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2006-04-09
■ [economy][media]毎日新聞の理想国家は・・・
まずは社説から。
不況で失業者が増え、パートやフリーターでしか仕事がない。そんな状態が長く続いた結果、格差が拡大してしまった。格差が生じにくくするには、景気が過熱したり、激しく落ち込んだりしないようにすべきだ。
毎日「視点 格差社会考・蓄財しなくてもすむ社会にしたい」(4/7社説)
タイトルが不安を掻き立てるわりには無難な書き出しです。毎日のことですからデフレ下で凍り付いて変動しなくなった景気を理想としているのではという懸念もありますが(笑)。
そこで、逆に仕事の中身を点検し、非効率・不採算の分野を整理して、仕事の質や効率を高めることにより経済を改革するという考え方が出てきた。
その際、仕事が効率的に行われているのかをちゃんと判定しないと困ったことになる。しかし、そんなことができる人は、政治家にも官僚にもいそうもない。そこで、判定は市場の役割ということになった。
(略)
ただ、市場の判定と言っても、詰まるところ株価であり、株で大もうけをした人たちがいて、その他の人はそのおこぼれにすがるという仕組みとも言える。
毎日「視点 格差社会考・蓄財しなくてもすむ社会にしたい」(4/7社説)
市場の判定というのは提供する財やサービスが売れるかどうかというのが基本であって、市場の判定=株価というなら業況が好調なのに株価が低迷したゆえに破綻した企業がどれだけあるか、それが流動性リスクを顕在化させた例が考えられないわけではありませんが、あったとしてもごく少数でしょう。といいますか、この程度の見識に基づいて市場メカニズムを批判していたのですか?
しかし、金持ちほどお金をためるのが好きだから、お金が滞留しがちだ。その結果、消費が増えず不景気の原因をつくりやすい。株式市場が経済の中心となるため経済のカジノ化の問題も起こる。
毎日「視点 格差社会考・蓄財しなくてもすむ社会にしたい」(4/7社説)
高額所得者の限界消費性向(所得の増加に伴って消費が増加する割合)が低額所得者のそれに比べて低いのは事実ですが、消費されない分=貯蓄は投資に必要な資金を提供するわけで、全員が宵越しの金を持たない方が望ましいなんてトンデモな議論は聞いたことがありません。金持ちが多いと「消費が増えず不景気の原因をつくりやすい」って、証明できたら日本人初のノーベル経済学賞受賞間違いなしですな(笑)。
景気の変動を小さくし、投機によって経済が大きく揺さぶられるような事態が起こらないようにするには、お金をため込まない社会という考え方もありうる。
お金をためなくてもやっていける社会にすれば、消費不足による不景気や、投機が引き起こすバブルも発生しにくくなるはずだ。
毎日「視点 格差社会考・蓄財しなくてもすむ社会にしたい」(4/7社説)
貯蓄せず所得の全額を消費に回すと、所得の変動がすべて消費の変動に反映して景気の変動が大きくなることぐらいわかりませんかねぇ。好景気の際には金利が上昇するので貯蓄しよう(=消費を減らそう)とか、不景気の際には所得が減少したので貯蓄を取り崩して消費を増やそうとか、そういった動きがあることぐらい少しは想像してくださいまし。
とはいえ、機会の平等や自己責任にはどうもしっくりしないものを感じる。周囲との調和を重視する中で形成されてきた日本の風土に、自己責任や自己救済はそぐわないと思うからだ。
抜きんでた金持ちにならなくても、出世や見えといったちょっとした欲望が満たされれば、それなりに満足するのが日本人なのではないかとも感じる。
毎日「視点 格差社会考・蓄財しなくてもすむ社会にしたい」(4/7社説)
若干脱線ですが、根拠のない思い込み日本人論乙。
機会の平等、自己責任というが、投資や投機による利殖に血眼になる社会より、蓄財しなくてもすむ社会を目指すべきだ。
毎日「視点 格差社会考・蓄財しなくてもすむ社会にしたい」(4/7社説)
以上の論説、好意的に解しても共産主義社会を目指す提言ですし、冷静に解せばチラシの裏に書くべき妄言でしかありません。こんなものを書いて給料をもらい、かつ読者から金を取るのですからいいご身分ですね(笑)。
他方でこの前日にはこのような記事も。
福祉作業所「ふれんどりぃ」(埼玉県北本市)の知的障害者27人は、全員が保険業法の規制を受けない無認可共済の「やまびこ互助会」(会員約5200人)に加入している。
宮本修さん(22)は肺炎でたびたび入院する。安い掛け金で済む互助会の給付金が家計の助けだ。母きみ子さん(50)は「保険会社には、障害者というだけで加入を断られた」と言う。
その互助会が昨年4月の保険業法改正で、保険専門スタッフをそろえるよう迫られている。金融庁は「共済の財政を健全化し、消費者を保護するため」というが、事務局は「掛け金収入のほとんどが人件費などに消えてしまう」と心配する。
金融庁は04年1月、一枚の要望リストを添え、無認可共済への規制を金融審議会に諮った。リストは保険の業界団体や米国が総合規制改革会議(宮内義彦議長)に提出した要望の抜粋だった。最も強い表現を使ったのは「すべての共済に保険会社と同一の規制」を求めた米国。背景には共済にシェアを奪われる危機感がある。
(略)
その前年の秋、共済をめぐる動きがすでにあった。在日米国商工会議所(ACCJ)が政府に規制を求め、米国の対日規制緩和要求リスト「年次改革要望書」にも盛り込まれていた。
毎日の理想は共産主義でかつ排外主義というと・・・冷戦下のアルバニア?
