archives of BI@K

CSS: default alternative
(要cookie)

toppage memoranda

(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

2005|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2006|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2007|01|02|

2005-09-18

[economy]「都市」対「地方」の経済学的含意

かねてからwebmasterは現在の日本が抱える最も先鋭な政治的対立軸の一つは「都市」と「地方」の確執であると説いてきました。最近では下記のエントリがそれなりにまとまっているものです。

こうしたwebmasterの見方に対して、次のような反論がありました(webmasterを名指しというわけではなく、自意識過剰であるとのご指摘はまことにそのとおりなのですが)。

今回の総選挙を、都市対地方という対立の枠組みで捕らえようとする方もおられるようだが、私は、それは違うと思う。

亀井的な守旧自民、あるいはムネオは、本当に地方を守ろうとしているのだろうか?

私には、亀井やムネオが守ろうとしているものが地方をダメにしているとしか思えないし、都市住民が都市政党を持つことが出来なかったことが、地方の不幸だと思うのだ。

「選挙」(@retreatist9/15付)

政治的な分析は上に掲げた諸エントリにありますので(あんなものは分析の名に値しないとのご指摘は甘受いたします)、今回は目先を変えて経済学的な分析を試みてみます。その道具立ては最適通貨圏理論。

この理論はノーベル経済学賞受賞者ロバート・マンデルが唱えたもので、EUの通貨統合はこれにより正当化されたのですが、皮肉なことに通貨統合後において少なからぬユーロ使用国の経済が低調である理由をもっともうまく説明する理論でもあります。最適通貨圏という名が示すとおり、この理論は単一通貨への統一が合理的な条件とは何かを論じるもので、逆に言えばその条件が満たされなければ、その地域は別の通貨を用いた方がよいという結論を導きます。

通貨が統一されていることにどのような意味を見出すかは人によってさまざまですが、経済学的に意味があるのは同一通貨には同一の金融政策が適用されるということです。例えば日銀が日本国内で金融緩和をした場合、ユーロ円(ラフに言えば国外において保有されている円貨の通称ですので、ヨーロッパに限らずアメリカやアジアで保有されている円も含みます)もまた緩和されます。

というのも、仮にユーロ円が依然として金融政策変更前の金利水準であるとすれば、日本で円貨を調達してユーロ円市場で貸し出すことにより自動的に鞘が抜けますので(裁定取引といいます)、投資家がそのような行動に走ることにより国内円市場の金利が上がり、ユーロ円市場の金利が下がることとなりますが、そのような形で投資家にむざむざ利益を与えるようなことは誰もが避けるので、結果的に日銀の金融政策変更はユーロ円市場にも直ちに及ぶことになります。これは資金移動が帳簿(今ではコンピュータシステム上のデータですが)上で可能なことから不可避で、方や実物ですと輸送に要する時間などがあるのでこのような瞬時の調整とは無縁ということになります。

#厳密には、税制の違い等から若干の金利差が生じます。

ここで、地域Aと地域Bがあると仮定します。この両地域が異なる通貨を用いているのであれば、地域Aが好景気、地域Bが不景気の場合には、地域Bにおいて相対的な金融緩和and/or為替下落を生じさせることにより、地域Bも景気を回復させ、ひいては共存共栄を図ることができます。しかし両地域が通貨統合している場合には、この径路による共存共栄は達成できません。統合通貨の金融政策が地域A主導で決定され引き締めとなれば地域Bは不況が底割れしますし、地域B主導で決定され緩和となれば地域Aは物価や資産価格が騰貴します。加重平均で決めるなら地域Aでは若干の緩和、地域Bでは若干の引き締めとなりどちらにとっても不幸な話です。

地域A・Bがこのように通貨統合による金融政策の制約に服する場合、その悪影響を相殺する何かが必要で、その何かがあれば地域A・Bは最適通貨圏(なので通貨統合すべき)、なければ地域A・Bは最適通貨圏でない(ので通貨統合すべきでない)、というのがマンデルの主張です。結論から先に書くと、「何か」とは次の2つです。

  • 地域をまたぐ人の自由な移動
  • 地域をまたぐ財政移転

前者は人手不足の地域へ人あまりの地域から人が移動することにより両地域の景況が均一化される効果を念頭に置いたものですが、中長期的なトレンドに対する調整(わが国において「地方」から「都市」に(特に高度経済成長期において)人が流入しているのはその典型です)としてはともかく、循環的な景況への調整としては機能しづらく(いろいろなしがらみで移動できなかったり、呼ぶ方も不景気になったからといって直ちにお戻りいただくわけにもなかなかいかない、等)、金融政策の代替手段としてはtoo little, too lateとならざるを得ません。

