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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)

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2006-02-07

[notice]新カテゴリ"glossary"開始

かねてより文が長いとのご批判をいただいておりますが、その一因に語句の説明を途中にはさむことがあるのかな、と考えました。そこで、そうした説明については独立したエントリをたてることとし、"glossary"カテゴリにまとめることとしました。これについてのご意見などございましたらどんどんお寄せください。

[notice]再びサーバ引越し

現在お世話になっているvps7さんが2月でサービス停止ということで、引越し先を探さなくてはいけません。webmaster自身でも探しますが、急な話ですのでもし次の条件に当てはまるレンタルサーバをご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教示いただければ幸いです。

  • 転送量制限が最低でも月50GB、できれば月100GB以上。
  • rubyがプリインストール、ないしはインストール可能。
  • whois情報につきレジストラの名義代行を許容。
  • 価格はできれば月5,000円上限で考えたいのですが、ざっと見たところそれでは選択肢が少ないようですので、月10,000円までは候補としたいと思います。
  • 共用でもVPSでも専用でもいいのですが、共用は転送量で、専用は価格で無理があり、事実上VPSしか選択肢はないのかな、という気が。

[economy]中国発デフレ擁護論へのリジョインダー(上)

以前円高と中国発デフレ論との整合性を問うたのですが、それに対して反論したのにリアクションがないのは卑怯だとのご指摘がまさくにさんからありましたのでリジョインダーを。

仮説:「低価格輸入品(主として中国)はデフレ要因として影響がある」
とすると、
(1)円安になれば物価はすぐ上昇するはずだろ
(2)中国からの輸入が多い米国も(日本同様)デフレになるはずだろ
(3)中国から輸入してる国で日本以外にデフレになってないだろ

見かけた意見はこれら(1)〜(3)があったのだが、これらを全て否定的と考える為に仮説が否定され、その結果「低価格輸入品はデフレ要因でない」という結論を出しているのだろうと勝手ながら推測した。そこで、デフレ発生自体は基本的に複合要因であること、

(1)については、別に最近でなくとも為替が円安となっていた時期はあり、為替変動の輸入価格上昇分はULCの低下等他の要因によって吸収されたのではないか、と書いた。
(2)については、耐久消費財の価格下落はあったが、医療・教育等のサービス価格の下落がないために米国ではCPI のマイナスとはなっていなかった、と書いた。
(3)については、台湾・シンガポール等日本以外にもデフレは見られた、と書いた。

「反論再び」(@いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」2/4付)(webmaster注:丸付き数字は括弧付き数字に置換しました)

(1)と(2)については反論になっていないと考えますので簡単に。(1)ですが、輸入物価に国内物価が大いに左右されるとするなら円高の影響を受けないことの説明がつかないはずということですので、輸入物価に国内物価がそれほどは影響されないとのご主張は、中国発デフレ論への反論になりこそすれ反中国発デフレ論の反論にはなりません。

一歩進めて輸入物価の下落と上昇では影響が非対称であるということであれば形式的には反論となり得ますが、そうであるならなぜ非対称かという点を論じていただく必要があるでしょう。先回りしておきますと、中国からの輸入増加以上に輸入物価の下落をもたらしたプラザ合意後の円高(1985年8月:193.4→1986年8月:104.9。ちなみに90年代の最大幅の下降トレンドは1990年12月:133.7→1995年6月:88.3ですし、これも円高の影響が大きい(戦後最高値79.75円/ドルは1995年4月)といえます)によってはデフレになりませんでした、という反例を挙げておきます。

(2)ですが、財・サービスの価格が全体として下がっていくことがデフレなのですから、ある財の価格が下がっても他が下がらなかったというのはデフレの定義の裏返しに他ならず、要すればトートロジーです。わかりやすく言い換えるなら、アメリカはデフレになりませんでした、というのもデフレでなかったからですということに等しいわけで、これをもって反論とおっしゃられても困ってしまいます。

