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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)
2006-03-22
■ [economy][BOJ]若田部昌澄「2%の物価目標掲げよ」@日経・経済教室3/20
著作権の問題があると困るので要約での紹介です。是非現物に当たっていただきたく(もう読まれた方も多いと思いますが)。
なぜ今なのかぬぐえぬ疑問
- 日銀が一般の予測に先立って量的緩和を解除したが、なぜ今なのかが疑問。
- 日銀が基準とした生鮮食品を除くCPIの上昇はわずかであり、エネルギーを除けばさらに低い。
- 景気は回復しているがわざわざ水を差す必要はない。日銀自身、近い将来にインフレ懸念があるとはしていない。
- バブルの発生を恐れているのかもしれないが、バブルのデメリットよりバブル潰しのデメリットの方が大きいというのはバブルの教訓。
- 量的緩和を解除してもゼロ金利を維持すれば実質金利はマイナスというが、金融政策で重要なのは実現した実質金利でなく期待実質金利。
- FRBの例を見ても、ヴォルカーはインフレ期待を鎮圧してインフレを抑え、グリーンスパンはデフレ回避のコミットメントでデフレ期待を未然に防いだ。
マクロ経済に2つのリスク
- インフレ目標はこの期待に働きかける政策。
- 量的緩和解除の評価は、この期待への影響で測るべき。
- 高橋洋一総務省参事官の研究によると、当座預金残高の引上げと期待インフレ率の上昇は平仄があっており、量的緩和政策が期待インフレ率を引上げたことの傍証となるが、であるなら量的緩和の解除により期待インフレ率が引き下げられるリスクがある。
- 量的緩和はゼロ金利解除失敗の汚名返上のためだったという側面が強い。
- その量的緩和を前倒しで外した以上、早期のゼロ金利解除も念頭におく必要がある。
- 現在の日本経済・日銀は2つのリスクがあり、第1は政策失敗のリスク。
- 現時点での最悪の事態はデフレ継続であるが、日銀はインフレとバブルをそれと認識しているとも思える。
- 第2のリスクは中央銀行の独立性の危機で、日銀が失敗しその責任を問うなら日銀法改正もあり得る。
- 1998年の日銀法改正は日銀の責任追及を曖昧にした欠点があるが、デフレ脱却失敗による再改正はその反動で独立性を脅かすものとなりかねない。
政策失敗すれば日銀法再改正も
- 量的緩和解除による期待インフレ率引上げ効果の剥落・金利引上げ予想の生成は景気にマイナスで、金融政策のラグを考えれば半年から9ヶ月後には景気悪化・デフレ深刻化があり得る。
- これに対してインフレ目標はその有効性が明らかで、第1に将来の物価への日銀の関与を強め、その意図を明確に市場に伝えることができる。
- 第2にインフレ目標を導入している主要先進国は良好な経済成長を遂げ、導入していない日米のうちアメリカはバーナンキ議長の誕生で遠からず導入があり得る。
- 第3に独立性と責任明確化を両立できる。
- 今般の物価見通しは日銀はインフレ目標でないとしており、自らその位置づけをわかりづらくしている。
- 数値そのものもゼロ下限であり、デフレ突入の危険性が大きい。
- ゼロ下限の理由である期待インフレ率の低下は日銀にとって他人事ではない。
- インフレ目標と位置づけるからこそ重みを持つのであり、それと認めないのは逃げる余地を作るもの。
- 福井総裁は政策の失敗を恐れないと発言しているが、その被害を受けるのは国民。
- 順調に景気回復すればよいが、デフレリスクが残る以上、当面はCPIが2%を超えない限りゼロ金利を維持するとして期待インフレ率の低下を防ぎつつ、下限を他国並みの正の値とすべき。
- 仮にデフレ不況が再発すれば、その責任を追及し日銀法再改正を検討すべきだが、政府も緊縮路線は採るべきではない。
■ [sports]WBC・日本優勝
おめでとう、そしてお疲れさま。しかしイチロー選手、うれしいでしょうし興奮しているのは微笑ましいのですが、メダルを首にかけてもらうときは帽子を取ろうよ、と思ったのはwebmasterだけでしょうか(笑)?
