toppage memoranda
(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)
2006-10-21
■ [economy]続・名目成長率あれこれ
規制改革・民間開放推進会議
安倍晋三首相の規制改革に対する考えについては、「規制改革なしで(安倍首相が目標とする)名目3%以上の経済成長はあり得ないと思っている」と指摘。「(同会議が)経済成長を高め、歳出削減をサポートするための一翼を担う」と述べ、規制改革にも取り組む経済財政諮問会議と連携していく考えを示した。
産経「草刈議長 初の規制改革会議/"宮内路線"を継承」
記事中の発言は草刈議長のものですが、その肩書きを考えれば、このような発言をするのは(賛否はさておき)理解可能です。「規制改革は経済成長率の高低にかかわらず意味のあることであり、マクロ経済とは切り離してミクロ経済の観点から着実に実施していきたい。なお、規制改革なしでも名目3%以上の経済成長は容易に達成可能であり、政府・日銀には速やかなその実現を強く要望する」なんてことを言うような人間であれば、そもそも任命されないでしょうし。
しかしながら、こうした認識が日々マスメディアで報道され、「常識」として世に流布していくのは残念でなりません。こんな場末のblogで異議をさしはさんでも、蟷螂の斧でしかありませんし・・・orz。
伊藤隆敏先生の発言の整合性
──安倍首相は、1%台後半とされる潜在成長率を上回る名目成長率3%超も可能だと言うが。
「改革やイノベーション(技術革新)をしっかり進めれば、名目で3%成長も不可能ではない。射程内にある」
東京「"新生"経財諮問会議 民間議員に聞く/東大大学院教授 伊藤隆敏氏/グローバル化がカギ」
これまた、名目3%なんて楽勝さ、なんてことを公言するようでは民間議員にはなれないでしょうから、お立場を察しないわけではないのですが・・・。
"パッケージの中におけるインフレ目標政策の役割はどういうものかと言えば、まずインフレ目標として2年後にインフレ率を1〜3%にすような金融政策を行うという宣言を日本銀行が行い、これは3ページ目にありますが、これに対して政府もコミットメントを与えるということが必要になってくると思います。
第12回 ESRI-経済政策フォーラム/「インフレ目標政策を巡って」議事録における伊藤隆敏東京大学教授(当時)の基調講演
そもそも潜在成長率が1%台だという点をwebmasterは肯んずることができないのですが、それを受け入れるとしても、平均2%のインフレ率をそれに足せば名目3%を超えるわけです。諮問会議において唯一インフレターゲティングの導入を主張する伊藤先生の足を引っ張るのは近視眼的な態度だとは頭では理解しつつも、こうした発言が後々インフレターゲティングの導入の支障にならないかという懸念がぬぐえません。
具体的には、いよいよ諮問会議でインフレターゲティングについて議論をしよう、という提案を伊藤先生がされる際に、四人会のような裏の場で、「インフレターゲティングの導入を真正面から議論すると、『改革やイノヴェーションを進めてようやく名目3%成長が可能だ』と先生がおっしゃっていたのは嘘だったということになりますが、どう釈明されるつもりですか」なぁんてことをささやかれて日和ってしまうような危険性があるのではないか、ということです。
「嘘も方便だ」と開き直ることができるのであればいいのでしょうけれど、それはそれで、リフレ政策の推進を願う立場からはうれしいものの、そうした言い訳が許されない職で口を糊している身としては、うらやましさもありますが、どうしても嫉妬といいますか、アンフェアな取扱いに対する怨念のようなものが心の中に生まれることを抑えられないのが正直なところです。いや、厭なら辞めればいいだけのことですけどね。職業選択の自由はあるわけですし・・・。
#今にして思えば、竹中前大臣への「嘘」についての批判もこうした昏い衝動に突き動かされてのものだったような気がします。かくも悟ることができないとは、まさしく凡夫なるかな。
