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  • 05/28/2007 (12:51 pm)

    国家公務員最大10万人削減だそうで。

    Filed under: CEFP, government ::

    さて、その同じ日に政府の経済財政諮問会議のいわゆる民間議員の方々が、こんな提言をしたそうです。

    国家公務員10万人の縮減可…諮問会議・民間議員が試算

     経済財政諮問会議(議長・安倍首相)の御手洗冨士夫・日本経団連会長ら民間議員が25日に開く諮問会議で、出先機関の事務を地方自治体に移すことなどで、国家公務員の3割以上に相当する約10万人を縮減できるとした試算を示すことがわかった。

    (略)

     約33万人の国家公務員のうち21万人が地方の出先機関に勤務している。試算では、91ある出先機関の事務のうち、縮減できる事務として、労働基準監督など、地方に移すことが可能な15事務と、交通基盤整備、廃棄物対策など地方と重複している46の事務を洗い出した。民間議員は、これらの事務を行っている9万799〜10万1629人の縮減が可能だとしている。

    (略)

    (2007年5月25日3時3分 読売新聞)

    ん、まぁ、大変結構なことですな。公務員10万人縮減ですか。いや、縮減は単に国家公務員ですな。地方自治体に付け替えるだけの話ですから。ところで、地方自治体で十分な効率化が図られるかというと、まあ、財源が乏しい地方はぎりぎりやっているのでしょうが、都下とか昔からいわゆる革新系が強い自治体はどうだったのでしょうかね。ああ、私が住んでる都内某区もなかなか笑える実態でしたな。むー。都会の公務員天国ばんざい。

    それより心配なのは、冒頭の社会保険庁の話とのかかわりなのですが、浅学な私が聞き知っている範囲では、社会保険庁のガバナンスが利いていなかった理由は多々あれど、その中でも組織的な問題として、地方の社会保険事務所は、地方公務員と国家公務員のあいのこのような位置づけで、中央の統制に必ずしも従わないと言うか、むしろ人事面で影響の強い地元のほうばかり向いて、内部統制どころではなかったことが大きな問題だったというお話でした。地方自治体にいろいろな業務を付け替えるのはいいけれども、労働基準監督とか、ただでさえ監督署ごとに法律の解釈とか運用の幅に甘辛がないわけではない困ったお役所が、さらに遠心力をもって運用されるのは、果たしていかがなものかと思うのですが、第二・第三の社会保険庁にならないことを祈るばかりです。まあ、民間議員の提言とかも、下書きをしたのは高名な委員の方とは必ずしも限らないので、実際にはライターは実務に通じた賢い賢い人たちなのでしょうから、そういうことにはならないように工夫してるんでしょうけどね〜。

    「社会保険庁のガバナンス不全と経済財政諮問会議」(@常夏島日記5/25付)

    そもそもなんのために行うのか、それがよくわからない話です。実際の資料を見てみますと、たとえば、直轄事業(河川、道路、国営公園、港湾、飛行場等)の実施は、地方に移譲可能な事務のうち、地方でも同様の事務を行っているものと区分されています。そりゃ「公共事業」とまとめるなら、その実施は地方(都道府県が念頭に置かれているのでしょうけれども)でやっているとはいえますが、そもそも国の直轄事業をわざわざ地方の責任で実施させる意義がよくわかりません。「縮減は単に国家公務員ですな。地方自治体に付け替えるだけの話」と割り切ればそうですが、国の経済政策の司令塔がそんなので本当にいいのでしょうか(笑)?

    potato_gnocchiさんのご懸念についても、あんまり工夫してなさそうです(笑)。監督事務関連については、備考として許認可、監督に対する事務は、政令等により基準等を定めた上で地方公共団体で管理・執行可能とされていますが、かつての機関委任事務においてどれだけの通達が発出されていたか、そしてその廃止に当たってすべてを法定受託事務・自治事務にしたわけではなく、国の直接執行に移管したものがあったことを考えれば、そう簡単に「政令等で基準等を定め」ればうまくいくはずもありません。

    実際に各都道府県が法律や「政令等」を参照して法執行を行っている最も大規模なものは、警察による刑事犯の摘発です。警察庁が法令協議に当たって、どれほど各省庁から嫌われようとも(笑)、しつこく罰則規定の内容を詳細にわたり尋ねてくるのは、それにより全国での統一的な法の適用を図るためです。そこでの質問・回答まで「政令等」に盛り込めば可能だともいえますが、分量がどれほど膨らむのやら(笑)。

    加えて、地方公共団体の各種業務において、警察は国の統制が相対的には強いことで知られています。典型的には国からの出向ですが、いくら旧自治省が出向させているとはいえ、財政課長や地方課長では当該団体の全般にわたる話であって、個別分野にそれほどグリップが効いているわけではありません。個別分野においては、やはり警察でしょう。

    #その意味では、旧自治省においては、消防の方が警察に近いと言えるような気も。

    各省庁から警察なみに各団体へ出向させ、運用の統一を図ることが、果たして地方分権の本旨に適うのでしょうか? 昨今、出向人事全般が忌避されがちな風潮においては、当然「いいえ」という答えになることでしょう。となれば、中長期的には、法律の解釈が団体によってまちまち、という状況は不可避であるように思われます。団体への裁量権を法律上認めたものでなくっても。

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