社会保険庁システムの分析
webmasterが察するに、社会保険庁システムの最大の問題は、これを読む限りでは・・・
・はっきりと報告書にはかかれていないのだが、社会保険庁自体にシステム企画を行う部門が存在しない点が気になった。随時契約にしても、CPU時間の無駄遣いにしても、驚くほど社会保険庁自体の主体性が見られず、システム費用が湯水のように消えていっているように思えた
(略)
レガシーマイグレーションを否定するわけではないが、IBMが示した計画では単にメインフレームで行っている業務を、ほとんどそのままオープン系システムに移行する以上の提案はなかった。繰り返すが、非常に不満だったのは、現状のメインフレームからみればサブシステムに見える、高井戸庁舎にあるオープン系システムで構築されたシステム群だ。おそらく、データモデルは統一されていないだろうし、逆に最近の競争入札で、統一されたシステム構成にはなっていないだろう。本質的な問題は、社会保険庁にシステム全体を理解している人間がいないという点だ。だから、ベンダーが好き勝手に高コスト体質なシステムを作ってしまえる





6月 12th, 2007 at 12:48:07
省庁のシステム分析といえば、「刷新可能性調査」の話では片手落ちで、それを基につくられた「最適化計画」を読まないと議論にならないと思います。
http://www.sia.go.jp/topics/2006/n1101.html
(非常勤含め)10000人(223万人日)削減はなかなかインパクトでかいですが、300億円の経費節減効果の方は、レガシー刷新の割にイマイチではあります。
6月 12th, 2007 at 20:26:09
最適化計画は、「メインフレームはベンダ独自仕様で競争入札がしにくい(随意契約がはびこり高コスト)、オープンシステムに移行し競争によるコストダウンをはかる」みたいな考え方でやってますから。
某省の某システムではメインフレームで金利計算やってますが、小数17位くらいまでの計算精度でやってるらしい。
オープン系だとそこまでの精度は保証されないらしくシステム移行前後で結果に差が発生するのではないかという話を聞いたことがある。もっとも、このシステム仕様書がリニューされてなくてスパゲッティプログラムを解析してるもよう。
私もそろそろシステム担当から異動になりそうだが(内示はまだなのではずれるかも)、残ったメンバーで仕事が回るか気になるところ。人給システムはまだまだみたいだし。
6月 12th, 2007 at 22:04:18
なんかミカカ系の会社がよろしくやっているようですよ。
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20070611/1181541308
6月 12th, 2007 at 23:24:04
「システム企画を行う部門」など立ち上げたら、野党や国民から「なんでそんな無駄な部門を作るんだ」「そんなもの外部に委託すればいいじゃないか」「そこまで権益を確保したいのか」と攻撃される姿を予想してしまうのは、私の悪い癖かも知れません。
6月 12th, 2007 at 23:32:12
>某省の某システムではメインフレームで金利計算やってますが、小数17位くらいまでの計算精度でやってるらしい。
以前読んだ本を思い出しました。
http://www.amazon.co.jp/dp/4320023684/ref=sr_1_1/503-68...
税金の計算システムを作ったプログラマーが、検収で有効数値により発生する1セント誤差の問題を指摘され、1ドル札を机にたたきつけて「向こう100年分の誤差はこれで補填できているはずです」と言って退席するという話でした。
しかし年間4000億円ですか。もしかして、システム化を全て放棄して、全部紙ベース管理に戻して(要するに統合されていない紙データの方を正規扱いにする)、浮いた費用で人員を増員した方が安くあがるのではないかと。金額からして妄想ではないですよね。
システム化する事で費用アップするというのは、手段と目的を完全に履き違えているわけで。eなんとかで、手段を目的化しちゃったツケが回ってきているんじゃないかなぁ。こんな予算を通した国会の責任は重大だと思います。
とはいえ、民間でも似たような馬鹿な話になることはザラにありまして。特にシステム絡みだと、その辺の判断が急に狂いだしてシステム屋にコロッと騙されるおっさんがいるのは確かなわけで。しかも自分で引っ張り込んだシステム屋なので自分の面子をかけてかばってしまうわけで。明後日そのような案件で、合弁子会社のシステム開発を停止させる件で、相手側の社長と喧嘩しに行く事になっていますorz
6月 13th, 2007 at 2:16:59
>・はっきりと報告書にはかかれていないのだが、社会保険>庁自体にシステム企画を行う部門が存在しない点が気にな>った。随時契約にしても、CPU時間の無駄遣いにしても、>驚くほど社会保険庁自体の主体性が見られず、システム費>用が湯水のように消えていっているように思えた
これが本当だったらえらいことだな(事実でないといいな)と思います。本当に公務員側(発注側)に、「どのようなシステムが適切なのか」、「見積もりが適切なのか」をわかる能力がなければ、そりゃベンダーがやりたり放題になって、税金が無駄遣い・・・になりますよね。
