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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

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2005-12-22

[politics]「小泉派」? ありえないでしょう!

前回総選挙で初当選を果たした83人のうち派閥に属していない50人を集めて忘年会をやったニュースに絡めてすわ小泉派かと語る向きがあるわけですが。そういう人間的なつながりが嫌いであるのが嵩じて「(昔ながらの)自民党をぶっ壊す」としている小泉総理がそんなことをするはずもないでしょう。なぜwebmasterがそう考えるかという管見を以下。

人の上に立つというのは、通常であれば下の人々の命運を部分的に我が物とすることでもあります。その道を究めたのが西郷隆盛でしょうけれど、下々のためには自分を殺してこそというカルチャーが日本にはあります(ある程度は世界中にありますが、特に)。上下関係が典型ですが、友情だのなんだのといったウェットな人間関係もその派生でしょう。小泉総理の構造改革とはそうしたカルチャーを壊すことに他なりません。

さらにはそもそも人間の生物的な側面、べとべとしたり臭ったりする部分をも嫌悪しているように見えます。ある種の芸術家気質も現実よりも内面で形作られたイメージを重視する傾向の現れでしょうし、アメリカ志向はイデオロギー国家としての一面に惹かれてのことでしょうし、元妻・子供への冷たさも家族的情愛が疎ましかったからでしょうし。

かなりの脱線になりますが、こうした小泉総理が高い人気を誇るのはまさに時宜を得たからで、小室直樹先生がよく引き合いに出すヴェルトガイスト(時代世界精神)であると言えましょう。要すれば才能だけでも単なる運だけでもなく、時の神の恩寵を受けた身のみに許される称号です。時代の流れと一体化することにより常人には成し難い事象を達成する人間ということですが、どれほど今という時代に愛されているかを列挙すれば次のとおりです。

  • 親米であること。遠くは黒船、近くはマッカーサーにより啓蒙君主的に統治された経験が手伝ってか、日本にはアメリカに対する愛憎が共存し時代によってそのいずれかが吹き出しもするのですが、従来は親米といえば現実主義でした。しかし小泉総理は理念先行‐といっても何らかの具体的理念というよりナマでないという意味で‐でありながら親米という珍しいパターンで、それが冷戦終結以来の日本の風潮にマッチしています。
  • 清廉であること。既述のように単に人付き合いが嫌いであることの帰結なのですが(派閥の長になれば子分のために危ない橋も渡らざるを得ないでしょう)、清き白河が尊ばれる昨今において広く人気を博すには不可欠の資質です。当初は小泉総理当人にとって不本意にも受け入れざるを得ない現実だったのでしょうけれど、それが世に受け入れられる過程において積極的にそうであるとの自己暗示がかかっていったように思われます。
  • 無私であること。前の項目と半ば重なります。脳内でのイメージ優先なのに政略に強いことと同根で、自らをもそのイメージの中のコマの一つとして、あるいは登場人物の一人として客観視できるからこそ状況がよく見えますし、自らを特別扱いしようという欲で目が曇ることがないのでしょう。
  • 酷薄であること。これまた人付き合いが嫌いであるからこそです。かつての地方への厚い資源配分は都市の地方へのある種の罪悪感(人も金も提供してもらって自分たちだけ豊かになったとの認識)の裏返しだったわけですが、にしても限度があるだろうという不満が溜まっていました。そうした抑圧された地方への反感に大義名分を与えたのが小泉総理で、いわば京極堂流のお払いをしたわけです。トラウマを癒されたとも言え、支持が集まるのも当然でしょう。

本題に戻りますが、このような自身を含め平等にコマ扱いできる人間が子分的な存在を特別視するはずもありません。使えるだけこき使われて用無しになれば一顧だにされなくなるでしょう(盟友と呼ばれた山崎拓議員の現在を見れば自明です)。

別に「チルドレン」たちに助言すべき立場にはありませんが、そうした人物を集団のトップに擬そうというならそれなりの覚悟が必要です。先述の山崎議員のように無私の奉仕に徹して見返りなくしてもよしとするか、それとも竹中大臣や飯島秘書官のように使えるコマであり続け存在意義を認めてもらうか。

