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2006-02-22
■ [law][government][politics]電気用品安全法反対運動の1つのあり方(解説編)
昨日の続きです。あのようなやり方を提案したのは、
- 今年の4月からの開始を止めるという目的に照らして間に合う方法であること、
- 実際に法改正に必要な賛成を集められること、
を満たすためにどうすればよいかという観点から考えたためです。その結果、次のようなものであることが有益と考えました。以下、それぞれについてご説明いたします。
- 議員立法であること
- 経過措置を延長し、その間に代替措置を検討するものであること
1.議員立法であること
現在いろいろな問題が予算委員会で審議されていますが、2月から3月にかけては予算審議が最優先となります。先ごろ衆・予算委員会の公聴会の日程が固まり予算の衆議院通過が見えてきた、なんて報道もありましたが、1月から始まる通常国会‐つまり、今開催されている国会です‐においては、まずは政府与党ともに予算の成立に全力を尽くすことになります。予算通過後に待っているのは「日切れ」「日切れ扱い」と言われる法案の処理です。
「日切れ」とは年度内に処理することが必須の法案で、新年度からの増税が典型です。租税法定主義との関係上新年度から増税したいなら、年度の初めにはその根拠法が通っていないと課税できません。仮に4月に入ってから可決・公布・施行となると、それまでの間はまだ根拠法がない状態になってしまうという問題が生じます。
「日切れ扱い」はこれに準じるもので、例えば新年度からの地方公共団体の新規業務があります。法律(ないし国)だけを見れば矛盾が生じるわけでなく「日切れ」にはなりませんが、地方公共団体側は必要な予算・人員を手当てしたり条例を定めたりしていて準備を整えているところ、法律が通りませんでしたでは全国で混乱を招いてしまうのでやはり年度内に通っていないとまずいと。
これらは3月下旬に一気に処理するわけですが、限られた日程で衆・本会議→衆・委員会→衆・本会議→参・本会議→参・委員会→参・本会議というプロセスを経る必要があり(参議院先議であれば逆)、与党の国対委員長(現任は細田前官房長官)は綿密にスケジュールを組んで野党とも日程調整をして臨むことになります。本件はそこに1本法案を割り込ませようというものですから、相当の無理をしなければなりません。
ここで通常「政府与党」と一語でまとめられている言葉の亀裂が見えてきて、与党からすれば内閣提出法案は自分たちがやりたいわけでもないものを政府のために汗をかいてやっているという意識があります。前述のようなタイトな日程において、今の段階から政府がもう1つ法案を入れてくれとお願いしたところで、なぜ政府のミスでそのようなことをしなければならないのだ、ということになってしまうわけです。
#通常国会の場合、提出予定法案についてどれが予算関連で日切れ・日切れ扱いは何だ、という政府与党間の調整は1月には終わっています。
加えて内閣提出法案の場合、政府内調整(関係省庁や内閣法制局などとのものです)と与党内調整(報道で部会・政審・総務会を通すといわれているものです)の両方を行わなければなりません。
議員立法にする場合、この2つの問題をある程度回避可能です。与党議員が提出となれば(さらにはその推進者が有力者であればなおさら)国対の覚えも多少はよくなりますし、超党派法案(与野党の議員がそろって提出)であれば野党に「借り」を作ることもないのでさらにハードルは下がるでしょう。さらには政府内調整をバイパスできるので調整作業そのものもほぼ半減します。
以上のように、今回のとにかく時間がないという状況においては経済産業省を説得して内閣提出法案を立案させるという手段に比べ、議員立法を狙う手段の優位は疑いありません。
#そもそも経済産業省が説得に応じる保証もないわけですし。
2.経過措置を延長し、その間に代替措置を検討するものであること
昨日も書いたとおり、経済産業省は流通の混乱・脱法行為を懸念しています。ネット上では中古を適用除外とすればよいという説があるようですが、そもそも電気用品安全法施行後に製造されたものは中古であっても適用除外とする実益がありません。適用除外の対象を施行前に製造されたもの限るにしても、偽装防止をどうするかといった問題に対応する必要があります。
また、webmasterは説得力がある議論だとは思いませんが、経産省の天下り確保のためだとか製造業者による中古業者つぶしだとかいった裏の目的があると考えるのであれば、なおさら単純な適用除外を求めるのは愚策です。というのも何も立法措置がなされなければ経過措置は自動的に失効するわけで、時の神はそうした後ろ暗い抵抗勢力の味方です。仮に世論が盛り上がったところで、前述の流通の混乱や脱法行為の懸念を言い立てて時間稼ぎをして4月になってしまえば彼(女)らの勝ちだからです。
ですから裏があるにせよないにせよ、まずはこの不利な状況の打開を最優先目標にしなければなりません。不利さは何はさておきこの4月に経過措置が失効する点にあるのですから、それを延長しさえすれば最優先目標は達成することができます。まずはそこに全てのエネルギーを集中することこそ合理的対応といえましょう。
さらにエネルギーの集中の観点からは、昨日書いたように大義名分は「名機を守れ」とか「名機を救え」といったものに絞るべきです。上述の陰謀論にうさんくささを感じる人たちからも支持を集めるためにも、今の永田議員のように根拠を問われるという隙を見せないためにも、そして根拠を問うという時間稼ぎを封じるためにも。他の理由を持ち込んだからといって枯れ木も山の賑わいとはいかないのです。
そうは言っても自分は状況証拠に照らしてそうした陰謀の存在を立証できる、それなのに主張しないのは妥協しているようで厭だという人もいるかもしれません。しかし仮に陰謀論が当たっていても、それを真正面から指摘するのは相手の抵抗を強めるだけで当面の最優先目標にはかえって障害となるのが以上のとおり明らかです。もし外れているなら、くどいようですが今の永田議員の窮状に自らはまることになります。したがってその当否にかかわらず、主張しないことこそ合理的対応なのです。自信があるなら、経過措置を延長してからでも十分間に合いますよね?
Bewaadさんの提案を受けて、議員立法のためのお願い文案を作ってみました。 ? 議員立法には衆議院議員20名ないし参議院議員10名が必要ですから(国会法第56条第1項)、それだけの人数を集められる議員である必要があります。 ? 直接議員に働きかけようとする方は、この文..
坂本龍一さんのブログ「ひっかかり」を読んでいる方々はご存知かもれないのですが、
まだまだ勉強不足の感は否めませんが、PSE法施行以来家電製品の事故が激増していた
100万ヒット無事サーバ移転おめでとうございます。つ花輪(AA略
電気用品安全法について安井さんが記事を書いていたので貼っときます。
http://www.yasuienv.net/PSELaw.htm
事業者が自主認証すればOKということですが、事業者側にはそれなりの投資や検査作業が必要になります。その手間をかけてくれるかが問題ですね。
>cloudyさん
花輪ありがとうございます(笑)。
安井先生の記事を前提とすると、「それなりの投資や検査作業」は今でも中古業者はやっていて、追加は少ないのかな、という気がしました。