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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)
2006-10-16
■ [economy]続・サラ金にノーベル平和賞を!
#これまでの関連エントリについては、グレーゾーン金利撤廃(出資法上限金利引下げ)問題indexをご覧ください。
前回のエントリについて、池田信夫さんから次のような論評をいただきました。
追記:マイクロファイナンスをサラ金と混同する人もいるが、ここで書いたように、グラミン銀行のシステムは村落共同体を基礎にしているので、都市では機能しない。むしろ日本の問題は、伝統的な相互扶助システムが崩壊したのに、そういう感覚で安易に親戚の連帯保証人になる人が多いことだ。日本では、もう関係依存型ファイナンスが成立する条件はないので、こういう「人的担保」についてもルールを厳格化すべきである。
「高利貸しが最貧国を救う」(@池田信夫 blog10/15付)
#名指しはされていませんが、リンク先が当サイトの前回のエントリです。
読み手がテキストをいかように解しても読み手の自由ですから、池田さんにとって混同であるというならばそれはそうなのでしょう。しかしながら、読者の多い池田さんの言葉が独り歩きするとすればさびしい気もしますので、改めてエントリの趣旨を整理し、webmasterがグラミン銀行の事例とサラ金とを混同しているのか、それとも共通する何かを見出したのか、どちらなのかについての皆様の判断の材料を提供したいと思います。その上で、webmasterの主観と池田さんの評価のいずれが妥当か読者のご判断に委ねたいと思います。
前回のエントリでwebmasterが書いたことをまとめるなら、次のとおりです。
- グラミン銀行がバングラデシュの既存の資金供給者よりも貧困層に対して低利資金を融通できたのは、連帯責任の導入により貸倒損失の圧縮に成功したことが一因である。
- 同様の効果は、日本において批判の多いサラ金の連帯保証や団体信用生命保険においても生じており、それらがなかったとすれば、より高金利での資金融通(上限金利規制下においては供給の縮小)につながったはずである。
- したがって、グラミン銀行が高い評価を受けるならばサラ金もそれなりの評価を受けるのが整合的で、よくあるサラ金の高金利と連帯保証等を同時に批判することは矛盾している(矛盾しないのは、リスクに見合わない高いリターンを確保している場合に限る)。
混同とおっしゃるのはこの2番を指してのことでしょうけれども(3番も?)、ここでは同じ考え方で整理可能だとしているだけで、同じものだなどということを申し上げているわけではありません(もっともわかりやすい証拠としては、連帯保証のみならず団体信用生命保険について言及している点です)。念のため、当該部分を再掲します。
事業性金融のグラミン銀行に対する消費者金融のサラ金という違いはありますが、この議論の本質は日本に持ってきても同じことです。サラ金の連帯保証や、最近話題になったものとしては団体信用生命保険は極めて評判が悪いのですが、それらなくしては買い取り価格はより低いものにならざるを得ませんでした。上限金利規制がなければもっと金利が高かったということになりますし、上限金利規制のしたでは借りられないということになります。グラミン銀行がノーベル平和賞を受賞できるなら、同様に相対的に低金利での資金供給拡大を可能とするスキームを考えたサラ金だってノーベル平和賞を受賞したっていいじゃないか、というのは一面の真理は含んでいるのです。
サラ金にノーベル平和賞を!(10/14付)
同じ考え方で整理することと同じことだと考えることの違いは、それによって誤りを導いてしまうかどうか、ということでしょう。日本の連帯保証とグラミン銀行の連帯責任はバックグラウンドが同じだ、としてしまえば池田さんご指摘のように同じでないのですから混同による誤りです。他方で、それぞれが持つ貸倒損失を減らすような仕組みは金利を下げる効果がある、というのは混同ではないわけです。それを受けての考察について、例えば上記で言えば3について、それはおかしいといった批判はあり得るでしょうけれど、混同というのとは筋が違うでしょう。
例えばスポーツにおけるオフサイドというものを考える際、サッカーにもラグビーにもオフサイドの反則はあるわけですが、ラグビーにおいてボールを持つ選手より敵ゴールに近いところ(=オフサイド)にいる選手が動かなくても、パスの受け手にならない限りオフサイドの反則にならないとするのは、サッカーのオフサイドルールとの混同により生じる誤りです(ラグビーにおいては、オフサイドにいる選手はオンサイドに向かって移動しなければなりません。オフサイドにいる選手がパスの受け手になることは、オフサイドの反則以前にスローフォワードに該当します)。
