱いにするのが適当なのでしょうか。
実際には現在預かり資産だけを負債側に積むのが一番単純な処理なのかも知れませんが。(給付予定現価の全額を負債に積む場合、将来の税収や社会保険料徴収分の現価を資産に積まないとおかしな話になるというのはその通りだと思います。ただ実際計算するとなると一個人、少なくとも私にはorzなワケで・・・。)
負債−金融資産で見た資料だと、こんな資料を見つけたのですが、解釈としてはこの内容で正しいのでしょうか?(デフレ脱却の重要性についても触れられています。)
http://www.tbr.co.jp/keizai/ronten/0504zaisei.pdf
個人的に一番気になっているのは、税収に対する支出の大きさ(借款債等の発行額含む)なのですが、これは気にする必要は無いのでしょうか?
>名無し之直人さん
公共資本は性質上、直接に金銭的な収益は生まないのは事実です。
生むのなら、民間が投資すれば良いのですから。つまり、その収益
は利用者たる国民に帰属してしまうので、そこから利用料を税金で
徴収し、それが公共資本に対応するキャッシュフローということに
なる。つまり、バランスシートに計上すべきは資本の取得原価とか
償却控除後の金額ではないわけです。実は、こうした扱いは、別に
公共資本に限らず資本ストック一般に関しても成り立ち、トヨタの
コテコテにオーダーメイド?した工場の評価も同じことでしょう。
とろこが、実際に推計する場合には、取得原価か、転売価値なら
(いつわりの)客観性があるので受け入れられるが、将来キャッ
シュフローは主観的な予測に過ぎないので使えないわけです。
もちろん、不動産鑑定でいえば収益還元法というのがこれに相当
するわけですが、その恣意性たるや、スプレッドシートでいじれば
どんな評価額でも叩き出せると言われているのが実態なわけです。
というわけで、どうやってもインチキな数字しか出ないのだから
全部無視というのは潔いわけですが、それは同時に明らかに間違っ
た数字であることも事実です。
そうなると、あとは国民の担税能力と意思が政府のバランスシート
の資産側を決めるということになってしまうんじゃないでしょうか。
まあ、それって「潜在成長率」でほとんど決まるといっていいんで
は?もしそれが十分低いなら日本政府は既に破綻しているし、高い
なら意外やBSは健全ということになる。長期金利を見る限り、
市場参加者の大部分はまだ取り返しがつかないほど不健全とは思っ
ていないようですが。
>政府が資金を貸し付けて利付きで返してくるのであれば、
>それは収益性を考えた時に貸付先の機関が黒字を出して
>いる、つまり自立採算が取れている
連結BSの方は特殊法人への貸付はネットアウトしているので,貸付は
資金運用部自主運用や政策金融機関の民間企業への貸付です.公庫や
政策投資銀は一応ちゃんとした会社にしか貸してくれないです.
ただ,ちゃんとした民間会社にしか貸さないなら政府がやる必要ない
じゃんと言う批判があると思います.これはまぁその通り……
>社会保障基金に関しては資産と負債側両方で落として別枠扱い
これは難しいところです……
将来発生する税・社会保障費徴収をはかるという意味では全部計上が
正しい気もしますし.
>負債−金融資産で見た資料だと、こんな資料を見つけたのですが
ただしイタリアより良いというのは褒め言葉にはなりませんがw
財政赤字の問題点についても冷静な評価だと思います.
>税収に対する支出の大きさ
PBを気にするか否かと言うことでしょうか?ならば当然気にしなけれ
ばなりません.PBしだいで名目利子率が名目成長率をどれだけ上回る
必要があるか,ひいては名目何%成長しないとやばいかが決まります
から.
>PBしだいで名目利子率が名目成長率をどれだけ上回る必要があるか
誤解されそうなので収束水準が変わるよと言う話です
>そうなると、あとは国民の担税能力と意思が政府のバランスシート の資産側を決めるということになってしまうんじゃないでしょうか。 まあ、それって「潜在成長率」でほとんど決まるといっていいんでは?もしそれが十分低いなら日本政府は既に破綻しているし、高いなら意外やBSは健全ということになる。
政府の金融資産の中には大量に外債が含まれているので、国民の担税能力や日本の潜在成長率だけでは決まらないのではないでしょうか?
