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2005-10-22

[government][politics]今月の抵抗勢力「教職員&文部科学省」

20日に開催された財政制度等審議会(財政制度分科会の歳出合理化部会及び財政構造改革部会合同部会)について、毎日新聞が詳しく報道しています。

教職員給与の優遇廃止を求めた20日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財政制度分科会(会長・西室泰三東京証券取引所会長)で、国家公務員トップの事務次官より公立小中学校長の方が退職後の年金受取額が高いなど、教職員へのさまざまな優遇例が示された。【吉田慎一】

地方公務員の給与水準が地域の民間企業に比べ高いとの批判が強い中、教職員がさらに優遇されていることが明らかになったことで、公務員総人件費改革や国と地方の税財政改革(三位一体の改革)などの議論にも影響を与えそうだ。

(略)

一方、手当などを除いた月額基本給(平均)を一般の地方公務員と比較すると、03年度の平均で11%高い。現役時代の優遇は、退職金や年金の計算でも有利に働くため、各中央省庁に数人ずつしかいない事務次官級で退職した人より、全国約3万3000校ある公立小中学校の校長の年金支給額が高くなる。

また、他の先進国と比べて勤続年数が長いほど給与が高くなる傾向が強く、退職時には世界最高水準の給与になる。こうした優遇策のために国と地方合わせて年間3400億円程度の税金が投入されている。ただ、日本の子供の学力は低下傾向にあることが明らかになっているだけに、「先生を優遇しても、子供の学力向上にはつながらない」(財務省)との声がある。

20日の財政審でも「現実離れし、既得権益化している制度は廃止すべきだ」「教育への情熱ではなく、高い給料を求めて教員になるというモラルハザードが起きる」などと批判が相次いだ。

極端な優遇を見直せば、公務員の総人件費削減につながるのは確実だ。また、約70万人いる公立小中学校の教職員の給与総額は年間約5兆円で、このうち半分は国の負担。中学校教職員分の国負担分8500億円を地方に移譲することが検討されている「三位一体の改革」論議にも一石を投じることになりそうだ。

毎日「財政審:教員給与・優遇廃止提言 世界最高水準、「優遇効果」に批判」

財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財政制度分科会(会長・西室泰三東京証券取引所会長)は20日、文教予算について議論し、公立小中学校教職員の給与を地方公務員の給与より優遇する措置を定めた「教育職員人材確保法」(人確法)を廃止すべきだとする考え方で一致した。教職員の月額基本給(平均)は地方公務員より11%高く、校長の年金支給額は年間316万円で国家公務員トップである事務次官級の295万円を上回ることなどに、委員から批判が相次いだ。11月中にまとめる06年度予算編成についての建議(意見書)で、人確法の廃止を含めた大幅な給与構造改革を提言する方針だ。

(略)

財政審の議論では、国から地方へ税源移譲する3兆円の中に、義務教育費の国庫負担金が含まれていることから、委員からは「(教職員の)給与水準が高いまま税源移譲すると、優遇措置が温存されてしまう」「この水準で税源移譲するなら、地方交付税を減額してはどうか」といった意見も出た。

また、教職員数についても、今後、削減すべきだとの指摘が出た。【三沢耕平】

毎日「財政審:公立小中学校教員の給与、優遇廃止 予算建議で提言へ」

給料の高さゆえに人材が集まることをモラルハザードというバカは誰なのか気になりますが(笑)、まだ議事録が公表されていないのでそれは置いておきましょう。現時点で公表されているのは当日の提出資料(財務省主計局作成)のみですが、さすがに文章としては校長と次官の年金額を直接比較するような下品(笑)な表現はありません。とはいっても、そこでの誘導があまり褒められたものではないやり口であることは事実です。

この資料では、報道されている教職員給与のほか、教科書の無償給付制、私学助成、奨学金が文教予算の課題として挙げられ、国際的に見ても日本の教員一人当たりの生徒数や教職員給与は遜色がなく、教科書にいたっては無償給付はG7諸国中では日本とイタリアだけである(他は貸与制)といった事例が紹介されます。

では、本当に日本における教育への財政支援は国際的に見て遜色ないのでしょうか。全体としての教育関連予算額が国際比較においてどのように位置づけられるのかを見れば、対GDP比でG5諸国中最下位です。要素分解したデータがないので以下は推測ですが、学費そのものが高く(=学費の肩代わりが少ない)、奨学金も給付制でないといった国際比較もあり、教職員給与や教科書というたまたま国際的に遜色ない部分だけが紹介され、その他の分野では劣っているのではないかと考えても不自然ではないでしょう。当然これらのデータは資料で示されるはずもないのですが、国際比較を持ち出す場合において、財政当局にとって有利な情報だけを選択的に紹介するのがアンフェアなのは言うまでもありません。

言い換えるなら、ミクロ的な不適切事例を是正するとしても、他国を引き合いに出すのであれば教育に用いられるべき財政支出の絶対額を引き上げるべきという結論しかでてきません。先生の給料削ろうとする前に、あるべきことはいくらでもあるでしょうと。

仮に国際比較を取り下げるとしても、依然としてフェアな資料とはいえない面があります。例えば教科書給付について、物価に比べて政府が負担する教科書代が延びていると資料では語られていますが、では大学の授業料は物価と比べてどうなのでしょう。いずれにしても、抵抗勢力を演出するに都合のいい部分だけを並べた資料といわざるを得ず、公正な議論を喚起しようという意図は残念ながら感じられません。

かくて分割統治の矛先は地公体での教職員と、そこに不正はないとする文部科学省に向かうこととなったわけですが、なぜ彼(女)らに白羽の矢が立ったのかを考えるに、次のような勘繰りが出てくるのも、昨今の流れを考えればやむを得ないでしょう。米百俵の逸話に反する動きだと思うのですが(笑)。

財政制度等審議会の財政制度分科会が、公立小中学校教職員の基本給が一般の地方公務員より11%高いことなどから優遇廃止を求めたことに対し、中山成彬文部科学相は21日、大卒が88%の教職員と大卒が55%の地方公務員の学歴区分や平均年齢の違いなどを挙げ「(実際の)優位性は4%。優秀な人材確保にはこれぐらいの優位性は最低限必要」と反論し、優遇措置を定めた教育職員人材確保法を維持する考えを示した。

中山文科相は「財政審、財務省はもう少し懐深く考えないと、貧すれば鈍すではおかしい。義務教育費国庫負担の問題が話題になっている時だから、狙い撃ちするような意図でもあるのか」と述べた。【長尾真輔】

毎日「財政審:教員給与・優遇廃止提言 教職員給与優遇、人材確保に必要−−中山文科相反論」

本日のツッコミ(全77件) [ツッコミを入れる]
BUNTEN (2005-10-22 05:19)

自分の子供の頃(40年位前)の先生の中にはひどいのもいて、「でもしか先生(いい就職口に行けなかったから先生にでもなるしかない)」という言葉にふさわしいグレード。体罰や痴漢行為も日常茶飯事でしたが、それが当たり前だったから問題にもなりませんでした。m(_@_;)m

またもやそんな世界を作り出す気なのでしょうか?

昔はそれでも企業や地域の教育機能が生きていましたから、全体としては、"絶望した子供が社会崩壊を引き起こす"なんてぇことにはならずに済んだわけですが、もしも今、教師のモラルが低下したら…。m(_@_;)m

郵政みたいな、ある意味数合わせの民営化と違って深刻な実害が容易に予想できるので頭痛いです。

すなふきん (2005-10-22 08:35)

教育でも企業の現場でもそうですが、ある成果を上げようとすればそれなりのコストがかかるという当たり前の原則を無視しようという無茶な発想が蔓延ってますね。まさに貧すれば鈍するってことに。

>給料の高さゆえに人材が集まることをモラルハザードというバカ

これ、本当になんとかならんもんですかね。(笑)
市場原理のイロハなのに、これを否定する連中って一体何なんですかね。よりによってこいつらが「市場主義」を謳ってるってのも・・・・w。

kumakuma1967 (2005-10-22 11:06)

校長経験者だって、地方銀行支店長経験者やパチンコ店支配人経験者ほど年金額高くないですから(笑)
むしろいかに次官への退職後も含めた報酬が少ないかが....
給料の安さでそれなりの人材集めようとしている?

ko-ji (2005-10-22 11:53)

