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2006-03-28

[law][government]電気用品安全法の運用変更と大臣の実権

PSE法の問題に関して国会で精力的に活動を続ける民主党川内博史議員のブログによれば、24日午前の閣議後の記者会見で、二階大臣がすべての中古品を適用除外しないという方針を改めて述べた、とある。あいにくネット上のニュースではこの発言を報道しているものは見あたらなかったが、NHKなど放送メディアでは報道していたはずである。

だがこの日の夕方午後4時15分、リサイクル業者で作る「PSE問題を考える会」の代表である小川浩一郎氏が、経産省と話し合いの結果として、以下の要望が了解されたと経産省で記者会見した。

(略)

そしてその2時間半後、経産省発表として「中古品の販売 事実上容認に方針転換」と大々的に報道が始まることになる。

だが考えてみて欲しい。その日の午前中まで、大臣が方針に変更なしと強弁している事態が、約5時間後には「事実上容認」とマスコミに書かれるまでの方向転換を行なったわけである。

いくら「PSE問題を考える会」といっても、その日にこんにちはーとやってきて3〜4時間話しただけでガラリと変わるほど、政策というのはお気楽なものではないだろう。少なくとも事前に数日間かけて方針が練られていたはずだ。

この方針決定に関して、省庁の大臣が当日の午前中までまったく知らないというのは、いかに大臣というものが機能を持たないものか、呆れるばかりである。

中古販売実質容認報道の罠 (3/4)(webmaster注:強調はwebmasterによります)

電気用品安全法について良質の情報発信を行っていらっしゃる小寺信良さんですが・・・。

例えばある会社が社運を賭ける新製品について、金曜日の朝に社長のインタビューがあってそのときには「そんな話は知りませんねぇ」という受け答えで、株式市場の大引けの後に担当役員が「このたび弊社からこのような新製品を発売いたします」なんていう記者会見を行ったとき、この新製品に関して、社長が当日の午前中までまったく知らないというのは、いかに社長というものが機能を持たないものかと呆れられてしまうのでしょうか?

当然ながら物事の発表のタイミングは、あれこれの事情を考慮して決定されます。そのタイミングに先立って発表事項を口外しないことは、それを知らないこととイコールではありません。本件について二階大臣が閣議後記者会見で触れなかったからといって、それは二階大臣がそれを知らなかったことを示す証拠にはなりません。

おそらく小寺さんがお察しのとおり、数日ぐらいは使って例の対策は練られたはずですが、既に大臣が記者会見や国会で触れていることを考えれば、大臣に無断で決定することは霞が関の常識として考えづらいです。組織人の性ももちろんありますし、大臣になるような有力政治家の怒りを買って得になることはほとんどないというそろばん勘定もあります。

#経産省はかつて通産省時代に熊谷大臣の怒りを買って人事介入を招いた経験がありますからなおさらでしょう。

本当に閣議後会見の際に知らなかったとすれば大臣は当然「お前たちは俺に嘘をつかせたのか」と激怒することは必定で、そのような事態を避けるためにも、大臣に決断を仰ぐ際には「この決定の公表のタイミングですが、実は『考える会』の代表が金曜日に来るので、その際の協議で方針転換したと発表したいと考えています。ですから、その前の閣議後会見では方針転換については言及しないで下さい」とすり合わせておくのが官僚のたしなみ。大臣によってはそんなピエロはいやだという人もいるでしょうけれど、相手に花を持たせた方が収まりやすいですとかなんとかいって説得すると。

#閣議は定例として毎週火・金の朝にあり、その後の記者会見はどの大臣も行っています。

小寺さんほどの方にして、大臣は官僚のお神輿に過ぎず実権はないのだというステレオタイプにとらわれていらっしゃるとは悲しいものです・・・嘘です。いまさら嘆くほどわが業界に対する冷たい視線に慣れてないはずもなく。むしろ本件に関する対応を見るに、単に無能で上記のような気配りを欠いていて、大臣に上げたのが本当に直前だったのではとの疑いをwebmaster自身が抱いてしまうことの方がよほど悲しいのです(笑)。

#このエントリは、以下の一連のエントリの続編です。

  1. 電気用品安全法のPR
  2. 電気用品安全法反対運動の1つのあり方(マニュアル編)
  3. 電気用品安全法反対運動の1つのあり方(解説編)
  4. 電気用品安全法に関する小寺さんの提案
  5. 電気用品安全法の特別措置
  6. 旧電気用品取締法における中古販売の取扱い
  7. 電気用品安全法の特別措置の運用
  8. 電気用品安全法を巡る経済産業省の迷走

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