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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)
2005-12-03
■ [BOJ][economy]日米欧三極の金利綱引き
FRBの11月の利上げ(更なる金利引上げ観測もささやかれていますが)に続いてECBも政策金利を引き上げ(2%→2.25%)、それらの日銀への影響が心配になるところです。なぜ心配しなければならないかといいますと、米欧は金利を引き上げた、だから日本も、という議論が起こり得るからです。
2004年初にwebmasterはアメリカの金融政策が引締めに転じなければ受動的金融政策を旨とする(笑)日銀も金融引締めをすることはあるまいという趣旨のことを書きました。実際にはFRBは同年6月末から引締めに転じたわけですが、にもかかわらずwebmasterの不安は杞憂に終わりました。なぜ予測が外れたかといえば、日米両国の金融政策の架け橋となる為替相場が安定的に推移した、もっとはっきり言えばそれほどの円安にはならなかったからです。
ところが今やご案内のとおり円安傾向。円高シンドロームが発症して金融引締めのおそれが出てきました。昨日120円/ドルを突き抜けましたが、実質実効為替レートをみるとだいたい120円台前半がシンドロームの壁突破の目安ではないかと思います
とは田中先生の言でして、これからが正念場といったところです。
不安材料としては、(これまでも散発的にはありましたが)次のようなアメリカ国内の動きです。
円安は日本の輸出関連企業の収益にプラスだ。産業界には「1ドル=120円台は心地よい水準」との声が多い。しかし、円安を追い風にした日本メーカーの攻勢を心配する米ビッグ・スリー(自動車3大メーカー)を中心に、米産業界では円安・ドル高の進行に不満が高まりつつある。中間選挙を来年に控え、ブッシュ政権がドル高是正に動く可能性も否めない。
読売「日米金利差で円安/1ドル120円台 米産業界に警戒感」
既にメディアでは、次のような意見も見られます。
日銀の量的金融緩和解除やオーバーナイト金利引き上げなど、金融政策変更の論議が盛んになってきた。(略)影響力の強い首相までもが量的緩和の解除時期について、日銀に慎重な対応を求めている。
欧州も日本と似た状況になっているようだ。ECB総裁が利上げの可能性を示唆すれば、仏財務省がこれを牽制する発言を行っているからだ。
ところが、米国は既に昨年6月来、金融政策を引き締めに転じ、FF金利を1%から4%へと12回にわたり引き上げてきている。しかし、FRBやその議長に対する政府・財務省側からの批判はほとんど聞かれず、これからも国内的に大きな議論が起きそうもない。これは、FRB議長に対する信任が厚いこともあるし、金融政策の担当が中央銀行であるとの認識が明確だからであろうか。(略)
日本の場合、金融政策の専門家である日銀総裁を中心とした日銀理事及び市場・経済の知識人から選ばれたメンバーによる日銀政策委員会の議論により、金融が決定されるはずである。従って、この委員会の議論や決定に委ねるべきではないか。そもそも景況感やインフレ館は、人によって強い弱いの判断が違うものだし、まして国の税・財政が金融以外の政策に左右されて一国の金融政策を動かそうとすると、どこかで歪(ゆが)みが生じてくるものだ。金融政策はある程度の透明性を確保させ、その専門である政策委員会や中央銀行を尊重し、委ねるべきであると思う。(QJ)
いくらでもツッコミたくなるテキストですが(ファンダメンタルズが違うだろ、等)、ここは当のアメリカからどのように見られているかを紹介しましょう。macroblogよりDavid Altig(クリーブランド連銀副総裁(のうちの1人))のテキストです。
...the most important headline from today's move by the ECB may be this one, from EurActiv:
ECB raises interest rate, underlining its independence
(webmaster試訳:・・・今日のECBの利上げを受けての最も重要な見出しは、EurActivの次のものだろう。/ECB利上げ、その独立性を明らかにするために)
"The ECB Plays Its Hand"(@macroblog12/1付)
なんだ朝日と一緒じゃないか、と思いきやEdward Hughからコメントがあり、次のエントリ題して"The ECB Plays Its Hand Weakly?"にてAltigもそれを"an excellent post"と評しているわけです。どのようなコメントかといえば、Altigも"Weakly?"で引用する次の部分がポイントでしょう。
My view is that the ECB is playing with fire here (as is the BoJ). If they have read the tealeaves badly (and I think they have) and if the German data fail to improve and the Italian data turn downhill again (which I think might well happen) then this may be the last time the ECB will dare to make a decision which isn't approved of by the finance ministers first.
So was this a balanced risk, to call the shots when only a quarter point is in play. I think not. If I was going to make a risky call, one which could threaten my long term independence methinks I would want to do it for something a bit more susbtantial.
(webmaster試訳:私見では、ECBは火遊びをしている(それは日銀も同じ)。もし彼(女)らが先行きを読み誤っていて(そして私はそうだと思う)、もしドイツの経済指標が改善せずイタリアの経済指標が再び悪化に転じたら(そうなるのではと私は思う)、各国の大蔵/財務大臣たちから好まれないであろう政策決定をECBがあえて行う最後になりかねない。
今回のわずか0.25%ポイントの打ち出しは適度なリスクであろうか。私はそうは思わない。もし私がリスクを冒すなら、長期的に見れば独立性を脅かすに見合うだけのもう少し実質を伴うものにしたいだろうと思われる。)
"The ECB Plays Its Hand"(@macroblog12/1付)へのEdward Hughのコメント
そういえば極東の某国にありましたね。皆がやめろという引締めを強行して、のちのちまで警戒感をもって見られるようになってしまった中央銀行が(笑)。
前回の引き締めと、今回の解除は全く性質が異なる
今回の解除は、心理的に公的部門への心理的圧力なる
是非、やった方が良い。ただ、米国が文句を言わないなら、放置しても良い。
>民間さん
申し訳ありませんが、よく趣旨が理解できないものですから、よろしければ言葉を加えていただければと存じます。