>委員からは「(教職員の)給与水準が高いまま税源移譲すると、優遇措置が温存されてしまう」〜
て、そんなに信頼できないのなら、地方への分権化はしないほうが良い、という結論のほうが妥当では。
 自治体にも負担分があるので財政難から切り下げようという動きが出てくると考えるほうが普通だと思います。ただし、それが本当に妥当かには疑問の余地がありますが。
(地域経済苦境→財政難→教育低下→人材不足→さらに経済悪化)

小泉政権下では、まともに意見が言えない雰囲気(「地方にできることは地方へ」には一切逆らえない)なのが問題の元のような気がします。

BUNTEN (2005-10-22 20:29)

>給料の高さゆえに人材が集まることをモラルハザードというバカ

ホリエモン曰く、女は金で買える(だっけ?(^_^;))。

当然モラルも金で買えるわけです。諸外国の、安月給の公務員のモラルがいかにひどいか知らないわけでもあるまいに。金はろくに出さないけどモラル高く働けってことで、みんな奴隷以下の存在になれと言いたいのか、公立に行くような奴にコストかけてもしょうがないとでも思っているのか…。m(_@_;)m

vodka (2005-10-23 00:03)

今の給与表でも20代の先生方の多くは手取りで月20万を切っています。講師などの1級職だと県によっては15万円代と言うこともあります。高校だと高校新卒者の初任給が自分の月給より上と言うこともありますから、これ以上給与を下げれば、大幅な士気の低下は避けられないでしょうね。
まともに人生設計をしている人なら、もう教員なんて目指さないんじゃないですかね?

時々思うんですけど、新保守主義者ってほんとは日本を滅ぼしたいんじゃないでしょうか? どっかの国の工作員とか混じってませんか?

miyau (2005-10-23 11:23)

新保守主義者はお金のない人は彼らの飼っている血統書つきのペット以下の存在としか思ってないのでしょうね。
どんなにアホで救いようがなくとも自分のお子様たちは私立で充分な教育を受けさせて、権力にしがみついて世襲させるためには、貧乏人の優秀な子供が邪魔なんでしょう。

すなふきん (2005-10-23 15:24)

>vodkaさん
>まともに人生設計をしている人なら、もう教員なんて目指さないんじゃないですかね?
>どっかの国の工作員とか混じってませんか?

「まともでない」人のみが教員になるという逆選択が行われるわけですか。真の愛国者であれば、日本という国を弱体化させかねない教育投資の削減を軽々に論じられないはずなんですが。彼らは本当に「保守」なんですかね。佐藤優氏の新刊「国家の自縛」を読み終えましたが、鈴木宗男氏など何だかんだ言っても有能な人材を放逐してきたことといい、今の日本の政治情勢は右とか左とか言う以前にもうダメなんじゃないかと思われ。

bewaad (2005-10-23 16:05)

>BUNTENさん
その分を愛国教育とやらで補おうとしているのでしょう(笑)。

bewaad (2005-10-23 16:08)

>すなふきんさん
ご指摘の側面に加えて、「モラルハザード」の誤用もあります。といいますか、普通の誤用だと問題企業の経営者が不問にされるといったもので、なぜ誤用するかはわかる気もするのですが、今回の誤用はおっしゃるようにおよそ「ハザード」と解すべきものではないというのに・・・。

bewaad (2005-10-23 16:10)

>kumakuma1967さん
ま、次官には天下りという別の収入源があるのは事実ですが、正当化するつもりはないものの、そうした年金水準が誘因の一つであるのもまた事実だと思います。

bewaad (2005-10-23 16:14)

>ko-jiさん
東京にさらに高付加価値産業を集積させようという意図があるなら、それへの賛否はともかく納得はできるのですけれども、そうしたことすら考えている気配がありません。

地方分権の話は、交付税問題が正面に出てくれば地方の足並みが乱れるでしょうから、「官から民へ」よりは異論も出しやすいかと(笑)。

bewaad (2005-10-23 16:17)

>BUNTENさん(2005-10-22 20:29)
民間は苦しんでいるのに、公務員が不当に高待遇をむさぼっていることが社会の不公正・不公平感を醸成し、小泉支持につながっているのだというネット言説は見たことがあります。公務員の待遇を悪くすれば、公務員のモラルが下がっても民間のモラルが上がるからいいということになるのでしょう(笑)。なんで民間を上げようという発想につながらないのやら(って、先日来の議論との関係がでてくるのですが)。

bewaad (2005-10-23 16:20)

>vodkaさん、miyauさん、すなふきんさん
陰謀であった方が救われるのは、陰謀であれば止めを刺しては元も子もないということで、「生かさぬように殺さぬように」といったあたりで落ち着くことが期待できる点です。他方で信念に基づき行われているのであれば、そのような「妥協」は期待できず、とことんまで遂行されるでしょうから、救いは見込めません。で、後者ではないかと思っているのですが・・・。

vodka (2005-10-23 19:20)

>信念に基づき行われているのであれば、そのような「妥協」は期待できず
じゃ、新保守主義者ってジャコバンやボルシェビキとおんなじ人たちってわけですか。トホホ。

>民間を上げようという発想につながらない
ご存知のように、地方では公務員給与から民間給与の水準を設定します。だから公務員の待遇悪化は民間給与をさらに安くするぞってことと同じです。すると所得減→消費減→生産減となり、デフレスパイラルが止まらない。商店街のシャッターが閉まりっぱなしになるのも当たり前ですね。これまたトホホ・・・

>その分を愛国教育とやらで補おうとしているのでしょう(笑)。
実は、わたし、その愛国教育の担当になりそうなんです。でも、
彼らの愛国教育構想は実行不可能ですよ。
彼らが口にしている「日本」には、実際の日本の相当部分が含まれていないらしいのです。北海道や東北や九州や沖縄など各地方には夫々の歴史や文化があることを絶対に認めませんし、アイヌの存在なんか指摘した瞬間に忘れてますもんね。
この件では新保守主義者に何を言っても全然ダメ。彼らとはまるで外国人と話しているようです。トホホ3倍ですよ。

kumakuma1967 (2005-10-23 21:56)

新保守主義を云々してる人たちのどのくらいがマンハイムを読んだ事があるのでしょうね。

bewaad (2005-10-24 03:27)

>vodkaさん
信念云々は若干議論もあって、国債30兆円の公約破りやりそなへの対応から、実は信念に殉じる路線ではないのでは、という見方もあります。

地方では人件費を前に役所の業務が減っていて、そのダメージに比べれば人件費ごとき(笑)。ソースは失念してしまったのですが、財務省OBが、財政事情にかんがみれば、十分な公共サービスが欲しければせめて都道府県庁所在地に引っ越せ、今までのところに住みたいのなら多少の不便は我慢しろ、とありがたいご高説をしていました。じゃあ田舎なら課税もするなと(笑)。

往々にして愛国教育推進者は、都合よく歴史を取捨選択しますよね。アイヌなどの存在を抜きにしても、彼(女)らの念頭にある道徳はほんの100年と少し前は武士の一部のみのもので、大半の日本人には無関係だったのですから、「近頃」を嘆くのではなく復古を喜べと(笑)。

bewaad (2005-10-24 03:30)

>kumakuma1967さん
マンハイムは読んだことがないので、ご指摘はわが身に当てはまるものとして受け止めます・・・。

koge (2005-10-24 05:00)

>財務省OBが、財政事情にかんがみれば、十分な公共サービスが欲しければせめて都道府県庁所在地に引っ越せ、今までのところに住みたいのなら多少の不便は我慢しろ、とありがたいご高説をしていました。じゃあ田舎なら課税もするなと(笑)
これ、本当にやるかもしれませんね。で、徴税コストが減って財政的には+だったり(笑)

Baatarism (2005-10-24 09:36)

だったら莫大な財政負担が必要となる北方領土返還はもういらん、ということになったりして。(爆)

銅鑼衣紋 (2005-10-24 13:38)

そんなに変な発言ですかねぇ?人口減少は事実であり、一方で
三次産業中心では大都市の集積利益が大きいことがハッキリして
きているわけですから。これから必要な構造改革は限界地からの
「撤退戦」と、効率的な大都市中心とする「戦線の再編」なんじゃ
ないんでしょうか?

