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2006-02-09
■ [economy][government]平成18年第2回経済財政諮問会議
普段は一国のマクロ経済政策をつかさどっているとは思わない議論が飛び交う経済財政諮問会議ですが(笑)、メディアでも報じられたとおり標記会合においては経済成長率と長期金利の関係について珍しく求められるレベルに見合った議論がなされました。ではその紹介を、というのは既にドラめもんさんが2/8に行っていらっしゃいますが、ドラめもんさんがお取り上げにならなかった部分に一風変わったものが散見されます。金利金利とこだわり続ける財務大臣や税収増に重要なのは名目成長率より実質成長率だとのたまう中央銀行総裁も面白いのですが、webmaster自身にとっては何より竹中大臣の発言がつぼにはまったので、そこからご紹介を。
大人気なし
(竹中議員) (略)
少し長くなって恐縮だが、あと2、3分だけ、名目成長率と名目金利の議論が混乱しているように思うので、ぜひ整理をさせていただきたい。
この問題に関して、世間の関心は大変高まっているわけだが、専門的な知識を欠いた混乱した議論が、とりわけジャーナリズムで見られるのが大変気になる。
例えば、先般の毎日新聞の社説だが、「名目金利は名目成長率にインフレ率を足したものである」と書いてある。無茶苦茶な議論だ。(以下略)
竹中大臣の怒りももっともなのですが、具体的に毎日新聞と名指ししているのは議事要旨に残ることを計算に入れての意図的な発言なのだろうなぁと。実に大人気なくてwebmasterはこういうの大好きです(笑)。ちなみに「先般の毎日新聞の社説」とは1/16のもので、該当部分は次のとおりです。
財政再建の手法を巡り、長期国債などの利回りである長期金利と名目成長率をどのように見通すか、政府内で論争が起きている。
昨年9月まで経済財政諮問会議の担当大臣だった竹中平蔵総務相は10年代初頭の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を確実にするためにも、名目成長率が長期金利を上回る経済運営をしていくことを主張している。それに対して、与謝野馨経済財政・金融担当相は名目成長率が長期金利を上回るのは例外的との論を展開している。諮問会議の民間議員である吉川洋東京大教授も経済学者の立場から、与謝野氏に近い意見を表明している。
(略)
長期の趨勢(すうせい)でみれば、長期金利は名目成長率にインフレ率が上乗せされた水準にある。その限りでは、物価上昇がプラスである経済では長期金利のほうが名目成長率よりも高くなる。ただ、当初見通しに比べて、実際の成長率が高くなる傾向が強かった高度経済成長期などには、名目成長率が長期金利を上回る局面があった。竹中氏は昨年12月26日の諮問会議で、基礎的財政収支の黒字化に向けて、こうした時期を前提に議論を進めてきたことを明らかにしている。
毎日「金利と成長率 意図的な数字操作は邪道だ」(1/16付社説)(webmaster注:強調はwebmasterによります)
一目瞭然でおかしさはご賢察いただけるかと思いますが、一応解説しておきます。
- 長期(名目)金利=名目成長率+インフレ率
両辺の名目を実質に変換し(名目=実質+インフレ率)整理すると次のような式に落ち着きます。
- 長期実質金利=実質成長率+インフレ率
両辺から実質成長率を差し引いてインフレ率の計算式として表すと次のようになります。
- インフレ率=長期実質金利−実質成長率
ということで・・・。
204: 銅鑼衣紋 2006/01/19(Thu) 00:14 [ va4qsJNk0c ]
(略)定常状態で実質金利と実質成長率が一定であればインフレ率は実物変数だけで決まることになる・・・
毎日新聞の論説委員はノーベル経済学賞でも取るつもりか???イグがつくだろうがw
自業自得
(竹中議員) 資料の説明をする前に、事務局に1点お願いする。