日経新聞・日本経済研究センター共催の景気討論会
次の4名(webmaster注:日経記事の掲載順)によるものですが、一部の良質な意見と、メディアの多数派が同居するものでした。
- 深尾光洋日本経済研究センター理事長
- 木内登英野村證券金融経済研究所シニアエコノミスト
- 丹羽宇一郎伊藤忠商事会長
- 吉冨勝経済産業研究所長
以下、日経の記事より、内容についてのwebmasterの主観的評価の順に発言を紹介したいと思います。昇順か降順かは読んでからのお楽しみということで(笑)。
木内シニアエコノミスト
「政府が成長を目標に掲げたとたんに歳出削減が緩み、バラマキ政策が復活するリスクがある」と懸念を表明したのは木内氏。安倍晋三首相の指導力で各省庁や族議員などの歳出拡大圧力を抑えることを課題に挙げた。
(略)
政府と日銀の関係を巡っては、木内氏が「新政権の閣僚らは日銀に厳しい顔ぶれが増えた」と語り、利上げを抑え込む動きが出かねない点に懸念を表明。(後略)
日経「本社討論会/景気「いざなぎ」超え持続/来年度の実質成長率2%前後予測」
マスメディア上での最大公約数的な意見と言えるでしょう。
丹羽会長
丹羽氏 今回の景気は底が深かったので回復をなかなか実感できない。大企業製造業中心の回復で、所得や消費が伸びていないためだ。価格が継続的に下落するデフレ状況からは脱し、むしろ不動産などのバブルを警戒しないといけない。
日経「本社討論会/景気「いざなぎ」超え持続/来年度の実質成長率2%前後予測」
あのグリーンスパンですら事前に判定は不可能とするバブルを警戒できるとは、さすがはカリスマ経営者ですね(笑)。
これに呼応する形(webmaster注:この前に、後で引用する吉冨所長のTFPに関する発言が紹介されています)で丹羽氏は「医療、物流、介護分野などの規制改革で産業が広がり、成長することをいまシミュレーションしている」と明かし、サービス産業の規制改革を諮問会議で議論する意向を示した。
日経「本社討論会/景気「いざなぎ」超え持続/来年度の実質成長率2%前後予測」
こんな無茶なシミュレーションをやらされている内閣府の中の人の苦労がしのばれます。規制改革で生産性が向上するかどうか、するとしてどの程度なのかについての詰めをすっ飛ばして、規制改革により○%生産性が向上した場合には、という筋書きになるんじゃないでしょうか。
(略。先の木内シニアエコノミストの引用部の後半に続いて)丹羽氏も「金融政策が政府の政策と整合性を持つのは当然だが日銀の独立性は尊重したほうがいい」と同調した。
日経「本社討論会/景気「いざなぎ」超え持続/来年度の実質成長率2%前後予測」
仮に伊藤先生が諮問会議でインフレターゲティングの導入を持ち出した場合、それに対して反対する可能性も否定できないコメントです。今後の発言には注意しておくべきかもしれません。
深尾理事長
深尾氏 GDP(国内総生産)ギャップが解消し、景気は回復から拡大局面に入りつつある。雇用情勢は良くなり、設備投資も底堅さが続くだろう。しかし物価上昇率は1〜2%という望ましい水準より低く、日本経済が正常な姿になったとはいえない。まだ緩和気味の金融政策が必要だ。
日経「本社討論会/景気「いざなぎ」超え持続/来年度の実質成長率2%前後予測」
1〜2%という水準は若干低すぎるようにwebmasterは思いますが、とはいえ現状が低すぎるとの見解を表明したのは深尾理事長のみです。ただ、GDPギャップが解消という見方は、潜在成長率の相場観に不安を感じさせます。
深尾氏 私も景気の後半戦があると思う。リスクは円高だ。景気を支えているのは円安で、リスクを克服できれば、あと何年かは2%弱の成長を続ける実力はある。
日経「本社討論会/景気「いざなぎ」超え持続/来年度の実質成長率2%前後予測」
円安効果を正しく評価している点はよいのですが、「2%弱の成長を続ける実力」=潜在成長率が2%弱ということでしょうか?