小泉総理の総理大臣としての任期は残り9ヶ月ほど。その後においては小泉(そのときには「元」)総理からは支援は期待できないと考えるべきです。それでもよいという覚悟あってのことでなければ、早めにどこかの派閥に入るか、せめて誰か頼れそうな人物との関係を考えておくべきでしょう。

本日のツッコミ(全29件) [ツッコミを入れる]
tanakahidetomi (2005-12-22 07:08)

本当にやめんのかなあ。

Baatarism (2005-12-22 10:01)

これで辞めなければ、小泉のイメージは地に落ちますね。w

名無之直人 (2005-12-22 11:41)

辞めるでしょう。そこら辺の機知を誤るタイプの政治家ではないでしょうし。

しかし辞めた後の消費税引き上げに関しては口出し始めてますが、この点については小泉のセンスを支持してます。参院選という政治的事情を考慮外にしたとしても、今は景気回復動向を可能な限り持続させていく方が優先事項でしょうから。

ただ日銀からすると、金融緩和を続けてバブルを発生させても自分達が犯人にされ、金融緩和を(政府の反対を押し切ってまで)終わらせて景気回復を腰折れさせても自分達が犯人にされる、という被害者心理が優勢なのでしょうかね。

彼らからすれば、景気はまた循環してくる(だろう)けど、バブルが極大化してから弾けたら日本経済はもう立ち直れなくなるだろうから、その主犯にはなりたくない、というのが心情ですかね。(エントリの主旨からずれたレスですみません)

Baatarism (2005-12-22 14:02)

>日銀
そんな四面楚歌の状況であってもきちんとやるべきことをやるために、日銀にわざわざ独立性が付与されていると思うのですが。
被害者心理で政策をねじ曲げるようでは、独立性を持ってる意味がないと思いますね。

cloudy (2005-12-22 14:13)

ヴェルトガイスト(Weltgeist)は世界精神でしょう。
時代精神はツァイトガイスト(Zeitgeist)です。

estevan (2005-12-23 02:46)

小泉派は有り得ないでしょう。
元々人をまとめる能力なんて皆無だし。
飯島が政治家だったら「飯島派」が誕生してたかもしれないが。

bewaad (2005-12-23 05:32)

>tanakahidetomiさん、Baatarismさん
結果的に総選挙大勝で未練がなくなったように思います。やめたら逆コースという懸念があればともかく、それがなくなりましたし。

ところでいったいどのような心境の変化でハンドルを変えられたのですか?>tanakahidetomiさん。韓流好きでなくなった、なんてことはおよそ想定できないのですけれども(笑)。

bewaad (2005-12-23 05:34)

>名無之直人さん
どうも日銀執行部は本気で潜在GDP成長率が1%台半ばだと考えているのでは、という気がしてならない今日この頃だったりします。

bewaad (2005-12-23 05:36)

>cloudyさん
ご指摘ありがとうございます。早速訂正させていただきました。

恥ずかしいなぁ、なんで間違えたんだろう・・・。

bewaad (2005-12-23 05:39)

>estevanさん
飯島秘書官も仮に政治家だったとしても派閥の長というキャラではないように思います。古くは大野伴睦、新しくは金丸信みたいなタイプではないでしょうか。

韓流好きなリフレ派 (2005-12-23 05:52)

実はいま使用しているのは一年前にクラッシュしていったん墓場逝きになったパソコンでして、新型がお陀仏になってしまい、だめもとで電源入れたら黄泉がえりしまして、で、bewaadさんのところで書き込もうとしたら一年前は「tanakahidetomi]で書き込んでいたようでして、記録が設定されておりました。そんなまともな??時代もあったのだ、と懐かしいのでそのまま書いただけで他意はありませね。戻したし(^^ ちなみにその黄泉がえりパソコンは各種不備でしてそのうち携帯からマイブログに書き込む可能性もなきにしもあらず。マックはパワーマック第一世代を最近までほぼ10年使ってたので 笑 マックに戻そうかなあ…