#念のため申し上げますが、以上は経済学の話ではなく理屈の噛み合い方の話です。

残る(3)ですが、2年以上物価下落が続いたといえる香港、シンガポールと台湾について考えてみましょう。香港とシンガポールについては要因が明らかで、香港ドル・シンガポールドル高政策が原因です。なぜかの説明については、読者の方にとっては先刻ご承知かもしれませんがマンデルのトリレンマ(次のエントリ参照)で尽きています。

香港のインターバンクオーバーナイト金利の推移を見てみると、90年代半ばから4〜6%程度の範囲内での動きにとどまっています。日本のようにゼロ金利で非伝統的手法がどうのこうのと議論するまでもなく、大いに金融緩和の余地があるわけです。にもかかわらず緩和をしていないのですからデフレになっても当然なのですが、その理由は香港ドルはアメリカドルにペッグしていることに求められます。為替レイトを守るために金利を下げることができないという制約がデフレをもたらしたわけです。

シンガポールは金利でなく為替レイトを金融政策のオペレーション対象にしていますが、その推移(対アメリカドル)を見れば97年のアジア通貨危機に当たって大幅に緩和して以降、98年からはほぼ1.7シンガポールドル/アメリカドルを中心とした狭いレンジでの操作に留まっています。これまた香港と同様為替レイトの安定のために金融政策を犠牲にしたが故のデフレと言えましょう。

#逆に言えば、自然体での為替レイトが逆側に振れ為替レイトの維持に金融緩和効果が生じたからこそデフレから脱却できたと考えられます。

残る台湾ですが、変動相場制ですから香港やシンガポールのようなことはないはずです。ですが、1999年から2000年にかけてはどうも暗黙のペッグ、日本流に言うなら台湾ドル高シンドロームを感じさせます。というのも、為替レイトを見るにデフレ気味の中台湾ドル高が進みオーバーナイトコールレイトもまたほぼ横ばい(99年後半はむしろ引締め気味)だからです。つまり、本来為替相場の安定を捨てたことにより自由になったはずの金融政策について、為替相場を気にして手を縛ってしまった可能性が高いといえます。

他方で2001年末からのデフレ局面においては、金融も緩和され、台湾ドル安に動いているのでそう簡単には問屋が卸しません。というわけで次回に持ち越してさらに分析してみます。

[economy][glossary]マンデルのトリレンマ(ないしは国際金融のトリレンマ)

マンデルとはノーベル経済学賞受賞者のロバート・マンデルのことです。トリレンマとは鼎立が不可能であることで、両立不可能なものがジレンマであるのと同じ単語の組み立てです(ジ=2、トリ=3。化学の授業を思い出していただければ(「ジ」エチルエーテル、「トリ」ニトロトルエンなど))。

ここで鼎立が不可能とされているのは次の3つです。

  • 安定的な為替相場
  • 自由な金融政策
  • 自由なクロスボーダー資本取引

例えば安定的な為替相場を維持しようとする場合、外為取引によりレイトが変動することになりますので、レイトが変動しないよう価格を調整するか、売買自体を制限する必要があります。金融取引における価格調整とは金利の調整に他ならず、前者を選べば金融政策が制限されます。例えば為替相場において自国通貨が上昇基調にあるときにそれを抑制しようとすれば、金利を下げる必要があるので金融政策としては緩和したくなくても緩和せざるを得ません。

後者を選べばクロスボーダー(海外との)資本取引が制限されます。先の例に若干手を入れれば、自国通貨が上昇基調にあるけれども金融政策としては現状維持(ないし引締め)を選択するなら、そもそも自国通貨買いをできないようにしてしまえばよいということです。

では自由な金融政策と自由なクロスボーダー資本取引のどちらも達成したい場合にはどうなるでしょう。自由な価格で自由に売買が成立するわけですから、その結果である為替レイトはいかんともしがたく、何らかの水準で安定させようというのは無理な相談ということになります。