深尾氏 06年度の実質経済成長率は2.4%、07年度は1.8%と潜在成長率並みの水準を予想する。円相場は07年度に1ドル=110円ぐらいまで円高になっていく可能性がある。
日経「本社討論会/景気「いざなぎ」超え持続/来年度の実質成長率2%前後予測」
やっぱりそうでしたorz。
吉冨所長
吉冨氏 企業の利益率が高まる一方、ここ3、4年に起きたのは賃金デフレだ。グローバル経済下の世界的な傾向といえる。景気回復は通常、離陸する飛行機の前輪のように企業部門が先行して上がるが、今回は所得、消費の離陸が遅れた。日本の潜在成長率は2〜2.5%と考えればよく、その前後で成長を維持していくことが課題だ。
日経「本社討論会/景気「いざなぎ」超え持続/来年度の実質成長率2%前後予測」
昨日来、もっとも高い潜在成長率推計ですが、経済学者の常識とされる数字なのですから、もっと広まってほしいものです。2%を割り込むなんてことはトンデモとして扱われるべき話なのですが・・・。
「全要素生産性の倍増計画を」と提案したのは吉冨氏。池田内閣時代の「所得倍増計画」になぞらえ、首相が掲げる「成長なくして日本の未来なし」の意味を分かりやすく示す数値目標の一例として助言した。「全要素生産性」は技術革新などで説明される広い意味の生産性。好況につなげた米国の例を挙げ、「生産性の低いサービス産業の規制改革」を求めた。
日経「本社討論会/景気「いざなぎ」超え持続/来年度の実質成長率2%前後予測」
文言を表面的に捉えるならば、絵に描いた餅ということになるでしょう。政府が全要素生産性(以下、TFP(Total Factor Productivity)と呼びます)を高めようとして高められるならば、いつまで経っても貧困から抜け出せない発展途上国問題なんてものは存在しません。
しかしながら、リフレ政策実現のための方便と考えると、実はなかなかうまい立論ではないかという解釈が可能です。からくりは、TFPの計測方法です。
TFPの計測はなかなか困難で、これといった決定版があるわけではありませんが、その有力なものの1つとしてソロー残差、というものがあります。実際に実現されたGDP成長率から、労働生産性と資本生産性を差っぴいた残り(=残差)がTFPであるとするもので、ソローというのはこの考え方を編み出した経済学者の名前です。
このソロー残差については、
1990年代のわが国では、ソロー残差として計測される全要素生産性(TFP)の成長率は大きく低下した。しかしながら、標準的なソロー残差には技術進歩以外の様々な要素が混入していると考えられるため、これをもって1990年代に技術進歩のペースが減速したと考えるのは早計である。本論文では、(1)収穫逓増と不完全競争、(2)資本と労働の稼働率変動、および(3)産業間における生産要素の再配分をコントロールした「修正ソロー残差(purified Solow residual)」を推計することによって、1973〜98年にかけての日本経済の「真の」技術進歩率の計測を試みた。その結果、1990年代のわが国で技術進歩率が減速したという証拠はほとんど、あるいは全く見出されなかった。また、稼働率の低下と、規模の経済効果が小さい産業に生産要素が集中的に配分されたことの両者が、技術進歩とは無関係なTFP成長率低下を引き起こしたことがわかった。本論文で得られた結果は、「失われた10年」の原因を技術進歩の停滞に求めるリアル・ビジネス・サイクル理論的な見方に疑問を投げ掛けるものである。
ディスカッション・ペーパー・シリーズ 2004-J-26/日本経済の技術進歩率計測の試み:「修正ソロー残差」は失われた10年について何を語るか?(要約)
という指摘がなされているわけで、つまりは稼働率が上昇したり、規模の経済効果が大きい産業に生産要素が集中(=当該産業において多くの雇用が確保されたり、盛んに資金調達がなされ(て設備投資がおこなわれ)たり)すれば、修正されざるソロー残差は大きくなるわけです。これらは一般に好況であれば生じる話ですから、リフレ政策によりマイルドインフレ下での名目5%以上成長がなされれば、ソロー残差が拡大=TFPが向上したという説明が可能になります。
