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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)
2005-09-06
■ [politics]悲しいけど、これって選挙なのよね
先日取り上げた小泉総理の選挙戦術ですが、それをプロメテウスの火と呼んだことについての補足を若干します。契機は、木走さんによる三浦博史「洗脳選挙:選んだつもりが選ばされていた」のご紹介です。
その内容については下手にwebmasterが要約するよりご覧いただきたいわけですが、ある意味小泉総理の(選挙の)やり方は規模において我が国空前のものでしょうけれども、存在としては物珍しいわけではありません。事例を海外に求めても、ここ10年程度のアメリカ大統領選におけるスピン・コントロールの重要性はwebmaster自身前回紹介したところですし、メディアによるイメージ流布の政治への影響を説いた古典的名著、ウォルター・リップマン「世論」の初版は1922年だったりもします。
既にこれらの手法が存在してしまい、歴史から拭い去ることができない以上、そのような手法によらない選挙を望んでみたところでお花畑に他なりません。以前触れたように大衆動員を基盤とする独裁は古代ギリシアにおいて既に僭主政として例があり、リップマンもプラトンを引いていますが、スティーブン・ストロガッツが「SYNC」で述べるように他者への同調がヒトの本性に根ざすのであれば、時代を超えて、選挙はみんなこうしたもの、ということになります。
当サイトでは政策の方向性と選挙戦術において小泉総理の相対化を図っているわけですが、現実問題として小泉政権を代替する可能性のある岡田政権は、後者において雲泥の差はあれど(今までメディアに好意的に扱われてきたがゆえでしょうが)前者においては大差なく、政権交代が起こってみれば実は小泉政権はヒトラー政権ならぬ(それに先立つ)ブリューニング、パーペン、シュライヒャー政権の役回りだったという可能性もあり得ます。ワイマール体制の崩壊は一日にして成らず、世界恐慌後において強権政治は既に始まっていたわけで。
「SYNC」においてはどのような状況において同調が起こりやすいかは触れられていませんが、それが不安定な現状への反応として安定を志向するものであるなら、まずもって社会の安定化がそうした同調の抑止には有効でしょう。歴史を顧みても多くの事例によってサポートされると思いますが、小泉総理の「改革せず景気が先だと言って、景気が回復したら、改革する意欲がなくなってしまう」発言はこの点をとらえたものと言えますし、民主党政権になったところで改善は期待できません。
となれば、やはり憲法における統治機構の定めの役割は大きいといわざるを得ません。その点、安全路線の極みがアメリカとドイツで、アメリカ大統領には議会の解散権はありませんし、ドイツ首相には日本でいう69条解散権(議会の不信任への対抗として国民に信を問う)しか認められていません。これらにおいては選挙のタイミングを操作することはできず、ある意味で平等が担保されています(もちろん現職の地位を活用して予定されたタイミングに政策をあわせることはできますが)。
他方で行政府の長の権限が(対立法府において)最も強いのはイギリスで、留学経験ゆえか小泉総理も多分に意識しているようですが、解散権の行使についてはほぼ日本と同じです。慣習(convention)においてどこまで許容されるのかがわかっていないので(イギリス憲法についての専門書読んだことないですし・・・)、実態としては違うのかもしれませんが、王権という最強の「抵抗勢力」に対抗するための切り札として位置づけられてきたものでもあり、それだけ意図的に強くされてきたという歴史的経緯があります。もし日本の「抵抗勢力」が王権に匹敵するというなら、この文脈では正当化されるとも言えますが・・・。
自分で書いていて言うのもなんですが、最近のうちはとっても面白くないです。 色々なネタを見ても、どうにもやる気が起きないというか、何というか。 文章が考えられません。。。 脳みそ溶けてるんでしょうね、きっと。 全てにおいてやる気が起きない(分を考える気が起..
もちろん、このような政治体制のシフトが歓迎すべきことかどうかについてはさまざまな意見があるだろう。例えばbewaad氏は今回の選挙のプレビッシト的性格(小泉総理の解散権行使に対するオブジェクション)や、その背景で活用されたイメージ戦略について批判的であるし(ヒ..
三浦 博史
洗脳選挙
何度も言うようですが、光文社のこのペーパーバックのシリーズ、英語表記が邪魔なんですけど?
いい加減にやめません?
と文句言いつつもペーパーバックシリーズ4作目。
何気にこのシリーズ好きなのよ。
だから英語表記やめてよね?
>実は小泉政権はヒトラー政権ならぬ(それに先立つ)ブリューニング、パーペン、シュライヒャー政権の役回りだったという可能性もあり得ます。
ヒトラー政権は経済的にはむしろケインジアンだったようですから、そこが違いますよね。可能性としては頭に置いておくべきだと思います。小泉政権が愛想つかされた時が第二の正念場ということもありえます。ところでヒトラーの支持率は何パーセントぐらいだったのでしょうか?
ヒトラーのような独裁を指向する政治家が、民衆の支持を得るためにリフレ政策やシニョレッジ政策を利用するというシナリオもあるかなあと考えたことがあります。特にシニョレッジ政策は、やりようによっては一般国民へのバラマキに使えますから、支持率アップには効果的でしょう。
まだヒトラー談義を続けてるですか?
