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2006-09-27
■ [politics]安倍政権閣僚等人事についてのあれこれ‐2006年自民党総裁選・その11
#これまでの関連エントリについては、2006年自民党総裁選indexをご覧下さい。
マクロ経済政策の展望
- 財務大臣
- 尾身幸次
- 経済財政政策担当大臣
- 大田弘子
- 総理補佐官(経済財政)
- 根本匠
この連載の「その1」において、ベスト・グッド・バッド・ワーストの4パターンを展望してみたわけですが、期待を込めてグッドに準ずる布陣ではないか、と現時点では見ておきたいと思います。尾身財務大臣は、かつて党税調に対抗して経済活性化税制議連を立ち上げたように、財務省的な価値観にそれほどシンパシーを持っていないので(商工族ですし)、急激な引締めリスクはそれほど高くはないように思います。希望的観測かもしれませんが(笑)。
#尾身財務大臣となった理由は、一に論功行賞、二に先ごろ報道に出ていた法人税減税に積極的、ということではないかと。
大田経済財政政策担当大臣と根本総理補佐官は、デマケ(担当の境界)がどうなるかが気になります。「経済財政」の四文字が完全に重複していて、どのような役割分担になるのかが不透明です。素直に考えるなら、諮問会議を中心とした政府内対応が大田大臣、与党内対応が根本大臣ということになるのでしょうけれど。
それぞれの政策指向については、大田大臣はいわば「竹中チルドレン」で、その官僚嫌いを色濃く受け継いでいる印象が強いのですが、政策の中身については、竹中前総務大臣の二面性‐構造改革を称揚するサプライサイド重視と、デフレを問題視するディマンドサイド重視‐のいずれを、あるいは双方を受け継ぐのか、よくわかりません。何となく前者であるような危惧は抱いていますが・・・。
根本補佐官については、次のご認識を今なおお持ちであることを願うばかりです。
一方、金融・財政政策では、一層の量的緩和策が重要。日銀は、自分の庭先だけを掃き清める近視眼的な政策を改め、物価安定目標(プライスレベル・ターゲティング)の設定など、政府と一体となってデフレ退治に全力をあげるべきである。
#ところで、イノベーション担当大臣って何やるんでしょうかねぇ?
官邸・各省庁関係
先に大田大臣と根本補佐官のデマケが(現時点では)不明確だと書きましたが、総理補佐官のほとんどは同様の状態にあります。
- 小池総理補佐官(国家安全保障問題)と麻生外務大臣、久間防衛庁長官
- 中山総理補佐官(拉致担当)と塩崎拉致問題担当大臣、麻生外務大臣
- 山谷総理補佐官(教育再生)と伊吹文部科学大臣
重複するなら「小さな政府」に反するでしょうし(笑)、分けすぎると相互調整が大変であるように思うのですが、このあたりをどのように捌くのかは当面の課題でしょう。官房長官が黒子に徹して調整を一手に引き受けるというのは一つの解法ですけれど、塩崎長官はそのようなキャラでもありませんし。これまでの流れとしては、総理補佐官が総理の威光・信認を背景に主導権を握ることが予想されます。
サプライズ@霞が関
二橋前官房副長官の更迭(といっていいでしょう)と的場新官房副長官の就任が最大のものだったでしょう。ちょうどbranchさんが故後藤田正晴議員の、官房副長官は旧内務省系がよく、財務(大蔵)省系は強くなりすぎるので不適当だ、という見方を紹介されていますが、その財務省OBの登用ということで、旧内務省系、とりわけ更迭を喰らった旧自治省系の内心はいかばかりかと。同じ旧内務省系でも、旧厚生省系は江利川内閣府事務次官に次の脈があるので比較的心穏やかでしょうけれども。
ちなみに更迭の理由ですが、やっぱり在上海日本総領事館員の自殺問題ですとか、皇室典範改正問題で新総理の意を相当程度損なっていたことが大きかったのでしょう。霞が関の一般の評価としても、調整力に欠ける上、何かと出身母体である旧自治省に肩入れする(とりわけ三位一体改革関係)と低かったので、あまり弁護の声もなかったのでしょうし。
ちなみに閣僚人事に対する霞が関の評価ですが、アンケートをとったわけでもないのであくまでwebmasterの想像ではありますが、概ね好評ではないのかな、という気がします。とりわけ、
- 副大臣から持ち上がりの菅総務大臣
- 引き続いての麻生外務大臣
- 小泉政権では官房副長官として手堅い仕事振りだった長勢法務大臣
- 前任時代に沖縄問題で苦楽をともにした久間防衛庁長官
- 少し前までの政策統括官から事実上の持ち上がりの大田経済財政政策担当大臣
といったところは、多くの官僚が歓迎しているのではないでしょうか。逆にガクブルしていそうなのは・・・同業者諸氏、コメントプリーズ(笑)!