しかしながら、いずれも敵味方がつばぜり合いを繰り広げる場所を作り出すという効果は同じではないか、という主張をすることについて、サッカーとラグビーのオフサイドルールを混同しているとの指摘は当たりません(その主張に対する別の批判はあり得るにせよ)。ここまでが2番に相当しますが、まして3番、例えば、オフサイドの反則があるからこそ単調なロングボールの供給合戦にならず面白いんだよね、という部分についてはなおさらでしょう。
#オフサイドの話を出したついでに脱線しますと、フットサルやバスケットボールにおいてオフサイドの反則がないのは、その明確な説明を寡聞にして見たことがないのですが、ルール上認められるパスにより稼ぐことが可能な距離に比してコートが狭いため、オフサイドの反則をとらなくてもコート全面が「つばぜり合いを繰り広げる場所」になり得るからではないか、と思ってます。
■ [misc]セーラー服と短機関銃
演技力への評価はともかく、これまでルックスについては他の同年代女優と比べ好みというわけではなかった長澤まさみですが、金曜日のセーラー服と機関銃にて、学校で堤真一らを迎えるシーンの壊れた眼鏡が斜めになっている顔はよかったなぁ・・・。
それはさておき本題ですが、冒頭に流されたシーンでの「機関銃」の乱射、どうみても機関銃(マシンガン)ではなく短機関銃(サブマシンガン)でした。見た瞬間はMP40かな、と思ったのですが、ぐぐってみると薬師丸ひろ子主演の映画版ではM3だったとのこと。原作は未読ですが、こちらもそうだったのかな、両者の違いが見ただけでわかるほど知識もないし、そもそも原作の設定がそうなのかな?
・・・などと考えながら、先のMP40のリンク先(Wikipedia)をよく見たら、「エルマ・ベルケMP40短機関銃の登場するメディア作品」として、セーラー服と機関銃(2006年版)
との記述が。webmasterの鑑定もまんざらではないなぁといいますか(ほとんどまぐれ当たりですが)、仕事が早っ!
ちなみに、今クールは今年一番のドラマ豊作だと思いますが、初回を見た限りでwebmasterが最も期待するのは嫌われ松子の一生です。まだ初回を迎えていない話題作としては、今日ののだめがありますが、好みで言えば上原美佐が出ますし(笑)、主役に上野樹里というキャスティングは大いに期待を膨らませてしまいます。でも、番宣を見る限り、過剰にマンガ風の演出をしていそうでちょっぴり不安。
bewaad さんのところでアレはどういう経緯で手に入れた機関銃なのかという話題があった後に一応買っておいたのを帰省の帰りの電車で読みました。 セーラー服と機関銃 作者: 赤川次郎 出版社/メーカー: 角川書店 メディア: 文庫 映画もテレビドラマも原作もちゃんと見たこと
グラミン方式が高返済率を達成できるのが果たして「連帯責任」によるものなのかどうかは実は議論の余地があります。重箱隅の話をしても仕方がないので詳細は省きますが、「連帯責任かどうかは返済率に(したがって結果的に金利レベルにもということになると思いますが)影響を与えない」という研究結果も存在します。
まだよくわかっていない部分ですし連帯責任が重要だと言われることも多いのも確かなので、あれやこれやの研究を知っていることをもってbewaadさんのエントリが間違いだと主張するつもりは毛頭ないのですが、「そういう話もある」ということでご紹介しておきます。
調子に乗ってもう一言書きますと、グラミン型のファイナンスが都市部で成功している例もたくさんあります。したがって、「都市では機能しない」という池田信夫さんの主張も的外れです(笑
僕も見た瞬間こんな古い物を…と呟いてしまいました>MP40
最近のコンパクトなサブマシンガンだとタイトルから感じられるような違和感が醸し出せないからなのでしょうか。どういう経緯であんなもの持ってるのか気になります。そういえば昔ゴルゴ13でモサドのスパイがMP40持ってる絵があったのですがあれも気になる…
少々、間が悪いようです。
こういう事実があると、無理の有る立論に底意を感じてしまいます。
http://www.asahi.com/national/update/1014/OSK200610140090.html
旧大蔵・財務幹部ら23人、消費者金融5社に天下り
大手消費者金融5社に、業界を監督していた旧大蔵省と財務省の
官僚OB23人が役員や顧問として天下り、うち4社に5人が現在も