そこで後者が重要となります。先にあげたユーロの悪影響で言えば、その国のファンダメンタルズに照らしてユーロが安い水準に切り下げられている国(例えばスペイン)から得た税収をユーロが高い水準に切り上げられている国(例えばドイツ)で使うことが理にかなっているわけですが、そのような財政政策は存在しません。その当然の帰結として、ある種の「ユーロ高政策」に等しい金融政策で苦しめられている国はいつまでたっても這い上がれないわけです。

翻ってわが国は円貨単一通貨制ですが、国内の取引においては「都市」はもっと「円高」で、「地方」はもっと「円安」であるのが均衡水準です。「地方円」が「都市円」に比してもっと安い水準であれば、例えば1都市円=2地方円であるなら、「都市」が支払う財やサービス(農産物や電力など)の対価は「地方」の「地方円」ベースでの名目所得を今の2倍に引き上げますし、また、「地方」の労働単価等は「都市円」実質値で半額となるので、「地方」への生産拠点シフト等が進み、これまた「地方」の所得を引き上げます。

日本国内の財政政策による資源配分(多くの人がイメージする公共投資よりも地方交付税交付金の役割が大きいのですが)は内国通貨を円で統一していること、先の例を再利用するなら「地方」に1都市円=1地方円という「地方円高政策」を強制していることの代償です。その総量や内容において見直しの余地はあるかもしれませんが、この資源配分の存在そのものを否定するというなら、それは日本は最適通貨圏ではないということに他なりません。つまり、地方分権により通貨発行権を与え、適正な「地方円」レートの設定を許さない限り、「都市」は「地方」を搾取しているといわれても仕方がないということになってしまうのです。

[politics]民主党新代表に前原議員就任

またまた構造改革原理主義者が、というかついに松下政経塾OBがそういうポジションにつく時代ですか。路線が「小泉構造改革は偽りの改革であり、民主党の改革こそが真の改革」というものである限り、小泉構造改革が偽りであるという認知が広く行き渡るシチュエーションでしか勝てない、つまり敵失待ちだってことになるわけですが、そのあたり民主党議員はどこまで自覚しているのやら・・・。

#そりゃ菅議員をまた引っ張り出すよりはチャンスが多いのでしょうけれども。

本日のツッコミ(全52件) [ツッコミを入れる]
民間 (2005-09-18 11:17)

もう支離滅裂ですな

名無し@政経オタ (2005-09-18 11:34)

なにがどう支離滅裂かを書いてくれないと分からないですな

kumakuma1967 (2005-09-18 12:27)

誰か江戸時代の甲州経済の分析してないかな。幕府直轄地でありながら独自通貨で面白いと思ってるのですが(って前にも書いたか)。

ko-ji (2005-09-18 14:08)

単なるたとえでしょうが、以下は無茶だと思います。
>地方」の労働単価等は「都市円」実質値で半額となるので、「地方」への生産拠点シフト等が進み、これまた「地方」の所得を引き上げます。

 「地方円」に切り替えた際に労働単価等が「都市円」実質値で半額となるのであれば、その時点で「都市円」実質値では「地方」の所得はほぼ半額になり、一気に「地方」の「不況感」が強まるだけです。
(実際には、切り変え時点で労働単価は名目で2倍に切替えられるだけだと思います。)
 もし、「都市円」と「地方円」に分けるとするならば、当初、1都市円=1地方円で、円から切替え、その後、実勢にあわせて為替レートをあわせていくのでしょうが、為替管理を厳密にしなければ、減価していくであろう「地方円」を保持しようとする人はいないので、通貨を分けることは統合するのに比べてはるかに困難だと思います。

 むしろ、通貨圏の問題点を考えるのであれば、金利を例示するほうが妥当なような気がします。日本の場合では、行き先のない預貯金を抱えた「地方」と、「都市」とが貸し出し金利が同じになっているため都市に資本の集積が続いており、その結果、「生産力」の格差が生じたことをもって資源配分の必要性を述べる方が説得力はあると思います。

 そのうえで、現行の資源配分が「熊しかとおらない」と揶揄される高速道路や立派な市民会館等の箱物に配分されており、「地方」の「生産力」を長期的に上げるような使途となっておらず、国全体で見た場合にも「無駄遣い」に見えることが「都市」対「地方」に繋がっているのではないでしょうか。

ko-ji (2005-09-18 19:25)

 補足になりますが、「地方」から「都市」へと預金が流出している件を確認してるなか、以下の資料が見つかりましたのでご参考まで。

 2002年と少し古い資料ですが、日本政策投資銀行が、地域の金が地域に回っていない現状(2000 年3 月末預貸率:地方圏64.9%、東京都139.8%)への対策として、コミュニティ・ファイナンスと地域通貨に着目した分析を実施しています。
http://www.dbj.go.jp/japanese/download/pdf/policy/note13.pdf
[なお、預貸率=貸出金/(預金+譲渡性預金)]