で、北方領土に関して言えば、感情論・正邪に関する議論は別すれば
返還させても、日本の経済的負担になるだけなのは事実では?
もちろん、安全保障の見地も考慮すれば、トータルではプラスかも
しれませんけど。

(2005-10-24 13:43)

>全体としての教育関連予算額が国際比較においてどのように位置づけられるのかを見れば、対GDP比でG5諸国中最下位です。

生徒数も考慮しないと正確な比較にならないんじゃないでしょうか?
http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/toukei/04042301/004.pdf
の6ページを見ると初等中等教育は一人当たりの教育予算は平均的な額ですが、高等教育の公的支援は少ないようです。
教科書の給付は初等中等教育の話で奨学金や高い授業料は高等教育の話なので、初等中等教育は国際的に遜色はないが、高等教育はあるということだと思います。

鍋象 (2005-10-24 18:42)

>>銅鑼衣紋さん
僕は変な発言だと思いますよ。産業を中心にいかに生産性の高い国を作るのかというのなら間違いじゃないですが、素朴過ぎる発想かも知れませんが、国の存在意義は企業体としての経営者、指揮命令系統ではないのですから、お前の部門は赤字だからこっちの部門に配置転換ってわけにはいかないと思うのですが。
首都圏に住んでいる一個人が、田舎に住んでいる人を挑発して言っているってんなら笑って見てるだけですがね。

銅鑼衣紋 (2005-10-24 18:55)

>鍋象さん

気持ちは分かります。でも、「生産活動は低調だが、ここに住んで
きた、ここが故郷だから、雇用機会が無くても動かない」というの
は、イギリスで80年代まで問題だった構造問題そのものですよ。

高度成長期には、山田太一の映画のように、激しい人口の地域的な
移動が起こってます。これがなかったら、今程度の生活水準もまま
ならなかったはずです。

もちろん、スターリン時代のロシアじゃないんですから、無蓋貨車
に追い立てて強制移住させようというわけではない。経済的なイン
センティブに従って個人が選択して移動することになりますが、そ
れを再分配で無理矢理押さえ込むのは無意味でしょう。

最近の人口統計によれば、大都市の人口増加と中小都市の人口減少
は明らかであり、すでに自律的な調整は起こっているようです。

もちろん、不必要な不況により、減らなくてもよい地域で人口が
減っているケースは少なくないでしょう。これはマクロ政策をちゃ
んとやることで是正できるはずです。問題は、たとえば全国ベース
の失業率が2%台まで低下しても人口流出に歯止めが掛からない
地域を再分配で助けるほど、日本には余裕はないだろうということ
です。

銅鑼衣紋 (2005-10-24 19:57)

失礼。山田太一じゃなく山田洋次監督ですね。

すなふきん (2005-10-24 20:22)

>鍋象さん、銅鑼衣紋さん
うーん。地方から大都市への移動というのは基本的に近代の歴史上一貫した動きだと見るので、これを再分配的になんとかしろというのはやはり無理があるかと・・・・。これ、自営業の衰退→サラリーマン層の増加とかもパラレルなようで、このあたりももはやどうしようもないと思うんです。ただ、経済成長があればある程度他の手段で食っていける可能性が広がるのに、不況と重なるときついということは言えるかと。むしろ商店街復興の町おこし運動なんか大きなお世話なんですよね。そんなレベルではないということは身にしみて感じます。

vodka (2005-10-24 20:32)

>雇用機会が無くても動かない」というのは、イギリスで80年代まで問題だった構造問題そのものですよ。

ウェールズ人がウェールズを愛して、故郷に留まるのがそんなに変なことでしょうか?
たかが数年単位の景気変動や、数十年単位の社会構造のために、地域に暮らす集団が、自分たちが支配的ではない国家権力や経済効率の都合にあわせて「移住しなければならない」ことの方が遥かに理不尽だと思います。
サッチャーの地方政策が、経済効率としても主義としても、完全に失敗だったことを忘れてはいけません。
ブレアがイギリスの地方政策でまっさきに手をつけたのが、この問題で、ブレアは逆に伝統的な各地方の自治を復活させ(限定的とは言え)独自の経済政策をとれるようにしたからこそ、イギリスの地方は復活した・・・と言うのが、イギリスに暮らす人々の評価です。
我が国が目指すべきは、権力・産業・人口などの大都市部への一極集中ではなく、大胆な規制緩和による分散だと思います。

中央政府や大都市部の都合で地方の通貨流動性の悪さを放置しなければならないなら、最早同じ経済圏ではないということなのですから、各地方の適正規模を探りながら地方ごとに通貨をつくって流通させればよいではありませんか。
イギリスのスコットランドポンドにはそう言う役割があるんじゃありませんでしたっけ?
そこまでいくことはないと思いますが、中央政府が「大都市部に住め。郡部は切捨てだ」と言う態度をとるならそれは棄民政策です。
そう言う場合には、地方は中央政府に従う義務は無いと考えるでしょう。

BUNTEN (2005-10-24 21:02)

◆ bewaad (2005-10-24 03:27)さま
http://bewaad.com/20051022.html#c17

>信念云々は若干議論もあって、国債30兆円の公約破りやりそなへの対応から、実は信念に殉じる路線ではないのでは、という見方もあります。

何が信念なのか、という点にも異論があるわけで、郵政の次が義務教育とくれば、組合あるいは左翼憎しといったあたりが妥協できない"信念"ではないかとも思えます。(ハズレの可能性は否定しません。)

もっとも、デフレ退治をやらないとにわか左翼が増える(注:私は貧乏から来る左翼だけどある意味ホンモノ。)し、下手にデフレを進めるとファシズムに行く可能性(この可能性には容認的と思われる)も高まる一方で革命まで行きかねないリスクも負うわけなんで、そのへん誰か忠告してやれよと。

◆ 銅鑼衣紋 (2005-10-24 13:38)さま
http://bewaad.com/20051022.html#c21

>これから必要な構造改革は限界地からの「撤退戦」と、効率的な大都市中心とする「戦線の再編」

問題は、私のようなご老体(でもねーが)は、若い息子と違ってそう簡単に"撤退"できないということなんですよ。だから、都市政策とかで容易に移動できるようにしても若いのはともかく中年以上はやはり移住しづらい。
かって我々が若かった頃大挙して田園地帯から"撤退"したのだけれども、田舎に残るなら不便は当たり前だと親に向かって言い放ちはしなかったし、当時の政治家もそこまでは言わなかった。

残らざるを得ない年寄りを"今までご苦労様でした。"とねぎらいつつ"便利な大都市へ子供らと一緒にいらっしゃい"とか誘うのならともかく、"お前ら田舎から出てこないなら不便を覚悟しろ。"は、やっぱりないんじゃないかと。m(_@_;)m

vodka (2005-10-24 21:49)

少し感情的になってしまったので、頭を冷やしました。
現状では、スコットランドポンドが流動性を調整する能力は域内税率変更権が発動された場合のみで、しかもそれは税率のわずか3%分なのでした。
私が言いたかったのは、中央政府が地方の経済や社会への責任を果たせないのならば、その任務を地方に委ねるべきだということです。
1990年以来のスコットランドの中期的な経済の好調は、80年代のサッチャーによる地方経済の破壊の反動だと言う面は否めないでしょう。(どん底まで落ちたら、あとは回復するしかない。)しかし、それ以上に各地との地道で細かな努力の積み重ねと言う面が強いと思います。特に自治体の地道な産業誘致策は重要だったと思います。
地方がダメになったから大都市に集中するように誘導するのではなく、逆に郡部に拡散するように誘導する仕事を地方政府が積極的に行うべきだし、中央政府もそれを支援すべきだと言うわけです。

銅鑼衣紋 (2005-10-24 21:57)

>vodkaさん

誤解があるようですが、別に中央政府の指示で撤退させるなんて
言ってないですよ。あなたの言うように、地方自治を進めてそれぞ
れの地方が地域間競争すれば良いんじゃないですか?でも、総人口
は減少することと、非製造業中心の経済では思いの外集積利益が大
きく作用している以上、人口移動は避けられないでしょう。つまり
衰退地域はどう転んでも全国の人口減少以上のスピードで縮小して
行かざるを得ないわけです。

これを議論の前提に置いて、いかにして犠牲を小さくしながら撤退
してゆくかを考えておかなければならないんじゃないですか?

