toppage memoranda
(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)
2006-01-15
■ [economy]タクシーの経済学
仕事帰りにタクシーに乗っていて思いついた与太話です。ご笑覧いただければ。
通常経済学では一物一価を想定します。同じものは同じ値段ということで、当たり前ですが同じものに対してわざわざ高い料金を支払うバカはいない、はずだからです。通常「同じもの」に違う値段がついている場合、それは厳密には「同じもの」ではないということになります。
例えば自動車なら同じ値段かといえば全くそんなことはなく、排気量に始まってサスやブレーキ、燃費、最高速度といった機能的な違い、カーナビやエアバッグといったオプションの有無、果てはブランド価値にいたるまでさまざまなところの違いが値段の格差を生み出しているわけです。売る側から見れば、他の同種の製品と差別化できればできるほどより高い値段をつけることが可能になります。
ところがタクシーというサービスの性質を考えるに、そうした差別化の要素はきわめて小さいといえます。要すればある地点から別の地点まで人を運ぶということに尽きるわけですから。にもかかわらず、一物一価にはなっていないのはなぜだろう、というのが与太話の始まりです。
#以下、すべて東京の話です。それ以外で勤務・居住されている方にはピンとこないと思いますが、ご容赦ください。
旧運輸省との喧嘩で有名なMKタクシーは東京でも営業していますが、やはり低料金を売りにしています。低料金でいうなら、ワンコインタクシーというさらに安いものもあります。これらはどちらかというとマイナーですが、メジャーの1つである個人タクシーは深夜割増を3割から2割に引き下げています(でんでん虫、ちょうちんともに)。
ではなぜお客がこれらの会社に集中し、他のタクシー会社には閑古鳥が啼く羽目に陥っていないのでしょう? タクシーに乗りながらあれこれ考えたのは次のような可能性です。
まず街中でタクシーを拾う場合を想定すると、思いのほか競争が制限されていることに思い至ります。街中で拾うとすればタクシー乗り場にいくか流しを捕まえるかですが、タクシー乗り場ではタクシーの並び順に乗っていくことが習慣として根付いています。深夜になったから安い個人に乗るか、といって並び順を無視して先頭でない個人タクシーに乗るということはまず見かけることはありません。
流しならそうした制約はありませんが、狙ったタクシーを捕まえるのは非常に難しいといわざるを得ません。道端で手を挙げればそれを見かけたドライバーは先を争って車を寄せてきますし、それが目当てでないから乗らないというジェスチャーをしても、お目当てのタクシーは先に拾われたと思ってすでに去ってしまっていることでしょう。
他に配車センターに電話して迎車という選択もありますが、この場合迎車料金が競争制限的に働きます。この割増料金の分だけせっかくのお値打ち感が薄れてしまいますから、運賃の競争力が弱くなってしまうわけです。
しかし、と考えました。一個人として拾う場合は以上のとおりですが、残業等の場合のための法人契約があります。この場合、以上のような競争上の制約条件はなく、純粋に価格競争が繰り広げられるはずです(役所でその担当をしたことがないので実情を知っているわけではありませんが・・・)。となると、各社の契約はMKやワンコイン、個人といった割安なタクシーに席巻されるはずですが、そうした様子は伺えません。
#実は法人契約シェアは激変していて、それをwebmasterが知らないだけということでしたらごめんなさい。
となると考えられるのは、量的な制約があるのではないかということです。安いけれども配車を頼もうとしてもいつも電話がつながりにくく、やっとつながっても来るのは1時間後というのであれば、少々高くてもすぐつながりすぐ来てくれる会社を選ぶのは自然です。
ただこのアイデアにも難があり、一時的にはそうなっても安さで取引上優位に立てるのであれば、配車センターへの投資や車・ドライバーの充実を通じて中期的には改善に向かい、やはりシェアは変わるはずです。経済学的に言えば変動費の増では対応できず供給が滞ったとしても、固定費を増加して対応するはずであると。
にもかかわらず、そうした動きはやはり見られないようにwebmasterの目には映ります。どなたかこの謎解きをしていただける方はいらっしゃいませんでしょうか?
ヤフオクでSS版レイアースを落札してみた カルディナの設定がなんとも恐ろしい アスコットを本当の弟のようにかわいがっていた幻惑師 アルシオーネの策略によってアスコットが裏切ったと思いこまされ 最後にはその手でアスコットを殺してしまう 光の優しさに心を開きかけ..
カプセルホテルやまんが喫茶等、安価な宿泊施設がこれだけ増える中で
タクシーの法人契約をする企業自体が減っており、タクシー会社にとってのメイン収入ではないのでは?
