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2006-11-01
■ [law][book]ダニエル・H・フット「裁判と社会」
質の高い研究の成果は、名作のミステリに似ているといえるでしょう。というのも、読み手の頭の中にある固定観念、あるいは不自由な想像が鮮やかに裏切られ、しかもかく裏切られたことに爽快感すら覚えるからです。本書は、そうした読書の快楽を味わえる一冊です。
本書が挑む「謎」は次のとおりです。
日本法や日本人の法意識に関する固定観念は山ほどある。(略)典型的な例として、「日本人は訴訟嫌いである」とか「立法活動や行政指導にみられるように、日本の官僚は特に強力である」、「日本の裁判所は消極的である」等が挙げられる。これらの見方は完全に間違っているとまでは言えないにしても、これまでの日本の実情とはかなりずれていたように思われる。そして、過渡期にある今般の日本社会において、そういった「常識」がますます現状とずれてきているようである。本書では、そういった「日本法の常識」を再検討してみたい。
p5
この課題に取り組むに、次のような経歴を持つ筆者ほど「探偵」にふさわしい人はなかなかいないでしょう。
東京大学大学院法学政治学研究科教授。ハーバード・ロー・スクールを卒業後、連邦地方裁判所ロー・クラーク、連邦最高裁判所ロー・クラーク、日産自動車法規部、オメルベニー&マイヤーズ法律事務所(弁護士)、ワシントン大学ロー・スクール冠教授を経て現職。
奥付
日米両国を股にかけた実務・研究経験から得られた豊富な知識を縦横に活かしての「謎解き」は、日本が特殊だということの意味が外国の事例に照らして、というものである以上、同時に外国についての日本人(の多く)の固定観念を正すものでもあります。まともな研究の常として多くの先行研究に支えられ、言い換えれば誰かが既に指摘していることも多いのですが、このような形でまとめられたことの意義は大きいでしょう。それがどのようなものであるのか、ネタばらしは褒められたことではないと思いつつも、一例だけ具体的な紹介をしてみましょう。俎上に上るは日米最高裁の違いです。
一般に、違憲立法審査に代表される司法による政策判断について、アメリカ司法の積極性に対して日本司法の消極性と捉えられ、その制度的背景としても、任期(アメリカの方が長い)や手足として働く人数(アメリカの方が多い)といったアメリカが良しとされる部分もあるわけですが、判断に迷う、あるいは日本の方が良いと考えられる部分も次のようにあります。
| アメリカ | 日本 | 摘要 | |
| 政治的党派性(人事) | 大統領が党派的に任命する。 | 固定的・自治的に候補者が選定(判事、弁護士、官僚、学者)され、内閣は事実上追認するのみ。 | 行政府とある意味で方向性を同じくして政治的な判断を下すアメリカに対して、政治的中立≒公正・公平という姿勢で臨む日本。 |
| 立法における合憲性確保 | 事前において気にかけないのみならず、事後においてもしかり(違憲判決の対象となった条項を、判決後10年間に250以上、立法に盛り込んだ(第5章注26))。 | 事前にほとんどの法律が内閣法制局の審査に服し、合憲性をチェックされる。 | 違憲だという判例があっても気にしない議会に対して違憲だとさらに判決を重ねざるを得ないアメリカに対して、事前に判例との整合性がチェックされ、違憲判決が出れば以後はそれも織り込まれる日本。 |
| 最高裁の処理件数 | 毎年9,000件程度が上訴されるが、実際に審査されるのは80から100件程度(残りはおざなりな対応)。 | 毎年8,000〜10,000件の上告の多くを審査。 | 限られた案件の政治的判断に要する時間を確保するため多くの上訴を事実上切り捨てているアメリカに対して、三審制の大義を墨守する日本。 |
webmasterに関して申し上げるならば、前2つについてはある程度予想はしていましたが、最後のものは考え付きもしませんでした。一概に日本の方がいいということでもありませんが、アメリカ司法の積極的な違憲判断のコストではありましょう。アメリカ型の司法判断を是とする場合に見逃されがちな点だとwebmasterは思いますし、なればこそこの指摘は重要であるはずです。
こうした部分は本書においてはあくまで前座で、その後、個別事例を挙げつつ、日本の司法がどのような、そしてどのように政策形成を行ってきたのかが論じられます。題材は交通事故の賠償金など身近なもので、法学部卒としては譲渡担保や相殺の担保的機能など、いかにも法律学といったものが取り上げられていないのは残念な気もしますが、一般読者のとっつきやすさでいえばこちらの方がいいのでしょう。ネタばらしは避けますが、野心と能力のある判事にとって東京地裁はやっぱり魅力的な職場なんだろうなぁ、というのが素直な感想です。
ちなみに、webmasterがもっともうなってしまった「謎解き」は、p245の3段落目、「ひとつの可能性は」以下です。それが何かは、ぜひともお買い求めの上、あるいは店頭で手にとってご確認いただければ(p239からお読みいただければ、独立した部分としてお楽しみになれるでしょう)。
