toppage memoranda
(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)
2005-08-27
■ [economy][politics]それでも暗黙の政府保証は存在する、ほか
当サイトの読者の方々にはおなじみの馬車馬さんが暗黙の政府保証は存在しない(か、存在するとしても消滅に向かっている)との立論を展開され、この話題をwebmasterとともに取り扱ってきたfinalventさんやsvnseedsさんも一理をお認めのようですが、いや、やっぱり存在するのですよ、と申し上げたい。
市場関係者でもないwebmasterがあれこれ言っても眉唾でしょうから、今日現在でMoody'sがした最新の格付け、独立行政法人都市再生機構が発行する財投機関債の格付けをまずご覧いただければと思います。信用リスク評価だというのに財務的な償還能力にはほとんど言及されておらず、端的には次のような判断がなされています。
ベースラインの信用評価「3」は、都市機構が都市再開発や公的賃貸住宅供給の分野において日本経済に対する重要な役割を担っていること、また補助金や財政投融資資金など、政府による通常の支援や規制上の枠組みを反映している。
財投機関を含む特殊法人・独立行政法人等は、何らかの政策を実施するに当たり、政府自身ではなく別法人を道具として設立して行わせしめるものですから、「高鳥尽きねば良弓用いられ、狡兎死せずば走狗煮られず」とでもいうべき、政策が行われる以上道具である法人は政府がきちんと面倒を見る(であろうと投資家が信じてしまう)=暗黙の政府保証が成立、という構図は繰り返しwebmasterが説いてきたことですが、まさに格付け会社もそうした観測をしているわけで、つまりは暗黙の政府保証の存在は市場において信じられているということになります。
関連して、馬車馬さんのその前のエントリには事実関係についていくつか誤りが散見されますので、そのご指摘をあわせて以下いたします。
この資金の流れ(webmaster注:財投の資金の流れ)に内閣や議会は全く関与していなかったので、「大蔵省が自由に使える影の資金源」として非難を浴びたのが財投改革の端緒となったわけだ。
財投改革以前の財投のパンフレットにもあるように、従来より国会の議決を受けていました。
この改革(webmaster注:財投改革)で一番重要なのは、特殊法人の資金源を政府(内閣)が掌握したという点にある。特殊法人への貸付を政府が止めた瞬間特殊法人はつぶれるので、政府はこれで特殊法人に対して生殺与奪の権利を握った事になる。
そもそも上記のとおり大蔵省が自由にしてい(て政府(内閣)が関与していなかっ)たわけではありませんが、それに加え、特殊法人は特別の設立根拠法を持っていますので、その法律が廃止されれば特殊法人は即刻解散ということになりますから、その意味からも政府は生殺与奪の権利を握っていました。
ではなんでこの預託金がこんなに儲かるのかというと(表をご覧いただければ分かるとおり、国債の利率よりも1%以上高い)、この預託金、7年満期のくせに10年国債利回り+0.2%を基準に金利が決まっていたのだ。7年金利よりは10年金利の方が当然金利は高いし(大体0.4%ポイントくらい高い)、その上なんで必要なのかよく分からない0.2%が乗っかっている。ハッキリ言って不当に高い金利である。大体、7年満期なのに10年の金利を適用するというのが信じがたいデタラメさだ。
7年ものに10年金利を付すのもそれに20ベーシスの上乗せスプレッドがつくのもでたらめなのは事実ですが、「1%以上高い」(実際には馬車馬さんの言及期間においては0.95%ポイント(2001年度)〜1.69%ポイント(2003年度))ことの説明としては、「0.2%」と「0.4%」では約1/3〜6割しかカバーしていません。
では残る4割〜2/3は何によって説明されるのかといいますと、長期金利の低下です。例えば2003年度末において残存している預託金は、預託廃止が2001年度で7年満期ですから1997年度〜2000年度に預託されたものですが、この期間の国債平均金利は1.78%(10年プライマリー市場での加重平均金利を発行回で単純平均したもの)ですから、こちらの影響の方が大きいのは間違いありません。
この無意味に高い利子を払うために、各種公庫公団は我々消費者から理不尽に高い手数料だの料金だのをふんだくるという構図になっているわけだ。
20ベーシスの上乗せを問題にしているということは、このご指摘は財投改革前を指しているものということになりますが、その時期を前提とする限り、このご指摘は実は当たりません。というのも、預託金利以上に財投の貸付金利はでたらめだったからです。