在籍していることがわかった。旧大蔵省銀行局長や印刷局長など
本省の幹部経験者のほか、業界を監督する全国の財務局の元幹部も
含まれている。
大手消費者金融の関係者は「監督官庁の天下りを受け入れることで
パイプをつなぎ、銀行から安定的に融資を引き出せた」と話している。
フットボールのオフサイドの概念は、ボールより前でプレイしたかどうかの違いです。
漫画風の演出ですか。
のだめの家がかもされててA・オリゼーやA・ソーエたちが舞っていたらフジを褒めてやるんですが。
池田先生の該エントリーは拝見していたのですが、まさかリンク先がbewaadさんになっているとは気づいていませんでした。
アルベルトさんがもうお書きになっていますが、NYのような都市部でも貧困層への金融にマイクロ・ファイナンスのモデルを用いる試みは行われてるようですし、肝心なのはバングラディッシュで成功した要因のうち、何が普遍的なもので、何が個別性なのかを分析した上で、それを諸条件の違う社会に移植することが可能かを検討することですから、グラミンのもたらすインプリケーションを日本的に解釈することは不思議ではないと私も思います。
バスケットはオフサイドルールを排除するためにその他の要素が設計されている、という話を聞いたことがあります。まあコートの狭さやプレイ人数の少なさが主因なのは間違いないでしょう。
のだめ、漫画読んでないのに言うのもなんですが、1クール完うできるのかすごく不安な仕上がりに見えますけど…。
上野樹里つぶしor玉木宏つぶしの陰謀に違いない…。
>アルベルトさん
ご教示ありがとうございます。もし連帯責任が期待貸倒損失額に影響を与えないなら、どういう仕組みで低金利を達成しているのかは、非常に面白い研究テーマだと思います。
あと、池田さんを弁護するなら、ある種の共同体性が必要だとのご主張でしょうから、そうしたものが存在する都市部であれば、そこでのマイクロファイナンスの成功は反例にならないと思います。
>rnaさん
原田知世主演のテレビ版ではXM177E2を使っていたようで(Wikipeida)、あんまりきちんとした設定に基づくものではなさそうな気がします(って、原作を読まずにこれ以上適当なことを言わない方がいいかも)。
>そういえば昔ゴルゴ13でモサドのスパイがMP40持ってる絵があったのですがあれも気になる…
イスラエル独立直後には、緊急に兵力を整えるためチェコスロヴァキアからBf109G(の現地生産版)を買ったぐらいですから、その際に同じように買った、とか(笑)。
>通り・・・さん
>無理の有る立論
とおっしゃられるのであれば、どこに無理があるのかをご説明いただいた方が、建設的な議論につながるでしょう。
ちなみに、仮に私が霞が関の利益に迎合しているとするなら、一天下り先業界の言い分よりも、金融庁の言い分にこそ賛意を示すのが自然だと思いますが。
>つばめレディさん
何をもって「プレイ」とするか、というところに競技の差が現れているのではないでしょうか。サッカーであれば、ボールより敵ゴール側にいても、そこで動いてスペースを作るのは「プレイ」でないと判断されるわけですが、ラグビーでは違いますし。
>cloudyさん
虫とキノコで止っていたので、お褒めにはあずかれないようです(笑)。
>47thさん
私も最初は気付かなかったのですが、ひょっとして、と思いカーソルをあわせてみて気付きました(笑)。
>yunoさん
最初はオフサイドルールがあったようですので、なくすに当たっていろいろと工夫がなされたのだと思います。
ところで、プレイ人数の少なさよりも、面積あたりのプレイ人数の多さが意味を持つのかな、と思ってます。
>一国民さん
初回を見ましたが、思ったよりは漫画風演出も目に付かず、まずは無難な立ち上がりかな、という気がしました。どこにクライマックスを設定して1クールの構成を考えるかが鍵でしょうねぇ。
>「連帯責任かどうかは返済率に(したがって結果的に金利レベルにもということになると思いますが)影響を与えない」
私がバークレーで参加したセミナーの報告ペーパーがちょうどそのテーマに関するものでした。
http://aida.econ.yale.edu/karlan/papers/GroupversusIndividualLiability.pdf
要はあまり厳しい連帯責任を課すとそれを嫌って優良な貸し手が退出していってしまい結局高金利の場合と同じような逆選択が起きてしまうのではないか、ということのようですね。とりあえずご参考まで。
>梶ピエールさん
情報提供ありがとうございます。だとすると低金利を可能とするのは何なのかな、というのが気になりますが、とまれ、読んでみたいと思います。