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2005-12-08

[economy]テクノロジー(=生産性向上≒(完全雇用下での経済成長))は幸福をもたらす

周りを見よう。社会から人間性が毎日少しずつ失われている。街なか――公共の場、と言い換えてもいい――での人の営みが、テクノロジーによって消されてゆく。チャットルーム、電子メール、インスタント・メッセージ(IM)といったものはどれも、技術的には、コミュニケーションの一種だ。しかし、これらのコミュニケーション技術が、隣人どうしのおしゃべり、バーでの雑談、友人とのちょっとした散歩などに取って代わるならば――こうした事態は「先進的な」社会に属する人々の間でますます広まっている――、人間どうしの有意義な触れ合いは失われてしまう。簡便さでは埋め合わせがきかない。

街では別の問題も広がっている。かつて地元の書店で本を買っていたあなたは、今では米アマゾン・コム社に代金を払っている(高利を取るクレジットカードで)。かつてガレージセールで処分していた不用品を、今ではオンライン案内広告の『クレイグズリスト』に掲載している。かつて精肉店、薬局、生花店で買っていた品はほぼすべて、ネット上で購入できるようになった。もちろん、とんでもなく便利で、人の手がかからない。だが、小さな店がみんな商売が成り立たなくなって廃業してしまい、万人向けの製品だけを扱う紋切り型のチェーンストアに変わってしまったらどうなるだろう。あとは企業の思いのままだ。

こんな世界に住みたいだろうか? 本当に? 私はサンフランシスコ湾の近くに住んでいる。こういった問題をあれこれ考えると、帆船の帆布と、マストを支えるシュラウド(横静索)を吹き抜ける風が恋しくなる。

「テクノロジーは幸福をもたらすか」

人間疎外論だなぁと思うわけですが、大いに頷いてしまった方々がいらっしゃいましたら、山口浩さんの「テクノロジーは幸福をもたらすか」にお目通しいただきたく。

[economy]バブルの再来ではなくバブル潰しの再来を恐れよ

Baatarismさんからのご教示を受け次の記事をピックアップしてみます。

政府一体となった「リフレ策」への傾斜がはっきりしてきた。日銀の超金融緩和を利用して、デフレからの脱却、更には株価や地価の上昇、名目成長率の押し上げをはかろうというものだ。ここには政治的な思惑や外国資本の圧力が見え隠れする。

来年秋に小泉政権を引き継ぐ新政権は、翌年にすぐ参議院選挙の洗礼を受ける。そこで消費税論議が先行して国民の不評を買えば、選挙で敗北するリスクが大きい。消費税を引き上げるにしても、その前に資産売却や歳出削減などやるべきことをやって、国民の支持を得たい。その際、デフレ脱却を最優先として、日銀に超金融緩和の継続を求め、株価、地価など資産価格の上昇を狙い、名目成長率を押し上げておきたい。円資産への投資を企てる外国資本にとってもこれは都合がよい。

思えば、80年代後半のバブル経済も似たような状況で進行した。88年には景気が力強さを取り戻していたが、89年の消費税導入を控え、日銀は金融緩和の継続を余儀なくされた。前年に株価の急落を経験し、海外からも緩和の継続を期待された。88年には名目成長率が7%以上になっていたが、公定歩合は2.5%にとどまり、株や不動産取引が高まった。

この10年余り、資産デフレに苦しんできた日本だけに、資産インフレだ、バブルだといってもぴんとこない面がある。しかし株価は一昨年の底値からすでに2倍になり、一部では地価も上昇するようになってきた。巨大な債務を抱える政府が日銀に実質マイナス金利を求め、家計にそれを負担させたうえで再び資産インフレ、税収増を狙い始めたようにも見える。こうした「リフレ策」の結果、持てる者はますます富み、持たざる者の負担は大きくなって所得・資産格差は一段と拡大する。バブルで一時のお祭りに酔った後、国民がいかに大きな苦しみを味わうか、忘れたわけではないと思うが。(千)