あと、マクロの景気の話は当然ながら、そのOB氏の古巣がドジな
結果として酷いことになってるわけですから、その責任の追及は
必要です。でも、いくら責任を追及しても、上に上げたようなダイ
ナミクスは止められないことも事実です。

miyau (2005-10-25 01:41)

>bewaadさん
レス遅くなりました。
私も陰謀の程度なら…と思ってしまいます。新保守主義は信念というよりか、理性の言葉に耳を閉ざす「狂信」に見えてしまうのですよ。
合理的な判断のなさそうな雰囲気にうーきもちわるいと日々感じているのです。

のびた (2005-10-25 01:45)

私は、一定の「弱者保護政策」は必要だと思います。
しかし、地方の住民を弱者、都市部の住民を強者とみなした「地域間再分配政策」には問題があると思います。
都市部にも低所得者・失業者・障害者等の社会的弱者はいますし、地方にもお金持ちはいます。
それなのに、「地域間再分配政策」では、地方のお金持ちにも何がしかの補助が為されたり、都市部の社会的弱者に何がしかの負担を負わせてしまいます。

また、例えば、現行の「弱者保護政策」では、地方の農家は弱者だという事で保護政策が為されていますが、実は、農家世帯の約10%が年収350万円以下の低所得者なのに対して、全世帯では13%もの世帯が年収350万円以下の低所得者なのです。(データが古くて1992年のものですけど(汗))また、兼業農家が多く、大多数の農家の所得の大半は農業以外の所得ですし、平均所得をみても、全世帯と比較して、決して見劣りしていない所得はあるのです。(中山間地域でも)それなのに、地方の農家には手厚い「弱者保護政策」が為されています。これは問題だと思います。

今から10年前に、八田・八代先生編集の「「弱者」保護政策の経済分析」で、本間正義先生(農業経済学)は、上記のようなデータをあげて、現在中山間地域とよばれている地域の全ての農家に保護が必要という訳ではなく、その内の条件不利地をきちんと判定した上でそこに対策を集中すべきだと主張しています。
そして、「われわれがなし得る援助は、(引用者注 条件不利地に住んでいる)彼らの撤退に手を貸すことである」と結論付けています。

ですから、ただ単に、都市部から地方へ広く薄く「地方間再分配政策」を行うのではなく、きちんと「条件不利地」を判定した上で対策を集中すべきだと思います。
もちろん、地方でも都市部でも、低所得者・失業者・障害者等の社会的弱者に対しては、きちんと対策を採っていくのは当然だと思います。

ですから、銅鑼衣紋さんの
>これから必要な構造改革は限界地からの「撤退戦」と、効率的な大都市中心とする「戦線の再編」
というお考えに賛成です。

鍋象 (2005-10-25 04:55)

>銅鑼衣紋さん
>>イギリスで80年代まで問題だった構造問題そのものですよ。

それはサプライサイドに問題が出てから考えれば良い事かと。具体的にはフィリップス曲線が垂直になって、インフレを止められない状況になってからという事です。そこまで行って初めて、居住地選択の自由と高インフレのトレードオフの存在を認めて、国会などの議論の遡上にあげて、国民合意の上で今回は高インフレ抑制の方が大事ですねと結論を下せば良いのです。財源とか撤退戦とか関係ないと思うし、現状の問題点を鑑みるに、いかにもっともらしくとも、優先順位的には最低ランクだと思うんですが。

bewaad (2005-10-25 06:50)

>中央と地方
さまざまなご議論ありがとうございます。紹介した趣旨を説明させていただきます。議論の一助となれば幸いです。
1.傾向として都市部への人口移動は続くと思います。
2.しかしながら、その動きをナショナルミニマムとされる行政サービスの切捨てという形で促進すべきでないと思います。
3.財源不足を理由に行政サービスの切捨てを、というのであれば、まずは財源確保にベストを尽くすべきですし、ま、財務省関係者がそれを言うな(笑)、と。
4.地方の外部効果はどのぐらいきちんと把握されているのか、産廃の不法投棄問題や京都議定書との関係での森林効果など、特に景気がきちんと回復するならそれらは今まで以上に重要ではないかと思います。

bewaad (2005-10-25 06:56)

>*さん
ご示唆ありがとうございます。とにかく教育についてはきちんとした議論をして欲しいのですが、例えば税源移譲要望が中学校のみで小学校が含まれていないことについて、合理的な説明を聞いたことがないんですよね・・・。

bewaad (2005-10-25 07:02)

>BUNTENさん
税源移譲については、自分が打ち出した「地方分権」だからという以上のものはないと思います(地方六団体が別のものを柱にしていたら、教職員人件費の税源移譲などどうでもよかったのでしょう)。やはり組合よりも、田中派的なるものの方が常に敵役であるように思います。

bewaad (2005-10-25 07:05)

>miyauさん
イデオロギーの如何を問わず、批判を受け入れない姿勢が問題なのだと思います。

bewaad (2005-10-25 07:11)

>のびたさん
そうした農村政策の背景には農地改革以来の自作農主義という別の要素もあると思います。単に小作人の所得向上ということでしたら、大地主制(法人による農業経営を含む)を維持したまま労働政策的に小作人の待遇向上であってもよかったはずで、ただそれでは小作人層が左傾化して社会党政権もあり得たのではないでしょうか。根強い抵抗にかかわらず、企業の農業参入の動きは進んでいますが、それはやはり左翼の退潮を無視しては語れないと思います。

銅鑼衣紋 (2005-10-25 08:48)

>鍋象さん

>それはサプライサイドに問題が出てから考えれば良い

いや、80年代に既にこれが原因でサプライサイドに問題が起こっ
ていたんです。大都市部での規制緩和を遅らせ、地方振興を目的に
した規制緩和=リゾート開発=不良債権問題の根元です。

採算性を無視して田舎の巨大リゾートに突っ込む前に、大都市部の
再開発にお金を回していれば、たとえバブルは崩壊しても、残る資
産は(目論見よりは低いがそれでも社会的には妥当な)収益率を持
つ物だったでしょう。そうであれば、不良債権問題は遙かに容易に
解決できたはずです。このあたり「だけ」に関しては、吉川先生の
言われる「需要サイドの構造問題」の重要性を否定できないと思い
ます。

竹下政権のふるさと創生に代表される政策、それに先行する中曽根
政権下での「民活」(そのイデオローグの一人が竹中平蔵)によっ
て80年代後半の石油価格低下による膨大な交易条件改善効果は、
どぶに捨てられてしまったのではないでしょうか?

なお、繰り返しますが「ナショナルミニマム」まで切り捨てろと
言っているわけではないですよ。でも、外部効果を考慮してもプラ
スの収益率を持てない産業・地域に「ミニマム」を越える再分配を
行うのは間違いだと言っているだけです。

鍋象 (2005-10-25 11:58)

>>銅鑼衣紋
すみません、イギリスの例について良く知らないので、どうしても先にあげられたイギリスの例と結びつきません。
それと地方のリゾート開発って、都市部、地方中核都市などの都会化された都市に住む人達向けのサービスではないですか?政府主導で産業政策を行っても、それは民間の需要を反映していない以上、失敗に終わる事もあるという一例ではないかと思うのです。サプライサイド政策の失敗例にしか見えないわけで、IT産業で雇用創出何百万人と同列の話に聞こえるのです。

>でも、外部効果を考慮してもプラ スの収益率を持てない産業・地域に「ミニマム」を越える再分配を行うのは間違い

僕も別に、田舎に穴掘って埋めなおせば万事OKというつもりはありません。しかし、愛知県のように、名古屋高速、セントレア、万博の3点セットで成功しているところもある事は無視できないと思います。

また、僕も東京都に住んでいた事がありまして、東京都の人達のか感じている問題の大半は、道路の渋滞・電車通勤地獄・住宅コスト・近所付き合いの希薄化による孤独感の4点セットだと思っていますが、違いますでしょうか?それを乗り越えてでも都会に人が集中するのは、何らかの理由で価格メカニズムが働いていないからではないですか?外部性に何をとるのか恣意的になりがちですが、少なくとも価格メカニズムが阻害されているっぽい状況は都心への人口の移転が止まらないことで明らかではないかと思います。

銅鑼衣紋 (2005-10-25 12:34)

>鍋象さん

>地方のリゾート開発って・・・IT産業で雇用創出何百万人と同列の話に聞こえるのです。

その通りです。問題は、地方経済振興策としての工業再配置が海外移転で頓挫し、その代わりがリゾート開発だったわけです。

>愛知県のように、名古屋高速、セントレア、万博の3点セットで成功しているところもある事は無視できないと思います。

それもその通りでしょう。だが、それが本当に「成功」するには、そうしたインフラを利用して民間のビジネスが自律的に拡大できるか否かが重要になります。ビッグプッシュになるなら結構ですが、少なくとも竹下氏のやった日本中の市町村に一億円配るようなことをしても無駄なのはあなたも同意でしょう?