あるいは、流しでは高料金のタクシー会社が実は法人契約では高い割引率でほとんどのシェアをとり、
流しが収入の多くを占める低価格タクシーとすみわけをしてるとか。
>kogeさん
その手の深夜を過ごす施設は確かにタクシーと競合しますね。仮に現在の料金がコストマークアップの観点から下限に近いとすると、価格調整ではなく数量調整がメインとなるような気もします。
ところで法人契約で割引ってあるのでしょうか? チケットに書き込む金額は変わらないわけですが、法人が支払う場合には全額を支払うわけではないのなら、個人以外のメジャー会社は割引率で勝負というのは合理的だと思います。
微妙に論点がずれるかもしれませんが、都心の個人タクシーでは脱タクシー専用車が進んでいます。本もののクラウンとかティアナとか、はてはプレジデントなども見られるんですが。夜の本郷通りで都心方面へ客を拾いに行くのだと個人では専用車のほうが少ないという事態に。
聞くところによると値段が一緒なので誰かお得意様ができたとかで実質ハイヤーもどきみたいなことになってるそうです。価格競争ができないのでサービス競争になってるんでしょうね
ちなみにクラウンマジェスタに乗ったことがありますが(束大正門→お茶の水780円)、ふかふかシートなれど専用車よりも足下がせまく、専用車の設計のできの良さを改めて実感します。
迎車料金、最近請求された事ないです。地域差かなぁ。
うーん、うち関西ですが、東京と関西ではまた事情が違うかも。そもそもタクシーにあまり乗らない人が多いですし。多分こちらでは全体として供給過剰気味ではないかと。タクシー運転手の収入が生活保護以下なんてざらみたいですし。東京はどうなんですかね。
東京でも、近郊でも、都心2時間圏の小都市でも供給過剰だと思います。駅近傍の道路拡幅=公費でのタクシー専用駐車場整備みたいに見えます。
民間を基準にしているはずの公務員の給与表、30代で子供二人いると手当足して共済引くと生活保護水準以下ですから、勤労者の収入が生活保護水準以下ってのは我が国では普通なんだと思いますけど。
昨日、NHKで大阪のタクシー事情の番組をしてましたね。あっちでは、「初乗り500円」だとか「5000円を超える部分は料金半額」だとかの価格競争が繰り広げられていて、それをやっていない業者は売り上げが下がっているそうです。
東京でタクシー乗ったことがほとんどないもんで、東京の現状は知りませんが、地方の駅で四六時中タクシーがずら〜とならんでいるところをみると、供給過剰だと思います。
そもそも田舎なんて、高齢者、車の運転できない人、酒が入っている人がメインターゲットになるんですが、大体家族がのせてってくれるし、これらのターゲットにアピールするにはタクシーでは高すぎるわけで。客4人の相乗りでもコスト負担にたえられるかどうか・・・。
>勤労者の収入が生活保護水準以下ってのは我が国では普通なんだと
子供がいるとそうなりますよね。まあ生活保護の子供の数の加算の額が、児童手当の額よりはるかに大きいのが原因だと思いますけど。
そもそもタクシーを利用するという時点で「流し」の場合には価格は問題にならないのでは・・・と思います。
あくまで私の住んでる土地の場合ですが、公共交通機関がそれなりに発達しているため、移動価格を安く抑えるならば大人しく公共交通機関を使えば良いと思うのです。あえてタクシーを利用する、という時点で既に価格よりも早さあるいは手軽さを優先しているのでしょうし、その時点で安いタクシーを捜す、という手間と時間を掛けることはほぼなくなるのではないでしょうか。
公共交通機関の発達具合、個人の利用と法人契約のシェアの大きさによって話は変わると思いますけどね。
素人考えで申し訳ないです。
私は繁華街で飲んで帰るときは、ワンコインタクシー(初乗り500円)がよく集まっているところまでわざわざ歩いていきますよ。
また、タクシー乗り場で捕まえる時は、車種やタクシーの屋根とかについている格付けマークによって、必ずしも並び順に従いません。運ちゃんにもこの車の方がこうこうでよさそうだから選んだんだと言うとたいてい喜ばれます。
消費者側がこういった選択を繰り返すことでタクシー業界全体のサービスが向上し、不愉快な運ちゃんが淘汰されていくと思うのですが。
>必ずしも並び順に従いません。
関西在住の人から聞いた話ですが、これをやると順番を飛ばされた運転手ともめることがあるそうです。そういうのは一部の運転手だけだとは思うのですが、ひょっとすると地域や乗り場によってローカルルールがあるのかも知れません。でも、客にはそんなことわかりませんよねぇ。
終電に乗れないで長距離タクシーに乗る時は事前に価格交渉して乗る事が多いかも(笑)。メーターの7割くらいかなぁ...払ってるの。
不愉快な客かも。
>憑かれた大学隠棲さん