官僚って暇ですね
ヒットラーを引き合いに出されるのは
やめた方がいいと思います。
ヒットラーを最初に支持したのは教養市民層です。
一般大衆に支持が広がる以前に
彼らから支持が広がりました。
大衆云々などという
ステレオタイプ的な見方でナチズムを取られるのは
間違いだと思います。
私はどちらかというと
反小泉の立場の人たちのハゲタカ外資などという発想に
ヒットラーを支持した人たちとの共通点を感じました。
彼らからすると第一次世界大戦の処理=バブルの処理なのでしょうか?
うーん……やっぱり、小泉=ヒトラー説は、もう止めた方がいいんじゃないかなーと思う次第。
日本の何処にベルサイユ体制があるのか、それによってハイパーインフレを引き起こされ迷惑した民衆が何処にいるのか、ベルサイユ体制の固持を主張し続けたフランスによる軍事占領は何処にあるのか……何か、革命の暴騰=ヒトラー誕生という安易な結論に持っていきがちなのが、ここ最近何処のリベラル系ブログでも気になる発言だと思う次第です。
っていうか、せめて『ヒトラー独裁への道』ぐらいは読んでから引き合いに出した方がいいんじゃないでしょうか。
(ああ、自民党内紛が、シュトラッサー兄弟とヒトラーとの対立に似ていなくも無い感じですが、やっぱり強引。あれは利権と言うより、イデオロギー対立なのでやっぱり1920年的空気だなぁ、と牧歌的に思う。結果は血生臭くても牧歌的)
いや・・・やはりゲッペルスは生きていると思いますな。
ヒトラーとの対比は、困るというのは「ヒトラー絶対悪説」からの視点でして。
選挙戦術などにおいては、今も十分だと思いますよ。
「国際政治とは何か」の中西先生も「定義づけ」「キーワード」という事を述べております。ゲッペルスは、偉大だとは思い増すな。
http://lp21coe.law.kyotou.ac.jp/occasional/pdf_occa/04_nakanishi.pdf
クリントン戦術の如く「全ての問題は、デフレなのだよ愚か者」と言ってくれる政党がないのがorz
・追加
ヒトラーとの対比となると「選挙戦術」、で、どの政党もそろって対比できるのはライオン宰相こと「浜口雄幸」でしょう。
どの政党も頭の中には「マルクの魔術師シャハト」はいませんからね。いるのは「構造改革教」でしょう。
たしかに「ヒトラー絶対悪説」は西欧的な二元的発想なのかも。アウトバーンを作ったり、経済政策的には評価できる点もあるんじゃないですか?是々非々の視点は必要だと思います。こう書くと抵抗ありますか?(笑)
シュレーダーさんが与党議員の賛成による内閣不信任案可決・解散をやったところですが。>ドイツ
憲法裁判所でも合憲と判断されたと聞いています。これが許されるなら内閣は任意のタイミングで解散を選択できることになり、実態としては日本とあまり変わらないことになるでしょう。まあ、どうにも奇策という印象を与えるのでイコールではありませんが……
とりあえず基本的な事実確認のために次のサイトは必見だと思います。
http://www1.neweb.ne.jp/wb/soutou/monku.swf
>ヒトラー関連
単に大衆迎合というだけでなく(それでいうなら、小泉総理自身がいみじくも語るように、「抵抗勢力のバラマキ」にもそういう一面があるわけで)、僭主政の系譜の一例で取り上げたつもりなのですが、確かに個別論の影がつきすぎるので、以後控えようと思います。以下、個別のご指摘について。
○支持率
当時は完全比例代表制だったので、議席数とそれほど差はないかと思います。
○教養市民層の支持
例の広報資料分析でも、「A層」もまた支持基盤とされています。
○反対派の陰謀論
以前論駁したことがありますが、あれはまったくもっていただけません。
○背景となる社会情勢等
「経済敗戦」と大恐慌以来のデフレ不況、それらの「戦犯」たる抵抗勢力といった認知は当時に相通じるものがあります。他方、シュトラッサーやレームらとの内部対立は僭主政の系譜の特徴ではないと思います。
>大屋先生
まあでも現憲法で7条解散が認められないような規定がある場合(例えば第69条において「前項の場合のほか、内閣は衆議院を解散することができない。」といった項があるようなケースです)において、まったく運用が変わらないということも考えづらいのではないでしょうか。
とまれ、彼の国においては基本法改正がタブーではありませんから、選挙後にはきちんと議論がなされるのかな、と思います。
>gachapinfanさん
何度見てもおかしいですよね(笑)。
ちなみに元となる演説にご関心の向きは、「総力戦布告」でぐぐっていただければ。
イギリスには憲法はないと思いますよ。
> イギリスに憲法はない
つhttp://www.clair.or.jp/j/forum/c_report/html/cr084/index.html
>shujiさん、cloudyさん
「(成文)憲法典」と「憲法」は異なるということです。