以上のように、前掲の3つの政策を同時に達成することはできず、何か1つは諦めなければならないことを「マンデルのトリレンマ」といいます。

[misc]ひいきの引き倒しでしょうか、船曳先生。

「知の技法」の企画で名をはせた船曳建夫・東京大学教授のゼミに堀江容疑者の大学時代所属していたことはメディアでも報道され、船曳先生もこれまで関連するコメントを発してきましたが、今般の堀江容疑者逮捕に当たってのコメントは次のようなものだとのことです。

船曳教授は事件の時代的背景について「社会構造の変化」を挙げる。

「一九七〇年代の学生運動の後、若者は上の世代に取り込まれた。年寄りに情報を握られ、社会に影響を与えられなくなった若者が、インターネットの普及で三十年ぶりに対抗できるようになったのが現代だ」

事件後、ゼミの学生たちは「いやーなものを感じる」と話しているという。船曳教授は「堀江君を自分たちと同じ世代と感じる多くの若者は、今回の事件に上の世代からの攻撃、悪意を感じている」と分析する。

「社会は若い世代が築くものだが、年寄りが知恵や経験を伝えていく。世代間で対立するのではなく、年寄りは若者に期待し、若者は年寄りに敬意を持たないと社会は接続が切れて脱輪する。三十年ぶりの若者の活躍の兆しはうれしい。だからこそ、今回の事件で妙な揺り戻しが起きないかが心配だ」

東京「堀江君は偽善に敏感、でも悪には…/野心あった教え子」

そもそも団塊世代には堀江容疑者支持が多いとの話もある(一次ソースが見つかりませんでしたので、静岡オンライン及びDia Fashion Planningを二次ソースとして紹介いたします。ま、船曳先生ご自身がそうですが)のですが、それをさておくとしてもあまりにも乱暴な世代間闘争観ではないかと。だいたい若者が30年ぶりに年寄りに対抗って、ご自身と堀江容疑者への近視眼的評価(船曳先生は57歳、30年を差し引けばほぼ堀江容疑者(33歳)の世代に重なります)にしか見えないのですが。

「知の技法」が泣きやしませんか?

[government]社会人基礎力!

本田先生が喜んで食いつきそうな気がするのはwebmasterだけでしょうか(笑)。

で、「社会人基礎力」というのはいったいなんなんだ、ということですが、この調査結果自体はまだ経済産業省ホームページには掲載されていないようです。で、公開されている研究会の議事要旨をみると、とりあえずは「チームで働く力」「前に踏み出す力」「考え抜く力」という3つに整理されていて、これはこれで要領のよいまとめだろうとは思うのですが、案の定というべきか、実務家があれこれ言えば言うほど、あれも必要これも必要という議論になって、結局はなんでもかんでもすべてが含まれてしまうような雲行きになっているようです。考えてみれば当然のことのように思います。

(略)

結局のところこの手の研究会や実態調査というのは経済産業省の仕事づくりという側面はあるわけで、またぞろ企業や学校などに手出し口出しする材料をつくっているというのが実態ではないでしょうか。厚生労働省が専門能力の認定制度のようなものを作って一生懸命運用、普及に努めていますが、企業から役立っているという声はあまり聞こえてきません。そこで経済産業省としては「社会人基礎力」に目をつけたのでしょうが、これまた格別上手くいくとは思えないような…企業が求める「基礎力」なるもの、けっこう各企業に共通な、一般的な部分もあるとは思うのですが、それにしても企業に特殊的な要素というのもかなりあるのではないかと思うわけで。

とにかく、ここまで熱心にやるのであれば、まずは経済産業省ご自身が、この「社会人基礎力」なるものに100%従って採用を行っていただきたいものだと思います。それでうまくいくということであれば、あるいは民間も追随するかもしれません。

「社会人基礎力」(@吐息の日々〜労働日誌〜2/6付)

いかにも経産省官僚が好きそうなテーマではありますが、そういうものを税金使ってやるなよなぁと申し上げたいです。コンサルにでも転身した後でそういうのが好きなクライアントを集めてやってくれと。

本日のツッコミ(全10件) [ツッコミを入れる]
労務屋@保守おやじ (2006-02-07 09:29)

