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2006-03-12
■ [law]法律の附則における規定について
法務を長いことやってると業務に関係する特別法などの立法や改正に接する機会が増えます。
その時、何でこんな規定があるんだろう?と思う規定が結構あったりするのですが、最近の流行(はやり)はなんといっても、「○年後に見直す」規定と「○○については○年より施行する」規定かもしれません。
「げに不思議な規定・・・特別法の楽しみ方」(@法務の国のろじゃあ3/9付)
またヲタなところにご関心を(笑)。結論から申し上げれば見直し規定は確かに流行ですが、複数の施行日を有するものは昔からあります。
前者は、ここ10年ぐらいの新規立法や改正で用いられることが多くなった規定ですが、いろいろ議論があったんだけど、いずれにしろ立法・改正対応をしないといけないのでとりあえずこの枠組みで行ってみようや・・・というような空気が形成されたときに用いられるのではないかとろじゃあが勝手に想像している規定です。
たいがい3年後ぐらいですよね、見直し期間って。
これは何故なのかなあ・・・って考えたりすると結構興味深かったりします。人事異動の大体のサイクルが3年毎だとかいらぬことを連想したりもしちゃうわけですが(^^;)。
「げに不思議な規定・・・特別法の楽しみ方」(@法務の国のろじゃあ3/9付)
見直し規定は規制緩和の流れにおいて盛り込むよう求められるようになったもので、ネットで探すことができた限りでは初出は改定規制緩和推進計画(平成8年(1996年)3月29日閣議決定)です。改定前の規制緩和推進計画や、その元となった第三次行革審の最終答申で既に盛り込まれていたかどうかはちょっと調べがつきませんでした。それらより前という可能性もないわけではなく・・・。
規制の新設に当たっては、原則として当該規制を一定期間経過後に見直すこととする。法律により新たな制度を創設して規制の新設を行うものについては、各省庁は、その趣旨・目的等に照らして適当としないものを除き、当該法律に一定期間経過後、当該規制の見直しを行う旨の条項を盛り込むものとする。なお、この見直しの結果、その制度・運用を維持するものについては、その必要性、根拠等を明確にする。
もちろんこのときだけでなく、今に至るまで続いています。現行のものは次のとおりです。
規制の新設に当たっては、原則として当該規制を一定期間経過後に廃止を含め見直すこととする。法律により新たな制度を創設して規制の新設を行うものについては、各府省は、その趣旨・目的等に照らして適当としないものを除き、当該法律に一定期間経過後当該規制の見直しを行う旨の条項(以下「見直し条項」という。)を盛り込むものとする。(略)
というわけで、ろじゃあさんご想像のような原則見直し規定なし・例外見直し規定ありではなく、原則見直し規定あり・例外見直し規定なしというのが実態です。法務省が所管しているような法律(民商法など)ぐらいじゃないでしょうか、見直し規定なしが認められるのは。その他省庁が所管している業法タイプのものはほぼ全てに見直し規定が入っていると思います。
もう1点の3年という期間についてですが、役所の人事異動は1年か2年ごとがほとんどなので(3年間同一ポストにいるのはかなりの例外です)、人事サイクルにあわせてということではありません。臨時国会は開催されるかどうかわからないので通常国会での改正を前提として考える場合、改正のチャンスは年1回しかないということになります。見直すとなればそれなりに時間がかかる以上、2年以内の見直しということになると実態に即したものとすることが難しくなるので、合理的な最短期間として設定されていると解すべきではないかと。
ある立法や改正が行われて施行日が決まる訳ですけど、なぜか特定の項目について施行期日が少し後ろにずれてたりする場合があります。
多くの場合はグランドファーザー条項で、激変緩和措置的な理由付けが可能な場合になるわけですね。
最近はほとんどの企業の活動がコンピューターシステムやネット関係の環境を前提に動いていますので、ある法律の即日施行だと全国的なシステム対応なぞ所詮無理な場合も多いわけです(この辺をいまだに理解したくない方々も結構おられるようですが)。
そんな施行期日関係で先後をつけることが、ことの性質上どうしても理解できない場合もあったりします。
「げに不思議な規定・・・特別法の楽しみ方」(@法務の国のろじゃあ3/9付)
計量的証拠があるわけではありませんが、ある法律が複数の施行日を持つ場合、先施行部分があるものがほとんどです。各種の準備行為に必要な規定まで本体の施行にあわせてしまうと準備行為ができないということになってしまうので、その部分だけ先に施行しておくと。
他方でご指摘のような激変緩和措置については、施行はした上で経過措置規定を置いて適用を買える方が多いというのが実感です。経過措置規定には「なお効力を有する」「なお従前の例による」「旧法の規定によりされた○○は、新法の規定によりされたものとみなす」といった定番の規定振りがありまして、でも、共通知としてこんな規定振りというのは存在するようでして。/これも「お作法」のひとつなんでしょうな
とご賢察のとおりであります。
こんばんは。タコ部屋の住人として思わず食いついてしまいました。
また細かいツッコミをしてしまいますが、ご勘弁いただければと思います。
最近の流行は「3年」ではなく「5年」です。厚生労働省の法案を確認したところ、9本中6本が5年でした。ただ、3年の例もあり(例:環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律原始附則第4条、信託業法原始附則第124条)、また「この法律の施行後適当な時期において」という時期を明示しないものもあります(例:都市鉄道等利便増進法原始附則第2条)。客観的な基準がちょっと見えてこないですが、短期的に急激な事情の変化が見込まれないものは5年、より長期で見る必要があるものはそれ以外、ということでしょうか。
さらに、厚生労働省の例で言うと、3本(「国の補助金等の整理及び合理化等に伴う児童手当法等の一部を改正する法律案」「独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労働省関係法律の整備に関する法律案」「戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案」)に見直し規定がありませんが、多分「規制」の新設には当たらないから不必要ということかと思われます。
最初のは、三位一体の改革の関係でお金に関する規定をなくしたり、改めたりするのものですから、規制の新設には当たらないのではないかと考えられますし、
独法の組織法は独立行政法人通則法で5年ごとに見直すことになっているため、不要と考えられますが、独立行政法人福祉医療機構法のように設けられている例もあります。
最後のは、お金を追加であげますよ、という内容のようなので、これも規制の新設では無いと。
そういう整理なのかなと思いますが、いかがでしょうか。
>t9930211さん
無事法案が国会提出とのこと、お疲れさまでした。
結局見直し規定は、その存否、および設ける場合の期間についても、行政評価局の胸先三寸ですよね。内部でどの程度体系化されているのかは知りませんが、審査される側としてはきちんと想定が書ければ通るという気が(笑)。基本は前例ですけれど、自分のところのものを使う場合が多いので(そうでないと軽重のバランスがよく見えないので)、他省庁との横串はきちんと通っているのかなど、気にならないではありません(笑)。
見直し規定のないものの整理は、ご指摘のとおりではないかと思います。