サービス競争にしても、拾ってみないとよくわからないという点においては価格以上に差別化が難しいような気がします。霞が関界隈では、長距離の客に配車センターを通さず自分に直接迎車のリクエストをしてくれ、そうすれば配車料金はとらないし今しているサービス(ビールをただで、等)はいつもしますから、という囲い込みをするドライバーがいるという話は聞きます。
>kumakuma1967さん(http://bewaad.com/20060115.html#c04)
上で書いたように、配車センターを通さない直接手配をドライバーがやる場合には東京でもとられませんが、それとは違いますでしょうか? それをやられたら会社側は商売上がったりなわけで、ばれたら懲罰ものなのでしょうが。
>すなふきんさん
ボーナス直後の週末の盛り場などではつかまらないことも増えましたが、霞が関周辺で延々列を成しているタクシーを見るに東京でも供給過剰気味ではあると思います。
>kumakuma1967さん(http://bewaad.com/20060115.html#c06)
かつての建設業界という労働力吸収産業がなくなった影響なのかな、と裏づけはありませんが。
>Baatarismさん
大阪ではエントリの疑問が当たらずきちんと市場競争が機能しているということになりますね。となると、タクシーの性質ゆえではなく東京ゆえ、という分析が必要だったということですね。
>ゆーきさん
供給過剰であるなら、なおさら価格引下げ圧力があってしかるべきなのですけれども、皆様の議論にある生活保護レベル云々ということからすると、これ以上は価格引下げでなく廃業という選択になるボーダーラインが今の価格、ということなのかもしれません。
>BontaMk3さん
自分がタクシーを使うのが深夜ばかり(=公共交通機関は運転していない)なので、それに引きずられてしまったのは否めません。
>くっきーさん、soysoyさん
やるところではやられているのかもしれません>順番無視。私の行動半径がばれるかも(笑)。
>kumakuma1967さん(http://bewaad.com/20060115.html#c12)
そういえば白タクの価格がどうなっているのか、と拝読して思いました。そのあたりもきちんと踏まえないと片手落ちになってしまいますね。
>迎車料金
原則無料のところが多いようですよ。
例えばhttp://www.nikkoren.jp/fare.html
>kumakuma1967さん
最近配車をお願いしていないことがバレバレです(笑)。バブルの頃は複数台の電話を使って何度もコールしないとそもそもつながらないぐらいだったわけですが、最近は簡単に拾えるので・・・。
流しのタクシー市場と駅待ちタクシー市場での需要と価格の関係が薄ければ、そこでは価格が高いほど利益が高くなります。高価格タクシーは法人市場での不利をそちらで補い、シェアが減少しないですんでいる可能性もあるかなと思います。
>タクシー乗り場ではタクシーの並び順に乗っていくことが習慣として根付いています。
これって反競争的で非効率的な習慣ですよね。高価格タクシーのみが不当な利益を得て、消費者と低価格タクシーが不利益を被る習慣です。タクシーの価格が同一だった頃の名残なんでしょうか。
>ディンブラさん
乗り場の慣習ですが、
(1)列が長いときの混乱防止
(2)先頭・最後尾以外のタクシーに乗る場合でも円滑に出発できるようにするにはそれなりの車間距離を確保する必要があり効率が低下
といったあたりが原因として考えられるのではないでしょうか。
新大阪では長距離ねらいのタクシーに梅田近辺までの近距離の客が乗りトラブルになることが多々あったそうです。東京から大阪のテレビ局に呼ばれたタレントがトラブルにあったりとかして問題になり乗り場の遠近分離がはかられたそうです。
そういうのを皮肉ってこんなのを作ったこともありましたがw
http://ssrs.at.infoseek.co.jp/2chtf180.gif
あと私鉄の駅だと、便利な場所を系列のタクシーのタクシー専用乗り場にしてました。とりあえず私鉄系タクシーへの信頼は厚いようです。これだと郊外の近距離だとクオリティ優先、都心発遠距離だと価格優先ということになるかもしれません。乗り場の分離という競争的政策はよいのではないかと。
供給過剰によるクオリティの低下は酷いらしく、大阪から乗った父は目がさめると「まったく別方面の高速」を走っていたとか。沖縄から出てきた素人でまったく土地勘がなかったそうです。
大阪は、供給過剰とかそういう問題ではないでしょ?
あそこは、中世みたいに公権力が崩壊しているので、中国やインド並みに、強引なやり方で無いと物事が進まない。
途上国ですよね。
せ、せめてスペインかイタリア…OTL
>憑かれた大学隠棲さん
乗り場の分離は合理的でよいですね。
クオリティの低下については、供給過剰よりタクシー会社の教育訓練の欠如がより大きな問題ではないでしょうか?