 「地域通貨」については眉唾なところもあり支持はしがたいのですが、通貨圏により周縁地域が不利益になっているという面はあると思います。そして、地域ごとでの金融政策が縛られていることによる「地方」での不利があることについては判るのですが、そのことをもって、資源配分の必要性を「都市」に説得することは難しいのでは。
(EUでは、通貨高で苦しめられているドイツ等のほうが貨幣換算の生活水準が高いので、更に難しいと思います。)

j++ (2005-09-18 19:46)

前原議員が代表選後の記者会見で曰く
「(小泉首相の功罪の功をと言えば)改革を競争させる地盤を作ったことだ」
だそうで…OTL

JSF (2005-09-18 19:55)

前原誠司を代表の座に据えた民主党は、イギリスの労働党のようになるのでしょうか。労働党は永らく政権から遠ざかっていた打開策に、若き党首トニー・ブレアを担ぎ出しました。そして旧来の労働党の政策を転換し一気に右傾化して政権を奪取したのです。保守党以上に保守党らしくなった労働党の勝利でした。

>路線が「小泉構造改革は偽りの改革であり、民主党の改革こそが真の改革」というもの

ブレアを真似るなら「自民党より自民党らしく」なってしまえば勝てると踏んだのかもしれません。

ツッコミ (2005-09-18 23:55)

JSF様へ
小泉改革の場合
その対象とされる方から声が上がりましたが
今のところ民主党の支持母体の中で
前原氏が切り捨てると言った人たちから
何ら声が上がりませんね。
(民主党総会での小沢派若手くらいですかね?声を上げたのは)
よって、私はいまだに前原氏の発言を信用できていません。
まあ、夏休みに解散があっただけで
民主党支援が不活発になる支持母体なので
連休中には声が出てこないのかもしれませんが。

JSF (2005-09-19 03:45)

連合を切れるかどうかまだ様子見ですね。ポーズかもしれません。ただ、憲法九条改正や集団的自衛権についての発言は信用していい。前原氏は以前にも民主党を有事法制賛成で纏め上げた実績がありますから。

それと気になることがあります。前代表の岡田氏は選挙戦の際に「大きい政府を目指すのか小さい政府を目指すのか」と問われたときに「第三の道を目指す」と返答しました。これはブレアの主張と同じ、というかもしかしてパクリ・・・。

Baatarism (2005-09-19 10:12)

今の日本で本当に第三の道を目指すなら、まずリフレ政策から始めるしかないと思うんですけどね。それに背を向けてる限り、所詮は言葉遊びでしょう。
まあ、前原は第三の道とは言ってないようだから、プチ小泉路線なのでしょう。小泉ほどの融通無碍もなさそうだけど。

bewaad (2005-09-19 13:03)

>民間さん、名無し@政経オタさん
支離滅裂=一貫性に欠ける、ということはないと思うのですが、もしよろしければ(名無し@政経オタさんがご指摘のように)具体的にご指摘ください。

bewaad (2005-09-19 13:04)

>kumakuma1967さん
当方も専門論文にアクセスのある身ではなく、探しかねております。非常に面白そうなテーマだと思う一方、あれほど藩札が発行されている中ではそれほど顕著な差はなかったのかな、という気もしないではありません。

bewaad (2005-09-19 13:10)

>ko-jiさん
通貨分割が実務的にきわめて困難なのはご指摘のとおりですが、ここでは地方が都市から収奪しているという思考の枠組みについての反論ということで実務面は捨象しております。

ただ、切り下がりで不況感が増すかどうかと言えば、為替切り下げはかつて近隣窮乏化政策と呼ばれたぐらいの効果があるわけですし、そうではないだろうとは思います(金利格差では非不制約ゆえにそこまでの効果はないでしょう)。

なお地域通貨は、元祖たるゲゼルの消滅貨幣は国全体がデフレであるときに地域的なリフレ策として機能したわけで、そのようなものであるなら限定的な効果があるのかな、と思っています。

bewaad (2005-09-19 13:14)

>JSFさん
ブレアの評価がきちんとできるほどイギリス政治にくわしくはないのですが、とりあえず彼が目指すユーロ加盟が実現していれば今のイギリス経済の好調もなかったのだろうと思ってます。

ちなみにわが国ですが、岡田民主党が「第三の道」をスローガンにしたとして、構造改革路線であるという点において小泉政権と差はなく、「どこが『第三』やねん!」というところでしょう。パクるならきちんとパクれと。

bewaad (2005-09-19 13:15)

>ツッコミさん
朝日の記事なんかでは若干異論もあがっているようなのですが(地方支部の声を聞かないのはいかがなものか、といった地方支部関係者など)、大敗ショック直後の現在、そこまでの余裕がないというのが正直なところなのではないでしょうか。

bewaad (2005-09-19 13:17)

