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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)
2005-11-17
■ [economy]太平洋の向こう側でのインフレターゲット反対論
バーナンキ次期FRB議長(候補)の上院ヒアリングをsvnseedsさんや田中先生、中村先生が取り上げていらっしゃいますが、あくまでtestimony((冒頭)証言)部分だけですので、その後の質疑応答からインフレターゲット反対論への反論を紹介してみます(ソースは"Bernanke confirmation hearings"(@William J. Polley11/15付)です)。
サーベインス議員(日本ではエンロン事件を受けての企業改革法(サーベインス・オックスリー法)の立案者として知られていると思います)の質問は、インフレターゲットを採用しているECBを引き合いに出して、ヨーロッパではアメリカよりはるかに失業率が高いではないかというもの。フィリップスカーブ(インフレ率と失業率はトレードオフの関係にあるという経験則)を念頭に、インフレターゲティングはインフレ率を抑制しすぎて失業率を高止まりさせるのではないか、という趣旨でしょう。で、バーナンキの回答は次のようなものだったとのこと。
Senator, it was below that rate 20 years ago before the ECB was even created. I believe there are other factors that contribute to that difference.(上院議員、アメリカの失業率が低いというのはECBが設立されるより20年も前からのことです。その違いは別の要因によるものだと思います。)
#別の要因とはNAIRU(これより下がるとインフレ圧力が生じることとなる失業率)が違うよということかと。
■ [government][media]農水省の対メディア姿勢
branchさんやt9930211さんが注目の農水次官&農水大臣のメディア批判ですが、もともとあそこはそういうところです。リンク先は最新で1年前のもの、その前も1年半近く間があいていてつまらないので、ぜひとも大人気ない当初のような活発な活動‐返事がなければもう一回(笑)!‐を願う次第です。
客観的に申し上げるなら、こういったメディアとの議論は大いに行われてしかるべきだと思うのですが、霞が関としては江戸の敵を長崎で討たれるのが怖くてなかなか踏み込めない傾向にあります(直接の抗議はともかく、それをオープンにはしにくいです)。じゃあなぜ農水省はそこまでやるのかと考えるなら、どうせ農水行政は時代遅れ等々と批判されてばかり(webmasterが思いつく限り寛大な目で見てもらえたのは鳥インフルエンザやBSE等で色仕掛け(笑)が成功した次の事例(webmaster注:元記事は削除されているので、それを引用しているページへのリンクを張ってあります)だけです)なので、メディアへの反論の限界費用が低いってことなんでしょうねぇ・・・。
危機に立ち向かう美人キャリア−。コイヘルペスウイルス(KHV)や米国産牛のBSE(狂牛病)問題、最近では猛威をふるう鳥インフルエンザの発生で大打撃を受けている日本の食卓。次々に襲い掛かる感染症に、農林水産省はてんやわんや状態だが、100人ものスタッフを率いて陣頭指揮をとっているのが、栗本まさ子衛生管理課長(49)。省内でも「美人の誉れ高い」(同僚)と評判の栗本課長は、獣医の肩書も持つ。日本の安全を守る栗本課長って、どんな人?
「夫妻が命を絶ったことは大変残念だ」
京都府丹波町の鳥インフルエンザ問題で8日早朝、浅田農産の会長夫妻が自殺した。農水省の記者会見に現れた一人の女性に、編集局の視線がくぎ付けになった。
「だれだ?」
穏やかで冷静な口調に、オジサン編集幹部も「うん」と素直にうなずきそうなほど、農水省幹部のイメージとはかけ離れていた。
(略)
衛生課課長補佐や動物医薬品検査所企画連絡室長、動物医薬品検査所室長などを歴任した後、昨年7月から衛生管理課長を務めている。
衛生管理課はコイヘルペス、BSEを巡る日米協議、高病原性鳥インフルエンザと3大感染症の対応に追われる。課員は約80人と省内では最大規模。感染症の続発で100人規模にまで膨れ上がり、現在は霞が関では小さな「局」並みとなった布陣を率いる。
「1週間に睡眠は10時間しかありません」。自宅に帰ってシャワーを浴び、仮眠する生活が2カ月を超えた。
国会会期中も質問取り、答弁書作成のため、午前3、4時まで居残ることもある。目の下にクマを作りながらも美貌(びぼう)は健在で、省内でも優秀な人材が集まる同課を仕切る。
省内には「小さな体で一人ですべてかぶって痛々しい」と同情論もあるが、「冷静で激することなく、諭すように処理していく」という評価だ。
夕刊フジ「食ショックに立ち向かう才色兼備課長の素顔 獣医師の肩書持つ栗本まさ子・農水省衛生管理課長」
■ [WWW]「かわいらしい大学生のようなぴちぴちのかなりレベルの高い感じをプンプンとさせている女の子たちが、霞ヶ関駅の近く(略)誰か教えてください!」
ついでにt9930211さんがらみで。6番目の回答までの盛り上がりと、7番目の回答との落差がなんともいい感じです(笑)。
bewaadさん、当方のブログへのコメント多謝です。ところで、サーベインス議員はなぜECBの例を挙げたのでしょうかね。ECBは物価参照値(物価安定の定義)を提示しているだけで、金融政策のコミットを伴うターゲットではないはず。恐らく、インフレターゲットを批判したいために、失業率の高い欧州の例を強引に取り上げたような気もします。または、参照値とターゲットを同一視したのかなあと思いました。
実態として、ECBは下限0%上限2%のインフレターゲットだと観念しても差し支えないのではないでしょうか。細かな定義はともかく、明示されたインフレ率がECBの金融政策決定の基準となり、それを前提に経済主体のインフレ期待を誘導する効果があるのですから。
もちろんサーベインス議員がとりあげたのは、他に目立つ失敗例といえそうなものがないからでしょう。バーナンキが言うように失業率の水準自体は金融政策というより構造改革でなんとかしなければならないものではありますが、全般としてマクロパフォーマンスが低迷しているのは(特に独仏)事実ですし。といってもECBの場合、インフレターゲット(的なもの)の存在自体の問題ではなく、設定するレンジが低すぎるという問題だと思いますし、さらには最適通貨圏ではないだろうというもっと根源的な問題があるのですが。