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(ここはbewaad institute@kasumigasekiの過去ログ倉庫です。コメント等は仕様上受付けを停止しておりませんが、こちらではご遠慮いただければ幸いです。何かございましたら、現行サイトにお願いいたします。)
2006-11-13
■ [science]「水からの伝言」の反証がないと困るのは誰?
「水からの伝言」を信じないでくださいに関して、次のJ2さんのエントリが話題となっています。
webmasterの反射的な感想としては、一般的な傾向として、反証実験で納得する人は、「『水からの伝言』を信じないで下さい」を読めば反証実験がなくても納得するでしょうし、逆に「『水からの伝言』を信じないで下さい」を読んでも納得しない人は、反証実験があっても納得しないだろうと思うのですが、一人でもこの傾向に従わない人がいればやるべきとの議論はあるでしょうから、ここを掘り下げはいたしません。他方、コメント欄やtrackbackでも見逃されている部分があるのでは、という気がしますので、そこについて書いてみましょう。
似非科学は科学の体裁を装っているだけで「科学ではない」のだから、それが社会的にさほど害が無いのであればスルーすればよいだけだし、社会的な弊害が見過せないレベルのものであればその時はキッチリと叩くべき。それだけの話。
で、いざ「キッチリ叩く」となった時に、「新規なことを主張する側が立証責任を負う。」などと「科学者の論理」を持ち出すのはナンセンスこの上ない。相手はそもそも科学者ではないのだし、それよりも「科学者側から反証実験はしない」と言われて一番喜ぶのは似非科学を提唱する側だから。
「『「水からの伝言」を信じないでください』と言うのならやるべき事は一つだろう?」(@音極堂茶室11/11付)(webmaster注:強調は、原文ではフォントの大きさ・色で表されています)
とりあえずJ2さんの前提、つまりは反証実験により似非科学から目覚める人間がそれなりの数にのぼるということは妥当であるとしましょう。その際、反証実験が行われないとして、J2さんがおっしゃるように一番喜ぶのが似非科学を提唱する側であるとするなら、逆に一番困るのは誰でしょうか? それは科学者ではなく、普通の人々ではないかとwebmasterは思います。
例えば「水からの伝言」が大いに普及し、体調が悪くなったような場合には、皆が争ってそっち方面のカウンセラーに相談するようになったとします。そうした状況においては、多くの病院は経営が成り立たなくなってしまうでしょう。この場合、「水からの伝言」が似非科学だと知っている人‐端的には科学者‐が困るかといえば、そりゃ苦々しく思ったりすることもあるでしょうけれど、直接何か困るわけではありません。体調が悪くなれば、そのようなカウンセラーは無視して病院に行くでしょうから。
他方で「水からの伝言」を信じてしまった人は、本来ならば適切な医療サービスを受けるべきところ、効果のないカウンセリングしか受けられず、苦しみから逃れられない(あるいは逃れるにより時間がかかる)ということになってしまいます。多少はプラセボ効果もあるかもしれませんし、苦しまない境地に至ることはできるのかもしれませんが、おそらくは有意に健康状態は平均的に見て悪くなるでしょう‐例えば、平均寿命に差が生じるとか。
であるならば、J2さんのご指摘どおり似非科学に対しては反証実験をもって応ずべきということであるとしても、それを実現するには原理原則を理由にして敵を喜ばせてどうする。つくづく学者というのはケンカが下手だ
と科学者を難ずることではないようにwebmasterは思います。非科学者の有志を募りお金を集めた上で、科学者に対して反証実験をさせるようにする、という議論につなげるべきではないでしょうか?