シスの復讐
branchさん情報によると、高橋洋一さんが例の公募枠で官邸入りとのこと! 一番ガクブルしているのは日銀だったりして(笑)。
大田大臣を霞ヶ関が歓迎しているのは、若い頃から各種審議会の委員として重宝してきたからですか。それとも、与しやすしとみているからでしょうか。少なくとも竹中大臣ほどの強引さはないと思いますし、諮問会議のまとめ役としては力不足かと思いますが。
在職後期の大田さんは如才なく役人やバッチ組等々と仕事をしていた印象がありますね。本心ではメチャクチャ官僚が嫌いだったとしても表面上はニコニコと調整されておられたと思います。
傍若無人な民間議員と霞が関の間を上手く取り持っておられたのではないかと。
大臣の器量は未知数ですが、存外飄々とこなされるかもしれません。
経済産業副大臣に衆議院議員の山本幸三さんが就任したようです。
今回の閣僚人事にはかすりもしないかな、と心配していただけに大変うれしいです。
http://www.nikkei.co.jp/neteye5/shimizu2/20060926ne99q000_26.html
こういう記事を読むと安倍政権は意外とリフレ的な政策をやるのかもしれませんね。就任前は利上げで消費拡大とかの電波記事がありましたが、与謝野や谷垣のような増税派を外し、根本補佐官や中川幹事長などの金融緩和を唱える人を登用したのを見れば、そういう変な政策はされずにすみそうで安心しました。
なんか、あまり頭良さそうに見えないし(それならそれで正しいブレーンに頼れれば問題ないけど)、かなりシバキ主義に阿った感じにかなり不安だったんですが、意外とあべしまとも?
はじめまして。
多分bewaadさんが想像している、ガクブルしている省庁のうちの一つの住人ですが、与党手続きをした全てを知っているということは役所として強みでもあり弱みでもあり。
ただ、振り付けにくい、という意味では前大臣と一緒なのですが、意味するところが全く違うのが恐ろしくも感じます(笑)。
どう耐え切れるのかが不安です。
なんというか、予想外にまともな組閣で安心しました。論功と言われながらも安定した組閣をこなせたのは安倍さんの手腕なんでしょうかね?
ま、官邸主導で振り回される事にはなりそうですが目指す方向が同じなのであればそれもまた楽し、と言うことで。
>e-takeuchiさん
ミスリードな書き方でごめんなさい。あくまで各大臣を長にいただく府省庁にとっては、ということで書きました。したがって、エントリの趣旨は、大田大臣を内閣府の面々は、気心が知れているし無茶な方針転換もなかろうと歓迎しているのではないか、ということです。
霞が関全般としては、竹中流の手法を踏襲するのではと、若干の緊張をもって見ている、といったところかなぁと思います。
>unknownさん
「民間議員と霞が関の間」でなく「民間議員と内閣府事務方の間」のような気がするのは私だけでしょうか(笑)。
○さんがご紹介の、そして本日(28日)のエントリで取り上げた清水さんの記事にあるように、総理なり官房長官なり根本補佐官なりのバックアップの程度が、今後の諮問会議運営に大きく影響するのだろうなぁとは思っています。
>jonenさん
もう少し選挙に強ければ、大臣であってもおかしくないんですけれどもねぇ・・・。とりあえず着実に職務をこなして、今後につながるよう祈っております。
>〇さん
そのあたりも含め、「グッドに準ずる」と書かせていただいたわけですが、期待が実現するよう願うばかりです。
>nuffyさん
とりあえず経済政策に関して申し上げるなら、文教政策よりよほど安心できそうですね(笑)。
>○省の住人さん
お書きになられたことから察するに、ああ、あそこだろうなぁと思いつくところはあるのですが、もしそれが正解なら、新大臣は最近はキャラが変わってきているように思いますので、案外お仕えしやすいんじゃないでしょうか、という気はします。それより、部会をどうするかが心配なような(笑)。
>同業者さん
ごく一部、他から同情の目で見られそうな役所もありますが(笑)。
名指しですいませんが、総務省って菅大臣歓迎なんですか?前が前だっただけにというのはあるかもしれませんが、ああいう信念ありきの人はあまり歓迎しないところのような気がするんですが。自分は霞ヶ関の住人じゃないので実際のところは定かではありませんが・・・
文教政策も文部科学大臣に下村博文氏や山谷えり子氏が就任なんてことにならなくて、やや安心かも。w