>Baatarismさん
しょせんは松下政経塾ですから(笑)。

bewaad (2005-09-19 13:18)

>j++さん
順番が前後して失礼しました。といっても上のBaatarismさんへのものと同じ言葉しか浮かびませんよね・・・orz

Baatarism (2005-09-19 13:29)

>bewaadさん
前原氏の口からは景気のけの字も出てきてませんからね。
松下政経塾は名前から「経」の字を抜いた方がいいんじゃないかと。w

ツッコミ (2005-09-19 13:32)

NHKの日曜討論で連合の笹森氏が
前原支持を打ち出していたみたいです。
切るという話すらないみたいですね。

結局、プチ小泉どころか
ニセ小泉ブランドみたいなものなのかな?と。

bewaadさんの言葉に付け足すと
松下政経塾なのに民主党ですから…
内部からの改革なんてものとは程遠い存在…

地方公務員 (2005-09-19 14:36)

問題は連合というよりも官公労(特に自治労)でしょう。
民間労組はどちらかというと構造改革推進路線ですから。
(『労働政治』(中公新書)by久米郁男)

ko-ji (2005-09-19 15:09)

>bewaadさん
 民間さんが答えるべきことですが、「支離滅裂」とまでは言わないものの、矛盾があると感じています。
 bewaadさんの通貨圏の話を要約すると、統一通貨であるために、地方の労働単価等が(本来のあるべき値に比べ)高すぎるものとなっていることを理由に、地方への資源配分が必要であるという論旨になっていませんか。
 しかし、地方への資源配分は、ふつう地方の所得のかさ上げに繋がり、地方の労働単価等を下げるという目的にはそぐわないので矛盾しているように見えます。

>ただ、切り下がりで不況感が増すかどうかと言えば、為替切り下げはかつて近隣窮乏化政策と呼ばれたぐらいの効果があるわけですし、そうではないだろうとは思います(金利格差では非不制約ゆえにそこまでの効果はないでしょう)。
 切下げによって、名目値はともかく、もともとの円換算で考えれば給料が大幅に減るので、そのような決定を「地方」はほとんど受け入れがたいでしょう。また、手持ちの「地方円」で購入できる物も減るので需要不足になり不況に陥ると思います。「朝三暮四」のようなもので、この側面での効果はほぼ無いのではないかと。
 非不制約についてはご指摘のとおりですが、地域通貨の例と同様に貸し出しを受けることができるという効果はあるのではないでしょうか。

bewaad (2005-09-20 03:52)

>Baatarismさん
O-O;6) <政経塾の「経」は経営なんだよ!

Ω ΩΩ <ナ、ナンダッテー

bewaad (2005-09-20 03:59)

>ツッコミさん、地方公務員さん
ミクロ的には労組の行動も合理的だと思います。ひとつには構造改革に反対すると抵抗勢力として袋叩きにあうこと、ふたつにはインフレ率相当の賃上げを獲得するよりデフレ下でベアゼロを獲得するほうが容易であること、みっつには労働市場に参入できない人間は労組の構成員ではなくその利益が内部化されていないこと、という理由が考えられるのではないでしょうか。

bewaad (2005-09-20 04:06)

>ko-jiさん
労働単価の引上げは地方の名目ベースで、その引下げは都市の実質ベースで起こればよいので、矛盾はしていないと考えています。

手持ちの地方円で買えるもの(輸入)の値上がりと売れるもの(輸出)の値下がり(による量的拡大)のいずれの効果が大きいかは、厳密には交易条件の変化を計測する必要がありますが、あきらかに輸出超過なので(だから地方で集めた預金の都市での運用(=資本収支赤字)が生じているわけで)、直感的には切り下げ効果の方が大きいと思います。

なお、地域通貨については、ゲゼルのものがなぜ「消滅貨幣」と言われるかですが、それは有効期限付きだからで、深尾先生が主張する現預金課税のような効果がありました。貸出拡大は信用リスクが変わらない以上それほどの効果は期待できませんで、そこまでやってはじめてリフレ効果が生まれるのだと思っています。

BUNTEN (2005-09-20 04:54)

たとえばトヨタや日産の工場はもちろん田んぼや畑も田舎(九州某県)にはあります。都会の、つか東京でも工場はありますが、東京の生産する付加価値の多くは工場や田畑以外の所でできているような気がするわけです。

この状況で地方円切り下げた場合、東京から輸入しているがゆえに地方人の給料で買いづらくなるモノがあるとして、それは一体何なのでしょうか。

ゆーき (2005-09-20 06:21)

東京から輸入してるもの・・・TV番組くらいでしょうか?

ko-ji (2005-09-20 08:25)