Baatarism (2005-12-23 10:41)

>韓リフさん
ぜひマックに戻してください。僕もマックユーザーなので。(笑)
もう少し待てばインテルマックが出るという噂が出てますね。

韓流好きなリフレ派 (2005-12-23 20:39)

インテルマックですか。う〜ん、Power Mac第一世代としては抵抗感ありますね。とはいえ、死んだ第一世代(ただしメモリーとかハードディスクは大規模増量しましたが)を黄泉がえりさせてみたいという欲望が 笑

それよりもbewaadさん当ブログをご推薦していただいて感謝いたします。数日前は「運子」の話題で盛り上がりましたのでなんなんだ? と最初の訪問者を驚かしたかもしれませんが 笑

bewaad (2005-12-24 02:35)

>韓流好きなリフレ派さん、Baatarismさん
今のマックは実質UNIXクローンマシンなのでこの際そっちを極めるというのもいいのではないでしょうか(笑)。

あとあの話題は山形さんが悪いということで(笑)。

Baatarism (2005-12-24 09:34)

>韓リフさん
さすがに第1世代パワーマックを再利用するのは、つぎ込む資金に対しての効用が低いのではないかと。w
インテルマックが気に入らないのなら、最強のG5マシンを目指すというのはどうでしょう。w

>bewaadさん
MacOS XはBSDマシンですからね。
その気になれば、自宅サーバーでブログを運用することもできますね。

bewaad (2005-12-25 17:13)

>Baatarismさん
NeXTを衣替えしたものですから(笑)。

しかし、IBMやモトローラとインテルとを比べてインテルの方が気に食わないというこの時代、インテル勃興期とは立場が逆転しているのが興味深いですね。Power PCチップは生き残っているだけましで、alphaチップがもっとメジャーになっていたらDECも生き残っていたのかしらん(笑)。

fhvbwx (2005-12-25 18:03)

何故かCPU話になっている。
>bewaadさん
DECの人をAMDが受け継いでいたりします。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981104/kaigai02.htm
Power PCチップはパソコンよりも上にシフトしてますし、AMDが一番期待できそうです。

Baatarism (2005-12-25 18:11)

>CPU話
8bit〜16bitの時代でも、86系と68系の対立とかありましたよね。
当時もインテルはアーキテクチャが美しくないと批判されていたと思うのですが。

bewaad (2005-12-25 18:12)

>fhvbwxさん
かつてCylixマシンを使っていた身としては、AMDだけがもてはやされる昨今はそれなりに不憫な気が(笑)。

bewaad (2005-12-25 18:19)

>Baatarismさん
640KBの壁とか(笑)。

ぬるいユーザからすれば、美しいアーキテクチャより下位互換性が重要で、その点インテルは8080(というかZ80)のせいでアーキテクチャは汚いかもしれませんが、というところでしょう。

かつてPower PCへの乗換えがマラソン中に心臓移植するようなものといわれましたが、あれがうまくいったからといって他もうまくいくとは限りませんで、そこはやはりAppleがすごかったのだと思います。

fhvbwx (2005-12-25 18:21)

>Baatarismさん
そりゃ少数派になんらかの強みがなければ生き残れませんよ。今にして思えばよく68040まで生き残れたと思います。
>bewaadさん
よりによってCylixですか。ではもう黙ってEdenを使ってください。(高性能マシンの必要がなければ)

Baatarism (2005-12-25 20:34)

>bewaadさん
ありましたね。640KBの壁。
あと、レジスタが少なくて用途も決められているところが批判されてましたよね。
86系はやはり80386の成功が大きかったのでしょう。

Appleはあのときインテルへの移植も成功させていたわけですから、やはりすごい技術力を持った会社だと思います。だからあの不遇の時代も生き残れたんでしょうね。

>fhvbwxさん
68000系は元のアーキテクチャが良くて、組み込み用途には使いやすかったんですよね。そこが大きな需要になってあそこまで持ったのでしょう。

bewaad (2005-12-26 03:10)

