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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

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2005-11-24

[economy][government]改革派官僚の「告白」

同業の立派な先達をこうした形で取り上げるのにはためらいもあるのですが、岡本全勝総務省大臣官房総務課長が次のような主張をされています。

21日の朝日新聞では、「小さな政府改革、識者3人座談会」「官から民、なぜ今」で、北城経済同友会代表幹事、加藤秀樹構想日本代表、広井良典千葉大学教授が、議論しておられました。

「官から民へ」という言葉は、水戸黄門の「葵の印籠」のように、重宝がられています。私も使っています。もっとも、ここでも議論されているように、詳細は必ずしも詰まっていません。すなわち、なぜ官から民なのか、何をもって政府の大きさを測るのか、縮小すべきは何か、残る国の役割は何かが、問題なのです。

「官から民へ」は一つのスローガンであって、政治家がしゃべる分には良い言葉です。しかし、スローガンであるので、学問的には詳しくは定義された言葉ではありません。そして、この言葉は運動方向(ベクトル)を表しているのであって、対象物や目標は明らかではありません。もっとも、だからこそスローガンとして優れているのです。何にでも使えるからです。

なぜ官から民なのかは、赤字財政でこれ以上、今の財政支出を続けられないからです。また、官が支配することで、民間の活力が削がれるからです。

何を縮小するかは、分野別に議論しなければなりません。安全安心・社会保障などは、そうは縮小はできないでしょう、すべきでないでしょう。今後縮小すべきは、公共事業や産業振興だと思います。そしてこのような縦割り分野別でなく、横割り事務別の切り口も必要です。教育や福祉であっても、民間が実施できます、しています。官がしなければならないのは、その企画と基準作りと検査でしょう。実施は、どんどん民間に委ねることができるのです。

(後略)

岡本全勝のページ(webmaster注:リンク先から消えた後は、おそらく日本の政治21(11/22付)に保存されることになると思います)

「この言葉は運動方向(ベクトル)を表しているのであって、対象物や目標は明らかではありません。もっとも、だからこそスローガンとして優れているのです。何にでも使えるからです」というのは同業者から聞きたくなかった台詞ですが、というのも方向=ヴェクトルだなんていう間違いをしているから((1,1)と(2,2)は同じ方向ですが違うヴェクトルです)、ではなくて(笑)まず結論ありきだということに他ならないからです。頑迷固陋と批判されようと、理屈を突き詰めて整理できるまでは簡単には納得しないというのが霞が関の美風だったのでは?

簡単に反論しておきますと、「赤字財政でこれ以上、今の財政支出を続けられない」「官が支配することで、民間の活力が削がれる」との根拠については、前者はブロダ&ワインシュタインで否定されていますし、後者は世界的に見て「官が支配」している程度では低い部類だと平成17年度経済財政白書(で引用するOECD研究)にて説かれています。以上、岡本課長が主張する「なぜ」は説明になっていないということで。

何をすべきか(縮小すべきとは決まっていないことは上記のとおりです)について、政府の業務運営について効率化努力を怠るべきでないのは当然ですが、公共事業は縮小すべきってこれまでどんどん縮小されてきていることは経済財政諮問会議の民間委員にも認められていることだったりします(産業振興については先のOECD指標で近似されている、つまりこれも減少していると言ってよいでしょう)。効率化努力=質の改善を怠ってはならないことと総量を減少させるべきことはイコールでないですよね?