■ [economy][media]銀行へのいちゃもん
「3メガ」と呼ばれる巨大銀行グループの三菱UFJ、みずほ、三井住友が公的資金を完済した。不良債権に端を発した金融危機のなかで、国から銀行に注入された公的資金は総額で12・4兆円にもなった。そのうち8・1兆円が返済された。
(略)
大銀行の経営者たちは、長い間の呪縛だった公的資金を返し終え、胸をなで下ろしていることだろう。では、この間に経営や仕事ぶりはどれほど変わっただろうか。
統合を決めた大手行の首脳は再生委に「たすきがけ人事はしません」と誓っていたが、出身行ごとのバランス人事は続いている。古い体質を見限った優秀な人材が外資に流れ、投資銀行など新しい専門分野はなかなか育たない。
他行に出し抜かれるのを気にするあまり、相変わらずの横並び融資が幅を利かせている。国際業務、法人、個人など特定の分野で強みを発揮するという理想は色あせた。
店舗や人員を減らし、機械化を急いだことで、窓口や現金自動出入機(ATM)の待ち時間が長くなったという不満を持つ利用者は少なくない。午後3時で閉まる店舗が、今も大半を占める。
ゼロに近い金利や、不良債権の処理にともなう法人税免除のおかげで、過去最高水準の利益を計上したが、本業での収益力はまだまだ低い。それなのに政治献金を復活する話まで出ている。
「この間に経営や仕事ぶりはどれほど変わっただろうか」って、この社説でも変わった部分はきちんと描かれています。「店舗や人員を減らし、機械化を急いだ」、と。変わったことを変わったと評価せずそれ以外にのみ目を向けるなら、どれだけ変わったって変わっていないと批判することになってしまいます。
他方で、「過去最高水準の利益を計上したが、本業での収益力はまだまだ低い」との指摘ですが、それに先立つ「窓口や現金自動出入機(ATM)の待ち時間が長くなったという不満を持つ利用者は少なくない。午後3時で閉まる店舗が、今も大半を占める」との部分は、窓口やATMをもっと増やせand/or開けている時間を延ばせと言いたいのでしょう。そうすれば収益性は下がると予想されますが、銀行に対して収益性をもっと上げろといいたいのか、顧客利便の向上のために収益性をもう少し下げろといいたいのか、いったいどちらなのでしょう?
日本の銀行の経営に批判されるべき点がないという気、また、そうした点に目を向けて批判すべきでないという気はwebmasterにはありません。しかし、批判するならばもっとまともな批判を行うべきでしょう。
■ [book]売ってません。
渋谷のブックファーストに行き、その後八重洲ブックセンター、丸善丸の内本店と回ったわけですが。
日経グローカル
当サイトでも取り上げた地方公共団体の行政サービス比較の詳細を知りたいと探したのですが・・・。公式サイトにはニューズレター式の年間契約・直送と確かに書いてあるものの、大型書店ですら売っていないのですねぇ。そんなものに掲載すると本紙で予告してもらっても・・・。
法解釈の言語哲学
大屋先生からは版元は11月9日発売予定としています
との予告があったので探したのですが・・・。で、帰ってきてから版元の金柑情報(×金柑→○近刊(11/14追記))を確認してみると、11月13日刊
との記載が。出かける前に見ておけばよかったなぁ(泣)。
山本弘や斎藤環が「ゲーム脳」を批判し嘲笑してみせたときに、ならば反証実験をしてみせろなんて主張した人は私の知る限りいませんでした。未だにバラエティ番組(笑)で「ゲーム脳」が取り挙げられたりすることに較べたら、今回の「水からの伝言」の影響力なんて大したものだ
「水からの伝言」をめぐってJ2さんのエントリ(『「水からの伝言」を信じないでください』と言うのならやるべき事は一つだろう?およびやればいいじゃん反証実験が話題となっています。それを受けてbewaadさんが「水からの伝言」
ご指摘、まったくもってその通りですね。
「社会的な弊害」という言葉もそういう意味で使ってました。
噛み合わない部分が自分の中で整理できた気がします。
>「水からの伝言」の反証
水伝の「実験」は、そもそも実験と言えるほど条件がコントロールされていないので、反証実験をデザインしようがないと言われております。
>非科学者の有志を募りお金を集めた上で、
そのお金をユニセフなり赤十字なりに寄付するのが世のためだろうなと思います。
>反証実験
きくちさんのところでさんざん出た話題です。音極堂さんは既に読まれているかもしれませんが、一応ポインタを以下に示しておきます。
反証実験のデザイン
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1132751871
もう一度、実験について
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1133067503
検証をめぐるあれこれ
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1157819678
「水からの伝言」スレッド一覧(43スレッドあります)
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?mode=category&aim=A5CBA5BBB2CAB3D82CBFE5A4ABA4E9A4CEC5C1B8C0