>bewaadさん、BUNTENさん、ゆーきさん
 「都市」「地方」の範囲をどう取るかによって話は違うと思いますが、東京の域際収支については、財収支が赤、サービスが黒で、サービス収支が大きく黒字です。
 また、関東、中部、近畿、中国は黒、その他は赤です。都市として3大都市圏あたりをとるのかと考えていました。
(すこし古いですが、http://www.nilim.go.jp/lab/pcg/tokyo/chapter_3.pdfの8枚目、各地域別にはhttp://www.mlit.go.jp/singikai/kokudosin/kaikaku/jiritu/3/shiryo3-2.pdfの4枚目。元データは、http://www.meti.go.jp/statistics/downloadfiles/h2rio95k.pdfの13枚目)
 また、域際収支が赤字なので、財政政策による資源配分をしているということになるはずです。

>bewaadさん
 貨幣の呼称を変えるだけでは朝三暮四のようなもので、通貨圏を分割しても効果はないと思います。
 例えば、両地域の経済活動をドル建て、ユーロ建て等で考えてみてください。仮に2通貨に分けても両者がペッグしていれば、全然意味がないと思います。
 非負制約があるなか利きは悪いと思いますが、金融政策を独自に取れる点に意味があると考えています。
 リフレして、正常な状況に戻らなければ意味が無いということですがorz

Baatarism (2005-09-20 09:59)

>bewaadさん
なるほど、彼らは国家を統治するのではなく、経営しようとしてるわけですね。w

鍋象 (2005-09-20 11:17)

なんか懐かしい話を・・・15年ほど前、学園祭でサークルのシンポジウムでやったときに、伊藤隆敏先生か土志田征一先生のどちらかが北海道出身という事で、北海道を通貨独立させて変動相場制にというネタで盛り上がってました。東海地方の製造業と同じレベルで通貨を評価されたらかなわないけど、分離して通貨安にしてもらえば農業立国になれると。

域別収支ですが、関東はサービス収支が黒字なんですか。僕は資本収支赤字で地方に工場をおったてて、所得収支で黒字だと思いこんでました。

域間貿易不均衡をネタに地方への所得配分政策を正当化していくと、貿易黒字国は経常移転収支で国際収支の均衡をなんて話まで同じ文脈で正当化されていくし、歳出が絡むと嫉妬心が抵抗になりますので、こういうところは市場に任せたい気が。というわけで、地域別通貨には結構好意的だったりします。

ko-ji (2005-09-20 21:34)

>鍋象さんおよび各位
>域間貿易不均衡をネタに地方への所得配分政策を正当化
することを意図したわけではなく、“域際収支が赤字なので、財政政策による資源配分をしている”というのは“財政政策による資源配分をすれば、域際収支は赤字になる(はず)。”というつもりで書いていました。間違った表現でした。すいません。

>歳出が絡むと嫉妬心が抵抗になりますので、こういうところは市場に任せたい気が。
 義務教育等の国家的な見地でのシビルミニマム(どこまでかが問題ですが)について資源配分を行い、あとは各地域独立採算というのも一つの考え方かと思います(現実には、三位一体改革ではシビルミニマムが地方分権されてるのでおかしいと思っています。)。
 地域別通貨についてですが、既に民間給与には地方による格差が生じているので地方の公務員給与の削減をしやすくする程度のメリットしか実際のところ考え付かないのですが、何がメリットなのでしょうか?(地域独自の金融政策というのはあるのでしょうが。)

鍋象 (2005-09-21 00:21)

>ko-ji様
微妙な書き方をしてすみません。僕自体は地域間の所得配分は必要だと思っています。

財政での手当は、支出方法によっては地域間の資源配分を正した分、産業間の資源配分をゆがめる面もあり、現在問題視されているるのは後者のはずです。これをごっちゃにしている人が多いんですよね。

で、資源配分を歪めない方法という事で地域別減税とも考えましたが、某大臣の噂みたいな住民票飛ばしに脆弱で(余談ですが、地方には納税者番付に載るのが嫌で、確定申告の時期だけあるいは形だけの事務所をおいて、東京に住民票を移動する資産家が現実に存在します)、徴税コストが上昇してしまいますので、よろしくないと。

で、それなら変動相場制でとなるわけです。地域通貨は変動相場とうたっていますので、地域独自の金融政策が大前提にあります。メリットは地域ごとに失業率のコントロールができる事です。ただ、これは事実上の分国化政策ですので・・・。シビルミニマムの視点以前に、国としての一体感って一体どうなっちゃってるの?という素朴な疑問も無いわけではありません。

