意外にまともな新聞の「消えた年金」報道
年金については(勝手にかつ一方的に)よくお世話になっている権丈先生のサイトより。
さてさて本題――今回の年金騒動。民主党の仕掛け通りに、大いにもりあがったのはいいんだけど、どうも新聞の反応が悪い。テレビは、キャスターさんがみんなで眉間に皺よせて「国民の皆さん!こういう事態を絶対に許してはなりません(~_~メ) ピクピク」とやってくれているけど。いつものことながら、新聞ってのは、テレビよりはかなりIQが高いのか・・・?
昨日の読売新聞の社説なんか、民主党にとって痛いところを突いている。
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読売の社説は、今朝も、民主党の仕掛けに水をさすようなことを書いていた。
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ところで昨日、社説ではないんだけど、そして読売ではないんだけど、なんとも今回の「宙に浮いた年金記録」について正確な記事があったので、それを学生さんたちにでも紹介しておこうかなというのが、今日の本題である。朝日新聞の「ニュースがわからん! 宙に浮いた年金記録 大丈夫?」。
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さてさて、今朝あたりから、この問題に対して、各紙の若手記者たちは少しばかりスタンスを変えはじめてきたようにもみえる――気のせいか?
勿凝学問80/この度の泡沫うたかたの年金騒動の持久力はどのくらい?――ガンバレ民主党、このままでは参院選までもたないよ――
権丈先生が言及されている読売社説(5/31付、6/1付)や朝日の記事のほか、6/1(朝刊)の報道としては、
- 産経「あなたの年金 本当に大丈夫?」
- 東京「スコープ/年金記録漏れ/1年で全件照合 困難」
なども、無用に不安を煽り立てることなく‐もちろん、何が問題であるかについてはきちんと指摘していますが‐、不安のある人はどのようにすればよいのかを丁寧に解説する記事でした。これらを見るに、権丈先生がおっしゃる「各紙の若手記者たちは少しばかりスタンスを変えはじめてきたようにもみえる」というのは、気のせいではなく、それなりに勉強の成果が記事に反映してきているということでしょう。
他方、テレビについてはそうしたことはあまり望めないわけですが、せめて5,000万人分の年金が満額支給されないかのようなフレーズだけはなんとかならないものでしょうか。約5,000万件とはあくまで基礎年金番号に統合されていない件数なのであって、基本的には重複しているものを重ね合わせていく作業ですから人数は必ずそれより少なくなりますし(基礎年金番号創設時には約3億件の年金番号があり、当時の年金番号保有者をラフに1億人とすれば、平均して1人につき3件の重複があることになります)、上記の読売社説(6/1付)によれば現実には3万人弱しかいない100歳以上の人の記録が、162万件もある
という部分すらあるわけです。重複が少なければ照合しやすく、未だに照合を経て統合されていないものは重複が多いものに偏しているであろうという常識的な仮定を置けば、平均を超えて人数は絞り込まれるものと考えられます。
もちろん絞り込まれたところで膨大な件数であることに変わりはなく、社会保険庁を批判すべき状態にあることは当然ですが、実態に基づかない批判をしても仕方のない話ではあります。社会保険庁が自らどの程度の人数に及び得る話なのかを公表していないことにも問題はありますが、だからといって民主党の扇情的な言動に安易に加担するのもどうかと思うのです。少なくとも、新聞はそれなりに冷静な記事を書いているのですから。
