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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)
2006-09-07
■ [politics]親王殿下ご誕生‐2006年自民党総裁選・その2
#これまでの関連エントリについては、2006年自民党総裁選indexをご覧下さい。
なぜこのニュースが自民党総裁選に関係あるのか、という感想を持たれる方も多いと思いますが、これで安倍総裁への最後のハードルを越えたな、と。もちろん、皇室典範改正問題との関係で。
#皇室にとっての意味合いは、既に別途エントリがあります。
昨年、webmasterは今回の組閣で一番割を食ったのは明らかに安倍官房長官でしょう。というのも、閣外にいれば担がれやすいので取り込んだということもありますが、それ以上に、官房長官は総理の盾となる身ですから自分の主張は殺すことが求められ、したがって彼独自の見解として支持を集めていた主張(北朝鮮への経済制裁、人権擁護法反対など)を引っ込めざるを得ないどころか、それに反する政府公式見解を述べなければならないからです
と書きました。
皇室典範改正問題についてもこれは当てはまり、仮に小泉総理が母系天皇を容認する改正法案を提出する場合には、自らの信条やコアな支持者の指向に沿って反対を貫き更迭されるか、それとも小泉総理に従いコアな支持者の離反や前言を翻したとの批判を甘受するかという危うい選択を迫られたわけです。秋篠宮文仁親王妃紀子殿下のご懐妊はそんな安倍官房長官にとってはまさしく天佑で、これによって皇室典範改正の気勢がそがれたわけですが、今から思い起こすならこの問題が最大のピンチだったということになります。
とはいっても、仮に新宮様が内親王殿下であったならば、やはりこの問題は再燃せざるを得なかったでしょう。小泉総理がどのような発言をするかといった波及を含め、新宮様の性別は安倍官房長官にとって残された最大の不確定要素だったわけです。それがこのような結果となるとは、安倍官房長官の敬虔さを嘉した皇祖皇宗のご加護ではないかと。webmasterのような不信心者の予測が外れるのも無理はありません(笑)。
しかしこのままでは、30年程度もすれば同じ問題が蒸し返されるでしょう。まして現世代のように皇太子殿下・文仁親王殿下と2人の父系を継ぐ者がいるわけではないので、より深刻な話となります。その頃に世論がどうなっているかはわかりませんが、仮に現在と似たようなものであれば、父系維持・母系許容のいずれも国民的コンセンサスは得られないでしょう。その点、もし学習院界隈で噂される今上陛下の聖断が万が一にも真実であったなら、その慧眼たるやまさしく現人神の末裔といえましょう。えっ、噂って何だって? そりゃ加茂さくr[deleted for security reasons]
■ [economy]日本のNAIRUは3.7%?
これが日銀試算だったりすれば、必死だな(笑)、ということなのですが。
目先のインフレ期待がはげ落ちて物価連動債相場が低迷するのは理論通りの動きとも言える。ただ、日本が今後、安定成長を続け「失業率が3.7%程度まで下がれば、物価が加速度的に上がる可能性はある」(ドイツ証券の安達誠司シニアエコノミスト)との指摘もある。原油高などのインフレリスクがゼロになったわけではない以上、長期保有を前提とすれば物価連動債は意外に買い場なのかもしれない。
日経金融「ポジション/物価連動債、CPIが翻弄/ヘッジファンドが解消売り」
NAIRU(Non-Accelerateing Inflation Rate of Unemployment)の推計値にはさまざまあり、その中には4%近くのものもありますから、当該推計値が的中している可能性はある=「失業率が3.7%程度まで下がれば、物価が加速度的に上がる可能性はある」ということではあります。でも、安達さんご自身が、NAIRUがその程度だろうと推測されているわけではないですよね・・・?