それと、僕は東京一極集中を推進しろと言ってるわけじゃない。むしろ、地方の大都市を振興するべきだと言ってるんです。それでも、人口減少社会では小都市〜僻地から地方大都市への「撤退」は避けられないという意味です。

さらに言うなら、地方都市の問題の方が深刻じゃないでしょうか?駅前の衰退などは、それこそ既得権益小規模ビジネスが居座っている結果でしょう?区画整理などの再開発を行い、ロードサイドに逃げたようなビジネスを駅前にひっぱてくるべきなのに、それをしないんじゃないですか?まあ、それをしてもこの不況では駄目になってしまったところも多いでしょうが。それは、マクロ政策の失敗の結果であって、それすらしない所を正当化することにはなりません。

vodka (2005-10-25 13:32)

銅鑼衣紋さん、失礼しました。
確かこのやり取りは前にやってましたね。
「大都市」とおっしゃったので、私は「北上山地の山村の人間を東京に移住するようにしむける」ようなことだと誤解しました。
確か、前の趣旨では「山村部から地方中核都市への移住はやむをえない」と言うお話だったような・・・
どうも地方公務員をやっていると、いつの間にか頭の中が「地方政府(地域住民・零細資本の利益代表)vs中央政府(大都市部・大資本の利益代表)」と言う思い込みが強くなりがちなのです。
それでしばしば判断を誤ります。すみません。

銅鑼衣紋 (2005-10-25 14:29)

>vodkaさん

こちらこそガタガタ文句付けてるようで恐縮です(>鍋象さんに
も)確かに「東京のITベンチャーに勤めればIPOで億単位の金
はわけなく入るのに、田舎で貧乏してる奴は勝手に氏ね」と叫んで
いるような馬鹿が大勢いて、その罪謀OB氏もその眷属かもしれま
せん。そうであるなら、そいつこそ芯で欲しいのは同感です。

だが、それと経済合理性・効率性の軽視は別問題です。少子高齢化
が進む以上、効率重視で生産性引きあげなかれば日本の未来は暗い
わけですから。適正規模以下の都市を無理に維持するほどの余裕は
もはや無くなってきているということです。

鍋象 (2005-10-25 17:13)

>>銅鑼衣紋さん
やっぱり想定している状況で色々食い違っているようです。

>少なくとも竹下氏のやった日本中の市町村に一億円配るようなことをしても無駄なのはあなたも同意でしょう?
無駄かどうかは微妙ですが、心情的にはあまり上手い方法とは思いません。こういうものに対する嫌悪感が根っこにあるとは想像もしませんでした。

僕は、東京で10年暮らしてから田舎に帰都心一極集中では、いくらインフラ投資しても人口がさらに移入して賽の河原ではないですか?という事が言いたいわけです。それを自然の流れだから仕方が無いと言うのはちょっとおかしいのではないですか?という所がスタートです。中央と地方のアジテーションの応酬ではなく、どちらが良いのか冷静な議論の遡上に載せたいという思いを以前から持っています。
上のレスで書いた、都心への人口流入が止まらない理由についてもそれを「当然のこと」として受け入れるだけではなく、社会的に良い事なのか悪いことなのか議論の遡上に載せるべきではないですか?

というわけで、現実的な解決策とは、地方中核都市への投資の分配という点には全く同意です。ただし、地方中核都市は僕は「地方」だと捉えています。風情漂う山間部を田舎と捉えていたわけではありませんので、そこにお互いの齟齬があったようですね。

>さらに言うなら、地方都市の問題の方が深刻じゃないでしょうか?駅前の衰退などは、それこそ既得権益小規模ビジネスが居座っている結果でしょう?区画整理などの再開発を行い、ロードサイドに逃げたようなビジネスを駅前にひっぱてくるべきなのに、それをしないんじゃないですか?
すみません。家の田舎は、全国的にも稀にみる、駅前商店街・飲食外がいまだに発展している地域なので、その点については想像がつきません。バブル期から含めて、何もしない事で結果オーライを続けている街ですので。
また、これを「既得権益」と称するのは納得がいきません。何か作る目的があって、公共施設の拡充目的で強制代執行で立ち退かせる必要性は認めますが、先に立ち退かせたからといって何が変わるわけでもありませんし、それは所謂歯抜け商店街を作るだけではありませんか?

ロードサイド店はロードサイド店であり、それらを街中に移転させても、店舗形態を街中型に変えなければ、繁盛しません。FCチェーンの多くは、ロードサイド店、駅前店、住宅地店などの区分けをしてそれぞれに店作りを根本的に変えています。コンビニだってレンタルビデオ店だって全てそうです。
近隣の同規模の中核都市では駅前の再開発をして商店街の規模を縮小した結果、駅前の魅力が薄れてロードサイドに移動してしまった事例も見聞きしています。東京駅や渋谷駅周辺には人は少ししか住んでいないのに、それらを想定した駅前再開発は失敗して当たり前だと僕は思います。

>だが、それと経済合理性・効率性の軽視は別問題です。少子高齢化が進む以上、効率重視で生産性引きあげなかれば日本の未来は暗いわけですから。適正規模以下の都市を無理に維持するほどの余裕はもはや無くなってきているということです。

申し訳ありませんが、この文章は理解できません。
1.少子高齢化が問題であれば、少子化の原因を追究して対策をするのが筋道ではないですか?対処すべき問題を、少子化の解消におくのか、それとも少子化を受容して別のところで実施すべきなのか、僕にはわかりません。少子化問題を後回しにして、人口減少に見合った経済にすべきだという根拠をお聞かせ願えませんか?

2.少子高齢化で需要の減少が起きるのであれば、日本の課題はいかに需要を拡大するのかか、それとも「人口減少に見合うように生産性の向上率を鈍化させるか」ではないですか?何故、供給余力の拡大なのですか?

3.「適性以下の都市を無理に維持するほどの」と、「適性」という言葉をぽんと投げられると、どの程度を想定するのかでお互いに誤解が生じます。もう少し具体的にお願いします。僕は田舎の山間部で、そこの住人向けに多額の社会インフラの整備が行われている例を寡聞にして知りませんので僕には地方中核都市が対象となっているように感じられてしまいます。

>田舎で貧乏してる奴は勝手に氏ね」と叫んでいるような馬鹿が大勢いて
この点には全く同感ですし、僕もそこで過剰反応している嫌いがありますがご容赦ください。

銅鑼衣紋 (2005-10-25 17:59)

1)東京は人口過密ではありません。利用度が低いだけです。ちゃんと開発すれば、遙かに住みやすい所になります。賽の河原ではありません。

2)今までの通りで繁栄している町はそのままで結構ですよ。しかし、現実にはシャッター通りが日本中にあります。

3)少子高齢化に直接効くような政策は嫌いです。子供を産むとか生まないとか、結婚するとかしないとかに国家が介入して欲しくありません。

4)少子高齢化は需要の問題ではありません。供給の問題です。高齢者ケアのために資源を配分するためには、稼働世代の生産効率を上げなければ無理です。高齢者ケアは経済的には消費だからです。

5)公共投資の効率性評価に関しては、小渕政権の頃にさんざん論じられたように、相当量が農地改良やら漁港整備に向けられていたのではないですか?まあ、最近はそれは減っている(ついでに地方中核都市向けまで減っている)でしょうが。

鍋象 (2005-10-25 22:45)

うーん。なんか話がかみ合わないっすね。僕も議論下手ですみません。

1.僕は、現在首都圏が抱えている負担の一部を地方が負担すべきだという考え方をしています。その必要なしとするのであれば、この点については見解の相違という事で終わりにしたいと思います。
これ以上議論をすると、地方への利益誘導が目的で議論していると思われそうなので。

2.シャッター通りについては、銅鑼衣紋さんの上げた駅前にロードサイドを実現する方法は逆効果だと言う例を指摘させていただきました。議論のうえでは瑣末な問題ですが、個人的にツボだったので必要以上に書きすぎたようです。

3.僕も同様に、住居をどこにする、企業はどこでどういう仕事をすべき、駅前の商店街はこうあるべきだという分野に、むやみに国家に介入して欲しくありません。これは規範的価値判断の相違であり、どちらか一方が常に正しいとする問題でも結論を与えられるものでもありません。議論を通じて両面から望ましい姿を達成するべき問題ではないかという意見を述べさせていただいたつもりです。