「水伝」を信じ続けている人は、そもそも科学とは何かということを意識的にか無意識にか分かろうとしていないんじゃないですか。こういう人を相手にする方は大変お疲れだろうと思います。
すいません。とりあえず今日大学生協に行って見ましたがまだ入っていませんでした。13日というのも版元から出荷される日付の可能性があるので、だとすると書店店頭に届くまでもう数日かかるかもしれません。
# しかしそもそもブックファーストや八重洲ブックセンターに入荷するのかどうか。丸善はまだ可能性があるかもしれませんが、客層と想定読者がかなり違っているような。確実に入荷しそうなところというと法学部のある大学の生協くらいかなあと自分としては思うわけで。
大屋先生の本をワタクシはamazonさんにお願いしましたがなぜか15日発送になってしまいました。普通にリアル書店で買った方が良かったのかと思うもののどこにも置いてなかったらどうしようとか悩んでしまい(失礼…って大屋先生御自身もそうおっしゃってましたか)、ともかく自分でも読むとしてbewaadさんの書評も楽しみです。
ところで>金柑情報ってブログ界で流行ってる言い回しだったりします?(単なる誤記でしたらすみません)
どうもよく分からないのですが、反証実験をやれと言う人は、反証実験は一回やればそれで済むと思っておられるのかどうか。
数学や論理学ならそれで済みますが、こういうものの反証実験は一回では足りないのであって、その辺を混同してコストを過小に見積もっているように思われてならないのですが。
>J2さん
ご無沙汰しております。多少なりとも議論に貢献できたとすればうれしく思います。
>BUNTENさん
個人的には反証実験は効果が大してないであろう一方で、副作用も大きいと思いますので、どちらかというとネガティヴです。ただ、もし効果があるとしても、という形でエントリを書いてみた次第です。
>irさん
使い道は拠出者の意に適う形であれば、他人がとやかく言うべきものではないと個人的には考えています。
ご指摘の部分は単なるtypoです。さっそく訂正いたします。
>cloudyさん
私も一応それらには目を通させていただきました。この話題に関心のある方々はそうしていると思い紹介を割愛しましたが、考えてみれば当サイトの読者のいかほどが本件をフォローしているとも限らず、お示しする方がベターだったと思いますので、情報提供ありがとうございました。
>つばめレディさん
それに疲れて科学者が「そんなにそっちを信じたいなら勝手にしろ」となってしまう可能性を考えると、やはり何らかのコスト負担(さらには報酬)システムが必要なのかな、と思います。それを反証実験に使うべきかどうかはさておき。
>大屋先生
となりますと、東大生協書籍部に行くのがもっとも手っ取り早そうですね(amazonで買えばいいだけのことではありますが)。
>宮嶋陽人さん
その辺りを含め、一度やるならこれくらい必要だ、というのを科学者の側から言えば、単に効果がほとんどないとのみ言うよりも説得力が増すのかな、という気はします。
この件の議論をあれこれ読んで、水伝反証実験が可能なのか・やったとして効果があるのかわからなかったためつい上のような書き込みをしました。しかしこちらのエントリーにおいては、まともな反証実験なり追試はできるし損得勘定してかけた手間暇に見合う効果がある、ということは議論の対象ではなく前提であったので、自分の書き込みは完全に見当違いでした。その前提がどう成り立つのかまだよくわからないのですが、ともかく不当な書き込みで失礼いたしました。
それはそうと、あちらでは思わぬ大きな動きが出て驚きました。
きくちさんがこの件について新しいエントリを立てられました。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1163435860
"「水からの伝言」は事実である"と信じているかたで、"こんな実験ができたら、「水からの伝言」は嘘だと納得する"という提案があれば、ぜひお知らせください。あるいは、今は信じていないがかつては信じていた、というかたで、"こんな実験があればよかったのに"という提案でもいいです。
区市町村立図書館新聞雑誌総合目録 http://www.library.metro.tokyo.jp/169/zs.html
によると都内の公共図書館で日経グローカルを持っているのは
調布(中央)、羽村(本館)、日野(市政)、府中(中央)、三鷹(本館) なようです。
日経の雑誌は端本も小売していないことは多いですが。
大屋先生の本の在庫情報です
紀伊國屋書店
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4326402393.html
ジュンク堂池袋本店
http://www.junkudo.co.jp/detail2.jsp?ID=0107290059
>irさん
こちらこそ紛らわしい論旨で恐縮です。
あちらの動きとは、cloudyさんご紹介の件でしょうか? もし本当に何らかの実験をやられるとすれば、ご苦労なことだなぁと思います。エントリで受益者負担をとは書いたものの、実際には外部性がありますから、実現は難しいでしょうし。
>cloudyさん
情報提供ありがとうございます。
ここをご覧いただいている方でも、いいアイデアがありましたらご協力いただければと思います。
>小僧さん
いつもありがとうございます。グローカルは大分やる気をそがれてます(笑)。
大屋先生の本は、次の週末に当たってみます。