朝日「いつか来た道」(経済気象台12/7付)

  • 「政府一体となった『リフレ策』」がとられているってどこの世界の話なんでしょう(笑)。
  • 「デフレからの脱却、さらには株価や地価の上昇、名目成長率の押し上げをはかろう」って、間に挟まっているのは何(笑)?
  • 「外国資本の圧力」・・・くおりちーぺーぱーを自称する新聞で陰謀論ですか(笑)。
  • 名目成長率が上がって何か困ることあるの?
  • バブル云々をいうなら、ファンダメンタルズからの乖離がどの程度か論証していただきたいもので。
  • 低金利で家計の負担がって、雇用の確保ないし賃金所得の上昇とどちらが大きいかを比較してくださいまし。例えば世帯主が失業している無貯蓄世帯ならどうでしょう? そうした人々は「持てる者」、それとも「持たざる者」?
  • 「『親デフレ策』の結果、持てる者はますます富み、持たざる者の負担は大きくなって所得・資産格差は一段と拡大する。バブル潰しで一時のお祭りに酔った後、国民がいかに大きな苦しみを味わうか、忘れたわけではないと思うが」

[government]中国の公務員試験の奇問珍問

「南極になぜ熊がいないのか」「ワニは食べ物を見ると、なぜ涙を流すのか」−。中国の国家公務員試験で、テレビのクイズ番組さながらの「珍問」が続出。「南極に熊がいない理由を知っていることと公務員の資質は関係ない」といった批判も出ている。

中国では国家公務員は人気の職業で、今年の試験でも、1万人余りの採用予定者数に対し、36万人以上が応募した。

話題となったのは11月26日に行われた「行政能力」試験。2時間で130の設問に答えなければならない。

「海水はなぜ飲めないのか」「第二次世界大戦中、英国はなぜ天気予報をやめたのか」といった問題もあり、受験生から「問題がおかしすぎる」「勉強のしようがない」との不満が続出したという。

産経「公務員試験に奇問珍問続々 南極になぜ熊がいない?/海水はなぜ飲めない?」

批判されるほどのものでしょうか、というのが率直な感想です。日本の公務員試験の教養試験だってあまり公務員の資質とは関係ないように思うのですが(笑)。

模範解答は公表されていない。「珍問」をめぐる論争が過熱する中、各メディアには「設問の適否よりも、『南極になぜ熊がいないのか』を教えてくれ」といった問い合わせが殺到しているとか。

ちなみに、ウェブサイトに掲載された回答によると、南極に熊がいないのは、熊の祖先が誕生する前に南極が他の大陸と分離したため、とされる。(矢板明夫)

ご参考までに、他の問題の回答は次のようなものです。

ワニの涙
ワニは塩類腺という機構を目尻に持っていて、ここからナトリウムを排出する。これが涙を流しているように見えるだけということらしいのですが、「食べ物を見ると」となると獲物をおびき寄せるために涙を流すという言い伝えを答えろということなのでしょうか・・・。
海水
海水を飲むと、海水に含まれる塩分を体外に排出するため、体内の水分が尿として同時に排出され、そのため結果的に脱水症状が促進されるためです。ちなみにもし漂流した場合、生理食塩水(0.9%)と同程度に薄める‐海水1に対して真水2で約1%‐ことにより、この問題はほぼ回避できます。貴重な真水を節約するため、もしものときにはどうぞ。
戦争中の天気予報
当時の日本と同じで敵国に利用されるのをいやがったからということでいいのかな?