4.高齢者ケアの問題は、少子高齢化によって「増大する需要への対処」という事でしょうか?稼動世代の需要が減ってきますし、常識的にはトータルでは需要の縮小が生じるのではないかと思いますが。高齢者ケアもビジネスになるのであれば供給は後からでもついてきます。むしろ、需要増加できるだけの負担が高齢者に可能かどうかと、将来不安に対する支出行動変化で生じる所得制約の方が気になります。
とはいえ、銅鑼衣紋さんの言わんとする事が完全に理解できたとは言いがたい状況なので、今しばらく考えてみます。

5.地方の農地とか港湾整備にそれほど多額の金額が支出されたとは全く認識していませんでした。地方の工業団地にぺんぺん草が生えている的な話は良く聞いた記憶があります。
農地と港湾というと、効率性とか需要対策とか以前の、圧力団体系の問題が潜んでいるように感じますが、その辺はいかがでしょうか?
しかし、現行の、「需要対策をとるならせめてサプライサイド的な視点でインフラ整備」という公共事業の考え方では、自ずと道路・港湾・空港・工業団地の4点セットに落ち着く気がしてなりません。

ko-ji (2005-10-26 01:13)

話がハイレベルなうえ、遅筆なので話しについていけてない面もあるかもしれませんが、、
>>銅鑼衣紋さん
>1)東京は人口過密ではありません。利用度が低いだけです。ちゃんと開発すれば〜
 たしかに世界には東京より過密な都市は多くあるわけですし、より詰め込むこともできますが、都市の規模はこの程度のほうが良いのでは。ヒートアイランドもひどくなりつつありますし、水の供給やゴミの処分などもネックになりつつあると思います。
 地震等による被害の分散化なども必要でしょうし、冗長性や環境への負荷を考えると過度の集中は好ましくないのでは。

>>鍋象さん、銅鑼衣紋さん  5.無駄な公共事業
 90年代には、多かったと思います。景気対策として補正予算が乱発されてました。97年に北海道拓殖銀行などが破綻した際にも、なぜか景気対策として補正予算で公共事業をしてたりとか(公的融資で対応すべきですよね。)。補正予算は即効性のあるものということで、都市部では用地買収や住民説明等で時間がかかるため田舎で使われてたのが多かった気がします。補正予算成立後に山間部の用地を手当てして道路を作ったり、みんなスタッドレスなのにチェーン着脱場を整備してみたりとか。都市部でも、道路照明を大量に点けたりとか、官舎の駐車場を舗装とか、研修所の新築とか、あまり意味のないものが多かったと思います。
 おそらく、鍋象さんのところは地方ではあっても田舎ではないのであまり目に留まらなかったのでは。
 農地改良や漁港整備でも生産性があがれば、と思いますが、現実にはトラクタくらいしか走らない道を2車線で舗装してたり、漁港の物揚場に屋根を付けその上を駐車場にするとか、あまり役にたたないことが多く行われていました。
  そのうえで、今後を見越すとサプライサイドでいくならインフラはある程度揃ってるので、4点セットより、地方自治体が工場建設に補助金をつけたり、固定資産税の免除等のほうが確実な気がします。
 
 私は、地方都市というよりは、猫の額のような土地に張り付いた農山村のほうが効率性の点では問題だと思います。“限界地からの「撤退戦」と、効率的な大都市中心とする「戦線の再編」”という考え方には基本的に賛成です。が、「撤退戦」として限界地から中核都市まで撤退する必要もないわけで、限界地で農地等を集約しての大規模農業として生産性をあげるパターンもあるでしょう(当然、撤退者もでます)。また、撤退にしても近隣の町に移り住み、農業等を続ける人は田畑まで、離農した人は中核都市まで通勤するなどのほうが地方のコミュニティ維持などを考えると現実的だと思います。
 税金等で住居・店舗等を移転させて集落を統合したり、いくつかの町を統合して商業が成り立つ規模を確保するというのも、場合によってはありだと思います。上下水道の維持や道路の維持・除雪などを考えると、移転をさせたほうが長期的には安上がりな場合もあるでしょう。
 一方、どこから撤退するかを中央政府が指示するのは、地域事情の反映が困難なうえ反発も買うことから困難で、地方公共団体での取り組みが大事なように感じます。費用についても他地域への出費の是非は判断困難ですし。農村については、別添のような例があるようです。
http://www.maff.go.jp/www/counsil/counsil_cont/nouson_sinkou/sinkou/010824/sankou3.pdf

のびた (2005-10-26 01:29)

>>bewaadさん
ご指摘の通り、自作農主義的な農業政策は、おそらく戦後数十年間においては、政治的な事も含めて考えれば、概ね妥当な政策だったように思います。
とはいえ、もう10年以上も前から、「条件不利地に対策を集中して行う事が望ましい」というような事は、かなり明確になっていたと思うのですが・・・

不勉強で、ネット上でちょっと読んだ程度の事しか知りませんが、例えば、生活保護を受けてしかるべき人たちがきちんと受けられないという実状があるようですし、障害者の方々も障害者自立支援法案成立などでますます生活が大変になるようです。

これらの真の社会的弱者に対してきちんと対策がとれないような現状なのに、とても大雑把な「地域間再分配政策」をやってる余裕は無いと思います。(仮に、リフレ政策実行で景気が回復してもそうだと思うのですが)

bewaad (2005-10-26 06:32)

>皆様
公共事業については、用地買収の難易度の差から、どうしても地方が出やすい(景気対策として一定の歳出規模を確保しようとすると、地方に偏重しがち)という部分が90年代前半には効いてしまったのかな、という気がします。大深度地下に関する法整備(地権者の同意がなくても事業遂行可能)がもっと早ければ、少しは事態はましだったのかな、という気がします。

あと、ナショナルミニマムをきちんと議論してコンセンサスを得ることが重要ではないかな、と。枠組みとしては交付税の基礎財政需要のようなものなのでしょうけれど、人口何人あたり/移動時間何時間あたりでどのような公共サービス提供をなすべきか、そこをきちんと議論しないと、例の分断統治で歯止めが利かなくなるおそれがあるように思います。

bewaad (2005-10-26 06:42)

>のびたさん
「きちんと対策がとれない現状」がそもそも間違っていると思っています。当然公的サービスの提供も予算制約に服するわけで、その中で優先配分の順序は考えなければならないわけですが、全体のパイの拡大をないものとして、都市の生活弱者と地方がそれぞれを敵視しあう状況は、構造改革原理主義者の思う壺ではないかと。

のびた (2005-10-27 00:02)

仰るとおりだと思います。
政権の無能のせいでリフレ政策を実行せず、全体のパイの拡大を図ろうともしないくせに、最初から全体のパイの拡大を無い事を前提とした議論には問題があります。
そして、分断統治的なやり方が横行している時に、「地方間再分配政策」の問題点を指摘すれば、構造改革原理主義者に利用される危険性はよく判ります。
しかし、構造改革原理主義者たちが、非効率な公共事業の削減云々などと言い、ろくに議論もしなくて、ナショナルミニマムのところまで削減しかねない危険性もあります。
その際、ナショナルミニマムの部分はきちんと維持していこうとする側が、いわゆる「弱者保護政策」の問題点ときちんと向き合った議論をしなければ、構造改革原理主義者たちに、そこを徹底的に追求されて利用される危険性も大きいと思います。
ですから、「都市の生活弱者と地方がそれぞれを敵視しあう」作用があるのはよく判りますが、それに十分注意して、「地域間再分配政策」など「弱者保護政策」の問題点を考えていく事は重要だと思います。

bewaad (2005-10-27 07:33)

そもそも景気対策で行うべき公共事業とは、そのうち整備する必要があるものであってその施工時期を前倒しするものに過ぎず、景気対策で量を確保するからといって本来整備が必要でないものを上積みすべきものでないということは、(上記のような用地買収関連の論点があるとはいえ)今後とも忘れるべきでないと思います。

銅鑼衣紋 (2005-10-27 11:56)

問題はその、

>そのうち整備する必要があるもの

に、少なからぬ数と金額で「整備する必要のないもの」が含まれて
いる一方で、必要なものが放置されているという可能性が高い(あ
るいは高かったでもいいけど)という事ではないの?