ちなみに言及されている朝日新聞記事ですが、これまた日本は大きな政府であるという思い込みからスタートしているものでありここまでの議論で反論済みということになるのですが(部分的に見るべき主張がないというわけではありませんが)、傑作なのは国際競争に勝って、豊かな暮らしを維持したいのなら、努力しないといけないという北城経済同友会代表幹事の言です。

経済の新しいパラダイムが必要になっている。アメリカがいまでは、ほんとうの意味でのグローバル経済の一部になったからだ。アメリカは生活水準を維持するために、きびしさを増している世界市場での競争の方法を学ばなければいけない。生産性を向上させ、製品の品質を高めることが不可欠になっているのは、このためだ。高付加価値産業を主体とするものに、アメリカ経済を変えていかなければならない。将来、職を生み出すのは、高付加価値産業である。新しいグローバル経済で競争力を保つ唯一の方法は、政府と産業が新たな関係を結ぶことである(。)

ポール・クルーグマン「良い経済学 悪い経済学」, p169

これはクルーグマンが貿易に関する一般的な誤解の要約として作った文章ですが、北城代表幹事の認識まさにそのままです。といいますか、クルーグマンが批判したこうした概念が経常赤字国であるアメリカで信じ込まれがちなのはわからないでもないですが、経常黒字国である日本でなんで生じるんでしょうかねぇ・・・。

#アメリカが恒常的に経常赤字で日本が経常的に経常黒字なのは「国際競争」とやらに勝ったがためではなく、単にそれぞれの貯蓄投資差額の帰結に過ぎません。為念。

[misc]制服ふぇち

昨日取り上げた日経記事についてpotato_gnocchiさんも取り上げられていて、ふむふむと頷きながら過去エントリへのリンクをたどりさらに頷き、はてなの日記タイプなので1日に複数エントリがあってその前にも何かあるなとスクロールアップしてみたところ・・・。

それは一つには、かなりむかし、女性の看護師さんとお付き合いしていた頃、とある熱い夜に「○○くんは白衣でしたいと思わないの? 白衣の私、カワイイよ」とあどけないまなざしで質問をされたのがトラウマになっているというのもあるわけですが… 誰だよ彼女にそんなこと仕込んだ奴は…_ト ̄|○

「フェティシズムにまつわる苦い想い出」(@常夏島日記7/1付)(webmaster注:強調は原文によります)

なんでこのうらやましい限りな体験がトラウマになるのかよくわからないのですが、それもあって私はぜんぜんそういう癖がないので、制服愛好家の気持ちが全く分からないのです。(略)この辺は深く分析した本が何冊もあるだろうから、そういうのを読めば分析的には理解できるのかもしれないけど、本質的にはやっぱり理解できないなぁとのことなので、熱く語ってみようじゃありませんか、一制服愛好家の気持ちを!

#「深く分析した本」を全く読んだことはありません。語るのはあくまで「制服愛好家の気持ち」です。

制服は業務や肩書きに属するもので、それを着ている異性は一個人としてよりもその業務等に意義があるわけです。制服はそれを着ている人間がその働きに専念していることを表象し、それに反して我を出すことは一種のタブーであります。フライトアテンダントが恋人だからといってサービスを良くしたり、婦人警官が同様に交通違反を見逃したり等々は許されるべきものではなく、制服を着ている=業務等に従事している以上は個性を殺して業務等を優先させなければならないわけです。

ところが制服を着た異性と云々となった場合、このタブーを破って我に返らせたということになります。つまりは一種のナルシシズムなのですが、他の者には業務として接しているところ、自分だけにはそうした仮面をかぶり続けることができない=自分にはそれだけの魅力があるのだと満たされるというわけで。その意味では露出度を高めたコスプレは邪道であって、色気を感じさせなければさせないほどよいという逆説が成立しているのです。

#以上は制服へのフェティシズムではなく制服を着ている異性へのフェティシズムだと、書き終わってから気づいてみたり。

本日のツッコミ(全21件) [ツッコミを入れる]
通りすがりの公務員 (2005-11-24 09:16)

「理屈を突き詰めて整理できるまでは簡単には納得しないというのが霞が関の美風」といいながら、Broda-Weinsteinのように自分の都合のいい論文だけ引用するのはなぜ? あの論文は強い仮定の上に成り立ってるというのは無視するのか?