具体例を見てみましょう。財投改革実施直前における各財投機関への貸付期間等を見てみますと、最短期5年で最長期30年、償還パターンも据置期間があったり満期一括償還があったりと非常に多種多様です。ところが、貸付金利はそれらの条件とは無関係に一律7年以上の預託金利と同じものという設定になっていました(webmaster注:財投改革により、今では国債のイールドカーブから算出される期間・償還パターン別金利設定に改められています)。
ですから、相対的に短期で借入れを行っていた財投機関(国民生活金融公庫(9年)や中小企業金融公庫(5年)など)は不当に高いコストを支払っていたのは事実ですが、他方で相対的に長期で借入れを行っていた財投機関(住宅金融公庫(23年)や都市基盤整備公団(30年)など)は実質的に国債よりも低いコストで資金調達が可能で、したがって手数料や料金などはその分だけ押し下げられていたということになります。
なんでこのような一見変な話(郵貯は国債で運用するより得(ただし後述のような理由から単純にそうは言い切れないのですが)であると同時に、住宅金融公庫なども国債で調達するより得)が成立していたのかといえば、それは財投がリスクをとっていたからです。郵貯が7年で預託しているということは、財投側から見れば7年で調達していたということになりますが、その資金を最長30年で運用していたということは、とてつもなく大きな金利リスクを抱えていたことになります。長期的なトレンドとして金利が低下傾向だったからハイリスクハイリターン運用がうまくいってこのようなおいしい話が実現できていたわけですが、金利の急上昇があれば財投は破綻していたわけです(アメリカのS&Lと同じ羽目に陥る危険があったということです)。
問題なのは、この郵貯の利益の源泉たる預託金は2008年にはほぼ全額が完済され、郵貯の資産から消滅するということだ。もし2003年度末で165兆円ある預託金が全て7年国債(利率0.95%と仮定)に置き換わったとすると、経常収益は2兆円以上低下する。前回書いたとおり、これは郵貯の経常利益がまるまるふっとぶ規模なのだ。
既述のような金利変動が原因の過半を占めるとすれば、経常収益が下がるのと同様に経常費用(貯金の利払い)もまた下がるので、経常利益がふっとぶということはないはずです。
ラフな試算をしてみましょう。既述のとおり2003年度末の預託金がすべて定額貯金に対応していたとして、定額貯金は満期10年ですから2004年度〜2007年度(2003年度末の預託金が満期を迎える期間)に満期を迎えるものは1994年度〜1997年度に預けられています。それらの金利の平均は1.43%(3年超金利の適用週数による加重平均)なので利払いが165兆円×1.43%=2.36兆円となり、それらが現在の3年超定額貯金の金利(今日現在で0.06%)の負債に置き換わると仮定すれば利払い額は165兆円×0.06%=0.1兆円まで下がるので、結局経常利益はほとんど変わらないということになります。
実は本来郵貯は、10年調達・7年運用とちょうど財投と逆のかたちで金利リスクをとっており、金利低下に弱い構造を持っています(ノーペナルティで預替え可能であるという定額の商品構造ゆえに金利上昇にも弱いのですが、ここでは将来の金利が現状のまま推移する前提で議論しているのでそれは捨象します)。過去の損益を見ても1998年度〜2000年度にかけて合計4兆円近い損失を出していますが、これはバブル期の高金利定額貯金が残存する一方で同時期の高金利預託が満期を向かえ低金利預託に置き換わったことの結果です。先に馬車馬さんがご指摘の60ベーシスの「ボーナス」を求めて預託期間を10年でなく7年にして満期構成にミスマッチを生じさせるリスクをとり、それが裏目に出たわけです。
であるなら、今回もまた馬車馬さんご指摘のように利益が吹き飛んでもおかしくないはずなのに、なぜこのような結果になるのでしょう。それは1993年に定額貯金の金利設定ルールが変更されたからです。98年度から00年度にかけての赤字は88年度から90年度にかけて預けられた定額貯金の利払いによるものですが、このころはほぼ10年国債金利が付されていました。しかし93年以降のルールでは、民間の3年定期預金金利と10年国債金利のいずれか低い方をベースに決定されることになっています(順イールドであれば前者、逆イールドであれば後者となります)。過去の高金利負債が残っているのは現在も同じことですが、その「高金利」の絶対水準がたかだか3年定期預金のレベルなので現在は利益が出ているわけです。