本来、公共事業見直しという話が小渕政権の頃に盛り上がったのは
そういう論点であり、総額の削減以前に、費用対効果をちゃんと見
て公共事業やりましょうという話だったのに、いつのまにか(多分
予算の元締めの策動の結果w)全部止めましょうという話になった
わけで。

銅鑼衣紋 (2005-10-27 12:06)

忘れてたけど、確かに用地費の問題は深刻。用地費は事業費だけど
資産の購入だから有効需要にはならない。つまり、財政支出に景気刺
激効果があるとしても(笑)、用地費は関係なく、単に国債発行を
増やすだけの結果になる。虎ノ門から新橋まで(?)の拡幅工事は
お札を地面に幾重にも敷き詰めるほどお金が掛かるという話は有名
でしたよね。

つまり、都心の場合には、高層化を大幅に推進し、地面の価格を
下げて、一方で建物の価値を上げればよいわけ。今でも山手線の
内側の平均的な建物の高さは3階いくかどうかじゃないですか?

平均5階くらいにすれば、土地の半分はいらなくなる。公園でも
道路でも、その他公共輸送システムいくらでも建てられるわけで。

鍋象 (2005-10-28 02:31)

>に、少なからぬ数と金額で「整備する必要のないもの」が含まれている一方で、必要なものが放置されているという可能性が高い(あるいは高かったでもいいけど)という事ではないの?

その批判はあって当たり前だと思います。

>いつのまにか(多分 予算の元締めの策動の結果w)全部止めましょうという話になったわけで。

その後の「熊しか通らない道路」など、マスコミの扇動的かつステレオタイプな報道ばかりが記憶にあって、「必要性を考えなければならない」という意見に対して、僕が過剰反応的な不信感を抱いているというのがあるのでしょうね。
「何が必要で何が必要でないか」は、結果論では色々いえるけど計画段階で見通すのは難しいかなぁと思います。こういうのはアートというかセンスの問題だし、昨今民営化が求められるようになったのは、投資を賭けと捉えて色々トライする民間の方が、議論を通じて確実にできる事しかやらない公的組織より結果的に効率が良くなるという経験則から来ているのかなと思ったりします。民間の場合は失敗したらその企業が飛ぶわけですが。
とはいえ、確かにセンス悪すぎなのはあると思います。問題は、そのセンス悪すぎなもののシェアがどれくらいあるかなわけで、比率が低いんであれば減らしすぎの二次災害を起こす事を考えたら必要経費とみなして放置する事も判断だと思ったりします。

僕が感じているのは二元論では語れないものを無理やり二元論的に語る事に対する不信感なのかな。と、感想文みたいなモノローグばかり書いて申し訳ありません。

>平均5階くらいにすれば、土地の半分はいらなくなる。

ツボ領域なので色々頭の中で想像してしまいました。出来上がった都市が望ましいものか、実現可能性があるのか、微妙かなぁと思います。が、想像ですので、議論は止めときます。

bewaad (2005-10-28 05:41)

>銅鑼さま
結局、都市部においてはサプライサイド的な施策(容積率や農地転用規制の緩和とか)が行われ、民間投資がさらに進んでいれば、そもそも公的投資の全体額もそれほど必要とされなかったでしょうし、都市部の整備も進んだのかなぁと思います。バブル自体を回避することは不可能であったとしても、その程度をいくばくかは緩和できたでしょうし、その分だけ傷も浅くすんだのかな、と。

bewaad (2005-10-28 05:51)

>鍋象さん
先日申し上げた、強迫観念による政策のゆがみ(俗っぽく言えば「羹に懲りて膾を吹く」ということですが)ということにつきると思います。政策そのものに限らず、政策形成過程についていうなら、福田派の系譜が非主流派に甘んじざるを得なかったことの反動が、現在の小泉総理の反対派に対する態度を育てたという側面もあるような気がします。

kumakuma1967 (2005-10-28 12:53)

念のため...
容積/高さの規制が緩和されても高いビルが建つ訳じゃないですよ。土地保有コストが安すぎて規制一杯まで利用できるように土地をまとめなくてもやっていけますから。
 バブル期に緩和された多くの場所では、建物の高さを規定しているのは高度や容積率の規制ではなく北側斜線(周辺に迷惑をかけないための規制)です。
#このところ建築関係の規制緩和のターゲットは主にこの手の迷惑防止的な規制になってる気がしますが.....
我が国の都市計画がスプロール防止(またはスプロール推進法)以外には曖昧な目的しか持たない事、これまで「インフラ整備によるポテンシャルな土地利用価値」をすべて地価に上乗せしてしまい、インフラ整備の財源はスッカラカンだった事などをなんとかするのも必要でしょう(現状では公共的なインフラ整備=地主への所得移転)。

bewaad (2005-10-29 04:22)

なるほど、確かにそういった規制もありました。

でも、あまり詳しくはないのでご教示いただきたいのですが、都市政策といっても、東京(ないし大都市圏)とそれ以外ではずいぶん違うのではないかと思うのですが、いかがでしょう。

kumakuma1967 (2005-10-29 07:58)

都市計画法は東京郊外スプロール向けの法律で、それ以外の地域には工夫しないと適用できないと思います。計画区域と計画区域外に分けますが、計画区域は「市街化区域」「市街化調整区域」に二分されます。市街化の圧力がないとか、既に市街化してインフラも整ったとかは想定の範囲外ですから。

ko-ji (2005-10-29 12:26)

>>kumakuma1967さん
>都市計画法は東京郊外スプロール向けの法律で、それ以外の地域には工夫しないと適用できない
 というのは、少し違うかと思います。都市計画法自体、結構複雑で、実務に携わっていない(大学の学科は都市計画系でしたが(w )ので十分な説明はできませんが、「都市計画」自体が十分に機能していれば地方都市でも有効に活用できると思います。
 逆に、問題は、都市計画地域に指定されていない地域や、都市計画区域のなかに「市街化区域」にも「市街化調整区域」にも指定されていない地域(「白地地域」)があることなど、計画策定がしっかり行えていないことにあります。また、市街化調整区域であっても、開発許可を得れば大規模店舗等を建てられますので、骨抜きになっていたりもします。
 都市計画制度自体の問題点は、検索して見つけたのですが、[H17. 8.10付 国土交通省報道発表資料“中心市街地再生のためのまちづくりのあり方に関する研究アドバイザリー会議報告書について”の参考資料1-4]あたりが参考になると思います。(http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/04/040810_.htmlhttp://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/04/040810/4-4.pdf
 さらにいうと、土地神話といったものがあり土地への私権を制限しにくいことや、戦後に急速な都市化が進み地域の変容が激しかったことから、どのような都市のあり方、地域のあり方が好ましいのか、という点でコンセンサスがないことが「都市計画制度」が機能しない状況をつくっているような気がします。

>>bewaadさん 色々、考える機会ができ、ありがとうございます。上記、8.10付報道発表にリンクを張っているページをgoogleで検索したのですが、18件しか引っかかりません。生活するうえで地域のあり方が重要な要素の一つだと思うのですが、なかなか、そういうブログってないものだなと感じました。

kumakuma1967 (2005-10-29 15:25)

>ko-jiさん
白地は都市計画に編入しなくていいから、あるいは編入したくないから無計画なのであって、白地を許す事自体が都市計画法のレンジが狭い証拠です。中心市街地向けにも郊外向けにもレンジを広げる努力は不断に続いてますが、改正の度に「あの事例に対応したな」とニヤリとする人が多いのも実態。大規模店舗その他の開発規制が最も緩いのは実は白地というのはご紹介の資料の通りです。

ko-ji (2005-10-29 16:53)

>>kumakuma1967さん
 「都市計画法のレンジが狭い」というより、適切な運営がなされていないことが問題なのだと思います。農地法の適用地域にはコントロールは利きませんが、白地地域での開発は本来の想定外ですし、また、白地を残すかどうかは、あくまで運用上の問題です。農地の転用への許可条件を厳しくし、さらに都市計画法を厳しく運用すれば、土地利用のコントロールが可能です。
 農地の転用許可も市街化調整地域や市街化区域内の用途地域の指定・解除も行政が行えるので、制度上は、いくつかの問題点(例えば、市街化調整区域内に公共公益施設が開発許可無く立地可能)はあるものの東京郊外スプロールにしか対処できないという法律ではありません。
 都市計画の問題は、どのような土地利用が好ましいのかを決定することが困難であり、また、地方自治体(および国)が土地利用についての私権制限を忌避する傾向にあるため、緩めの運用をしてきた(せざるを得なかった)ことに起因しているところが大きいと思います。
 ついでになりますが、建築基準法の北側斜線は低層住居専用地域のみの規制であり、また日影規制(隣家での日照時間で高さが抑えられる)も低層住居専用地域以外では規制が厳しくないので、都市計画変更で適切な用途地域にすれば、銅鑼衣紋さんのいう平均で5階建てくらいは可能になると思いますが。