#「ワニの涙」は(言い伝えも含め)始めて知りました。落第ですかね(笑)。

本日のツッコミ(全18件) [ツッコミを入れる]
truly_false (2005-12-08 12:34)

>「テクノロジーは幸福をもたらすか」

ネットでだって、こういうふうに「人間どうしの有意義な触れ合い」はなされているワケですが。それ以外に、地方在住者と霞ヶ関の官僚さんとが、どうやって見解をやり取りできるって言うんでしょうか?「触れ合い」ってことに、こういうふうな“文面での”ってことが含まれ得ないと言うんなら、それは“音声中心主義”以外の何ものでもないんですが....。

(2005-12-08 13:41)

そういう文章をネットに載せてる時点でネタとしか思えないですね。テクノロジーがそんなにいやならその文を一枚一枚手書きで書いて徒歩で各家庭に配布して回ればいいのに。

>円資産への投資を企てる外国資本にとってもこれは都合がよい。

この筆者が日本が世界最大の対外債権国であることをどう思ってるのか気になりますね。超金融緩和による円安は対外投資を企てる邦人投資家の圧力によるものかもしれない。

銅鑼衣紋 (2005-12-08 14:18)

その「千」とかいう人物の発言は実に興味深いですなぁ。

かつては、リフレ政策ではデフレ不況脱却は不可能と言ってた陣営
に属してたんでしょうけど、最近の株高がとても業績相場だけでは
説明できない段階(=金融相場=金融政策やっぱ効くじゃんw)に
入ってきて、もはや「無効論」は維持不可能と知って路線変更を策
してるわけです(笑)構造改革で均衡実質利子率=資本収益率上昇
なら円高になるはずなのに円安ということは、これが貨幣的現象で
ある証拠ですからね。

要するに、「敗戦の年の夏空は抜けるように青く、何もないけど希望
だけは胸一杯に詰まっていた」とかいう感傷主義のなれの果てが、
この筆者ですなぁ。実際、人文系インテリに多いんですよ。

で、その前のテクノロジー批判も同系列。特権的インテリだけが
知的会話を続けられ、知り合いの丸善のセールスマンと欧米権威
の新刊書について語る特権とかに対するノスタルジーなわけでw

こういう人達の始末の悪いところは、自分たちが特権階級なのを
自覚していないで、経済成長がその特権を無価値にするのが、あ
たかも国民一般の不幸のように語り、信じ込んでいるところ。

デフレ不況で毎年一万人自殺者がでても、下がった地価で超高級
住宅地に家買えたり、固定資産税が下がって喜べるのは、自分の
置かれた特権の結果と理解していない。だから、特権回復のため
構造改革するんでしょうな(苦笑

Baatarism (2005-12-08 14:50)

>銅鑼衣紋さん
経済成長が下層階級の成り上がりを可能にして、特権階級にあぐらをかいている連中を没落させることを考えると、経済成長こそが最大の変革かと。w
だから、どんな理屈をつけようが経済成長に反対する奴は、既得権益を守っているだけと決めつけて構わないでしょうね。(^^)

すなふきん (2005-12-08 20:20)

巷で叩かれてる「特権階層」のイメージは官僚とか土建屋とか特定の業界関係に限定されてて、なぜかITや金融関係で成り上がった連中(ヒルズ族)は含まれていないんですよね。これもおかしな話ですけど。

Baatarism (2005-12-08 21:24)

ホリエモンや村上ファンドなんかは結構叩かれてると思いますが。
大企業のトップなんかも特権階級視されてると思いますよ。

実は特権階級なのにそう見られてないのは、マスコミ関係者と知識人でしょう。

vodka (2005-12-08 22:28)

所得1億円以下のものは、何がどうなっていようが特権階級呼ばわりされる筋合いはないですよ。
そもそも特権なんかないし。

うし (2005-12-09 00:04)

>「テクノロジーは幸福をもたらすか」http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/1700.html
リンク先の情報源をみると米国の州別健康保険カバー率とその平均寿命には相関関係があるんですね。米国の医療テクノロジーは世界一でもその恩恵を受けられない人には絵に描いた餅ということでしょうか。

韓流好きなリフレ派 (2005-12-09 00:58)