したがって、表舞台では規制改革だ、と騒ぎつつも、裏では計画達成にはリフレ政策ですぜ、と売り込むというのは、なかなか捨てがたい妙手のように思われます。本来は名も得てしかるべきではあれど、とりあえずは名を捨てて実を取り、名の回復は後世の評価に委ねるというのは、次善の策として考慮するだけの価値があるのではないでしょうか。
#伊藤隆敏先生も、実はこの路線だったりして。
■ [media]メディアへの対応についての改心
「失敗をゼロにする」のウソ(飯野謙次)より。
まあ、3を選ぶ人は少ないと思うが(現実では頭に血がのぼって気づいたら罵ってた、という人はいるかもしれないが)、ロワはなにも疑わずに2だと思ったが、正しい答えは1である。質問: あなたの会社が不祥事に巻き込まれ、報道記者のインタビューに答える羽目になりました。やりとりの中で記者が同じ質問を繰り返しました。さて、あなたはどうしますか。
- 同じ答えを返す
- 言葉を変えて説明する
- 「君はバカか」とその記者を罵る
同じ質問に違う答えをする人は、「毎回違う答えを返してくるのは、事実をごまかそうとしているのだろう」と思われてしまうから、なのだそうだ。
2を選ぶというのは、「相手が先程の説明で理解できないのであれば、別の説明でなんとか分かってもらおう」という気持ちからだが、相手がいかなる説明でも理解しない場合は仇になるというわけだ。
しかし、本当に恐ろしいのはその後で、
中には意地悪な記者がいて、わかったのにわざと同じ質問を繰り返して、「ごまかそうとした」と書き立てる可能性もあるとのことだ。
言われてみればそうだが、性悪説の立場で取材に来る相手に、性善説の立場で説明すると最悪になるというパターンだよね。すると、こちらも性悪説の立場で説明しないと危険だということだ。
「親切が仇になる瞬間」(@Francis Drake Briefing Room10/19付)
webmasterも、何の疑問も持たずに2の対応をしていました。それではダメだったんですねぇ・・・。これからはちゃんと1でやっていかないと。
これまで、記者ブリーフ等の場において1の対応をする上司のバックベンチにいたようなとき、「その説明じゃ通じないんだから他の言い方しなきゃダメだろう」なんてことを思っていたりもしたのですが、よくわかっていない若輩者の勘違いでした。ごめんなさい。
警察の取り調べでも、何度も同じことを聞かれるらしいですね。答が違うとそこから「嘘をついているのではないか」と追求されるといいます。
立場を変えると、相手が嘘を吐いている可能性を量りたいのは当然ですから、こういうやり方を一概に否定はできないのかもしれません。しかし「本質的に同じことを言葉を変えて説明している」場合と「本質的に異なることを答えて(しまって)いる」場合とを弁別できる程度の知性と、最初から悪意を持って報道しようとは考えない程度の誠意くらいは、取材者には持っていてもらいたいですね。
個人的には、記者ブリーフィングの資料なんかもwebに出してしまって、分かっている人ほどマスコミ記事なんて読まない、という空気を作り出してしまえと思います。前途は多難でしょうが……
私なら、「いまおこたえしたとおりです」とこたえそうなきがします。
商売上、正解は1だと思います。記者が同じ質問を繰り返すと、普通の人なら「この記者は分かっていないのかな」と善意の解釈をし、別な言い方による丁寧な説明を試みるものですが、説明を変えると得てして余計な事を言ってしまってドツボに陥りやすいです(笑)。私の知る歴代総裁では、松下総裁は想定問答をひたすら繰り返し、完璧な答弁でした。これに対し、福井総裁のサービス精神溢れる答弁とは、すなわちスケールアップした2のパターンタイプで、それゆえ雑音が多い、というわけで。bewaadさんもいずれブリーフィングする立場になられるのであれば、ご注意を。
ミクロ政策なんて実効あるものなんか出てくるはずもないわけです。
もちろん維持すべき社会的規制をはずしたり、必要最低限の再分配
まで止めると言ったものが出てくる懸念はありますが、それ以外は
単なる言葉の遊びと数百億円どまり(それも官民合わせて)の事業
規模のヨタでしょう。
つまり、TFPだろうがなんだろうが、結論として「成長なくして
改革なし」という価値判断の逆転に持ち込めれば、あとはどうせあ
る種のリフレ政策しか残らない(笑)で、公約実現しようとすれば
それを実行せざるを得なくなるのでは?