あとは安倍首相や塩崎官房長官が教育統制に走りがちなこの両人をどう押さえるかでしょうね。
一番のガクブルは案外厚生労働省かもしれませんね。コストカットの嵐が吹き荒れるかも。w
◆ bewaad (2006-09-28 05:50)さん
http://bewaad.com/20060927.html#c12
>文教政策よりよほど安心できそう
文教政策は最低、ということなら同意。しかし、小泉内閣は最悪と思っていたらその上(じゃなくて下か?)を行くあべし内閣でガクブル。orz
経済政策でリフレてくれても戦争でご破算になったらそれはそれで最悪なので、ひたすら神頼みモードになっております。(-人-)
>アルベルトさん
総務省は寄り合い所帯なので、それぞれ意中の人はいるのかもしれませんが、よっぽど副大臣として変でない限りは、現状の延長線上は無難だと受け止められると思います。よっぽど変かどうかは、コメントを差し控えたいと思いますが(笑)。
>Baatarismさん
某官房副長官や某総理補佐官については、おそらくは現実がそうなるように官邸でなんちゃら会議を含め勝手に暴れられるのがよいのか、それとも大臣として迎えて日々苦しむ代わりに接触は可能である方がよいのか、文部科学省にとっては究極の選択かも(笑)。
厚生労働省にとっては、当面の課題は社保庁(ねんきん機構)をどうするかでしょうから、官僚出身である柳沢大臣は話が通じるとして比較的好意的ではないかと思います。むしろ、世間受けのみを重視するような人の方が困るんじゃないでしょうか。
>BUNTENさん
けんかを吹っかけられるような軍備ではない(こちらだけでなくあちらも)ので、戦争の懸念はそれほど高いわけではないとは思ってます。戦争が起こるときには、そういう合理的な判断が得てして吹っ飛ぶものですが。
いやぁ、たとえ戦争にならなくても、経済"制裁"というか見せしめ禁輸レベルでも貧乏人には被害が大きいので、仲良くしてくれよぉ、とか切実に思います。m(_@_;)m
何度もコメントしてしまい、申し訳ありません。
各部会とも部会長になれるような人材の不足は以前から明らかなわけで、殊更うちの部会が問題だ、というわけではないと思います。
前の大臣よりは色々と楽にはなったようですが、周辺の騒がしさといったら、前の大臣とは比べものにはならないようです。
それで国会止めても役所は責任を負いきれないんですよねえ。。。
>BUNTENさん
そちらより、無業者は徴農だとかいう方が社会に与える悪影響は大きそうで・・・っていうのが、まったくシャレになっていない官邸人事でしたが(副長官&補佐官)。
>○省の住人さん
部会を仕切る人間の不足という一般的傾向に加えて、郵政解散において主要幹部が軒並み離党&新大臣だけでなく、もう一人の主要部会メンバーも党の要職に就き部会とは距離が離れざるを得ない、という今回の人事における固有の事情があり、少なくとも現時点では各部会の中でもっとも先行き(どちらかというとロジ面ですが)が不透明なのかな、と思いました。
補足
書き忘れましたが、同じような目にあった党税調は、与謝野・町村両議員の幹部就任で、サブがどうなるかはさておき、ロジ的には不確定要素はなくなったと思います。他方でそのようなことはなかなか期待しづらいのかな、という気がします。
なお、コメントは遠慮なくご自由にどうぞ。大歓迎です。
ベストシナリオの山本幸三さんは副大臣になられましたね。安倍さんの人事を見るに、小泉さんは何だかんだいって党内の幅広い意見に配慮してきたのだなあ、と今更ながらに気付かされます。安倍内閣は面白みのない人事だなんていわれていますけれども、これほど方向性の明確な内閣が作られたことは小泉政権ではなかったことではないでしょうか。
小泉内閣では、目玉人事の他は、この人をここにおいて何を狙っているのかよくわからない、ということが多かった。でも今になってみれば、多様な意見を内閣の中に取り込んで、バランスを取る、綱引きをさせる、そんな意図があったように思います。首相が靖国に非常に目立つ形で参拝しつつ、二階さんが訪中したりしたことは、一見内閣の迷走のようでいて、人事の段階で仕込まれたオートバランサーが予定通りに作動した結果だったのではないか。
安倍内閣はこの点で小泉流を明確に捨てており、たいへん興味深いところです。
ところで安倍政権といえば外交と安全保障に注力するものと予想されていたのに、人事を見る限り、安倍政権の方針が最も明確に打ち出されたのが経済政策だというのが面白いですね。経済閣僚の人選はもちろん、厚生労働大臣人事も財政絡みという按配。外交は河野グループに丸投げ。大臣に加え副大臣まで河野グループ。防衛も長官と副大臣が津島派。総理大臣である自分自身に明確な意見があるから、それでいいということなのでしょうかね。