アメリカなどの諸外国の潜在成長が高いなら、日本の潜在成長が低くてもインフレを続けておけば、問題はなさそうに思うのですが。
円安が進めば進むほど政府資産は増え、純債務は減りますし。
極論を言えば、日本各地に核ミサイルが降り注ぎ、社会インフラが壊滅し、日本人が絶滅して誰一人日本国に税金を納める人がいなくなり、潜在成長が0%になっても、政府債務の大半は国内から借りていて、対外純債権国だから財政は破綻しないはずです。
>銅鑼衣紋さん
統計の恣意性に関しては、各資料の数字のあまりの食い違いっぷりで非常に感じるところがありました。そういう意味では累積債務と呼ばれるものだって『実はどうとでも受け取れる存在に過ぎない』と思ってたりします。
>そうなると、あとは国民の担税能力と意思が政府のバランスシート
>の資産側を決めるということになってしまうんじゃないでしょうか。
これはすごく頷けます。
国の徴税権の存在に対して国民がどれだけその行使を許すのかand受容できるのか、という判断を下す為にも政治や経済に関して無知無関心でいる事は、危険であるし、またすべきでないと思います。(最近のネタで言うと経団連が法人税減税の延長希望とか出したりしてますね)
「潜在成長率」と金利の相関についてなのですが、潜在成長率がだいたい2〜3%(かな?)、名目金利(国債の表面利率)が1.45%付近(先物で1.55〜1.6%)。今の景気回復動向が維持/拡大したとして、貯蓄率の低下傾向が並行して起こると、潜在成長率に近い水準に金利も上昇していく可能性があるのかなぁと漠然と感じております。名目成長率と今後の金利動向は、特に量的緩和政策廃止後は、名目金利が名目成長率を(ぎりぎり)上回(り続け)る可能性もあるのかなと。(それってスタグフレーション?だからリフレ的な政策が必要になるのかな)
今後一定程度の景気回復動向が持続するとして、債券以外の金融市場がどう動いていくかによって市中金利も(国債の表面利率も)決まって来るのと思うので、最近じりじりと底値や金利を上げ始めた株式市場や債券市場の動向を素人目ながら興味深々に眺めてたりします。(つまり景気回復して株価上がった金利も上がった(特に日銀的に?)バンザーイ!と思ったら実はもっとヤバイ状況に突入してしまってる可能性もあるのかな、と気にかかってたりします)
>すりらんかさん
PB(プライマリーバランス)の話で言うと、普段引き合いに出される一般会計内だけのお話なら確かにどっかの時点で取れるのかも知れないと思うのですが、借款債発行額を含めて考えてしまうと(その内一定割合は日銀含む公的/市中金融機関の差替かも知れなくとも)、増税でなんとかなるとか自然な経済成長でどうにかなりそうには見えないというのが私見です。
40兆(景気回復や増税したとして50〜60兆程度?)の税収に対して、毎年100兆以上の借款債+新発債30兆前後+利払いが絡んでくると、名目成長率が名目利子率を上回らなければならない割合、ひいては名目何%成長しないといけないかという収束条件がほぼ実現達成不可能なレベルにあるように感じるのですが。
借款債発行額は気にする必要が無いとの事であれば、乱暴な極論ですが、国家予算は全部国債(TB)で組んで発行直後に借款債として全額再発行し、市中吸収出来なかった分はそのまま日銀引受(つまり償還そのものが不要)、市中吸収された分の償還財源はやはり全部日銀引受で問題無いという結論に行き着いてしまわないでしょうか。(その場合のインフレ期待というのは結構なものになるかも知れませんが。日銀(中央銀行)のバランスシート(毀損)というのはあまり意味の無いものだと思いますし。)
またいろいろ間違ってるかも知れませんが、よろしければ又ご指摘頂ければ幸いです。
>銅鑼殿
>そうなると、あとは国民の担税能力と意思が政府のバランスシート
>の資産側を決めるということになってしまうんじゃないでしょうか。
反語表現なのかも……と思いつつ,そこまでフレキシブルなモノをBSにの
っけちゃうと基準としての役に立たない気がするんでどうでしょ.