銅鑼衣紋 (2005-11-24 09:43)

>赤字財政でこれ以上、今の財政支出を続けられないからです

を、議論の余地のない自明の前提としてるからだろう。ソース明示は2chですら最低のマナー。Broda-Weinsteinなどを否定するなら、根拠を示せばよいだけ。しかもbewaadは積極財政論者ですらない。それとも世論が自明とすれば、根拠はそれで十分?どっかの検察官と同じだな。

Baatarism (2005-11-24 09:58)

エントリに関係ない話題ですいませんが、最近、コメントの量がおおくなったせいで、RSSのエントリがコメントばかりになってしまい、最新の記事が分からなくなっています。
RSSにコメントが入らないように設定してもらえないでしょうか?確か以前に一度行っていたと思うのですが。

一国民 (2005-11-24 11:31)

制服の件、心の中の「がってん」ボタンを連打しましたよ。
ということは、ツンデレと制服フェチは深いところでつながっていたんですね。というか、自分だけを特別視して欲しいというのは、ある意味恋愛の基本ですけれど。

Baatarism (2005-11-24 11:38)

岡田斗司夫が男は「only meならanyone OK」、女は「only you, forever」だと言ってましたね。

vodka (2005-11-24 22:00)

公務員支配だの大きな政府だのと依然としてホラがまかり通っていますね。
民主党の「小さな政府研究会」を主催している達曽拓也さんにお会いしました。ロシア協会の講演会だったもんで「来年ロシア、視察しませんか?」っつう話をしてきたんですが、今日のエントリーを読んでから会えばよかったと後悔しました。
「小さな政府なんか、もうヤメ、ヤメ。今既に小さすぎんだって。サッチャリズムは英国をボロボロにしたんだぜ。ヤメヤメ」と言ってやったのに・・・。
だれか、達曽さんにレクチャーしてもらえませんか? 前原さんの労組切捨て発言の反動で今なら転向するかもしれません。親分の小沢さんが転向してんですから、彼もサッチャリズムはやめた方がいい。

英-Ran (2005-11-24 23:17)

vodkaさん
> サッチャリズムは英国をボロボロにしたんだぜ

岩田先生の「日本経済を学ぶ」を読んだ限りでは、サッチャー当時のイギリスは供給制約により生産性が伸び悩んでおり改革は効果があったように読めたのですがが、どのように英国はボロボロになったのでしょうか。イギリスの歴史(だけじゃないけど)には詳しくないので、実例でお教えいただけると幸いです。

vodka (2005-11-24 23:56)

それは同僚イギリス人たちの生の声です。
普通のイギリス人の間では、サッチャーの改革は地域経済を破壊し、雇用と教育を破壊し、国家と国民を分断したと評価されています。
サッチャー時代のスコットランド、ウェールズ、ロンドンなどの大都市以外のイングランド全土で雇用が落ち込み、企業がつぶれ、教育水準が悪化し、人々は自信を失い、やり場のない怒りと憤りが蔓延しました。
「どうしてこんな惨めなことになったのか!」これが選挙の際のブレアの決め台詞だったそうです。
イギリス人のサッチャー嫌いはレーバーもトーリーも関係なく、我が県のイギリス人たちは、サッチャーが脳溢血で倒れたニュースを聞いて、喜びのあまりパーティーをひらいたほどです。
サッチャリズムは統計上はイギリス経済を救ったと判断できるのかもしれませんが、国民にそう言う実感はほとんど無いと言えます。

bewaad (2005-11-25 07:06)

>通りすがりの公務員さん
何度も書いていることですが、専門的な経済学を修めているわけではありませんで、そのレベルで読んだ限りにおいて説得力を感じたということです。もしそれが専門的立場からは盲信だとご指摘をいただけるのであれば、考えを改めるのもやぶさかではありませんので、その点をご指摘いただければ幸いです。

bewaad (2005-11-25 07:06)

>銅鑼さま
実際のところ、学界での評価というのはどうなんでしょうか>Broda and Weinstein? ご案内のとおり最先端をフォローできる身ではまったくありませんで、もしご教示いただけるなら幸いです。財務省が正面から反論するならそれが参考になるとは思いますが、やっぱり難しいんでしょうし(笑)。

bewaad (2005-11-25 07:07)