というわけで、どれも一長一短ありますので、どれかを選びましょうという事かなと思っています。

日本という国に一番不足しているリソースは土地です。原材料の類は買えますが土地は買えません。国と地方の財源の分離って、bewaadさんの表現を拝借すると「東京への投資が終わって、さあ次は地方の順番だと思ったらはしごを外された」みたいな感じで、現状の首都圏集中を是認して、要するに地下の2局化=土地の流動性の低下を招きます。僕が所得配分を必要だと考える理由は、これです。

のびた (2005-09-21 02:11)

>kumakumaさん、bewaadさん
江戸時代の長州藩の経済分析ならば、「日本経済の成長史」 西川俊作著 東洋経済にあります。
このエントリーの趣旨に合ったものかは微妙なところですけど。
藩札は、正徳の良鋳による貨幣不足を補ったり、藩の特産品の専売制の取引などに使われたりしていたようです。(通貨発行益狙いもあったようですが)

bewaad (2005-09-22 06:25)

>BUNTENさん、ゆーきさん
擬似的な経常収支の内数でいうなら、(ko-jiさんがご指摘のように)サービス収支(メディア関連(特に有料で小売される書籍系)や高度な知的サービス(以前触れましたが、大学教員や弁護士などの偏在は顕著です)関連のもの)も大きいでしょうし、企業内部での移転収支(親子関係に分社されているなら配当という形で表に出てきますが)もあるように思います。

bewaad (2005-09-22 06:27)

>ko-jiさん
ご指摘のようにデノミ的なレート変更であっては意味がなく、端的には変動相場での調整のように金融緩和を伴うものでなければと思っています。ミスリードな書き方でしたら申し訳ありませんでした。

bewaad (2005-09-22 06:28)

>Baatarismさん
国家ならまだましだと思います。政府という一法人しか考えていないような・・・。

bewaad (2005-09-22 06:29)

つけたし。

「政経」塾ってのは「政治経済」塾じゃなくって「政府経営」塾の略ですな(笑)。

bewaad (2005-09-22 06:55)

>鍋象さん
逆に今まで地域独自の金融政策がなかったことの効果を考えると、ルイスモデルが想定するような労働資源の移動を促す制度的枠組み足り得たということだったのかな、とは思います。農業のように労働生産性が極めて高い業種が主要産業だと今の人口は維持できないわけで、総需要増加につながる労働生産性が低いサービス産業の伸張が必要だったわけですが、人口減少社会ではそのような懸念はいらないわけで、その意味での高度経済成長指向からの転換が求められているような気もします。人を都市部に誘導するような施策はいらないんじゃないかと(もちろん自然移動には政府は関与しないということで、あえて地方に誘導すべきでもないのですが)。

bewaad (2005-09-22 06:56)

>のびたさん
長州ではありませんが、薩摩の借金踏み倒しってのはシニョレッジ政策であったとも理解できるのかな、という気がしてきました。

Baatarism (2005-09-22 10:18)

>bewaadさん
>「政経」塾ってのは「政治経済」塾じゃなくって「政府経営」塾の略ですな(笑)。

うまいですね。
これから彼らに皮肉を言うときは使わせて頂きます。(笑)

名無し@政経オタ (2005-09-22 19:22)

政経塾は、まず「合成の誤謬」というところかたお勉強しないといけませんねw

ko-ji (2005-09-22 21:16)

>鍋象さん
 地域通貨は変動制で行くとして、現状を踏まえると「地方」は域際収支が赤字のうえ投資資金の流れが「地方」→「都市」なので金融は引締めざるを得ない(でなければ「キャピタルフライト」)と思います。
 「地方」と「都市」との間で資本の動きを制約する「外為管理」をするなり、「都市」政府が「地方」政府債を為替介入で買い続ける(資源配分するのとほぼ同じ結果かと)なりしなければ、「地方」には金融政策の自由は限られた物となるのではないでしょうか。
 で、地域別減税のほうが、まだ、機能すると思います。ただ、現在の財政状況を考えると減税は難しいですしょうね。
 地価の2局分化を防ぐならば、例えば、土地への固定資産税を単位あたりの地価に対して累進的にする(=「都市」への増税)などもありうると思いますし、同時にスプロール化を防ぐ観点から、都市計画区域以外の大規模施設への課税強化なども検討すべきなのかもしれません。
 ただ、>日本という国に一番不足しているリソースは土地です。 については?です。離農が問題になりつつありますし、「地方」の地価も低下を続けています。土地よりも「情報」やそれを使いこなせる「人材」のほうが重要です。それらへのアクセスに便利な都市部での地価があがっています。
 さらに、現行の所得配分が「地方」の情報や人材の改善につながっておらず、また、公共事業も地方の生産関数改善よりも乗数効果重視で実施されたために、生産性が都市よりも低いまま、人材が公的部門やレントシーキング的な部門に集中し資源配分がゆがんでいるのが現状だと思います。

ko-ji (2005-09-22 22:02)

>bewaadさん
 連日エントリをし、さらにコメントに対して応えていくというのは想像を絶します。尊敬してしまいます。
>> 松下政経塾 塾是  真に国家と国民を愛し 新しい人間観に基づく 政治・経営の理念を探求し 人類の繁栄幸福と 世界の平和に貢献しよう 
 まじで、「経営」なんですね。「新しい人間観」って何なんでしょう。「ニュータイプ」?

