toppage memoranda
(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)
2006-02-16
■ [law][joke]特定菓子贈与禁止法
昨日に引き続きAKITさんのエントリから。
特定菓子贈与禁止法
施行日 平成18年2月13日
(趣旨)
第一条 この法律は、青少年の健全な育成及び異性に接触する機会の少ない男性の心理的外傷の重大性を鑑み、特定菓子の適正な取扱いに関し、基本理念及び政府による基本方針の作成その他の青少年及び特定の男性の保護に関する施策の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体に対する責務等を明らかにするとともに、特定菓子を取り扱う事業者の遵守すべき義務等、また特定菓子を購入する女性にかせられる義務等を定めることにより、特定菓子の有用性に配慮しつつ、特定菓子贈与による心理的損害を減少させることを目的とする。(定義)
第二条
この法律において「特定菓子」とはカカオより抽出された調味料を用いた菓子類とする。
または、以下に定める菓子を「特定菓子」と呼称する。1 特定菓子の分類
一 砂糖または、他政令で定める糖分を含む調味料を含む、全ての菓子。
二 異性から譲渡され、心因的な喜びを得る事が可能な、物品。(以下略)
「特定菓子贈与禁止法(遡及日記)」(@唯々諾々のもうぐだぐだ2/14付)
・・・そんなんじゃ法制局通らないですよ!(ただし、AKITさんが作成というわけではなく、別途オリジナルが存在するようです。為念) というわけで、あれこれ手を入れてみます。ま、霞が関における法案作成実務のご理解の一助となれば。
(目的)(1)
第一条 この法律は、青少年の健全な育成及び女性と交際(2)する機会が不足している男性(以下この条において「特定男性」という。)(3)の心理的外傷の重大性にかんがみ(4)、特定菓子の適正な取扱いに関し、基本理念及び政府による基本方針の作成その他の特定男性(5)の保護に関する施策の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、特定菓子を取り扱う事業者及び特定菓子を購入する女性の遵守すべき義務等(6)を定めることにより、特定菓子の有用性に配慮しつつ、特定菓子の贈与を受けないことによる特定男子の心理的外傷の抑制を図る(7)ことを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「特定菓子」とは、(8)カカオ(テオブロマ・カカオをいう。)(9)の豆から皮及び胚芽を取り除いたものをすりつぶしたもの(10)を用いて製造される菓子(11)のうち、(12)毎年二月十四日(二月十四日が日曜日または土曜日である場合にあっては、その日前においてその日に最も近い金曜日である日からその日後においてその日に最も近い月曜日である日までの各日(二月十四日を除く。)を含む。)に女性が男性に贈与するものをいう(13)。
強調部分に手をいれましたが、以下順に考え方を説明いたします。
「趣旨」→「目的」
(考え方)
見出しが「趣旨」であれば文末は「ものとする。」ですし、文末が「目的とする。」であれば見出しは「目的」となります。下敷きになっているのが個人情報保護法第1条のようですから見出しを「目的」に変えましたが、見出しを維持するのであれば「・・・を定めることにより、・・・」を「・・・を定めるものとする。」と変える必要があります。「異性に接触」→「女性と交際」
(考え方)
後で「男性」と出てくるので「異性」は「女性」に決まっていますので、そのように変えました。また、法令上異性に対する「接触」は物理的接触として用いられていますので(例えばソープランドの法的定義は「浴場業(公衆浴場法(・・・)第1条第1項に規定する公衆浴場を業として経営することをいう。)の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務を提供する営業」(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)第2条第6項第1号)です)、「交際」に変えました(前例:インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律第2条)。「機会の少ない男性」→「機会が不足している男性(以下この条において「特定男性」という。)」
(考え方)
「機会の少ない」には前例がなかったので、「機会が不足」を用いました。また、後で「特定男性」を使いまわす(5番)ので、そこでは同じ意味である旨を付記しました(略されている部分においてさらに使われるのであれば、「以下この条において」は「以下」になります)。「重大性を鑑み」→「重大性にかんがみ」
(考え方)
法令用語としての用例に従いました。「特定の男性」→「特定男性」