>>bewaadさま もともとスレが『今月の抵抗勢力「教職員&文部科学省」』だったのに話がずれまくっててすいません。

kumakuma1967 (2005-10-29 21:49)

失礼いたしました、「容積率緩和の際に導入される事が多い高度地区における斜線型高さ規制」と書くべきでした。

 中曽根政権下の規制緩和で多く見られたような「斜線規制にとられる部分のロス(建築費増や床面積減)を考えても敷地をまとめない方がいい」という土地所有者の判断が成り立ちにくいようにしてやらないと、「平均5階&インフラ整備」がうまく行かないような気がします。
過疎側の都市用地供給過剰解消も、大都市側の高層化&インフラ整備もやるとなれば激烈な政策な訳で、どこもかしこも対象とするのではなく、「現況で良い場所」と「開発余地がある場所」の区分が体系的になされるべきと考えています。
(平均4階でも供給過剰な気がするけど....)

銅鑼衣紋 (2005-10-30 01:01)

>平均4階でも供給過剰な気がするけど....

広大な都市公園、快適な道路。全ての道路に歩道と街路樹を。
国立博物館や科学博物館を、メトロポリタンのせめて1/3位の
規模にしたりすれば、過剰にはなりませんよ。地震対策に広域避難所
防火帯になる公園など、公共目的のための用地はいくらでも必要。

kumakuma1967 (2005-10-30 01:25)

公共用地の必要についてはおっしゃるとおりです。私にとっての問題は「土地所有者が公共用地を供出し、代わりに容積率を獲得しようとする」ための仕組みはどうしよう?って事です。一度出したら一定期間は安定しなければいけないし、先に出した人は後から出した人より得をするように見えなければいけない気もします。

東京23区の建物階数分布、環境省様にありました。
http://www.env.go.jp/air/report/h14-02/3-2-1.pdf

銅鑼衣紋 (2005-10-30 01:51)

>kumakuma1967さん

資料どうも。なんか既に3階くらいありそうですね・・・

>私にとっての問題は・・・

そうですよね。それこそが私権制限なんかまで踏み込んだ正真正銘
の構造改革なのであり、こう言うのに手を付けず何をやってるんだ
か・・・

bewaad (2005-10-30 04:00)

>kumakuma1967さん、ko-jiさん、銅鑼さま
議論を高めていただきありがとうございます。とても勉強になります。

>「土地所有者が公共用地を供出し、代わりに容積率を獲得しようとする」ための仕組み
私権制限というのは法学部卒には抵抗がある(笑)のですが、例えば次のようなものはどうでしょうか?

1.固定資産税について、建物を課税対象から外し、土地の課税水準を上げる。
2.都市再開発等の公共の需要に関し買収に応じたとき、それまでに払った固定資産税の一部を還付する(国税/地方税の相違があり、交付税の基礎財政需要に入れる等の手続的な工夫が必要ですが)。買収に応じるのが遅くなるにしたがい還付率を下げる。

思いつきなので欠陥品である可能性は高いのですが、高容積率化・早期売却のインセンティブとして考えてみました。

kumakuma1967 (2005-10-30 09:34)

日本以外では普通な政策だと思いますし、都市部の地価を上げているのはその敷地の所有者ではなく、インフラと周辺状況なのに土地所有者の納税義務が甘いのはどうかと....
1.は大昔(中曽根政権初期)の菅直人氏の政策パッケージに入ってたような気がします。あのころはかっこよかった....
 アメリカのように土地利用の誘導目標に合致しなかった場合に割増課税してやると一層効きそうです。
2.と比較検討するものとして、3.一定期間、敷地形態とインフラ整備不足で利用できないポテンシャルな容積の半分は公有とするなんてのはどうでしょう。(容積率が緩和された時に敷地を整理しないと実質的に土地を取られてしまう)
 「地価と土地利用規制」は西村先生(今は日銀)が専門か...

bewaad (2005-10-31 02:54)

結局のところ、そこで産出可能な付加価値に満たない利用をしているのであればそれが不利になるような環境を整備することで、生産性に見合った利用集積を促進すべきということなのでしょう(どういう手段でやるかに議論があるにせよ)。そういえば個人宅地・農地については、相続税引上げも効きそうですね。

小僧 (2005-11-02 01:06)

つい最近刊行された、越澤明氏(北大教授)著「復興計画」(中公新書 isbn:4121018087)を『「私はおじぎが下手だし、嫌だからとても勤まらんと思っています。それで断りたい」と佐野が言うと、後藤新平は「なに」と向き直り、「おじぎをしないで仕事ができるのは天皇陛下しかいないぞ。そんなことは問題ではない。永田も困っているのだから手伝ってやってくれ」』や、永田東京市長の「市民諸君に告ぐ」に唸りつつぱらぱらと読んでいるのですが、
> それこそが私権制限なんかまで踏み込んだ正真正銘の構造改革なのであり、こう言うのに手を付けず何をやってるんだか・・・
は、かれこれ関東大震災の帝都復興計画から挫折してきているのだな、という事が実感されます。 例えば、茗荷谷の播磨坂 http://www.city.bunkyo.lg.jp/cgi-bin/kview.cgi?ID=106 はそのころ計画された環状三号線ですし。銀座dだけでなく江東区などがきれいに整備されているのは、計画の遺産だそうです。

小僧 (2005-11-02 01:23)

一つ書き忘れていましたが、やはり(マクロ・ミクロともに)都市計画に関しても、教育問題を複雑化させているのと同種の問題「一家言のある人は多いが、体系的な知識は云々」があるのかな。という感触もあります。(余談ですが、昔、私が書いた自転車の車道走行禁止についての某記者さん(現在は某有名番組の P)が書いた文にもその辺が欠けているのかなと)

bewaad (2005-11-02 04:35)

関東大震災の次に、戦後復興も機会ではあったんですよね。例えば東大駒場キャンパスの裏手には虫食い状に国有地があるのですが、それは本来一帯が国有地だったところ、三々五々占有されて今に至っているという話を聞いたことがあります。あのころは今と違って供給過小でしたから、アメリカからさらに援助を受けなければ大規模な再開発を伴う復興は不可能だったのですけれども。

kumakuma1967 (2005-11-02 09:52)

戦災被災者の一時居住に供用されて居座りにあったらしいですね。国有地でない部分については、大学は立ち退きを要求したかったけど、国敗訴の判決が出て、仕方なく売り渡したところだと思います。山手通り沿いに古い門のあとがありますね。こういう事例はたくさんあって、阪神の震災の時に公有地への仮設住宅設置に後ろ向きの人もたくさんいました。
 都市計画はナポレオン3世しかり、たいがい絶大な権力とともにあるわけですが、日本の場合戦前は事業費に対して戦費捻出が優先であった事が阻害要因だったようですね。
 戦後は内務省解体にともなって人材の流出もあり、復興計画は「防空計画の焼き直し」だったりします。「事業はあっても計画なし」の素地が...(以下略)。
 ドイツの場合は体系的に地方分権したのですが日本は都市計画については中央集権を維持したのでセンターを潰されたのではないかと.....
 かくして明治維新直後に公有地の割合が6割にも達したという恵まれた条件の上に現在の東京があるわけですが.....

小僧 (2005-11-02 23:42)

> kumakuma1967 さん
戦災復興計画についても、都市計画の骨抜きなどその挫折振りが書かれていますし、そのあたりの越澤先生の恨み節が伝わって来る文章なので、まずは立ち読みをして頂きたく。

bewaad (2005-11-03 08:17)

>kumakuma1967さん
東京の計画的な復興も余裕がなければ後回しでしょうから、仕方がないといえば仕方がなかったのでしょう。あのときそれができたとすればGHQでしかあり得なかったでしょうし。

ちなみに霞が関官庁街は、ご指摘の高い公有地比率の賜物でございます。

bewaad (2005-11-03 08:18)

>小僧さん
私も読んでみたいと思います。

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