>名無之直人さん
>統計の恣意性に関しては
恣意性と特性を勘違いしてませんか?公会計のルール自体は公表されている
ので恣意性(数字を適当にいじれる<-これを「なめる」といいます,余地は
小さいでしょう).政府の純債務資料はその特性(クセ)があってわかりに
くいかもしれませんが恣意的という批判は当たらないと思います.その意味
で,恣意性を混ぜ込みやすい「国民の担税能力と意思」みたいなモノを勘案
したものは資料性が薄い.
>そういう意味では累積債務と呼ばれるものだって『実はどうとで
>も受け取れる存在に過ぎない』と思ってたりします。
これはものすごくまずい類推だと思います.反経済学の人とかによく見ら
れる考え方ですが,公会計もSNAも欠点たくさんあるけど「だから無いのと
同じ」ではない...「欠点を知った上で使うべき」が正解です.あと対外債
務の場合は返済時の資源移転が明確ですからあんまり一緒に出来ないし..
>潜在成長率に近い水準に金利も上昇していく可能性があるのかなぁと漠然
>と感じております。
市場の失敗無しの長期均衡では実質利子率と期待実質成長率は一致しますか
ら理論的にも正しい予想です.ただ,それなりの経済状態では実際の実質金
利はそれよりちょっと低くなると思いますが.
>増税でなんとかなるとか自然な経済成長でどうにかなりそうには見えない
>というのが私見です。
漠然としすぎていてどう反応して良いのかわかりません.
>借款債について
借款債って借換債のtypoだと思ってたんですが違いますか?
借換債についてはロールオーバーできる限り関係ないです.
んで最後から二番目の段落の話は事実上の新発債直接引受ですからどう関係
するのかわかんないんですが,典型的なインフレ課税(つまりは増税で何と
かする話)です.
今日も盛況でうれしい限りです。ありがとうございます。
○選挙と金融政策
本来そういう雑音に惑わされないため(そして民主的意思決定のメリットを上回るだけの専門的知識の有用性)に中央銀行の独立性が認められているはずなのですが・・・。
○国のバランスシート
付け加えるなら、シニョレッジを資産(ある種ののれんですが)計上してバランスさせるというのが理念的な組み方なのでしょうけれど、しょせんはバランスシートは物差しに過ぎない話ですから、シニョレッジをどの程度見込むかは、バランスシート的(収益還元法的)アプローチよりは、リフレ策を実施する中で適切にフィードバックし、事後的に計測するものなのかな、という気がします。
>すりらんかさん
>統計の恣意性
ちょっと言葉が悪かったですね。ただ国全体のBSとかをざっと見ていくと、それぞれの見地や手法に則って様々な数字と解釈が生まれてくる、という意味合いで言いました。だから大事なのはそういった"ルール"を理解した上で諸統計を利用していく事だというのはおっしゃられる通りだと思います。
>累積債務
結論としては、負債−金融資産でいいのかなという所ですが、一度こいつの増加額の推移とか内訳を追っていった時、『どうしてこれだけ増えたのか/増え続けているのか』という計算がどうしても合わなかったりして結局未だ藪の中にいる状態です。(財務省や日銀の資料をいろいろ当たってはみたのですが・・・)
「借款債」は「借換債」のtypoでした。すみません。
借換債の何が問題かというと、それが純粋な債務であって、その金額が経済成長率(や税収)を遥かに上回るペースで累積していくのはヤバイのかな、という所感があったりします。(その負債に見合った資産は基本的に何も残っていかないわけですし)
ロールオーバーできれば問題無い、というのは、(借り換えが)市中吸収できる内は問題無い、という事でよろしいのでしょうか。
郵政民営化が実現した場合でも(先に伸びた場合でも)郵政資金は今後減少傾向を辿り、同時に景気回復に伴って市中金融機関が債券から他の金融商品に資金をシフトさせていったとすると、年間150兆超から200兆以上が問題無く市中吸収されていくかどうかについては、あまり楽観視できないように感じております。(将来に関する事なので確実な事はわかりませんが)
その意味で、「国民の担税能力と意思が政府のバランスシートの資産側を決める」、つまり日本の国民や企業が国の負債とどう向き合っていくのかという意思と負担能力がこの問題の落とし所を決める様に思います。
実際のBSにどう反映させるか/しないかについては、このくらいの税負担にすればこのくらい負債が減ります(減っていきます)という見せ方が適当なのかなと思います。納税者心理としては。
PBという指標だけに頼るのは金利と経済成長率という不確定要素があるのでどうなんだろうという心境だったりします。(無視はしないし重要な指標にするにしても)
>借換債
>経済成長率(や税収)を遥かに上回るペースで累積していくのはヤバイ
こうならないための条件がドーマー条件です.