ところで実況のアナウンサー、ちょっと調べたら船越アナだったようですが、デイヴィッドソン審判のこれまでの判定に問題があるからといって、一塁での判定の際にいちいち引き合いに出したり大丈夫かなどと大げさに心配したりするのは勘弁して欲しかったです。こっちは試合を観たいのであってアナの雑談を聞くために観ていたわけでなく、せっかくの好試合だったのにずいぶんと興がそがれてしまいました。あの船越アナなんだから仕方がないというか、他のアナだったらなぁ。
このエントリは、bewaadさんの所の以下のコメントに始まるひろさんと銅鑼衣紋さんのやりとりへのコメントです。
http://bewaad.com/20060322.html#c02 より:
物価変動を考慮する時にエネルギー価
記事には全く同感です。ところで2%がコンセンサスのようですが、実際何がベターなものでしょうか?
当方は翌日物を名目経済成長率(見通し)以下にするというのが、透明性、経済への影響、操作性からして、丸く収まるような気がします。もっとも福井さんはこれ以上と言ってしまっているので、多分だめでしょうが。
今度はJapan Chanpion T-shirt & sweet, DVD を購入。
当方TV観戦が不可ゆえ、公式のネット中継を見てましたが、ESPNで中身はNCAA...切り替わったと思ったら既に小笠原。
ところでアメリカ人は「小笠原」が難しいようで、Ogasa..,wa..., Guts! と。当方のリスニング力もありますが、Ichiro, Sadaharu Oh, Guts(とスンヨプイー)ばかり。
とにかく今日は氷結がうまい!アサヒはドライしかなかったので(笑)
物価変動を考慮する時にエネルギー価格を除去するのが妥当なのか、少し疑問に思っています。
たしかに気候の変動で価格が上下することがあるので、その観点から見れば妥当だと思います。が、昨今言われているように(正しいかどうかはわかりませんが)需給の締りや、投機(これは別?)によりエネルギー価格が上昇した時には、考慮に入れるべきだと思うのですが、いかがでしょうか?
>ひろさん
エネルギー価格は、もしそれが恒常的な変化と思われているなら広
範囲の産業に対して正常費用の増加を引き起こしますから、除いた
ベースであっても物価変動を生じるはずです。この「恒常的」か否
かの判定を市場にまかすなら「除く」でよいし、政策当局が市場以
上に知っているとするなら「含む」が望ましいでしょう。
極端な場合、需要が弱くコストの価格転嫁が不可能な場合にどうす
るかということです。「含む」ならとっとと引き締めということに
なるかもしれませんが、それはただでさえスクイーズしている利潤
を一層抑制し、ますます総需要を抑制しかねません。「除く」も上
がってきてレンジ内に入れば締めても利潤は確保できるでしょう。
(もちろん減ってはいるが)
>銅鑼衣紋さん
ううむ、専門家のレベルは高いですね(^^;
むずかしい。。
>需要が弱くコストの価格転嫁が不可能な場合
時間的な差は発生しうると思いますが、本当に製品に価格の転嫁が不可能ならば、製品が作れなくなり、原材料に対する需要が減少するので原材料の価格はそのうち低下に向かうような気がします。
「極端な」例にコメントを入れるのは、ちとずるいですね(^^;
そんな感じで、エネルギーの価格も普通に入れてやっていいんじゃないかなと思うわけです。
>ひろさん
>本当に製品に価格の転嫁が不可能ならば、製品が作れなくなり、原
>材料に対する需要が減少するので原材料の価格はそのうち低下に向
>かうような気がします。
国内需給でエネルギー価格が決まるならそうですが、これ国際商品
ですから、日本が不況なら結局はかなり影響を受けるとしても、ま
ずは一応独立な要因。
帽子取ってなかったのイチローだけでしたね。
それより、メダル2人ずつ渡してるの、見てたらわかるでしょ!というのが気になりました。隣のやつがまだメダルかけてもらってないヨ、的な仕草を見せた選手が4人くらいいました。
ほほえましい光景です。
>国内需給でエネルギー価格が決まるならそうですが、これ国際商品ですから、
経済学的にどうなっているかは知らないのですが、こういう要因で(見かけ上?)インフレになる場合、どう対処すべきなんでしょうね??