参議院選挙を小泉フィーバーなしに乗り切ることで頭が一杯なのが
与党執行部でしょうから、それなりにマトモな政策が出てくるのか
もしれませんよ(苦笑)
それに最悪でも3%成長の邪魔するなら、某中銀は今度こそ抵抗勢
力認定ですしw
ども、わざわざお取りあげ頂き恐縮です。
でも、こうして「お互い性悪説」で行くということは、レクする側と記者とは決して win-win の関係が結べない、ということなんですよね。まあ、マスコミの方相手に性悪説で説明するのは平気ですけど、それ以外の善良な市民にもしも性悪説で説明したりすると、悪い意味で「役人的答弁」と言われる訳で、そっちの方が痛いような気がするのですが。相手を見て1と2を使い分けるようなこともできませんし・・・・
「同じ質問」なら、間違いなく1で答えますね。webmasterさまと逆の立場で、私が某地方局へ行くときもそうです。担当官からの質問に対し、同じ回答を出せるように事前にペーパー作って行きます。このペーパーは社内で事前に廻しておきます。
同じことを、違う事例なり状況なりをあげて質問された場合は、ちょっと考えて回答する、あるいは持ち帰って回答するようにしていますが、「同じ質問」なら問答無用で1です。
つい半年前までは名目3%成長=堅実な前提、4%成長=ラッキーパンチというコンセンサスがあったのにいつの間にか成長戦略がないと名目3%も厳しいってなってるんだからこれは日本橋界隈の謀略ではないかと。それにつけても新成長戦略って中身ないですねー。訳あって中身を概ね見たんですけど、コピペだらけ。ある意味、予算要求事項の一覧でそれも継続ダマばかり。こんなのからTFPあげろーっていうのもやくざな話ですわ。
>とーにゅーさん
>個人的には、記者ブリーフィングの資料なんかもwebに出してしまって、分かっている人ほどマスコミ記事なんて読まない、という空気を作り出してしまえと思います。
マスコミ報道の影響力に比べるとまだ微々たるものでしょうが、
ネット上ではそうしたweb上の公開資料を参照する人は徐々に増えていると思いますよ。やはり官民の各団体の情報公開は必要ですね。ブロガーとしてのbewaadさんもそうした資料を使って話をされているわけです。
今でもたまにグーグルニュースで政党や官庁のリリースが掛かってくることがありますが、ああした資料がマスコミの記事並にもっと掛かってくるようになると面白いのですがね。
それにしても単に頭が悪いのか、それとも意図的に誤答を引き出そうとしているのか、「官僚的な答弁を繰り返す人間」という絵が撮りたいだけなのか、記者さんには疲れる人が多そうですねえ。いったいあの業界ではどんな躾をしているんだか。
「簡単! 2だろ」と思った私がバカでした。
まあ、そのブリーフィングがどのような性質のものであるのかにもよるのでしょうが、例えば不祥事案であれば、1・2・3いずれの対応をとっても結果にそう違いがあるとは思えません。
日ごろからクラブの記者と懇意にしていたとしても、大きな事案であれば社会部から応援部隊が来るでしょうしね。
>生ける屍さま
>それにしても単に頭が悪いのか、それとも意図的に誤答を引き出そうとしているのか、「官僚的な答弁を繰り返す人間」という絵が撮りたいだけなのか、記者さんには疲れる人が多そうですねえ。いったいあの業界ではどんな躾をしているんだか。
メディアという特殊な社会に集まる人々が持つ属性、その世界に古来より受け継がれてきた伝統、あほなデスクやキャップに兵隊は逆らえないという不条理。これらの複合要因ですな。
論証抜きでの印象ですが、伊藤先生は研究で(論文で)言うことと一般向け、政治的に言うことにはかなりギャップがあるなぁという気がしますので、こういう展開も個人的には驚くには値しません。
まあれっきとした研究業績があるだけT前大臣とは、少なくとも経済学者としては格が違うのですけれどもね。
生ける屍さん
>ネット上ではそうしたweb上の公開資料を参照する人は徐々に増えている
それは分かっているつもりです。
>マスコミ報道の影響力に比べるとまだ微々たるもの
という状況が早く変らないかな、と。