>Baatarismさん(rss関連)
atomも導入して、rssとでそれぞれツッコミ含む・含まずの使い分けというのを考えてみたいと思います。なるべく早めに導入したいとは思っていますが、しばらくお待ちください。

bewaad (2005-11-25 07:07)

>一国民さん
potato_gnocchiさんのところでもツンデレとの類似性が語られていますね(笑)。

bewaad (2005-11-25 07:08)

>Baatarismさん(ふぇち関連)
単にanyoneということではなくanyone but...という人間が多いように個人的には思います(笑)。いわゆるストライクゾーンの広さも人それぞれではありますが。

bewaad (2005-11-25 07:08)

>vodkaさん、英-Ranさん
先日「ハードワーク」を取り上げた際にも書いたのですが、サッチャー登場以前の労働組合もサッチャーと同じぐらいめちゃくちゃ嫌われていて、人によっては労働組合を圧倒した部分を評価する場合もあるようですね。

とおりすがり (2005-11-25 10:06)

フェチの話題をみると、bewaadさんがどんどん壊れていきそうで。。
そのうち、白黒会議3回目とか、誰かさんの合コン、もとい、オフミに出席あそばされるのではないかと。。。。。。

かつて、コンピュータのスパイウェア対策専門家のブログで、「温泉組合、新型スパウェア発表」(落ちは、温泉=スパ)「●●市役所が、フィッシングサイト紹介」(字義どおり釣り場)などの、「釣り」記事があって、遠謀深慮かと小一時間。。

とおりすがり (2005-11-25 10:17)

続けて、スマソ。よけいなお世話ですが。。

◆ 常夏島日記:[結婚・恋愛]フェチ (2005-11-24 23:27) さんのぶろぐより。

 やけに閲覧数が増えていると思ったら、メジャーサイトからTBが来ているではないですか…
 それにつけても.go.jpドメインからのアクセスが多いのにはびっくり… っていうか職場の端末からブログサイトにアクセスできるのですか?>.go.jp お願いですからこんなところで暇つぶしなどせずに仕事をしてください(笑) 政府の悪口を書いているのに他意はなく、ヒラリーマンからの期待の現われですので(笑)

と書かれてますので、くれぐれも、職専義務違反にならないように
>一部の職種のみなさま

Baatarism (2005-11-25 11:50)

英国の話ですが、結局、既得権益を手放そうとしない人も、既得権益を力ずくで剥奪しようとする人も、どちらも嫌われるのが世の習いということなんでしょうね。

鍋象 (2005-11-25 13:07)

用語の定義が盛り上がってるようなので、ついでに。
「既得権益」って具体的になんなんでしょ?

bewaad (2005-11-26 09:36)

>とおりすがりさん
もともと壊れていますが何か(笑)。

ちなみにgoドメインですが、フィルタリングは基本的に各省庁別(プロクシがそれぞれに設置)なので、どこにアクセスできないかはそれによって変わってきます。同業者(自分もですが)は節度を持つよう改めて気をつけましょう。

bewaad (2005-11-26 09:39)

>Baatarismさん
「剥奪」が一時的に広く支持を集めるのは不思議ではなく、それに伴う副作用を放置するかどうかで決まってくるのではないでしょうか。

bewaad (2005-11-26 09:44)

>鍋象さん
理論的にはレントなのでしょうけれど、政治的にはこれも美人投票の対象にならざるを得ないように思います>既得権益の定義

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level3で投下されたネタみて眼が醒めた。というかなぜかプププの笑いをどうしてもおさえることができない俺を許せ、自分。

http://www.financialjapan.co.jp/kimura/

続きは本紙って、もったいぶらずに、続きを誰か燃料投下してキボンヌ。

というわけで、苦手な世評はしばらくやめとこっと。どう見てもプロの目に耐えうるものじゃないし。 得意なこっち方面でフェティシズムについて。 [http://bewaad.com/20051124.html#p02:title=bewaad.com]から引用。 ところが制服を着た異性と云々となった場合、このタブ..


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