ただ、確か今年の初めくらいにit調達の分割発注のガイドラインが出る、ような記事があったような気がします。発注側に能力がなければ、分割発注に取り組むような冒険するわけありませんから、社会保険庁に関するこの読みが間違いか、
仮に社会保険庁は例外的に駄目でも、他のお役所はしっかりとした人材がいるか、のどちらかだとは思いますが。
でも、ばらばらのベンダーをきちんと管理してシステムを作らなければいけないのだから、分割発注大変だろうなあ。そんなの管理できる人材、ヘッドハントされないよう気をつけるお役所も大変だよなあ。
6月 13th, 2007 at 2:37:14
今や国税よりも社会保険の歳入の方が大きいのですよね。だから使える予算はたっぷりあるというわけでもないでしょうが、なまじカネがあると…。
やっぱり国税庁といっしょにした方がよかったんじゃないでしょうかね。ゆくゆくはシステムも一本化して最適化。なぜ歳入庁案はダメになったんでしたっけ。
6月 13th, 2007 at 6:44:46
>のんきゃりさん
補足ありがとうございました(私も忘れてました(笑))。ただ、現状がどうかということでいえば、von_yosukeyanさんのやり方でも抜けは生じないとも思っています。
>電算機専門官さん
少なくとも現時点においては、まだオープン系が代替するには問題なしとできないメインフレームもあると聞きますから、単にコストだけを考えるのではなく、そのあたりの仕分けはきちんとしなければならないのだと思います。
>一国民さん
NTTデータが、前身の公社時代から各省庁のこの手の話を手広く手がけてきた経緯がありますので・・・。
>bn2islanderさん
各省庁に、というのは無駄でしょうけれども、政府全体でひとつ、でもダメですかねぇ。
>鍋象さん
定員削減と人件費削減が錦の御旗ですから、その結果物件費が増えることは問題ないのです(笑)。
>元経済学部生さん
なかなか専任では確保できないんじゃないでしょうか。他へ行った方がはるかに儲かるでしょうし。入ってから担当する機会が多く、事後的にそれなりの知識を身につけるような方はいらっしゃいますが、言い方は悪いですが発注のプロであって、自分で組めるスキルがあるわけではないと理解しています。
>cloudyさん
歳入庁構想に対する政府のスタンスは、基本的には年金保険料の徴収業務と税の徴収業務は、業務の内容にしても徴収対象となる者の一般的傾向にしても、それほどの重複が無いので単なる数合わせにしかならない、というものだったと記憶してます。
6月 13th, 2007 at 16:19:12
>>元経済学部生さん
>本当に公務員側(発注側)に、「どのようなシステムが適切なのか」、「見積もりが適切なのか」をわかる能力がなければ、そりゃベンダーがやりたり放題になって、税金が無駄遣い・・・になりますよね。
正直に申します。
事前に恐らくまともに動かないだろうと判断したシステムはほぼ全滅しますが、適切なシステムと判断してもちゃんと動くのかはわかりません。予測の○×と、実際の○×でマトリックスを作っていただけると、何が予測できて何が予測できないのかはわかっていただけると思います。
また、見積もりの適切性は、詳細設計が終わるまでわかりません。結局、予算が先にあって機能を削ってつじつまをあわせます。その過程で、かなり無茶な事になって、動かないシステムフラグが立つ事も良くあります。
また、ここが公的組織の欠陥なんですが、本来的には、かける費用とコスト削減効果の判断をすると期待されているのは国会の、恐らく何とか委員会所属の人たちなんですよね。これくらいはできるはずだけど、社保庁のこのケースでやっていない。また、社会保険制度に詳しい議員はいても、システムに詳しい議員なんているとは思えないわけです。
社会保険庁にそういう組織を作ったら作ったで、10年後には「官僚が予算を引っ張るために企画したシステムだ」と責任転嫁されてしまうのではないでしょうか。
縦割りだと多分駄目なので、CIOポジションを作って横割にして、内閣が指名するくらい必要なのかなあと思ったりもしますが・・・日本では総理大臣に指名されるくらいの地位の人は、既にシステム開発の合理性の判断なんてできないわけでw
6月 13th, 2007 at 22:32:49
システムがらみの話題に便乗して・・・
情報漏えいの大半がwinnyなどのシステムから持ち出された情報の漏えいなんだが、このNISCがやろうとしていることは、そういう人の意識の問題ではなく、霞ヶ関の各府省LANとインターネットの間の通信状況を監視することでセキュリティを高めようといっているんだが・・・霞ヶ関のシステムそのものから情報漏えいしたことはないんだよね・・・
この監視システム、年間数億円かかり、しかもこの経費を各府省で負担することとなるらしい。
このシステム導入の経緯がまた酷いんだよねえ・・・怒
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/dai41/41siryou3.pd... の93頁
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/dai40/40siryou3.pd...
http://www.nisc.go.jp/conference/seisaku/dai7/pdf/7siry...
