最適なインフレ率についての日銀試算
2ちゃんの某板某スレ経由。
本稿では、日本経済における定常状態インフレ率がどの程度であることが望ましいかを議論した。はじめに、分析上の各論点を整理したうえで、貨幣保有の機会費用、ゼロ金利制約、価格粘着性、賃金の下方硬直性に着目し、日本経済の特性に考慮してモデルを設定した。その下で、ゼロ金利制約を勘案した確率シミュレーションにより、社会損失を定量的に評価した。また、モデルの設定を変更した場合に結果がどのように変わるかについても分析した。その結果、社会損失を最小化する定常状態インフレ率は、概ね0.5%から2.0%の間であるとの結果を得た。また、定常状態インフレ率が社会損失を最小化する水準から1%程度乖離すると、社会損失はGDP の0.2〜0.3%程度増大するという結果となった。なお、本稿の分析結果は、特定のモデルやパラメータを前提としており、その前提を変えれば結果がかなり変わり得る点には留意する必要がある。
(略)
技術的な問題としては、インフレ率の計測の問題がある。本稿で分析の対象とした物価指数はGDPデフレータであるが、多くの国で現実に金融政策運営上のメルクマールとして参考にされている物価指数は消費者物価指数である。GDPを構成する財と消費者物価指数を構成する財とで技術進歩率が異なれば、GDPデフレータと消費者物価指数の間で定常状態インフレ率に格差が生じる可能性がある。(後略)
鵜飼博史、小田信之、渕仁志「インフレのコストとベネフィット:日本経済に対する評価」(日本銀行ワーキングペーパーシリーズ)
GDPデフレータ(パーシェ指数であることによる下方バイアスがある)で0.5〜2%ということは、おそらくCPI(ラスパイレス指数であることその他による上方バイアスがある)で見れば1〜3%ぐらいですよね? 審議委員の皆様、本論文をじっくり読んでください!