現在、郵貯の残高が漸減傾向にあるのはこれが原因です。誰だって10年ものの金融商品に3年ものの金利しか付されていなければ、預けたくもなくなるというものです(順イールドの場合においては、ですが)。この金利面での不利は先に触れた預替え自由のための手数料のようなもの(プットオプションプレミアム)ですが、今では同様の商品性で10年国債金利ベースで利払いがなされる個人向け国債があるわけですから、民営化の有無にかかわらず定額貯金は競争に敗れてその残高が減少せざるを得ない状況にあるのです。
■ [politics]国民新党、ダメ・・・
国民新党は25日、エコノミストの紺谷典子(ふみこ)氏(60)が副代表(兼政策委員長)に就任したと発表した。紺谷氏は04年まで日本証券経済研究所の主任研究員を務め、郵政民営化反対論者。21日に富山県内で行われた綿貫民輔代表の決起集会に出席した翌日の22日に就任を要請されたという。紺谷氏は「小泉改革は4年半たっても成果が上がっていない」などと話したが「経済には自信があるが、政治家としてやっていける自信がない」と衆院選には出馬しない。
リフレ派政党となる可能性がなきにしもあらずだったというのに・・・。
#しかし紺谷さんって、経済には自信があったのですねぇ(笑)。
財投機関債を巡って、この間考えたことのメモをしておきたい。 すでに他のエントリでも書き散らしているが、私は、郵政民営化の問題について財投機関債に着目していた。なぜかというと、ごく簡単に言えば、郵政民営化とは財投改革であって、郵便事業など
ここ何週間か、郵政民営化が本当に必要なのか、そもそも郵政事業の状況は本当はどうなってるのかについて、いろいろなサイトを見てました。その中で特に参考になったサイトは、bewaadさん、馬車馬さん、finalventさん、ぐっちーさんといった方々のページです。しかし、色..
お呼びのようなので現役市場関係者としてコメントをば。
財投機関債に関しては債券市場での価格形成は「暗黙の政府保証」を織り込んだものになっているのが実情です。bewaadさんが本エントリーでMoody'sのレポートに沿ってご説明いただいた通りでしょう。
蛇足かもしれませんが、この「暗黙の政府保証」を何と捉えるかという点について。「明示していないけれども何かあった場合に政府が必ず債務のタイムリーイベントを肩代わりする」という意味で「暗黙の政府保証がある」とまでは断言できないですが、そのような事態に陥らないように根拠法などで手当てがされており、政府の後ろ盾を期待できるという意味で「暗黙の政府保証を織り込んだ価格形成」が行われていると市場は理解しています。
例えば独立行政法人通則法の第8条(財産的基礎)には「独立行政法人は、その業務を確実に実施するために必要な資本金その他の財産的基礎を有しなければならない。2政府は、その業務を確実に実施させるために必要があると認めるときは、個別法で定めるところにより、各独立行政法人に出資することができる。」とあります。
家庭向け高速ネットサービスの通信速度の表示は「ベストエフォート」
でなわけですが、この「暗黙の政府補償」も同じじゃないでしょうか?
要するに「金は今掛けている範囲止まりだけど、金さえかからないな
ら、口だししたり声明出したり思わせぶりなことを言って『なるべく』
政府保証並の利率で起債できるように「努力」はするが、できなくなっ
ても責任は負えない」つうことでしょう。護送船団方式の崩壊過程では
何度も目撃した光景ですよね。
まあ、こういう曖昧さは、投機・裁定の機会を増やすんで一部の市場
参加者には歓迎されるんじゃないでしょうか?特に、インサイダー情報
にアクセスできる筋にとっては。山一のCB全額返済なんかみたいに。
聞き慣れませんが「飛鳥」って表現もするんですね。『史記』淮陰侯列傳では「高鳥」のようです。
http://www.sinica.edu.tw/ftms-bin/ftmsw3/ftmsw3?ukey=-152338376&path=%2F2.1.5.32&key=%B0%AA%B3%BE&page=&dep=3&rg=9201
正しくは「蜚鳥」です.こっちは『史記』の越世家の方.呉越戦争の終わったあと,范蠡が元同僚の子種に「勾踐はやば筋だからさっさと隠居した方がいいよ」と手紙に書く中で出てくる.
http://www.sinica.edu.tw/ftms-bin/ftmsw3?ukey=-229572603&path=%2F&key=%AC%BE%A8%DF%A6%BA&dep=3
連続で経済に関係ない話ですまんそ.范蠡の手紙の
「蜚鳥盡,良弓藏,狡兔死,走狗烹」
は韓非子・呉越春秋にあるのでこっちが元ネタみたいです.