> 人事を見る限り、安倍政権の方針が最も明確に打ち出されたのが経済政策だというのが面白いですね。
だとするなら、これまで巷間で散々「安倍は経済に弱いから不安だ」と言われて来たのも、強ち無駄ではなかったと言うことでしょうか。結果がどっちに転ぶかはともかく。
>徳保隆夫さん
小泉人事と安倍人事の違いについては、ご指摘と同様の分析をかみぽこさんがなされていましたね。
で、方向性が一番はっきりしているのは、私は文教政策だと思うのですが、いかがでしょうか。与謝野前大臣も税調会長ということで、おっしゃるような路線がそれほど経済政策において明確なのか、疑問の感があります。
>中山さん
ご指摘の結果については、世間受けに左右されるのではないか、という今後の運営についての心配をする必要はありそうです。
安倍政権は政権内にはバランサーがないですが、党の方に中川秀直という強力なアンカーがいるという感じがしますね。
今のところは安倍首相と中川幹事長の意見が一致していているようですが、これがずれ出すと経済も外交も教育も波乱含みとなるでしょう。中川氏はこんなことも書いてますし。
http://www.nakagawahidenao.jp/pc/modules/wordpress0/index.php?p=288
↑のリンク先
>美しい国の土台としての衣食が足りてきた今、
いあ、私、衣食が危機に瀕しておるんですが。orz
>いあ、私、衣食が危機に瀕しておるんですが。orz
同じ部分に同じような感想を抱いてしまいました(^^;
bewaadさんの“みんな死んでしまう前に”という言葉が、身にしみます…。
>Baatarismさん
個人的には、中川幹事長は世論に組する方だと考えていますので、世の風向きが変わってもなお今の路線を貫くかといえば、そうではないように思います。今は、安倍政権の「幅」を広げるためにそのようなスタンスをとっているのでは、という気も(逆に言えば、その狭さが世間受けを妨げている面があると観察しているのかな、と)。
>BUNTENさん、kさん
全体の評価ですから、例外があったら誤りかといえば、そういう批判はできないのかな、と思います。景気が悪化すれば、またぞろ「足らぬ足らぬは改革が足らぬ」になるのでしょうし、そうした指向が問題だと認識しています。
美しいヒトとしての土台に欠ける状況が何を意味するかは、近々転落日記に出る予定っす。orz
>BUNTENさん
コメントからはずれてしまいますが、最新エントリを拝読するに、弁護士のクレサラ問題への取り組みの偽善性が明らかになりますよね。そもそもサラ金からお金を借りなければならないような状況にしないようにすべきところ、それじゃあ商売にならないというのは、それ自体は理解できますが、なら偉そうなことを言うなと。
弁護士にも得意不得意があるだろうからたまたま当たった人がその手のサービスを請けていなかっただけ、という可能性もあるわけで、即断は避けます。
また、弁護士も商売なのは事実です。私としては、そんな儲かりそうもない仕事はやらないと言ってくれるとか、もっと言うと、福祉事務所が"お前みたいな役立たずは死んでくれた方が国のためだ"とか言ってくれるとかいうことを期待しますね。同じ死ぬにしても、無駄死によりはお国のための方がなんぼか気持ちがいいじゃないですか。(それでも、戦争で誰か殺して死ねっつーのはイヤですが。)
>BUNTENさん
単に成功報酬で引き受けます、でいいと思うのですけれどもねぇ・・・。また、法テラスとやらが大々的に打ち出されてますが、その程度のことはとっくにやっていてしかるべきだろうと。
>成功報酬で引き受けます
恐い考えになってしまった。
実は、弁護士が交渉しても成功の可能性がほとんどなかったりするとか。orz
>BUNTENさん
おそらく行政との交渉を任せても成功の可能性は低いと思いますが、訴訟で争った例はあまりないと思いますので(見込み違いであれば失礼ですが)、そちらに持ち込めば芽があるかもしれません。
もちろん訴訟は長い時間とそれに比例する費用が必要ですので、金持ちほど使いやすいという制度であって多くの人にはハードルが高いのですが、それこそ弁護士同士で金を出し合って基金を作り支払能力のない人間の費用を負担するとか、そういった制度を作ったらどうか、とは思います。