(考え方)
保護される者はこういうことですよね?「、また特定菓子を購入する女性にかせられる義務等」→「及び特定菓子を購入する女性の遵守すべき義務等」
(考え方)
義務等の対象になるのは業者・女性であり「遵守すべき」「かせられる」と書き分ける意味がないので。義務等の内容が異なってもこれで問題ありません(何らかの義務等の対象になるという構造は同じですから)。「特定菓子贈与による心理的損害を減少させる」→「特定菓子の贈与を受けないことによる特定男子の心理的外傷の抑制を図る」
(考え方)
「特定菓子贈与」と一語にしてしまうとその意味は、ということになるので「特定菓子の贈与」と開いてあります。また、「心理的損害」と「心理的外傷」(こちらは既出)を書き分ける意味がないので統一してあります。「減少」を「抑制」としたのはその方が自然だなぁという経験則です。「「特定菓子」とは」→「「特定菓子」とは、」
(考え方)
法令用語としての用例に従いました。「カカオ」→「カカオ(テオブロマ・カカオをいう。)」
(考え方)
あへん法第3条の用例を見るに、植物の特定は学名を引いていたので。「より抽出された調味料」→「の豆から皮及び胚芽を取り除いたものをすりつぶしたもの」
(考え方)
要すればカカオマスをどう書くかですが、まず「調味料」ではないでしょう。また、「抽出」(一部分を取り出すイメージ)よりも不要部分を取り除いていく方が実態に近いように思いますので、製造工程を記述しました。「用いた菓子類」→「用いて製造される菓子」
(考え方)
前例では「菓子類」でなく「菓子」で大丈夫なようです(公職選挙法第139条)。「用いた」を「用いて製造される」としたのはwebmasterの感覚で、うまく説明できないのですが・・・。「とする。/または、以下に定める菓子を「特定菓子」と呼称する。/一 砂糖または、他政令で定める糖分を含む調味料を含む、全ての菓子。」→「のうち、」
(考え方)
原文ではカカオ云々という記述が意味を成さなくなる(糖分を含む菓子ならなんでもよい)ので変えました。チョコ以外でも腹立たしいということはあるでしょうけれど(笑)、ヴァレンタイン・ディといえばやはりチョコレートでしょうから、糖分を含む菓子とだけ規定するのでは風情がないですよね?(ま、「チョコレート(カカオ・・・製造される菓子をいう。)その他の菓子」と定義するという代替案はありますが。)「異性から譲渡され、心因的な喜びを得る事が可能な、物品」→「毎年二月十四日(二月十四日が日曜日または土曜日である場合にあっては、その日前においてその日に最も近い金曜日である日からその日後においてその日に最も近い月曜日である日までの各日(二月十四日を除く。)を含む。)に女性が男性に贈与するものをいう」
(考え方)
「異性」については2番で書いたとおりです。また、譲渡は対価を支払うものを含みますし、何より題名が「贈与禁止法」なのですから、行為は贈与がよいと思います。それに原文では一年中いつであってもということですが、やはり日にちは大切でしょう(笑)。プレゼント一般を削ったのは12番に書いたとおりですが、さらに申し上げるなら、それを定義に含めると「特定菓子」ではなく「特定菓子等」という名称にしなければなりません。なお、贈与するという行為を定義に含めることにより、女性が自分で食べるために購入するものについては規制対象から外れることになりますが、この方が規制としては適切でしょう。
えーとmixiの方には書いてたんですが、先日よりこういうキリヌキが出回ってまして。 特定菓子贈与禁止法案可決 衆参両院全会一致 バレンタインデー禁止に 参議院は7日、特定の日に特定の目的をもって菓子類を他人に贈与することを禁止する「特定菓子贈与禁止法案」(..
まずはネットに転がっていた反バレンタイン法の記事。 f:id:BostonLetter:20060215094625g:image:w400 懲役5年っすか。不法投棄と同じくらい悪質な犯行ってことか。 次。ロイターの記事。 Japanese women bitter at Valentine chocolate duty (Reuters) Japanese women ..
なぜか、思い出すこの2つの著名なブログの記事… 〓唯々諾々のもうぐだぐだ2006年2月14日付け記事(http://d.hatena.ne.jp/AKIT/20060214/1140000771) 〓Bewaad Institute @ Kasumigaseki2006年2月16日付け記事(http://bewaad.com/20060216.html) 別に同法の趣旨に賛成
カタカナにしたものは「学名のカタカナ読み」であって、学名ではないと思う。.....アルファベットで書いてもイタリックでないと学名ではないという世界ですので。
2条に二月十四日とこれに前後する日を誕生日とする場合等の特例とかがいりそうな....
