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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)
2006-02-02
■ [economy]議長交代にまつわるエトセトラ
というわけでバーナンキ正式就任を受けて巡回先にていくつかのエントリがありましたのでまとめてみました(2/3、4、12追記)。
- 「フリードマン、グリーンスパンを語る」(@Irregular Economist2/1付)
- まずはhicksianさんによるフリードマンのグリーンスパン評の紹介から。中央銀行の裁量がインフレを招くとしていたフリードマンにして裁量によってもインフレを抑制したグリーンスパンは評価せざるを得ず、しかし裁量があってもインフレを抑制できたのだから今後インフレを抑制できない言い訳はないと心得よというものです。
- 「今日の「ケチャップ皇帝」と「緑の爺さん」」(@梶ピエールのカリフォルニア日記。2/1付)
- hicksianさんの上記エントリに続いてkaikajiさんは、フリードマンのみならずバローもグリーンスパンを評価していたとご紹介です。グリーンスパン任期中のインフレ率の推移のグラフをお示しになっています。
- "Myths of the Greenspan Era"(@TheStreet.com1/31付)
- こうした見方に真っ向から反論するのがBarry Ritholtzによるこの記事。題名からして「グリーンスパン時代の数々の神話」で、神話の筆頭として"Greenspan Whipped Inflation"(「グリーンスパンはインフレを押さえ込んだ」)と挙げられ、本来その功績はヴォルカー(グリーンスパンの前任です。為念)のものであるとしています。
- 他にも4つの神話が掲げられ計5つ、タイトルだけ紹介すると"Greenspan's Flexibile Approach Met All Challenges"(「グリーンスパンの柔軟なやり方はすべての課題に適合した」)、"The Plunge Protection Team"(「株価下支えチーム」)"The Greenspan Put"(「グリーンスパンならなんとかしてくれる」)、そして"Greenspan as Economic Sage"(「経済の賢者グリーンスパン」)になりますが、いずれも辛らつな見方です。webmasterが一番笑ってしまったのは神話の2"Greenspan's Flexibile Approach Met All Challenges"の冒頭、
Flexible? Hardly. The Greenspan's response to nearly every economic challenge has been the same: inject more liquidity into the system.
(webmaster試訳:柔軟さ? そんなものほとんどねえよ。グリーンスパンのあらゆる経済的課題への対応はいつだってほとんど同じ。『金融システムに更なる流動性を供給せよ』ってね)というものです。ま、他人事であれば偏った批判の方が面白いもので(笑)。 - "The Best Writings of Ben S. Bernanke"(@The Big Picture2/1付)
- 他方で新総裁については指名時に盛り上がってしまったせいかあまりありませんが、上でグリーンスパンをくさした(笑)Barry Ritholtzが学者としてのバーナンキの業績から"Greatest Hits"を紹介しています。"Monetary Policy Alternatives at the Zero Bound: An Empirical Assessment"が含まれていますが、わが国においてその成果を享受できるのはいつになることやら・・・。
- 「ロバート・シラー先生の「Is Bernanke Ready?」」(@Economics, Technology & Media2/2付)
- バーナンキが自身の研究成果に拘泥して金融政策を過つ危険性への警鐘ですが、その根拠は次のようなものです。
バーナンキ自身は1937年の準備率引上げなかりせば、と応対するのでしょうけれど、にしてもかようなやりとりが行われ得る彼の国のうらやましきことといったら・・・。大恐慌に対するバーナンキ氏の優れた研究は、彼が次の景気後退、あるいは不況を阻止できるということを意味しない。なぜなら、デフレを止めても全ての問題を解決することはできないからだ。結局のところ米国は1933年に金本位制を離脱し、1934年には金利を1.5%に下げ(ちょっとしたエピソードを除いては)デフレを終結させたが、失業率が安定して15%を下回るには1941年、第2次世界大戦の勃発を待たねばならなかった。
- 「ロバート・バロー、緑爺さんを語る(ついでに日銀についても少し)。」(@梶ピエールのカリフォルニア日記。2/2付)
- kaikajiさんご自身で昨日言及のあったバローによるグリーンスパン評のご紹介です。グリーンスパンはテイラールールに基づく政策運営を行いそれほど裁量的にふるまっていなかった、バーナンキはそれを発展的に継承してインフレターゲティングを導入せよという趣旨とwebmaseterは理解しました。
- 「ルーカス対バーナンキ(若いバージョン)」(@Economics Lovers Live2/2付)
- こちらもバローによる若き日のバーナンキとルーカスのエピソードを田中先生が発掘されています。セミナーの最中にルーカスに退席されながら最後まで平然とやり遂げた上で、「ボブはどうかしたの?」(webmaster注:ボブはロバート(=ルーカスのギヴンネイム)の愛称)とこともなげに言うバーナンキが素敵です(笑)。
- 「さよなら、緑爺。」(@svnseeds’ ghoti!2/1付)
- 昨日収録すべきところ忘れてしまいごめんなさい。実はグリーンスパンはインフレターゲティングを導入済みだったという衝撃の分析結果が(笑)! ところでご存知の方にとっては何をいまさらなのでしょうけれど、"ghoti"って「フィッシュ」って発音するんですねぇ(とスティーブン・ピンカー「言語を生みだす本能」を今ごろ読んでいる途中で知りました)。
- 「今日の緑爺さんとケチャップ皇帝(終)」(@梶ピエールのカリフォルニア日記。2/3付)
- kaikaji三部作、堂々の完結です。ニューヨークタイムズとウォールストリートジャーナル両紙による議長交代報道を総括されています。
- "The Bigger Picture"(@macroblog2/6付)
- 原エントリで紹介した"Myths of the Greenspan Era"(@TheStreet.com1/31付)に対する反論です(タイトルは"Myths"の筆者RitholtzのblogであるThe Big Pictureのもじりです)。正直申し上げるならこちらの方が公正かな、とwebmasterは思います。ついつい笑ってしまうのは"Myths"の方ですが。
#他にもこんなものが、というタレコミ歓迎です。
あのう、つかぬことをおたずねしますが、「総裁交代」ですか?
「議長」なんじゃ?でもG7では、各国蔵相・中銀総裁だから
総裁なのかなぁ?なんか「総長」と「学長」とか「頭取」と「社長」
みたいな感じ。どうでもいいんですけどね(笑)
>銅鑼さま
単純なミスです。お恥ずかしい。訂正させていただきました。
なんかイヤミなこと書いてすんません。
で考えてみると、地区連銀の親玉がまずは総裁。あと、ワシントン
にいるFRB本部専従(笑)の理事達(含む議長)も、呼称は総裁
で(無任所大臣みたいなもんですな)その総裁会議の議長なんです
な。
>銅鑼さま
もともと各地区連銀の「総裁」はgovernorの訳ですよね? 各州知事もまたgovernorなわけで、となると「親玉」とはまさに適訳ですよね(笑)。どうなんでしょ、調べもせずに書きますが、もともとは各地区連銀総裁の会合がFRBで、中央集権の確立の過程で中央の票数を増やすため各地区連銀総裁と同格の理事が導入された、とか?