ただ私は既存マスコミの必要が無くなるとは思っていなくて、記者さんたちにはインタビューや関係者たちの思いなど、公的資料には載らない部分に特化してほしいと思っています。公開資料の分析は、本当の専門家たちがweb上(まあ新聞・雑誌上でもいいんですが)でやるのに任せる、という役割分担がよいと考えています。もちろん、秘匿されている情報を炙り出したりすることは必要ですし、記者の実力が向上して、特定分野の専門家よりも広範な視点から分析する記事を書くという方向もアリでしょう。
連投ご容赦ください。
一方、省庁側にも、もう少し踏み込んだ資料を公開してほしいと思います。例えばプレスリリースは出ていても、記者ブリーフィングで話している内容は伺いえないですし。官僚たちの業務量が減るか人員が増えるかしないと無理なんですかね……
あと、メルマガを出しているところは多いですが、中央省庁でRSSを配信しているところは少ないと思います。これもなんとかなりませんかねぇ。
>とーにゅーさん
結局、スタンスをどうとるか、ということなのかなと。警察の取調べを受けるのでしたら、もちろん揚げ足を取られないように余計なことはしゃべらないということになるわけですが、記者ブリーフにおいては、なんとかわかってもらいたい(わかった上での批判は受け止めますが、勘違いに基づく批判は避けたい)という姿勢があるので、どうしてもわかるようにしゃべりたい、というこちらの欲望が話す内容にも反映するのだろうと思います。
記者ブリーフの応答を表に出すには、ご指摘のような人員の問題と、あと記者クラブの了解というあたりがハードルかな、とは思います。
RSSについては、求める声が大きくなれば、ということではないかと思います。経済産業省や総務省あたりが先行して、というのが現実的な将来の姿でしょう。
>田中@廿日市さん
なんの断りもなく同じように聞かれれば、そのように答えると思います。でも、一言、「今のご説明ではよくわからなかったので、もう少し噛み砕いていただければ・・・」なんて付け加えられると、それなりに抵抗はあります。が、そんなことでたじろぐようなやわな心根では出世できないんでしょう(笑)。
>本石町日記さん
松下元総裁と同じ意味で、武藤副総裁は(さすがに官僚としての位を極めたぐらいですから)安定しているのでしょうし、日銀行員からも安心してみていられる、という評価が高いですよね。福井総裁については、前任者が前任者でしたから(笑)、武藤副総裁と比べたらあれこれ思うところはあるにせよ、前よりはマシ、という人は多いように思います。
>銅鑼さま
名目3%でリフレ政策的なものが残りますでしょうか、というのが心配ではあるわけですが(笑)。日銀も、例の見通し中央値1%、で事実上免責でしょうし。というか、実質2の後半とか3が続こうものなら、インフレギャップ拡大だ、フォワードルッキングで引締めしる、みたいなことになりゃせんかな、と。政府職員がいうのもなんですが、マクロ政策運営に期待するとろくなことがない、というのがバブル崩壊以降の経験則みたいなもので(笑)。
>roi_dantonさん
要するに、自分が聞く側に立ったときの思いの裏返しなのかな、というように思います。わかりづらい説明だからもうちょっとわかるように言ってくれよ、と相手にいったときに同じ説明をされると、日本語が通じないのかよ、とむかつく(笑)わけですが、逆に相手にそういう思いをさせたくないということなのでしょう。
>規制業種さん
もちろん記者ブリーフの前には想定問答をセットするわけですが、課長以下ですと自分たちで作ったというものなので、その背景までわかっていてしゃべろうと思えばしゃべれてしまう、ということがあります。局長以上であれば、得てして下から上げられたことしかわからないから、しゃべりたくてもしゃべれない、ということもよくあるのですが(そういう人たちのオフレコ説明に陪席する機会があると、その例えはミスリーディングだからやめてくれ、と心の中で叫んでしまうこともないわけではなく(笑))。
まあまったく同じ質問であれば私も1でしょうけれど、個人的経験では、さすがに「違う事例なり状況なりをあげて質問された場合」ということが多いように思います。あるいは、田中@廿日市さんへのお応えで書いたような断りですとか。
>プロボーラーさん
>それにつけても新成長戦略って中身ないですねー。
妙な新規施策がどんどん打ち出されるよりそっちの方がまだマシでは、と考えてしまう私はひねくれ者(笑)。