■ [economy]「真の失業率」推計最新版(2006-09現在)
年月 完全 真の 高齢化等 15歳以上 就業者数 完全 真の 高齢化等 失業率 失業率 補正後 人口 失業者数 失業者数 補正後 1990 2.1% 3.2% 10,089 6,249 134 204 1991 2.1% 2.4% 10,199 6,369 136 155 1992 2.2% 2.2% 10,283 6,436 142 142 1993 2.5% 2.8% 10,370 6,450 166 183 1994 2.9% 3.4% 10,444 6,453 192 228 1995 3.2% 4.0% 10,510 6,457 210 266 1996 3.4% 4.1% 10,571 6,486 225 276 1997 3.4% 3.8% 10,661 6,557 230 262 1998 4.1% 5.1% 10,728 6,514 279 348 1999 4.7% 6.3% 10,783 6,462 317 435 2000 4.7% 7.0% 10,836 6,446 320 485 2001 5.0% 7.9% 10,886 6,412 340 551 2002 5.4% 9.4% 10,927 6,330 359 660 2003 5.3% 10.0% 10,962 6,316 350 700 2004 4.7% 10.0% 10,990 6,329 313 705 2005 4.4% 9.8% 11,007 6,356 294 688 2005/Q3 4.3% 8.9% 11,008 6,417 286 628 2005/Q4 4.3% 9.8% 11,015 6,356 287 694 2006/Q1 4.4% 10.9% 11,014 6,283 286 766 2006/Q2 4.2% 9.0% 11,014 6,418 280 631 2006/Q3 4.1% 8.9% 11,021 6,426 273 627 年月 完全 真の 高齢化等 15歳以上 就業者数 完全 真の 高齢化等 失業率 失業率 補正後 人口 失業者数 失業者数 補正後 2005/10 4.5% 9.1% 11,016 6,409 304 641 2005/11 4.4% 10.0% 11,016 6,344 292 706 2005/12 4.0% 10.4% 11,012 6,315 265 733 2006/1 4.5% 11.1% 11,013 6,269 292 779 2006/2 4.2% 11.0% 11,006 6,272 277 772 2006/3 4.4% 10.6% 11,021 6,308 289 745 2006/4 4.3% 9.6% 11,002 6,368 284 673 2006/5 4.1% 8.5% 11,015 6,448 277 602 2006/6 4.1% 8.8% 6.5% 11,025 6,438 278 618 449 2006/7 4.0% 9.0% 6.6% 11,020 6,421 288 632 454 2006/8 4.1% 8.9% 6.4% 11,019 6,427 272 625 443 2006/9 4.2% 8.8% 6.5% 11,024 6,431 280 624 446 2005/9 4.2% 8.7% 11,014 6,437 285 612 2004/9 4.6% 9.5% 10,994 6,369 309 667 2003/9 5.2% 9.7% 10,975 6,346 346 678 2002/9 5.4% 9.3% 10,944 6,353 365 651 2001/9 5.3% 8.3% 10,898 6,396 357 579 2000/9 4.7% 6.6% 10,846 6,480 320 461 C/(B+C) D/(B+D) A B C D=Ax0.64-B (直近月次ボトム) 5.8% 11.6% -- 6,193 385 818 (03/3,4)(04/2,05/2) (03/2) (03/4) (05/2) (注) ・単位は、%を付したものを除き、万人。 ・ソースは総務省統計局の「労働力調査」(http://www.stat.go.jp/data/roudou/2.htm)。 ・月次データは原数値を用いている(季節未調整)。 ・「真の」値は労働力人口比率が0.64(直近ピーク(1992年))であると仮定した場合の値。 ・「高齢化等補正」についてはhttp://bewaad.com/20060729.html#p02を参照のこと。
#過去の計数は以下のとおりです。
失業率、4%の壁がなかなか破れないですね。真の失業率を見ても、昨年同月から改善されているように見えない。
コアCPIの昨年同月比もマイナスですし、明白に足踏み状態だと思うんですけどね。
許認可制度が有る限り公務員の腐敗は止まらない
全て自己責任性にし許認可の廃止、公務員の排除をし地方は補助金を当てにせず自立すべきだ!