toppage memoranda
(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)
2006-03-24
■ [law][government]電気用品安全法の特別措置の運用
先日問題である可能性を指摘した電気用品安全法の特別措置ですが、その内容についてnakaさんが経産省に直接確認されました。
まずwebmasterが気にしたヴィンテイジ要件は「特定の用途」ではないのではないかとの点ですが、次のようなやりとりだったとのことです。
「当該部分を読む限りでは「特定の用途に使用される」とありますが、「ビンテージ救済措置」では用途が条件になっていないように思うのですが。」(webmaster注:nakaさんのご質問。原文では色で区別されています)
「特定の用途とは「特定の需要」「特定の使用者」等も含みますので、不特定多数の方への販売では無く、所謂ビンテージを使用しなければならない特定の使用者の需要に答える場合救済する事ができると解釈しています。」(webmaster注:経産省担当者の回答。原文では色で区別されています)
さて、ヴィンテイジ要件を改めて示せば次のとおりです。
- 電気楽器、電子楽器、音響機器、写真焼付器、写真引伸機、写真引伸用ランプハウス又は映写機のいずれかであること。
- 既に生産が終了しており、他の電気用品により代替することができないものであって、かつ、希少価値が高いと認められるものであること。
- 旧法(電気用品取締法)に基づく表示等があるものであること。
- 当該電気用品の取扱いに慣れた者に対して国内で販売するものであること。
・・・「不特定多数の方への販売では無く、所謂ビンテージを使用しなければならない特定の使用者の需要に答える場合」とはどこにも規定されていないではないですか! 好意的に解釈すれば第2要件と第4要件を重ね合わせればそうと読めなくもないですが、厳密に解釈するなら第2要件・第4要件はともに使用者の需要には触れていないわけで(第2要件はあくまで電気用品についての客観的状態、第4要件は使用者に関するものではあっても習熟の有無)、自らが作成した公表文書を拡大解釈していると批判せざるを得ません。最初からそういう狙いならそのように書けばいいのに。
なぜこのようなことが起きてしまったのか、これまた好意的に解釈するならそのように書くつもりではあったものの、おそらくは混乱の極みにあるであろう職場環境の中で詰めが甘かったからだと思われます。しかし、実は法体系をきちんと理解していないのではという疑問を抱かざるを得ません。
「ん?ちょいと待った。って事は同じビンテージ電気用品であっても使用者、使用目的が異なれば救済対象にならないのですか?」(webmaster注:nakaさんのご質問。以下「nakaさん」と表記します)
「はい。そう思って頂いて構いません。」(webmaster注:経産省担当者の回答。以下「経産省」と表記します)
「では、元々は救済措置に適合する使用目的だった方が違う目的で使用した場合、その時点で何か違法行為になるって事ですか?」(nakaさん)
「はい。「大臣特別承認制度違反」となります。」(経産省)
「そんなの実際はわからないですし、第一使用目的が何であるのか?どうやって判断するのですか?」(nakaさん)
「売買される時に、契約書、誓約書に順ずるものを締結、提出して頂く事になると思います。」(経産省)
関係する電気用品安全法の規定は次のとおりです。
(販売の制限)
第27条 電気用品の製造、輸入又は販売の事業を行う者は、第10条第1項の表示が付されているものでなければ、電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列してはならない。
2 前項の規定は、同項に規定する者が次に掲げる場合に該当するときは、適用しない。
一 特定の用途に使用される電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列する場合において、経済産業大臣の承認を受けたとき。
二 第8条第1項第1号の承認に係る電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列するとき。
(使用の制限)
第28条 電気事業法第2条第1項第10号に規定する電気事業者、同法第38条第4項に規定する自家用電気工作物を設置する者、電気工事士法(昭和35年法律第139号)第2条第4項に規定する電気工事士、同法第3条第3項に規定する特種電気工事資格者又は同条第4項に規定する認定電気工事従事者は、第10条第1項の表示が付されているものでなければ、電気用品を電気事業法第2条第1項第16号に規定する電気工作物の設置又は変更の工事に使用してはならない。
2 電気用品を部品又は附属品として使用して製造する物品であつて、政令で定めるものの製造の事業を行う者は、第10条第1項の表示が付されているものでなければ、電気用品をその製造に使用してはならない。
3 前条第2項の規定は、前2項の場合に準用する。
ご覧のとおり用途制限に反した使用は第28条で電気事業者等に限って法律違反とされるのみで、その他の者はどのような用途に電気用品を使おうと「大臣特別承認制度違反」になどなりはしません。違反と認定されるとすれば承認の名宛人である販売者ですが、販売した後に購入者が契約書なり誓約書なりで書いた用途以外の用途に電気用品を使ったからといって、販売者の責任など問えるものではありません(裏は取っていませんが、先にこの特例を取り上げた際に紹介した外国人旅行者向けの国内規格未適合品を購入した旅行者が国内で使用したって、販売者の責任を追及しているはずもないでしょう)。
#仮に販売者の責任を問うとすれば、そうした契約書なり誓約書なりを取らず用途を確認せず販売した場合に限られます。
もし経産省の担当者が、使用者が契約書・誓約書に反して用途外使用をしたことをもって電気用品安全法違反を問えると考えているとしたら・・・先に書いたような状況であろうとは察しますし、それは同業者として同情に余りありますが、世間の注目をこれだけ集め、様々な批判を浴びている事柄なのですから、もうちょっと落ち着いてきちんと詰めるべきでしょう。
#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。
bewaad institute@kasumigaseki(2006-03-25)電気用品安全法を巡る経済産業省の迷走 bewaad institute@kasumigaseki(2006-03-24)電気用品安全法の特別措置の運用 興味深いエントリ。 ITmedia +D LifeStyle:中古販売実質容認報道の罠 (1/4) 週末に遊び歩いたりしている最中..
こんばんは。
経済産業省がさらに方針転換を図った模様です。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060324-00000165-jij-pol
しかし「販売」ではなく「レンタル」と看做す、とかますます訳が判らなくなってきてますねぇ・・・・・。
>かめのこだわしさん
本日(3/25)のエントリでも取り上げましたが、周りに流されるまま当事者能力を失っているようにしか見えません。霞が関の雄と謳われていたのは今は昔、ということなのでしょうか・・・。