>fhvbwxさん
「よりによって」って、ピン互換のCPU差し替えにロマンを感じるのは当然でしょう(笑)。互換メーカーとして機能で言えばAthlonを世に出したAMDの功績は否めませんが、あのセンス・オブ・ワンダーはCylixの名を歴史にとどめるものだと思いますし、とどめさせるべきでしょう。

bewaad (2005-12-26 03:15)

>Baatarismさん
個人的にインテル系とモトローラ系の差を一番感じたのは日立のS-1、つまり6809の時代だと思うのですがどうでしょう? OS/9もすごかったですし(もちろんその頃インテルは8ビットCPUで頑張ろうなんてことはまったく思ってなかったでしょうけれど)。680x0系の頃になるとそれほどの差はつけられなかったような。

386はいいCPUだったと思いますが、あれでNEC(というか98)がAT互換機に決定的に遅れをとったと思うと素直にほめるのもなぁという気も。もちろん286で楽して設けようとしたNEC自身が悪いのですが。

bewaad (2005-12-26 03:16)

自己レス
×設けよう→○儲けよう

fhvbwx (2005-12-27 03:13)

>よりによって
だってファブレスじゃないですか(笑)。ピン互換ならV30以前からあったわけですし、センス・オブ・ワンダーもセカンドソースを許さなければ互換製品が出ないだろうとたかをくくっていたIntelの傲慢が原因ではないかと。セカンドソースによる競争があればあんなにPCが高くならなかったはずです(NECの搾取は除きますが)。
というか、ビジコンとNexGenのことも時々で良いから思い出してあげてください。まずこっちを歴史にとどめるべきかと。

>386
アーキテクチャは良いのですが、実性能は286に比べてバス幅分ぐらいしか増えていないはずです(ベンチマークが発達してなかった時代なので諸説ありますが)。

bewaad (2005-12-28 06:13)

>fhvbwxさん
うわーん、素人をあまりいじめないでください(笑)。あのころのコンピュータ雑誌での熱気が記憶に残っているというものなので。やはり386に486相当(では実際はなかったにせよ)を載せられるというキャッチコピーの勝利なんでしょう。

で、ビジコンとNexGenは思い出すも何もよく知らなかったりします。どのようなものかご教示いただければ幸いです。

386はまさにアーキテクチャの部分でそれ以降のintel製CPUチップの元となったわけで、486やpentiumより歴史的意義があったのでは、というように思ってあのように書きました。

fhvbwx (2005-12-28 06:58)

私も素人ですよ。
キャッチコピーというか商法の勝利でしょうね。その辺は経営系の人に任せますが。

>ビジコン
http://v-t.jp/premier/index.php?mode=page&aim=343030342044722EC5E8A5D6A5EDA5B0&PHPSESSID=a098464cbf7044f57751970e903ad47a
専門知識が足りないので、良く分かってませんが。要するに、Intelが4004を開発した際に発注した電卓メーカーがビジコン社だったんです。で、その当時のIntelは弱小ベンチャーにすぎないので、ビジコンの共同開発がなければ4004は生まれず、はたしてMPUは生まれたのだろうかというあたりが不当に忘れられていたりします。経営難で4004の権利を売ってしまったのが忘れ去られた原因ですが。
ちなみに、契約書http://www.busicom-corp.com/intel1.htmlです。

>NexGen
x86ネイティブ命令を、RISC風命令に変換して実行するという今のx86CPUで広く使われているアイデアを最初に採用した会社です。Pentiumよりも同クロックで高速だったのですが、ピン互換じゃなかったので、全く売れませんでしたが(笑)。AMDに買収され、K6のベースとなりました。以来、AMDのCPUのコアは64bit化までそれほどいじられませんでしたので、今のAthlonを世に出したAMDの功績の一部はNexGenにもあると思います。

bewaad (2005-12-29 14:20)

>fhvbwxさん
ご教示ありがとうございます。この手の話を読むのは好きなので、じっくり堪能させていただきます。


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