エネルギーで言えば省エネ努力とか、エネルギー消費型産業は国外へ移転するってことなんでしょうね。
金融政策としては、どうやってサポートしたらいいのだろう??
>ひろさん
ですから、エネルギー価格の高騰が一時的なら、「除く」ベースの
物価は上がらないから金融政策を発動する理由はないということ。
持続すれば、結局「除く」物価も上がるから、そうすれば引き締め。
単純でしょう?だめ?
>銅鑼衣紋さん
なるほど。エネルギー以外の製品の価格につながるかどうかが問題というわけですね。
>sweetfishさん
個人的には中心レイトは3%か4%(回復期は5%から7%ぐらいでも)と思っているのですが、若田部先生らが中心2%で上限3%下限1%としているのは、世間的なインフレへの抵抗感を踏まえればそれぐらいが現実的、というご判断なんだと思います。
ちなみに「小笠原」、English nativeに滑らかにしゃべってもらおうと思ったら、「おぐさーら」(「ぐ」は弱くg子音のみ、「さ」にアクセント)といった発音にする必要があるように思います。
>ひろさん、銅鑼さま
エントリを補充していただきありがとうございます。
コメントのやりとりで取り上げられなかった点を補足するなら、銅鑼さまが「独立」と2回目に触れた点ですが、金融政策は基本的に国内の経済活動に影響を与えるものですが、エネルギー価格が国際的に上昇している際、それを金融政策でどうこうするのは効果が少ない一方でその他要因に多大な影響を与えるので好ましくない、ということになります。それが国内要因に溶け込んでから発動するのであれば手段と対象が直接対応するようになるのでそのような副作用は少ない、ということかと存じます。
>一国民さん
それも目立ちましたね。負けたから興奮しておらず当然なのでしょうけれど、キューバの選手はそのようなことがなかっただけになおさら。周りを見てあわせようとするのは我が国の国民性のはずなのに(笑)。
>ひろさん、銅鑼衣紋さん
GDPデフレータと輸入物価デフレータの最近の変動について、拙記事からTBしておきましたので参考にしてください。
>cloudyさん
拝読しました。日銀におかれては、輸入インフレを防ぐために円高を狙って引締め、だったりして・・・。
>bewaadさん
それが怖いです。なんせ輸入の方は年13%の高インフレですから、そんなものに合わせて引締められたらたまりません。
>cloudyさん
ホント、杞憂であることを心から望みます。
>輸入の方は年13%の高インフレですから、そんなものに合わせて引締め
日本の金融政策の世界への影響を考えたら、そこまで考えるのもありかも、と思うのはおかしいですか?
これ言い出すと、世界の協調がかなり必要になりますけど。。
>ひろさん
お申し越しの趣旨は、日本の経済が大きいから日本で物価を抑制できれば世界的にも物価を抑制できる、ということでよろしいでしょうか?