爆笑。
突っ込むんですかい、これに。\(^o^)/
元ネタの画像を見る限り、先月中に公布されてるようなので、法律番号は「平成十八年法律第一号」となるのでしょう。
確か今年の法律第一号は2月に入ってから公布された議員年金廃止法だったはずですから。
罰則としてはどの程度が適当でしょう?
うーん、定義に行為を混ぜてしまうと、外形的に判断しにくくなるので、法務省協議が厳しくなりませんかね。むしろ、「特定日」として2/14を政令で定めて、第三条(譲渡の禁止)くらいで、『特定日に特定菓子を譲り渡し、又は譲り渡す目的で所持してはならない。
』としたほうがよいのではないでしょうか。あと、製造も禁止してほしいです。
罰則は、麻取法にならい、
第○条 特定菓子を、製造し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持した者は、一年以上の有期懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、無期若しくは三年以上の懲役に処し、又は情状により無期若しくは三年以上の懲役及び一千万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。
というくらいでいかがでしょうか。今流行の共謀罪もつけたいところです。
修正案が今国会に再提出されると、来年には間に合いますよね?
何であれ、プロの仕事というものは感動を与えるものでつね。
はじめまして。
「特定菓子贈与禁止法」には、以下のような条項も必要かと思います。
第××条〔風説の流布の禁止〕
何人も、男性の女性と交際する機会の多寡を論ずる目的をもって、その男性が特定日において受贈した特定菓子の有無、受贈した特定菓子の数その他の、特定日における特定菓子の贈与に関する事項について、風説を流布してはならない。
※「特定日」とは、webmaster修正案の第2条に示された日をいいます。
いかがでしょうw
彼女ができたりすると裏切る人が出てきて廃案になることが心配ですね(アンチクリスマスなどノタマッテイタ友人に最近彼女が出来ました)。
禁酒法のように闇取引が横行してアンダーグランドマネーの温床とならぬようお祈り申し上げます。
インドでは本当に反バレンタイン運動が起こってるそうです。理由はちょっと違うけど。w
http://www.sankei.co.jp/news/060215/kok031.htm
>皆様
最初にお断りしておきますが、あくまで「翻訳」の質の向上に努めたまでですので、訳者が訳文の主張に賛同しているとは限りません。誤解なきよう(笑)。
>kumakuma1967さん、タコ部屋3回目さん
ご指摘を踏まえると、特定菓子贈与禁止法ではなく特定贈与日におけるチョコレート等の贈与の禁止に関する法律、あたりでしょうか。チョコレート等は単に菓子の性質を書いて(これだと特定菓子にならないので題名変更ということです)、あとは禁止行為か罰則のところで行為はまとめて書くと。
>kumakuma1967さん
学名のご指摘ありがとうございました。「学名を書いて」でなく「学名を引いて」としたあたりでご寛恕いただければ(笑)。
>BUNTENさん
「なぜ法令用語に直すんだ?」
「そこに法令文があるからさ」
>ゆーきさん
この法律(笑)に関するもともとのエントリでは執行猶予をなしにしてほしいとのことでしたので、三年超の懲役刑が適当かと(笑。三年以下の懲役には執行猶予をつけることができます)。ですから、営利行為のみをそうしたいならタコ部屋3回目さんが例示したような形、営利・非営利を問わないなら第1項についても懲役の下限を引き上げなければならないでしょう。
>Koiti Yanoさん
会派を超えて推進すべきと固まるなら、来年の通常国会でも間に合いますよ(笑)。
>nervenarztさん
お褒めいただきありがとうございます。でも、こんな文章を考え付く人間とはあまり親しくなりたいとは思えないのでは(笑)?
>江湖さん
贈与が禁じられているのですから、贈与を受けたことを自ら暴露する行為は想定し難いのではないでしょうか。むしろ贈収賄のように贈与をした者だけでなく受けた者も罰するようにするとか(笑。タコ部屋3回目さんのアイデアではそうなっています)。
>miyauさん
おそらくこの法案が実際に立案されれば、お菓子会社は電車男のようなストーリーをしかけて期待を盛り上げ、ひょっとしたらチャンスがあるかも→法案には反対、というキャンペーンを仕掛けることでしょう(笑)。
>Baatarismさん
まあ数十年前には同じようなことをしていた国ですから、我が国も(笑)。