6月 14th, 2007 at 3:49:40
>鍋象さん
他方で、現に行われているのはCIO補佐官の設置(で、補佐されるCIOが官房長とか)だったりするわけですから・・・orz。
>wassenaarさん
情報提供ありがとうございました。で、どこのコンサルにカモられたんでしょうかねぇ(泣)。
6月 14th, 2007 at 22:25:23
>>bewaadさん
>定員削減と人件費削減が錦の御旗ですから、その結果物件費が増えることは問題ないのです(笑)。
そうなんですよ。民間企業は公的組織の人事には介入できませんが、購買案件にしてしまえばあんなことやこんなことができてしまうわけで。きせいかいかくかいぎやけいざいざいせいしもんかいぎにみんかんきぎょうけいえいしゃがおおいので、どうしてもこうむいんをへらしてものをかわせたり、じんざいはけんをふやすほうこうにばいあすがかかってしまうのです・・・なんだってーw
>CIO補佐官
そういや、そういう組織の話題が以前出ていたことを思い出しました・・・。官房長がCIOでもいいんですよ。権限者に自分の責任だと感じてもらう事が大事なわけで。動かないシステム問題の大半は、開発現場じゃなくて、発注側のトップ層にあるわけですから。
6月 15th, 2007 at 1:19:41
「ばいあす」ですか・・・やっぱり
上に出した事例はまさにその典型
ここにも補佐官が民からきていていろいろできもしない技術を官に吹き込んで、既に各府省がIPSやIDSを導入しているにもかかわらず、余分にNISCのセンサーとして全府省に入れることになりそうです。
重複投資であり無駄でしかないんですけどね。
各府省の補佐官も技術的な反論をしないんですよね。
何のために存在しているのか疑問です。
ご参考(CIO補佐官業務)
https://www.mof.go.jp/jouhou/tyoutatu/0150215.html
http://cyoutatujirei.e-gov.go.jp/docs/mofa/c00000638/
6月 16th, 2007 at 21:36:03
>鍋象さん
反対する人々も、財界人が悪の権化であるような描き方をすることが多いので、なんだかなぁという感じがしますよね。本気でそれがいいと思っているところ(及びそれが無批判に会議の結論に採用されること)が問題なのになぁ、と。
>wassenaarさん
わかっていないと、人選からして難しいということではないかと。IPAとか技術士の試験委員あたりを集めて、一度そのあたりをきちんと議論してもらうのも一案なのかな、とは素人考えですが。
6月 16th, 2007 at 23:37:16
>>bewaadさん
陰謀論っぽい書き方をして申し訳ありません。ただ、プレイヤーにはその人の負っている組織の使命が往々にして紛れ込むもので。それが合理的個人というものです。まして企業経営者であれば一般の方よりずっと合理的に行動されます。よって、善意を期待するのではなく、最初からそういうものだと思って人選の時点で配慮してもらわないと困ります。
そもそもは金融庁のタスクフォースでしたか。あと規制改革会議も。直接的な利害関係者を、能力があるという理由だけで会議のメンバーに入れてしまった事が問題なわけで。
最終的には政権交代で安全性は保証されていますが、そこまで行かないで排除する方法を考えておかないと、特に現与党にはどんどん不利な状況がつみあがっていくのかなと。
6月 18th, 2007 at 20:53:28
>鍋象さん
結局、それも反抵抗勢力(官僚や経世会など)の流れに乗るものだと思っています。財界といっても経団連は、財界を代表するというその性格上、その傘下の斜陽産業やらゾンビ企業やらにも配慮をするわけで、それが抵抗勢力的な微温さを持っていたわけです。小泉政権下で重用されたのは、そうした経団連系ではなく同友会系なわけで、彼/女らからすれば、そうした斜陽産業等も唾棄すべき敗者ということでその代弁する必要性など認めておらず、そうした性格が反抵抗勢力の世の中の空気にうまく適合したのだと理解しています。
6月 18th, 2007 at 23:35:49
>>bewaadさん
ちっと論点がすれ違っている気がするなぁ。
僕的には抵抗勢力だ反抵抗勢力だなんてのはどうでも良いんですが。冗談めかしてそれっぽい書き込みした事はお詫びしますがね。
私企業の経営者ごときのどこに国民を代表する資格があるのか?というのが率直な感想です。
6月 19th, 2007 at 23:26:19
>通行人さん
自ら脱線して(笑)恐縮です。企業経営者が国民を代表しているように振舞っているとするならば、そのような立場に本来ある者が権限を委譲したような状況にあることが問題というこで、本来の権限者がだらしがない、ということなのだと思います。