その前提で申し上げるなら、
1.今般の輸入物価上昇の主因はエネルギー価格、もっと言えば原油価格の高騰ですから、そのような単一の財の価格問題に金融政策を割り当てるのは不適切、
2.自由な資本移動と変動為替相場を前提にすれば各国は自由な金融政策を用いることが可能ですから、ある1国の金融政策が他国の金融政策を通じて他国の物価に影響を与えるということはありません(逆に金本位制=固定相場制の下、アメリカの金融政策が世界中に引締めの連鎖をもたらしたというのが世界恐慌です)、
ということかと考えます。
相場師的な感覚になってしまうのですが、
>原油価格の高騰ですから、そのような単一の財の価格問題に金融政策を割り当てるのは不適切
余剰資金が一番価格の上がりそうな原油に向かった、という解釈をした場合に引き締めって言うのもありなのかなぁと思ったりします。
今回の上昇くらいでは、それで引き締めをするのはやりすぎでしょうけども。。
2.は理屈としては正しいんでしょうけど、実感としてはなにか違う気がします。たぶん前提がなにか違うんでしょうね。今の僕ではまだうまく説明できません(^^;
>ひろさん
前者はいわゆるバブル問題にも相通じる部分があって、バブルかどうかを中央銀行が判断できるのか、という根本の問題があります(その他副作用の程度とか)。第2次オイルショックに日銀が見事に対応したように、その一般物価への波及があるなら果敢に防止すべきといえるのでしょうけれど。
後者については、その実感がどのようなものかをご教示いただければ、何かしら書けるかもしれません。私の身に余ってわかりませんとしかお答えできないかもしれませんが(笑)。
仕組みとして「自由な資本移動と変動為替相場」はできていると思うのですが、その運用が完全に自由であり、スムーズに変動しているわけではないような気がします。
ゼロ金利や量的緩和政策をしても、この程度の円安しか発生しなかったわけですし。。もやもやの原因はこの辺かなぁ。。
>ひろさん
原油という単一の商品価格の上昇を理由に金融引き締めに転ずるの
が正しいのなら、別に任天堂DSの定価が1万5千円なのにネット
オークションで3万円なのを理由にしたり、六本木ヒルズのアパー
トの賃料が月額200万円だからを理由にしても、別にかまわない
ですよね。僕の原稿料が1300字3万円だったのが5万円に上が
るんだってかまわん。
特定の財価格の上昇が、金融政策の結果なのか、相対価格の変化の
結果なのかも現実には判別しがたいですし、まして持続性を欠いて
将来は不良債権になるような投機的な価格上昇なのか、金融政策が
原因としても一般物価には迷惑かけない範囲での上昇なのか(つま
り一般物価を妥当なインフレ率に維持する一種のコストとして資産
や特定の財の価格が上がっている)は、簡単には分かりません。だ
から、一般物価(その選択も難しいのは事実ですが)をターゲット
にするのが妥当なのです。
>原油という単一の商品価格の上昇を理由に金融引き締めに転ずる
僕そんなこと言ってましたっけ??書き方まずかったかな。
一般物価にエネルギー価格を入れる是非が出発点だったと思いますが。。
>ひろさん
原油も天然ガスも石炭も非常に密接な代替財(こっちが値上がりす
るとあっちも上がる)なので、経済分析ではまとめて一つの財とみ
なす場合が多いです。僕の書いた例も、具体的などの財というよ
り、局所的なというか特定の財グループの価格の変化が全体に波及
しない段階での話。80年の第二次石油危機の時は、先手を打って
金融引き締めしたのが成功ではあったのですが、当時と今では条件
が相当違います。当時は石油などエネルギー輸入のGDPにしめる
割合が非常に高く、その値上がりはすぐに一般物価にはねた。また
まだインフレは割と高めでしたから、期待インフレ率もすぐに上昇
したでしょう。でも、今はエネルギー関係の輸入のGDP比は目茶
苦茶に低く一般物価への波及も限定されているし(実際インフレ率
はエネルギー抜きなら+0.1%どまり)、期待インフレ率もまだ
非常に低い(他の先進国に比べ)
ううむ、なんかまだ話がずれたままのような気が(^^;
輸入インフレを見て、金融引き締めが必要かもしれないってことを書いたのがまずかったかな??
>ひろさん
だから、輸入財の価格上昇が一般物価の上昇に結びついた「ら」金融
引き締めすればいいでしょう?結びつかない段階でなぜ引き締めする
のかわからないと言ってるのだが。
>輸入財の価格上昇が一般物価の上昇に結びついたら
了解しました。
>ひろさん
ご納得いただけたようでなによりです。今後も気軽に書き込んでください。
>銅鑼さま
丁寧なご説明ありがとうございました。