范蠡の手紙の元ネタってそれでいいんだったけ? なんか違っているのでは? どうも最近萌え市場なんかやっているので記憶が欠落ぎみ 笑 そのうち確認しないと。
ところでlevel3をみたら紺屋氏はリフレぽいことをいったらしいけれども「景気回復で年金問題解決」とか。問題の結節点は金融政策の位置づけでしょうね。日銀法改正しか狙いないんですけどね。記憶違いだとすみませんが紺屋氏って植草氏とイメージが重なるんですがそれでいいわけでしたっけ?
>ドラめもんさん
現場からの補足ありがとうございます。ちなみに本文で書き漏らしたのですが、馬車馬さんは地方債の金利格差をもって暗黙の政府保証への反論としていますが、地方公共団体は各種公社(土地開発とか住宅供給とか)や3セク破綻の際に債権カットを実施しているので、そうした動きが出てきているのではないでしょうか。その意味では、特殊法人等の清算にあたって債権カットの事例が1つでも出てくれば、暗黙の政府保証は相当程度なくなりもするのでしょうけれども(ただし、次のコメントに記すような側面もあり、完全にはなくならないと思います)。
>銅鑼衣紋さん
ベストエフォートとは言いがたい面があるのではないかと考えています(政府自身がデフォルトするようなケースでは当然政府関係機関も道連れですから、その意味ではベストエフォートではありますが)。例えば今回のケースでいえば、郵便のユニバーサルサービス提供は条約上の義務ですから、郵便会社が破綻したので郵便事業はやめます、とは言えない訳で、したがって郵便会社の経営が悪化すれば必ずや政府支援があるだろう(デフォルトはさせないだろう)と予測するのは理にかなっています。
もちろん事業のみ政府が接収し、清算する郵便会社の債務はデフォルトさせるというやり方が理屈としてないわけではありませんが、ドラめもんさんへのコメントで書いたように、その場合連想で国債金利にはねるということが予想されますので(tit for tatみたいなものでしょう(笑))、政治的にあり得ない選択なのではないでしょうか。
>大理少卿さん、すりらんかさん、韓流好きなリフレ派さん
wikiquoteによると范蠡が「蜚」、韓信が「高」のようで、とりあえず韓信が念頭にありましたので「高」に訂正いたしました。
http://ja.wikiquote.org/wiki/%E5%8F%B8%E9%A6%AC%E9%81%B7
あと紺谷さんですが、ちょっと植草さんの議論がどのようなものであったか失念しているので厳密な比較にはなりませんが、景気重視である点はともかく、極端な外資陰謀論者だと理解しています>韓リフさん。
初めまして。いつも読ませていただいております。
財投機関債・地方債についての「現場感覚」は、暗黙の政府保証以外の何者でもないと思います。制度発足当時には市場の評価にさらして発行体の責任(とコスト)における資金調達を、という趣旨であったと理解しておりますが、現在のスプレッド格差は、各機関の財務状況を反映するようなものでは到底ありません。かつて、道路関係がワイドニングした2001年末から2002年前半のほんの半年間には、「『政府との距離が遠いために』債務不履行の可能性があるかもしれない」銘柄のスプレッドが大きくワイドニングしましたが、その後の市場のタイトニングは著しく、特に道路公団改革によって債務の処理方法が明確になってからは、かつてははっきりと存在した事業系と金融系の差もいっそう縮まっています(スプレッド差があった時期には、政府との距離の遠近により暗黙の政府保証を推定できるかどうかということがその差の主たる理由でした。現在はこの「差」がなくなり、すべての発行体につき政府保証が擬制されてスプレッドにほとんど格差がなくなったと考えられます)
地方債についてもこれは同じで、旧自治省の英語版地方債パンフレットにimplicit guaranteeというような(正確には失念いたしました)表現が使われていたことは有名ですし、地方公共団体の信用力が落ちて財政再建団体準用となっても、債務は支払われるであろうと考えられていると思います。地方債のスプレッド格差は、ヘッドラインリスク(ネガティブ・ニュースが出るのが嫌)、流動性に関連するリスク(必ずしも発行量が多ければよいというものでもなく、荷もたれ感から売れ行きが悪いこともある)などに由来するものであって、現在もっとも良い東京都とスプレッド差がついている公共団体についても、「国にまで見離されて不払いになる」ことは誰も想定していないと思います(そうであればもっとスプレッドはつくはずです)。