ちょっと質問ですが、バーナンキのケチャップを買えのソースご存知ないでしょうか? どなたでも結構ですのでぜひ教えていただけないでしょうか。ルーカスのポテトは簡単に分かったのですが。

bewaad (2005-12-09 05:12)

>truly_falseさん
八田先生が「痛みはいらない」でおっしゃっていたように、フェイストゥーフェイス・コミュニケーションには特有の意義があるのは事実でしょうけれど、テクノロジーで省力化できる部分があれば、それにより生じた余裕時間をさらなるそれに振り向けることが可能になるはずなんですよね。

テクノロジーに淫する向きがないとはいいませんし、それがマイナスに働く人がいないわけではないでしょうけれど、総体としてみれば(とりわけ貧困層にとっては)プラスなのは疑いないところでしょう。

bewaad (2005-12-09 05:23)

>*さん
前半、おっしゃるとおりですね。光景を想像すると・・・(笑)。

後半、なんというか「自然に逆らって」的な考えなんでしょう。管理通貨制度においては為替相場は人為的なものでしかあり得ないのですけれども。

bewaad (2005-12-09 05:34)

>銅鑼さま
いや、リフレ→ハイパーインフレ論者からみれば連続しているのでしょう(笑)。

テクノロジーがいやならネット接続もせず徒歩生活圏内で暮らすことだって十分可能なのにそれをしない時点で、実はテクノロジーが本当にいやなわけではないのは自明ですよね。本気で感傷にひたりたいならいくらでもそうしていただいても誰も止めませんよ(笑)。

bewaad (2005-12-09 05:38)

>Baatarismさん(2005-12-08 14:50)
私は人間の完全合理性を前提としないので、その決め付けには違和感がありますよ(笑)。

bewaad (2005-12-09 05:45)

>すなふきんさん、Baatarismさん(2005-12-08 21:24)、vodkaさん
特権という言葉遣いは議論を呼びそうですが、価値中立的にレントの有無だと定義するなら、相対的に金融や大手メディアには存するでしょうし、ITには存しないのではないでしょうか。公務員はレントというより国のガバナンスがうまくいっているかいないかの問題になるでしょう。

bewaad (2005-12-09 05:50)

>うしさん
アメリカのような健康保険制度ですと、保険加入/未加入は所得格差の反映で、医療のみならず栄養状態等の違いも大きいのでしょうね。

bewaad (2005-12-09 05:52)

>韓流好きなリフレ派さん
ごめんなさい。私には心当たりがありません。

ご存知の方はここに書き込んだり田中先生宛にメールするなりしていただければ幸いです。

ところで、ヴェイダー卿に聞いてみるのが早道ではないでしょうか(笑)。

hicksian (2005-12-09 07:58)

>韓リフ先生
「ケチャップでも買え」(by バーナンキ?)はFRB理事になる前の発言のようですね(2001〜2002年頃?)。記者の発言を信用する限りは。

今朝のドラめもん(2004/6/2)
http://www.h5.dion.ne.jp/~bond7743/hatsugeniwata.html#iwata040602

わたしゃこれで精一杯です・・・orz。ヴェーダー卿にお聞きになられた方が得策かと(http://www.inose.gr.jp/mailmaga/mailshousai/2002/02-7-5.htmlでも「ケチャップを買う」という発言が出てきてますけどバーナンキの発言ではないよう)。

bewaad (2005-12-10 04:47)

>hicksianさん
多分出所は雑誌記事かなんかなんでしょうね・・・。

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という歌を昔明石家さんまが歌っていたのを覚えている方が、どれぐらいいらっしゃるのかは分かりませんが、「テクノロジーは幸福をもたらすか」というWired Newsのeditorの記事に対する山口浩さんとbewaadさんのエントリーを読んでいて、ふとそんな歌を思い出してしまい..

最近、私はbewaad institute@kasumigasekiというブログ


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