紹介ありがとうございました。「社会人基礎力」なるものの底上げがはかられること自体はもちろん企業としても歓迎なのですが、社会人基礎力を高め(るための取り組みをし)たからさあ採れ、と供給サイドの都合を押し付けられるのは迷惑です。ましてや、企業の採用方法をそれに合わせて見直せ、などと言われた日にはまったくもってウザいの一言。

徳保隆夫 (2006-02-07 22:33)

サーバはさくらインターネットのレンタルサーバをまず試されてはいかがでしょう? 共用サーバですが、私の経験上、プレミアムコースなら月間50GB程度の転送量は問題になりません。年額1万5000円程度と格安だったかと思います。さくらの専用サーバは月額6800円からと、これまた安いです。

sweetfish (2006-02-08 00:36)

 中国発デフレの(3)で。華僑NIESは1997年のアジア危機、1999年のミレニアム祭り、2001年の9.11、2003年のSARSと負のイベントに振り回されがちなので、あまり気にされなくてもいいかと思います。シンガポールの輸入量は、未だ米>日>中+香ですし、CPIについては直接価格等を誘導していることもあります。

 あと「社会人基礎力」で。「社会人基礎力」の中身はわかりませんが、礼儀作法や一般教養みたいなものは誤解が少ないので学校などで教え込むことは、多分可能でしょう。一方、協調性や克己心のようなものは、それこそ思春期からの経験を通じて「社会人」になる過程でしか育たないと思うのは、当方が青臭いだけかもしれません。ただ、経産省が本気で可能と思っているならば、堀江語録程度の知性しかないでしょうし、ヒマ潰しでやっているならば、官僚としての資質を疑います。

bewaad (2006-02-08 04:24)

>労務屋さん
一言でいうなら机上の空論ですよね。しかし他にもこういうことやってるんでしょうねぇ(非公式の勉強会のようなものを含めればどれだけになることやら)。

bewaad (2006-02-08 04:31)

>徳保隆夫さん
情報提供ありがとうございます。エントリを書く際には忘れていましたが、tDiaryは相当重いらしく、前のホスティングサービスではMovableTypeに変えてはと言われたぐらいなので、共用ではリソースを専有しすぎるようです。

専用ですと、ne.jpかad.jpで迷うところですが、2ちゃんで見る限りは価格相応の質の差があるようで、それほど時間は残されていないのですがしばらく考えてみます。

bewaad (2006-02-08 04:33)

案外台湾の経済分析というのは量が少ないのですが、ご指摘も踏まえ続けたいと思います。

「社会人基礎力」については、やっぱり本田先生が食いついていまして、そういうものを受け入れる素地は決して小さくはないのだなぁと。

Baatarism (2006-02-10 10:05)

サーバーですが、kanoseさんのところにこんな記事がありました。
ご参考までに。
http://artifact-jp.com/mt/archives/200602/heteml.html

bewaad (2006-02-11 07:56)

>Baatarismさん
ありがとうございます。artifactは私もなんと時宜を得たものかと笑ってしまいました。「へてむる」ってむかしそういう名前のHTMLエディタがあったなぁなどと思い出したりも。今もあるのかな?

コメント (2006-02-11 14:11)

はてなで書いてキーワード編集すればいいのに!

bewaad (2006-02-12 01:13)

>コメントさん
経緯やら愛着やらあってのことでして、とりあえずこの方法でやってみようかなと。あまり合理的な判断ではありませんが(笑)。

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ちょっと用事が重なり、「どこか遠くに行きたい」(古!)ではありませんが、本当に遠くに逝っていましたので、書けませんでした。お詫び申し上げます。コメントに「ヘタレ経済学徒」さんから詳しく御説明を頂き、bewaad さんからもお返事を頂いたので記事に書いてみよう..

最近、「中年しゃべり場」など就職や雇用問題についての議論が盛んですが、このリンクで取り上げられているような、若者の労働力や人生を確信犯的に使い捨てるようなDQN企業への対策って、何かないんでしょうか? [http://www.nyasoku.com/archives/50341828.html:title] ..


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