■ [law]「貸金業法」という名称
#これまでの関連エントリについては、グレーゾーン金利撤廃(出資法上限金利引下げ)問題indexをご覧ください。
上限金利引下げの法改正に際して、「貸金業の規制等に関する法律」の名称が「貸金業法」に変わるとの報道について、branchさんが次のような整理をされています。
なお、記事末尾のように新たな制度を盛り込むとはいえ、高利貸しという汚い業に対する規制という本質は変わらないはずで、であるならば、題名に含まれる「規制」の語を削るべきではなく、実態からはむしろ「取締法」とでもすべきではないか。…と、心情的には思うけど、当局としてはきれいな業界になったor なることが見込まれるという整理なんじゃろか。
これについては、webmasterは2つの疑問があります。1つは、業法はすべて何らかの規制を含むものですから、「規制」の語の有無でそれほど意味は変わらないのではないか、というものです。もう1つは、「○○業」を位置づけてその合法的運営を前提とするのであれば、取締法と冠することと語義矛盾をきたすのではないか、というものです。
まず、「規制」と付することについてですが、「○○業の××に関する法律」の類を抜き出すと次のとおりです(法律名の後の括弧書きは法律番号。例えば「H18-68」は平成18年法律第68号)。
- 探偵業の業務の適正化に関する法律(H18-68)
- 自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律(H13-57)
- 商品投資に係る事業の規制に関する法律(H3-66)
- 遊漁船業の適正化に関する法律(S63-99)
- 抵当証券業の規制等に関する法律(S62-114)
- 有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律(S61-74)
- 貸金業の規制等に関する法律(S58-32)
- タクシー業務適正化特別措置法(S45-75)
- 有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律(S26-135)
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(S23-122)
法令検索の結果から手作業で抜き出したものですから、漏れもあるかもしれませんが、「○○業法」という名称の法律は37あり、類似のものとして「○○業に関する法律」というのも3つあることと比較すると、やはりどちらかというと例外的存在であるように思われます。やはりwebmasterの考えたように、わざわざ「規制」を付す必要はない、というのが一般論ではないでしょうか。
ただし、branchさんのお考えにも一理あると思えるのが、「規制」を付す法律は大概社会問題を受けて制定されたものだからです。
- 貸金業の規制等に関する法律
- 昭和50年代に「サラ金」が社会問題化したことを受けて制定。
- 有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律
- 投資ジャーナル事件を受けて制定。
- 抵当証券業の規制等に関する法律
- 昭和61年に抵当証券商法(カラ売り、二重売り)が社会問題化したことを受けて制定。
これら金融関連(商品投資に係る事業の規制に関する法律の名称は、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律との並びでしょう)以外では、「規制」と付されているのは風営法ということになりますから、感覚的な話ではありますが、職業に貴賤あり、といった雰囲気を感じさせる名称であるということではないでしょうか。
次に取締法ですが、全部抜き出すと次のとおりです。
- 国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(H3-94)
- 郵便切手類模造等取締法(S47-50)
- 銃砲刀剣類所持等取締法(S33-6)
- 預金等に係る不当契約の取締に関する法律(S32-136)
- 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(S29-195)
- 麻薬及び向精神薬取締法(S28-14)
- 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う国税犯則取締法等の臨時特例に関する法律(S27-113)
- 覚せい剤取締法(S26-252)
- 肥料取締法(S25-127)
- 火薬類取締法(S25-149)
- 毒物及び劇物取締法(S25-303)
- 農薬取締法(S23-82)
- 大麻取締法(S23-124)
- 貨幣損傷等取締法(S22-148)
- すき入紙製造取締法(S22-149)
- 印紙等模造取締法(S22-189)
- 臘虎膃肭獣猟獲取締法(M45-21)
- 紙幣類似証券取締法(M39-51)
- 国税犯則取締法(M33-67)
- 通貨及証券模造取締法(M28-28)
- 明治17年太政官布告第32号(爆発物取締罰則)
こちらはやはり、「『禁止すべき行為』+取締法」といった構成ですから、webmasterの予測が正しかったと言ってよいと思います。業者であろうがなかろうが取り締まるぞ、ということでしょう。グレーゾーン金利の根拠法である出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律においても、本則で高金利貸出しを一律禁止した上で、(改正法の)附則で貸金業者の例外を定めるという体裁ですし。
#しかし、branchさんほどの方にして、「高利貸しという汚い業」というご認識なんですねぇ・・・orz。
■ [science][economy]「ニセ経済学フォーラム」ってのはなしですかねぇ?
「ニセ科学フォーラム東京」が9月2日午後、東京目白の学習院キャンパス内で催された。このイベントはすでに8月26日に、京都の同志社女子大学今出川キャンパスでも行われている。
予定をオーバーする申込があり、約160人が会場を埋め尽くした。フォーラムの趣旨は、「具体的なニセ科学を例にしながら、ニセ科学が跋扈するのはどうしてか?どうニセ科学と向き合うとよいのか?騙されないセンス、リテラシーを育てるには?などを一緒に考えませんか」というもの(呼びかけ文より)。
13時30分、学習院大学理学部物理学科の田崎晴明教授の司会により始まった。