>名無し@政経オタさん
 松下幸之助さんの塾ですから、右も左も新自由主義で松下電器を含む大企業マンセーな政策になることは「合成の誤謬」にはあたらないのでは。

名無し@政経オタ (2005-09-22 23:41)

>ko-jiさん

いや、経済に関してはミクロ的発想(企業運営)をほぼそのままマクロ(国家運営)に取り入れているように見えるのであえて言いました。

ko-ji (2005-09-23 00:47)

>名無し@政経オタ さん
 揶揄しているように見えたならすいません。 (wでもつけておいたほうがよかったかもしれません。
 ただ、前コメントの「塾是」(政経塾のホームページから転記)にあるように松下政経塾は政治・経営の理念を探求する塾です。連中からみると、案外、小泉構造改革vs前原小さな政府、で「経営」することでB層の目を欺きA層安泰、合成でウマ〜、あたりかなと(w
 なんだか、この塾是をみているとカルト集団っぽいです(特に「新しい人間観」)。

bewaad (2005-09-23 09:14)

>Baatarismさん
ko-jiさんが下記でご教示のとおり、皮肉にならないという現実が・・・orz

bewaad (2005-09-23 09:18)

>名無し@政経オタさん
その次は外部性、その次は・・・(笑)。

bewaad (2005-09-23 09:32)

>ko-jiさん
鍋象さん宛の話ではありますが、変動相場制下では一時的なオーバーシュートはあれど為替下落はプラスになるかと思います。

松下政経塾は・・・ま、これ以上主流を占めないことを願うのみです。

鍋象 (2005-09-23 12:42)

>ko-jiさん
> 地域通貨は変動制で行くとして、現状を踏まえると「地方」は域際収支が赤字のうえ投資資金の流れが「地方」→「都市」なので金融は引締めざるを得ない(でなければ「キャピタルフライト」)と思います。

変動相場制ではキャピタルフライトは起きません。単に為替レートが適当に下落するだけです。過度な変動(ボラティリティが高いとか、オーバーシュートしてるとか)でなければ、それは通貨分離の目的とする為替レートによる調整そのものです。

> 「地方」と「都市」との間で資本の動きを制約する「外為管理」をするなり、「都市」政府が「地方」政府債を為替介入で買い続ける(資源配分するのとほぼ同じ結果かと)なりしなければ、「地方」には金融政策の自由は限られた物となるのではないでしょうか。

いえ。ko-jiさんのやり方は、為替レートを固定化するもの(管理フロート制を目指すもの)であり、固定化を実現するためには資本移動の自由を放棄しなければ金融政策の自由は得られませんが、僕は為替レートの安定性を放棄していますので、金融政策の自由も資本移動の自由も得られます。いわゆる金融政策のトリレンマって奴です。

> で、地域別減税のほうが、まだ、機能すると思います。ただ、現在の財政状況を考えると減税は難しいですしょうね。

土地の有効活用という視点はサプライサイドの改善です。僕はサプライサイダーじゃないので短期的な効果を持つとは考えていません。中長期的な成長の制約を外していくものだと考えています。よって、急いでやる必要はありませんよ。むしろ首都圏一人勝ちの維持をする事は、土地の流動性を下げるわけで、そのような改革は辞めた方が良いと考えているわけです。

余談ですが、サプライサイド的な主張をする人ほど、雇用の流動性にはご執心されても土地は流動性を下げたがるのに驚きを感じていたりします。

土地の有効活用が目的ですので、考え方的にはロードプライシングに近いので、アドレスプライシングですね。

> ただ、>日本という国に一番不足しているリソースは土地です。 については?です。離農が問題になりつつありますし、「地方」の地価も低下を続けています。土地よりも「情報」やそれを使いこなせる「人材」のほうが重要です。それらへのアクセスに便利な都市部での地価があがっています。

それがそのまま、土地の流動性低下の指標となっているのではないですか?僕も同じ事を、土地資源の活用度が落ちている証拠としてあげようと思っておりました。

> さらに、現行の所得配分が「地方」の情報や人材の改善につながっておらず、また、公共事業も地方の生産関数改善よりも乗数効果重視で実施されたために、生産性が都市よりも低いまま、人材が公的部門やレントシーキング的な部門に集中し資源配分がゆがんでいるのが現状だと思います。