>生ける屍さん、talleyrandさん
記者の姿勢については、エントリで引用した部分の続きでroi_dantonさんが論じていらっしゃるように、囚人のジレンマ状態において囚人の行動が合理的であるように、それも合理的であるように理解はしています。そういう行動を変えたければ前提を変えなければならないわけですが、これといった妙案もなく、と。
>アルベルトさん
名は秘しますが、事前には諮問会議民間議員の候補として、他の学者(伊藤先生同様に学界でも実績があり、かつ、リフレ政策にも理解のある先生です)の名前が霞が関では噂として広まっていました。根拠の有無は知りませんので、そもそも可能性がゼロだったのかもしれませんが、おっしゃるような立ち回りができないがゆえに外されてしまったのかな、なんて疑いが頭の片隅をよぎらなかったわけではなく・・・。
>経済産業省や総務省あたりが先行
先の書き込みでは触れませんでしたが、RSS配信については、農林水産研究情報センターが既にやっています。
http://www.affrc.go.jp/ja/rss/
まあ、ここは研究成果のビデオライブラリをPodcastで配信しているようなとこですから、RSSくらいはやってておかしくありませんが。
http://www.s.affrc.go.jp/docs/podcast.htm
あとは、経済財政諮問会議もRSSを配信してますね。うーむ。
http://www.keizai-shimon.go.jp/rss/
>bewaadさん
現実は、名目マイナス、実質1%がずーっと続いてきたわけで
(笑)どうせ駄目なら、せめて名目マイナス成長がマズイというこ
とになるだけでも「革命的」進歩でしょう。もちろん、ベネッセとか代ゼミグループ全国模試偏差値50以下のレベルの戦いである
ことはかわりませんが。30台より40台がましということでw
手っ取り早くやるなら撮って、編集せずWMVに変換して、そのまま載せるだけ(TVとかでそのまま使ってよし)で充分(あとは記者に渡した資料のPDF)かと。そのくらいならどっかの自治体でやってそうですが。
bewaadさんが担当だと、アホ名質問した記者の所属と名前を大写しにして馬鹿にしてもらう誘惑を抑えきれないかもしれませんがw
>とーにゅーさん
農林水産研究情報センターは知りませんでしたが、言われてみれば諮問会議はそうでしたね。竹中元大臣のIT関係の知恵袋と言われていた岸前秘書官(経済産業省出身)の発案なのかもしれません。
>銅鑼さま
どうやら、偏差値30から40に上がったと見るか、まだ50未満だと見るかの違いのようですね(笑)。私も銅鑼さまのように寛大に受け入れられる器の大きな人間にならないと(笑)。
>kogeさん
多分その場合、記者の背中側からブリーファーの正面を撮る形になるでしょうから、顔までは見せられないのが残念ですね(笑)。ちなみに、そうした質問だけその手の情報を強調したら意図が見え透いてしまいますから、もちろん全員同じように情報を出しますよ(笑)!
よく記者は国民の代表として質問をするなどと言うわけで。そういう自負心を持った連中なら、アホ質問したときにブログや2ちゃんねるで社名入りで晒されるくらいのプレッシャーかけてあげるのが、筋だと思ったりする。まあ、マスゴミは社内馴れ合い体質だから、会社として記者を守ってあげてしまったりするんだろうが。
>通行人さん
おっしゃるような状態の遥か手前に記名記事があるわけで(その点については、よく当サイトで批判する毎日新聞を評価しているのですが)、なかなか道は遠そうです・・・。
>毎○新聞
むしろ記名だからこそかえってああいう記事を書くバイアスがあったりするのかも。読者はああいう記事を求めていると思い込んでれば。
#日本の「新聞・ニュースに金を払う人」を対象とした顧客分析としては案外正しいのかもしれません…orz
>kogeさん
記名だから読む、という人がどれだけいるのかを考えると、取り上げておきながらなんですが、記者の側にもそういうプレッシャーはないのかな、という気はします。それよりも、自分の意見の整合性を気にして、自縄自縛になるということかと思います。それもまた人の目を気にして、という文脈で解せないわけではないのですけれども。