今回、大変重要な問題について資料が出されたのだが、これが届けられたのが昨日の深夜で、私たちが見たのが今日の午前中である。私たちは全員予算委員会に出席しているわけで、私はこれを予算委員会の合間に見て、自分でメモを作って、それで資料を用意した。要するに、諮問会議というのは、総理を中心に閣僚が民間議員と国の将来を議論する場所であるから、それがほとんど準備できないような形で資料が回ってくるということは、やはり事務局に責任があると思う。事務局は今後しっかり対応していただきたい。
(与謝野議員) 今日で議論がおしまいというものでなく、これからも議論していくものである。我々も一生懸命作って、ようやく昨日間に合った。
(竹中議員) 与謝野議員がおっしゃるように今後大事な議論が続いていくと思う。今後これでは困るということを申し上げている。我々、国会でなかなか時間が割けない中でのことなので、せめて前日の夕方か午後には資料を頂けるようにしていただきたい、そのことを事務局にお願いしたい。
(与謝野議員) わかりました。
(小泉議長) それは当然だ。2、3日前に渡すぐらいにすべき。間に合わなければ諮問会議を延期すればいいのだから。
これまた竹中大臣のご指摘はしごくごもっともなのですが、総理が2、3日前と言っているのに竹中大臣は前日の夕方ないしそれ以前の午後と随分控えめです。諮問会議での議論に備えてきちんと準備をするというなら、総理のおっしゃるとおりにした方がいいに決まっています。ではなぜ竹中大臣は小泉総理のように2、3日前に出せと求めないのでしょうか。
「小泉総理より要求水準が低いから?」
私生活でどうかは存じませんが、これまで小泉構造改革の参謀兼前線司令官として奮闘してきた姿からはそのような甘さは感じられません。
「与謝野大臣の前任だったから、事務局が2、3日前に資料を完成させることの難しさを知っているから?」
webmasterの経験則からすれば、審議会の資料を2日前に完成させるのは会合が週一回までならなんとかなります。諮問会議の場合総理にまで説明するでしょうからその分手間もかかるでしょうけれど、でも週一回の頻度で諮問会議を開催することなどめったにありません。
「やろうと思えばできるかもしれないけど、大変でしょ? 竹中大臣から見れば事務局は元部下なのだし、あまり厳しいことは・・・」
ですからそんな甘い人じゃないと思いますよ。
「じゃあどういう理由なのさ」
直前になっていきなり資料を見せられても準備できず困る、もう少し前に見せて欲しいというのは、実は経済財政政策担当大臣に竹中大臣が就任して以後、何度となく内閣府に各省庁から寄せられた要望でした。ところが霞が関を敵視する竹中大臣のこと、敵に手の内をさらして攻撃材料を与えるなど真っ平ごめんとばかりにはねつけ続けたのです。というか前日深夜って竹中大臣時代にもあったような記憶が。
このテーマについては竹中大臣に頑張って欲しいというのがwebmasterの政策スタンスから導かれる帰結であるはずなのですが、今まで他省庁がどんな苦労をしてきたかようやく思い知ったか、自分で掘った墓穴に自ら填っていい気味だ、ざまあみろ、との暗い喜びを禁じ得ません。ええ、webmasterは小人ですから(笑)。
竹中「私たちは全員予算委員会に出席しているわけで」
民間議員さんにおかれては、予算委への出席もあるのですか?
ということで、「自分で掘った墓穴に自ら填って」ではなく、民間議員の研究者の方との差別化を図ろうとするプライドがさせる技に1票。まあ、研究者が「時間がない」というのは信用失墜するいいわけですから、「私たち全員」ということで民間議員とは違うのだよ、政治家なんだよ、というプライドです。
本当の「小人」は自分では言いません(笑)。
竹中さんの怒りの原因は、医療&規制ではないと思うので、「今年の方針やるのに、俺に挨拶なしかよ」という、政治家の面子丸潰れに一票。
>とおりすがりさん
ご賢察のとおり民間議員は予算委に出席は(参考人招致の対象となる場合等を除いて)ありません。
>sweetfishさん
人事異動がありポストが変われば扱いも変わるわけで、ご指摘のとおりなら内閣府を自らの私兵と勘違いしてやしませんか、ということではないかと。