ちなみにこんなことを言う毎日だって、それが正しいなら外資の走狗になってしまうのですが(笑)。
無認可共済
不特定多数の人たちに対して営業活動を行う保険業と異なり、共済は限られた会員や組合員を対象に、出資した基金で医療費や葬儀費などを共済金として支払う組織。規制法や監督官庁があるJA共済や全労済などの認可共済と異なり、無認可共済には規制法も監督官庁もなく、販売方法や共済金の支払いなどを巡り、苦情や相談が増加している。
毎日「ニュースな言葉 無認可共済」(2004年6月9日)(webmaster注:強調はwebmasterによります)
毎日は相変わらず支離滅裂ですね。0金利解除や量的緩和解除に賛成しておきながら、蓄財しない社会を目指すというのは矛盾だと気付かないんでしょうかね。金利上げれば貯蓄したがる人が増えるのはわかりきったことですし、
量的緩和で金融機関に資金を大量に供給しておけば、預金がなくても貸出は成り立つはずですから、0金利と量的緩和を続けることこそが蓄財しない社会への第一歩のはず。
あと社説のリンクが違う記事にリンクされているようですが、こっちhttp://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20060407ddm005070040000c.htmlでは?
>○さん
まったく。仮にも「エコノミスト」という名前を冠した週刊誌を発行
している会社の社説がこれとは・・・ ZAKZAKのモモイロ欄で
も眺めているほうがマシですな(嗤
「金持ちほどお金をためるのが好きだから、お金が滞留しがちだ。その結果、消費が増えず不景気の原因をつくりやすい。」
というのは、お金持ち以外の人が、最低限度の消費も出来ない収入の社会を想定しているんでしょうね。
この場合は、分配を変えて低所得者にお金を回すと全額消費になりますから。
逆の言い方をすれば、ギリギリの生活をしている人から、お金を取り上げて、お金持ちに渡すと、消費は減りますね。
でも、その場合、貧困層は借金して、最低限の消費はするんでしょうけどね。
で、貧困層は、債務奴隷階級に落ちていくわけです。
ああ、資本主義とは恐ろしい……と、毎日様は言っております。
私は政治的志向については保守本流ともいえるこちらの皆さんとは見解を異にしていますので、毎日でも例えば「この国はどこへ行こうとしているのか」のようなシリーズは高く評価しています。しかしいざ経済関連の話になるとこうもトンデモなのには本当に脱力してしまいます。もっとも、産経がクオリティの高い経済論陣を張っているわけでもないので、左派というよりは日本のジャーナリズム全体の病理なのでしょうけど。
>○さん
まったくおっしゃるとおりで。経済学部卒が社内にいないわけではないでしょうに、と思うのですが。
リンクミスのご指摘ありがとうございました。訂正いたしました。
>銅鑼さま
我が国には他にも「経済」を冠した新聞もあったりしますが(笑)。
>西麻布夢彦さん
ならこくさいきょーそーりょくのために所得・法人税減税とか、増税なら消費税だとか、そういったことは言ってないでしょうね、と確認しないと(笑)。
>アルベルトさん
私はともかく、コメントいただく方々にはそれほど明確な政治的傾向は表れていないのではないでしょうか?
ちなみに産経はID(インテリジェントデザイン)論を取り上げたりしていまして、経済だけでないようですよ、記事のレヴェルの問題(笑)。
理想国家とは 具体的にいえば 簡単明瞭である
それは 無税国家の実現だろう
諸悪の根源は 税金にある。
これが理解できなければ 新世紀は訪れない。
>オカダ スエヒロさん
ということですと、康煕帝や乾隆帝治下の支那人は理想国家で暮らしていたということになりますね。うらやましいことです。