長々と要領を得ないコメントですみません。暗黙の政府保証は、市場関係者にとってはあまりにも当たり前のことのような気がしていたので、今この時点でも(過去の一時期はいざ知らず)そうではない、とする意見の方がいらっしゃることにむしろショックを受けたような次第です。
http://blog.credit-info.net/index.php
はじめまして。
「暗黙の政府保証などない」という議論、市場参加者の視点からいうと、「ド素人」「トンデモ」論以外の何者でもないでしょうね。risk mitigationのひとつとしてカウントされるので、スプレッドに差が出るのもあたりまえ。
格付け機関のレビューの項目のひとつに、政府が「有事のとき」実際にその暗黙の保証を履行するかどうか、というのがあります。政府との政策の整合性、その組織の意義(存在意義なしとみなされればその暗黙の保証は履行されない可能性がある)、政府との関係(対立関係なら保証されない可能性あり)などなど、を検討します。
>bewaadさん
郵便事業に関しては、「暗黙」は「事実上の」という意味であることは
同意しますが、上で道路公団の話が出ているように、時と場合によって
は、万が一くらいは政府が知らん顔するかもしれんリスクは、その他の
財投債に関してはあるんじゃないでしょうか?平時にはこのリスクは0
でしてスプレッドは消えますが、どっかの特殊法人で汚職だのなんだの
が暴露され、マスコミが騒ぐような事態では、急にこれが広がることに
なるんでは?まあ、結果的には救済されるとみんな知っていてもそうい
うことは起こりうる。でも、これセカンダリーマーケットの話ですが。
しかし、話はずれますけど、財投改革の第一歩が郵貯簡保だというのが
まったく理解できない。兵糧責めとかいうんでしょうけど、だとすると
「暗黙の」政府補償をいつか打ち切らないと兵糧責めになんかならない
わけで。で、急にそうなれば金融市場は大混乱なんだけど。どうして
特殊法人そのものを減らすとか無くすとか縮小するとかいう話にならな
いのかが不思議。小泉さんも竹中さんも、財務省とは仲いいんでしょう
に、まったくわからん話。
すんません。上で財投債とあるのは財投機関債のことです。
>金融めもさん、どらさん
こちらも頭でっかちで書いている面が多分にありますので、マーケットプレイヤーの方々の生の声をお聞かせいただきありがとうございます。それなりに大丈夫だろうと考えて書いたものの、非常にほっとしています(笑)。
>銅鑼衣紋さん
ちょっと論旨が不明確だったようで恐縮です。
財投機関債がソブリンと同一視されるかどうかは、政府自身のソルベンシーと政府とのつながりの積で決まるということで(前者はご案内のようにかつて銀行は子会社の損失をかぶってましたが(いわゆる母体行方式)、自分の財務が危なくなれば切り捨てるということです)、後者の「政府のつながり」が結局は出資関係などよりも政策に決定的に依存する、という趣旨でした。
「政府のつながり」がゼロになれば個別の財務状況で評価されますが、財投機関が政策実施機関であるとすれば定義上これはゼロにならず、かといって100%(=明示的保証)でないだけにやっかいだということかと思います。
しかしこう考えると、財投機関はソフトバジェットでけしからんとかいう人が財投機関債推進派だったりする状況はジョークとしか思えません(笑)。財投機関債なんてソフトバジェットをより深刻なものにするだけでしょうから。
兵糧攻め論は、あるべき資金供給と資金需要が金融仲介不全により達成されていないという前提がなければでたらめだと思うのですが、そこをきちんと論証したものは見たことがありません。跡田・高橋論文が精一杯なんでしょうか(笑)。
TB有難うございます。コメントが遅れてごめんなさい。本文、コメント欄ともに興味深く拝見しました。
ざっとまとめますと、
1. 政府の政策を実行する機関である以上、政府がきちんと面倒を見るのは当然
2. 現実問題として暗黙の政府保証は織り込まれている
3. ただし、そもそも「暗黙の政府保証」をどう定義するかという問題はある
4. 発行体による格差は現在むしろ縮小している