さらにしばらくは低利発行の長期債が残存してますからインフレ転換
すればかなり状況が改善されるでしょう(この効果がちゃんと入って
てしかも次第に高利に置き換わるとことかこのシミュレーションのよ
いとこですね)
>実際のBSにどう反映させるか/しないかについては、このくらい
>の税負担にすればこのくらい負債が減ります(減っていきます)
>という見せ方が適当なのかなと思います。
これはかなり重要なことだと思います.
BSはどうとってもその方法なりのクセがでますからシミュレーショ
ン(その意味ではまさにこのエントリのような作業)を多くのパタ
ーンについて報告しておくことが重要でしょう.ただメディアに理
解してもらうのが大変そうですが……記者さん達の理解力は驚くほ
ど低いです.これは経済学がとか統計が……云々ではなく,資料(
含む文字資料)をほとんど理解・解釈できないという人が少なくな
いんです.
加重平均利率の借換が残高の10%なのはおかしい。
国債は平均して5年で償却されるのだから20%じゃないか。
というツッコミが2chの方でされてましたけど
名目GDPを越えた数値を出したりと、この辺りの理屈がちょっと分かりません。
>ヌルさん
借換率はあまり深く考えずにおきましたが、20%にしてもピークの高さやピークアウトの時期は変われど、ピークアウトの後漸減という枠組みは変わらないでしょう。
名目GDPを超えた数値というのが税収弾性値であれば、それは下の財務省資料によっています。ちょっと古いですが、探してみても新しいデータがないのでそのまま使いました。
http://www.mof.go.jp/singikai/zeicho/tosin/zeichof/z006.htm
>ヌルさん、bewaadさん。
借換率20%というのは、この資料から出ているのだと思います。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/siryou/zandaka06.pdf
17年3月の段階では平均残存期間は5年1ヶ月です。これは1年以内償還額が異常に多いためで、これを超えると平準化されます。ざっとした計算をするのであれば、現在の発行の主力は10年債ですから、10分の1でいいと思います。
なるほど。ありがとうございます。
数値の設定が変わっていても結論には変わりない。
という事は分かっていましたが、一応気になったもので。
現在の主力は10年債でしたか。
金利の上昇は当分無いと判断しているんですかね。
>平家さん、ヌルさん
中長期債の主力が10年債なのは昔からですが、かつての4年債・6年債を5年債に統合するなどして中期ゾーンを厚くする一方で、20年債や30年債の発行努力も続けられているわけで、全体として中長期債の平均年限はそれほどは変わっていないように思います(印象論ですが)。
平家さんご指摘のように、全体を引き下げるのはこうした中長期債の動向よりもむしろTBの発行量の影響が大きいのではないでしょうか(これまた印象論ですが)。
たぶんこのあたりはドラめもんのところの方がお詳しいでしょうから、そちらをご覧いただいたりするのも有益だと思います。
>bewwadさん。
私の示したのは「普通国債」の残高なので、TBは含まれていません。たまたま、異例の事態が生じているのです。
普通国債とTBの関係はこちらをご覧下さい。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/siryou/zandaka01.pdf
>平家さん
お示しのページを読みもせず不正確なことを申し上げ失礼いたしました。
発散過程(もしくは、その期待)でインフレになるのは
その通りだが、同時に名目金利も上がる(当たり前だ)。
実質金利は下がりません、悪しからず。誰が
インフレになると予想して低金利で金貸すか
つーのよ。逆に期待インフレ率が高ければ、
その分だけ金利が高くても金借りる罠。均衡
名目金利は期待インフレ率で決まりますねん
まあ、金利が硬直的な経済ではこの限りではなかったん
だけどねえ。
>不磨さん(糞馬さん)
この私の書き込み以後に、上記同様にマルチポストをなさった場合には、荒らしとみなして削除いたします。