1)ニセ科学と科学技術リテラシー(左巻健夫 同志社女子大学)
2)『水からの伝言』のニセ科学(菊池誠 大阪大学)
3)「マイナスイオン」どこがニセ科学か(小波秀雄 京都女子大学)
以上の順に意見が表明され、最後にフロアとの活発な意見もかわされた。参加者は、小学校から大学院までの理系の教員、研究機関所属の研究者、技術者が多いように思われた。
まねをするなら、
- ニセ経済学と経済学リテラシ
- 「不良債権問題」のニセ経済学
- 「年金破綻」どこがニセ経済学か
なんていうプログラムになるでしょうか。しかし、もし開催したところで、「小学校から大学院までの社会科の教員」は集まらないでしょうから(現代社会や政治経済の専任は少ないでしょう)、あまり盛り上がらず継続も期待できないような気も・・・。
ところで、この記事を書いた江口征男記者も、実は「ニセ」なところがあるのではないかと。
最後に、菊池誠さんは「金スマ(TBS系TV番組)で、人気歌手の倖田來未が「水からの伝言」を肯定的に紹介した。そんなことされてはかなわない。こっちは、マナベカヲリかしょこたんにでもやってもらわなきゃ対抗できない」と結論をつけた。
―――――
筆者コメント:(略)
※真鍋かをりか、中川翔子かというなら、筆者はマナベがイイ。理由は趣味の問題(笑)。
JanJan「真摯な科学者達「ニセ科学フォーラム」報告」(webmaster注:強調はwebmasterによります)
名前を間違えるとは、「ニセ眞鍋ファン」ですね(笑)。
みのもんたが司会を務める「朝ズバッ!」で、昨日今日と大きく取り上げた話題の一つ
はじめまして。安達と申します。毎日楽しく拝見させていただいております。また、拙著を度々取り上げていただきありがとうございます。さて、ご批判(冷汗)のNAIRUの件ですが、「弊社公式見解」と考えてください(冷笑)。仮に完全失業率が3.7%になったとしても、そこからコアCPI上昇率が1%や1.5%に上がっていくというのは真面目に考えればおかしい話です。せいぜい、上がって0.6〜0.7%程度でしょう。ということは、上方バイアスを考慮するとまだデフレな訳で、そこからフィリップス曲線が立ってくるとは実際問題として考えにくいです。では、真のNAIRUはどうか?ということですが、残念ながら、私なりの「精緻な」推計値は現在持っておりません。それについてはそろそろ真面目に取り組もうと考えております(現在は、bewaadさんに以前、ご指摘いただいた戦後日本経済の政策レジーム転換について考案中です)。何らかの形で発表したいと思いますのでしばしお待ちください。ところで、日銀はNAIRUの推計値などを持っているのでしょうか。そのような考えはすでに放棄してしまっているような気がしてなりません(としても、完全失業率が3.7%に到達する前に景気が失速してこの手のインフレ率上昇話はイリュージョンになってしまう気がしますが)。
お久しぶりです、ろじゃあです。
講学上の問題とか行政の枠組みでのお約束なのかはわからないという前提ですが、今回の「貸金業規制法」→「貸金業法」という構図は、議員立法→内閣提出法というながれとリンクしたものではないかと思っておりました。
今までは金融庁としても監督官庁なんですけど議員立法だったので「好き勝手できない」ところがあったと思うのですが、今後は金融庁の所轄の法律としてやっていきまっせ・・・ということなのではなかろうかと。
ですから位置づけとしては「銀行法」とかと同じ業法ということなんでしょうねえ。
今回の動きは、いろいろな意味で興味深く、やっぱり霞ヶ関と永田町というのはろじゃあみたいな素人さんが伺え知れないことがたくさんあるのかもしれないなあと改めて思っているところでございます。
また寄らせていただければと・・・
>安達誠司さん
ご本人にお越しいただけるとは想像もせず、思わず気に留めた記事をエントリに起こしてよかったなぁと感激しております。引き続きよろしくお願いいたします。
NAIRUの相場観は、ご案内のとおり私は自力で推計できるようなスキルを持ち合わせていませんが、素人なりにインフレ率と失業率を眺めていても、もう少しでそこに達するとは思い難いなぁという気がしております。日銀では、ぐぐってみたら次のワーキングペーパーが見つかりましたが、マイナスのNAIRUで理解をあきらめました(笑。BOJへの皮肉ではなく、真に手に余るな、と)。
http://www.boj.or.jp/type/ronbun/ron/wps/kako/cwp02j08.htm
最後になりますが、私の思い付きが考案のきっかけとなったとは、大変光栄です。サイトを運営している中で指折りのうれしさです。取り上げていただきありがとうございました。
>ろじゃあさん
こちらこそご無沙汰しております。精力的な諸エントリ、いつも楽しく拝読しております。
さて、ご指摘の件ですが、私も最初「規制法」は議員立法、「業法」は閣法ということを考えたのですが、エントリで掲げた抵当証券や投資顧問が閣法でしたので、その線はあきらめました。貸金が前例をつくったので、ということも考えてみましたが、「業」と付く法律は数多く、漏れなく「業」+「規制」の有無を確認するだけの気力もわかず、貸金が初出とは言い切れなかったので忘れることにしました(笑)。
なぜ閣法になったかは、多分全文改正をやるんじゃないかと思います。全文改正は事実上廃止・新法と同じですから(ご案内かと察しますが、法律番号も新しくなります)、議員立法は閣法で改正せず、という原則に違反しないのじゃないかな、と。これで一部改正法だったら恥もいいところです(笑)。
しかし、特例を巡っては、後藤田大臣政務官以上に、与謝野大臣の他人事めいた態度(私もそれほど必要かと疑問に思っている、といった類の発言)は、下で仕えていたら腹立つだろうなぁ(笑)。一般論であって本件がそうでないというならいくらでも訂正しますが、これだけ話題になっている問題を部会にかける際、大臣の領海も得ずに事務方判断でやることなんて考えられませんから。
ニセ経済学じゃなくて、本物経済学の良書を1冊紹介します。
満員御礼!経済学なんでもお悩み相談所 西村和雄著
http://www.amazon.co.jp/dp/453219332X/249-5312458-4140319
奥さんは何故働かないのか?
モラルハザードが原因だそうです。いや、確かに。
>鍋象さん
amazonの書評を見る限り、説明の仕方ないし全体の構成に工夫があり、類書との差別化ができているようですね。文庫というのもいいんじゃないでしょうか。