5. 旧自治省は明示的に地方債の「暗黙の政府保証」を認めていた
6. 地方債のスプレッド格差は実際のクレジットの格差に比べれば小さい
7. risk mitigationとしてカウントされるのでスプレッドには格差が出る
8. スプレッドは厳密には信用プレミアム+流動性プレミアムなので、そこでもスプレッド格差がつく
といったところだと思います。「どら」さんがご指摘されている通り、私はnon-JGBは完全に素人ですので、現場の方がトンデモとおっしゃるのであればそれは感受せねばならないと思います。また、同じ理由から上の2点目、4点目と6点目には反論のしようがありません。ただただ「勉強になります!」と思うばかりです。
それ以外の点について。1点目についてですが、政府にとって重要なのは実行機関の継続ではなくサービスの継続ですから、一度機関は清算して投資家に債権をあきらめさせ、改めて新しい機関を立ち上げてもいいわけです。その意味でこれは「暗黙の〜」を正当化するロジックにはなりにくいと思います。
3点目についてですが、これは全く仰るとおりで、「〜保証」は厳密には狭義広義の2種類があるのだと思います。私は狭義の「保証」しか考えておりませんでした。個人的には、機関債の今後を考える時に狭義の「保証」が前提されるのはまずそうですが、広義の「保証」についてはどうなのか、ちょっと疑問があります。こちらは(私の)今後の課題という事で。
5点目については、自治省が発行体格差を付けたくなかったので「〜保証」を半ば明言していた、と理解していますが、今は大分事情が変わったのではないかと。
6点目についてですが、クレジット格差に比べてスプレッドが小さい、という点は了解しましたが、どの程度小さいのでしょうか?
7点目ですが、risk mitigationでスプレッド格差が付くというのがちょっとよく分からないのですが、もう少しお教えいただけると幸いです。
8点目、10年前の公社公団債に比べ、現在の機関債のスプレッドは基本的に拡大している(金融機関は縮小しているように見えますが)と理解しているのですが、それも流動性プレミアムの増減で解釈可能でしょうか?もし違うとすると、このスプレッドの変化は何を反映しているのでしょうか?
質問しまくりで恐縮なのですが、お手間でないものだけでもご教授頂ければ幸いです。
コメントを拝見するに、「保証」がほとんどない、という部分については間違っているという結論だと思うのですが、改善しているのかどうか、そのペースがどうか、という点が未だにもやもやしております。その点についてもお教えいただければ大変ありがたいです・・・(ややこしいのは結局保証の有無はバイナリーではなく、「どの程度」存在するかが問題になっている、という点だと思います)
>馬車馬さん
1点目について、市場関係者でもないうえ、横レスになって申し訳ないのですが、、
>一度機関は清算して投資家に債権をあきらめさせ、改めて新しい機関を立ち上げてもいいわけです。
というのは、まずあり得ないのではないですか。
清算した場合には、資産を投売りするなどして債務の返済をすることとなると思います。機関の立ち上げ直しをする場合には投げ売りした資産を買い戻すこととなり、またその際に市場から資金を調達するのであれば調達コストは高くなります。したがって立ち上げ直しというのは考えがたいです。
しかも、この場合には、他の財投機関の資金調達にも影響が大きいと思います。
したがって、当該の機関が政府にとって必要(だから財投機関なのですが)である限りは清算せずに存続させるほうがましなので清算はあり得ず、政府が資金を投入するから破綻するリスクはほぼ無い、と考えるほうが妥当だと思います。
また、不要になっても資産があれば債務を継承しての民営化等になるでしょうし、不要で資産がない機関についても、なぜそんな機関に財投機関債の発行をさせたのか政府の責任が問われるうえに、他の機関の資金調達等にも影響があることから、大幅な債務削減は考えがたいので、1.の考え方になると思います。
>馬車馬さん
いただいたご質問につきましては、あらためてエントリを起こして検討してみたいと思います。マーケットの実態に関する部分は的外れかもしれませんが、その際はご容赦を。
>ko-jiさん
ご指摘のとおりかと思いますので、上記コメントで言及のエントリにおいて活用させていただきます。