その点を、「地域間の資源配分を正した分、産業間の資源配分をゆがめた」と前回書いております。産業間の資源配分のゆがみを正す際に地域間の資源配分を元の歪んだ状態に戻してしまうんなら意味はありません。地域間の資源配分のゆがみを正した状態のまま産業間の資源配分のゆがみを正す方法は無いのか?というのが僕のレスの主旨です。

鍋象 (2005-09-23 13:09)

>bewaadさん
>人を都市部に誘導するような施策はいらないんじゃないかと(もちろん自然移動には政府は関与しないということで、あえて地方に誘導すべきでもないのですが)。

エッジワースボックス的(古w)には契約曲線上のどこを目指すのかが問題なわけで。初期保有を変えて市場機能に委ねれば自然に契約曲線の別の場所に移動するわけで、そもそも地域間の所得移転はそのためのものなわけです。

都市部には情報という最強の非市場性のリソースが集中していて、人の集中が更なる情報の集中を生むという市場の失敗が潜んでいますので、都心部では「地価が高すぎて住めねーよ」、地方では「土地は安いけど仕事がねーよ」というバブル期の典型的な資源配分の失敗による不満が、より起きやすくなるのかなぁと思います。

土地本位制批判という斜め天誅はこのために発生して、そこをいじって今の不況を起こした面もあるわけです。

鍋象 (2005-09-23 13:19)

>ko-jiさん
> なんだか、この塾是をみているとカルト集団っぽいです(特に「新しい人間観」)。

知り合いに政経塾出身者(現在落選中)がいるのですが、初見後しばらくして選挙がありまして、全く人が変わったその姿を見て得た率直な印象は「カルト的」でしたw。

彼らは人生がかかってるんでしゃーないかなと思いますが、人生がかかった訪問販売セールスマン(あるいは実演販売)が手を変え品を変えて主婦をその気にさせようとする姿とどこが違うんだろうと思ったものです。

「改革が常に正しい」とする妄信は怖いですよね。僕自身は結構天邪鬼なので、世の中が保守的だと改革派になっちゃったりしますが、今はその逆で、改革じゃなければ正義じゃないみたいな雰囲気が気持ち悪い事この上ないです。

民間の知恵を公的機関が活用するのは良いですが、こういった広告プロモーション戦略を真似されても困るなぁと。広告代理店(の方がいたら申し訳ない)べったりで選挙やるようになると今まで以上に政治にお金がかかるようになっていくような。

もっと真面目に中身で勝負してよと思ったりします。

ko-ji (2005-09-23 16:23)

>鍋象さん
 地域通貨が完全に変動相場制であれば金融政策の自由は確保できるという点については、確かにそのとおりです。が、地域によっては「痛み」もそうとう大きいと思います。給与の「都市」に対する相対水準の低下による人材流出があるでしょうし、資産の価格も低下するので金融機関の破綻(アジア金融危機みたいな)が生じるなどの混乱があるのではないですか。
 で、ある程度、為替レートの調整をするということをなんとなく前提に考えてしまいました。

  土地についてですが、土地資源の活用はそんなに大事でしょうか?
 また、地価の二極化が問題との認識のようですが、農地などはもっと(相対価格が)安くならないと専業では経営が成り立たないのではないかと思います。流動性の低下については、地価の下方硬直性があるなかデフレにより相対価格が上昇していることが理由で、わざわざ地域通貨にしなくてもインフレになれば相対価格が下がり流動性はあがると思います。
 というか、そもそも地域通貨にすることで地価の二局化がなくなるのでしょうか。各地域間の人や資本の流れを止めて鎖国状態にでもしなければ、効果が出ないのでは。

bewaad (2005-09-24 01:04)

>鍋象さん、ko-jiさん
○地価
地方の地価はもっと下がらないと東京から見れば採算が合いませんが、現地でこれ以上下がるとキャピタルロス効果が大きく流動性が下がるわけで、この両者を満たすのは別通貨ということではないでしょうか。

○労働力移動
現在の都道府県別有効求人倍率を見れば、実質賃金でみた都市での相対的上昇があってもそれほど移動はせず、むしろ現地での雇用創出量増加の好影響が効いてくるのではないでしょうか。

○政経塾
小泉政権ともども(以前エントリで書きましたが)自己啓発セミナーっぽいですよね(笑)。

本日のTrackBacks(全1件) [TrackBack URL: http://bewaad.sakura.ne.jp/tb.rb/20050918]

http://bewaad.com/20050918.html#p01 日本の現実に関する記述を中国の文脈に置き換えて考えたほうがよく理解できるというのもどうかと思うが、自分的には以下の文章を「円」→「元」、「都市」→「沿海部」に、「地方」→「内陸部」に置き換えてみると非常にわかりやす..


トップ «前の日記(2005-09-17) 最新 次の日記(2005-09-19)» 編集