bewaad institute@kasumigaseki

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  • 03/07/2007 (10:03 pm)

    登録免許税と登記手数料は違うんですよ、その他

    Filed under: treasury ::

    #”treasury”カテゴリは、旧economyカテゴリのうち財政関連のものとして設定しました。

    登記特別会計の改革に関連して。

    この中でただ1つ、一般会計に統合されて本当になくなるのが登記特別会計だ。で、思うんだが。

    (略)

    こういうものの見方にはいまいち自信がないのでちがってたらご指摘いただきたいのだが、こんなあたりから平成18年度予算案の数字を拾うと、登記特別会計というのは歳入が1830億円ある。このうち一般会計からの繰り入れが707億円あるので、「ネット」では差し引き1123億円ということになるのだろうか。これに対して歳出は1698億円あるから、「単体」では575億円の「赤字」で、「親会社」からの収入補填で132億円の「黒字」、ということか。結局「母屋」の助けが必要だから、「離れ」でもすき焼きばかり食べてるわけにはいかない、という感じなんだろうな。

    で、せっかく一般会計になるんだから、ぜひ検討してもらいたいことがある。登記の際の登録免許税の廃止ないし大幅な減額だ。登記をやったことがある人なら誰でも、あの登記印紙なるもののバカ高さにあきれるのではないかと思うがどうだろうか。謄本にしても1通1000円なんて「ありえねー」と思っている人が多いと思う。確かに間違いの許されない重要な仕事だし、件数も多いのだと思うのだが、本当に年間1700億円(毎年だよ!?)かけなければ維持できないサービスなんだろうか。

    「登記事務ってのはなんとかならないか」(@H-Yamaguchi.net3/6付)

    まず、登記特別会計の歳入のうち、一般会計繰入以外の部分が何かということを調べますと、

    登記特別会計の財源は、登記事項証明書、印鑑証明書、地図の写しの交付、インターネットによる登記情報提供等の手数料(証明事務の手数料)であり、これらの手数料の額は、受益者負担の原則に基づいて定められています。 他方、登記申請事件の審査に要する経費は、一般会計からの繰入れで賄われており、登記申請の際に申請人が納付すべき登録免許税も、一般税収とされています。

    特別会計のはなし/5.行政的事業関係の特別会計

    ということで、あくまで手数料ということになります。登録免許税はあくまで一般税収(一般会計の歳入)なのです。

    #税収を見ても、(平成13・14年度とちょっと資料が古いのですが)登録免許税の税収は8,000億円弱ですから、登記特別会計の規模をはるかに超えています(おそらく統計上は印紙収入に含まれ、毎年の数字がないようです)。

    したがって、登記特別会計がどうなろうとも、「登録免許税の廃止ないし大幅な減額」はあり得ないということになります。もともと特定財源ではないのですから。

    他方で手数料は下がることになるでしょう。というのも、

    Q 登記手数料収入は,どのような経費に使われているのですか。

    A 登記事務のコンピュータ化経費をはじめ,謄抄本作成機器の整備経費や窓口整備のための経費など,登記情報の保存,管理,公開事務に必要な経費に使われています。  予算を使うに当たっては,真に必要な経費にとどめるとともに,コンピュータ機器等をより安価な新機種に更新するなど経費の削減に努めています。

    Q&A(webmaster注:登記手数料改定のお知らせに属する1ページです)

    ということで主たる目的がコンピュータ化経費で、そのコンピュータ化は平成19年度には終わる見込みで、となるとそれ以後は年間約600億円のこの経費が不必要になるからです。

    現在の手数料の前提を見ると、

    1.平均的な経費(謄抄本・閲覧・証明のみで、審査は除く)が年1,200億円強で、 2.対するに処理通・件数が年1億数千件なので、 3.手数料は1,000円(謄抄本)ないし500円(閲覧・証明)と設定されている、

    とのこと。ここでいう「平均的な経費」はコンピュータ化込みですから、それがなくなった場合を考えれば、だいたい半額以下には下がるのでは、という予測が成り立つのです。

    でまあ最後に余談なのですが、「一般会計に統合され」ることが「本当になくなる」の定義であるならば、登記特別会計のほか、国営土地改良事業特別会計と特定国有財産整備特別会計を忘れないであげてください(笑)。

    余談に補足するなら(冗長だなぁ)、特別会計はあくまで経理区分なので、それをどう統廃合しようとも、その経理区分に属する事業をどうにかしないことには、形式的な話に留まらざるを得ないので、「本当になくなる」こと自体には意味はないとwebmasterは思うのです。むしろ、全部一般会計にしてしまえば、公開される会計情報が減少するわけですから退歩でないの、とも。

    人口に膾炙した「離れ・母屋」論でいうならば、特別会計固有の問題があるとすれば、それは離れにいるからすきやきを食べているのがわからない、というようなケースです。離れにいても庭を挟んで窓が向かい合っていて何を食べているかよくわかる場合もあれば、母屋にいたとしても別の部屋に引きこもっていて何を食べているかよくわからない場合もあり、特別会計だから一概に悪いとは限りません。逆に言えば、特別会計を一般会計化したとしても(離れから母屋に移ってきても)、すきやきを食べずに少しは家に金を入れろと言えないような関係であれば(事業への予算統制がうまくいっていないようであれば)、相変わらずすきやきを食べ続けることでしょう。

    その端的な例は、道路整備特別会計は、社会資本整備事業特別会計に統合される形で改革後も特別会計であり続けるのですが、にもかかわらず道路特定財源は一般財源化が検討され、一部は実施に移されます。その際、道路の整備が必要だから特定財源が必要だという声はあっても、特別会計なのだから特定財源が必要だという声はありませんでした。理屈を整理すれば、特定財源があるからこそ特別会計で区分経理すべしという話であり、その逆ではありません。そもそも特別会計改革の議論に如何ほどの意味があるのか、多くの場合は本末転倒であるとwebmasterが考える所以です。

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