>民間さん、大阪人さん
中世や中国、インドのありようを見れば、いくらなんでも極端です(笑)。
>bewaadさん
2ちゃんねるなんかでも大阪を攻撃する書き込みはよく見ますが、ああいうのは感情的な嫌韓、嫌中と同類のものでしょうね。断片的な情報で踊っているだけでしょう。(笑)
>Baatarismさん
ま、そのように扱われやすい材料が数多くあることは否定しがたいわけですが、その他の地域だってそういう目で材料を集めれば、ということでしょう。
お前ら、おれたちにどうしてほいんだ? どこまで乗っても一円なら、ニコニコ笑顔で暮らしていけるのか? ここのブログに来るやつは公務員が多いはず。お前たちはおれたちの血税で生活している。なぜ? 国家公務員試験に合格できたからか? おれたちとしては、この日本という国家を、誰よりも広く深く考えてほしいからだ。もっと日本というマクロな観点に立ち位置を持った考えができないのか? 自分たちのレベルが低いかもしれないと思えないのか? これは「荒らし」じゃないつもりなので、メルアドを記載した。――日本の将来に唖然としてしているタクドラ
>wadoさん
ここでの議論は皆さんタクシー業界に起こっていることがどのようなメカニズムによるものかについて行っているもので、タクシー業界を難じたり、タクシー料金が高いと不平をいったりするものでは決してありません。もし用語等がわかりづらければご指摘いただければご説明いたしますので、誤解を解いていただければと思います。
都内の現役運転手です。
ご指摘の通り、低料金タクシーのメリットは、朝方から夕方までほぼ活かされません。東京駅や新宿駅の小型専用乗り場などの例外を除いては、流し・着け待ち・無線、いずれも「できるだけ早くつかまえられるタクシーに乗る」という消費者が殆どではないかと思います。電車や高速バスなどの割安な交通機関が動いているため、基本的に短距離のご利用が多いという背景があります。
深夜はやや事情が変わってきます。どこのオフィス街繁華街でも、ズラーッとタクシーが着け待ちしていますが、個人タクシーはすぐにチョイスされます。ワンコインを始めとする低料金法人タクシーも多少強い立場にあります。とはいえもとから低料金なのですから、標準的料金のタクシーに比べ長い客を積み上げていかないと売り上げができません。個人の場合近距離客に冷たいというイメージが広まっているため、長距離客のチョイスが多くさほど痛くはないのですが、実質ご指摘のMKやワンコインなどは無線や固定客からの電話を待って仕事をしているようです。低料金タクシーはある種別の市場で消費されています。
中期的に見れば、低料金タクシー会社が規模を拡大し多くの客を取り込むはず、とのご指摘ですが、業界の標準より低い料金設定を売りにする会社は往々にして待遇が悪く、乗務員が定着しないため伸び切れないのです。この点MKなどは典型的ですが、結局深夜割増を除き都内の一般的な料金体系に落ち着きました。「経験者が入社しない会社」と囁かれています。ワンコインのアシストも深夜割増全廃ながら初乗りを640円と改定しました。
法人契約に関しては、一定以上の車両台数を保有し、大口割引を始めとする特別サービスを提供する会社に集中しています。東京無線などは標準的料金体系ですが、大口の顧客に対しかなりの割引を行って多くの企業に食い込んでいます。表向きの料金体系はあまり関係がありません。
とりあえず参入が自由になりましたが、市場において競争させる事がかなり難しい特殊な業界のように思います。まずもって乗務員が必ずしも競争意識を持っていません。リストラや自営廃業などでモチベーションの高まらないまま運転手を始めた乗務員などは、革新的で稼げる会社を必ずしも好みません。就業者の平均年齢の高さも競争にそぐわない要素です。年金を受け取りながらアルバイトで乗務している運転手も多いんですよ。次に、企業の競争意識も高いとはいえません。完全歩合制ですから、会社として利益が出る範囲で乗務員に給与を渡せば赤字にはならない理屈です。もう一つ、お客としても決して価格競争だけでタクシーには乗りません。安い分には良いのでしょうが、一刻も早く目的地にたどり着きたい昼間、残業で疲れた夜、酒に酔った深夜、わざわざ低料金を探さず目の前のタクシーに、というお客さんは少なくありません。タクシーのお客さんは、殆どが経済的に余裕のある方々ですから。
>タクドラさん
貴重な現場の証言ありがとうございます。
>法人契約に関しては・・・表向きの料金体系はあまり関係がありません。
>お客としても決して価格競争だけでタクシーには乗りません。
の2点が、エントリの問いかけへの答えとして特に影響が大きい部分なのかな、と思います。
ちなみに、
>個人の場合近距離客に冷たいというイメージが広まっている
終電後に飲みに行く際、よくそういう観点から避けてしまいますね(笑)>個人タクシー。