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  • 06/23/2007 (11:43 pm)

    マネーストック統計

    Filed under: economics, BOJ ::

    にマネーサプライ統計の名称が変わるらしいです。

     日本銀行では、現在、本年10月から実施される郵政民営化や、金融商品の多様化等の環境変化に対応するため、「マネーサプライ統計」の見直し作業を進めております。今般、その方向性が固まってきたことから、その内容を公表して、広く皆様のご意見をお伺いすることにしました。

     今回の見直しの主な変更点は次のとおりです。

    1. M2+CD対象預金と郵便貯金・系統金融機関預貯金を統合し、全預金取扱機関の預貯金を包含する新「M3」を作成します。なお、現行「M2+CD」と接続する指標については、新「M2」として当面は公表を継続します。

    2. 通貨保有主体の範囲を見直し、「証券会社」、「短資会社」、「非居住者」を通貨保有主体から除外します。

    3. 広義流動性に「私募投信」、「金融機関発行普通社債」を追加する一方、「債券現先取引、現金担保付債券貸借取引」を除外します。

    4. 統計の名称を「マネーサプライ統計」から「マネーストック統計」に変更します。

    マネーサプライ統計の見直し方針── ご意見のお願い ──(html版(冒頭のみ掲載))

    1は尤もな変更だと思いますし(郵便貯金はともかく、系統金融機関預貯金をM2から外していたことには、経緯以上の意味があるとは思えません)、2や3も説明を読む限りなるほど、というものです。しかし、名称をマネーストックに変更するのは、

    通貨統計の名称については、1967 年に「マネーサプライおよび関連指標」の作成が開始されて以来、「マネーサプライ統計」という名称が用いられてきました。

    しかし、海外では、当初はmoney supplyという名称を用いていましたが、その後徐々にmoney stockやmonetary aggregatesといった用語が使用されるようになりました。具体的には、米国では1970年12月、英国では1971年にそれぞれmoney supplyからmoney stockに変更されたほか、欧州中央銀行では、1998年の設立時からmonetary aggregatesという名称を使用しています。

    こうした国際的な動向を踏まえ、今回の見直しを機に、現在の「マネーサプライ統計」の名称を「マネーストック統計」に変更する予定です。

    マネーサプライ統計の見直し方針── ご意見のお願い ──(pdf版)

    と言われても、昔ながらのものでいいんじゃないの、という気がしないでもありません(どうしてもというならば、海外向け、具体的には英語版の資料の名前だけ変えればいいわけで)。実際、The Concise Encyclopedia of EconomicsのMoney Supplyの項(Anna J. Schwartzによるもの)を見る限り、英語圏でも経済学の世界ではmoney supplyの方が標準的な言い方であるように思われますし。

    ちなみに、変更が「マネーストック統計」へであって「マネタリーアグリゲイト統計」へではないことは、変更を所与とするなら、webmasterは評価したいと思います。というのも、現在のマネーサプライ統計のURIはhttp://www.boj.or.jp/theme/research/stat/money/ms/index.htmなのですが、monetary aggregatesだとこれがhttp://www.boj.or.jp/theme/research/stat/money/ma/index.htmに変更され、このページへの従来のリンクがデットリンクになってしまうと予想されるからです。ま、「マネーストック統計」にした理由は、そちらの方が日本人にとって親しみのある英単語だとか、長さが短いとか、そういった理由であって、URIを変更せずに済むなんてことは考慮の外でしょうけれども(笑)。

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    9 Responses to “マネーストック統計”

    1. 鍋象 Says:

      系統金融機関というのは、農協系の金融機関でしょうか?
      以前は共同組合の中の互助的機能として存在していたんでしょうけど、今はすっかりただの銀行になってますからね。でももうしょっと商売っけ出した方が良いかと思います。

    2. シェルゲーム Says:

       信託勘定は算定外になるのですか?

    3. webmaster Says:

      >鍋象さん
      ↓をご覧いただければと存じますが、信組(とその連合会)、労金(とその連合会)、農漁協(とその連合会)です。
      http://www.boj.or.jp/type/exp/stat/exms.htm

      >シェルゲームさん
      pdfの図表2にわかりやすく表示されていますが、広義流動性の構成要素にするものとされています。

    4. 鍋象 Says:

      >>bewaadさん
      「系統」というのはそういう意味でしたか。
      ありがとうございます。

    5. webmaster Says:

      >鍋象さん
      日銀の特殊な言葉遣いなんですけどね。普通「系統」といったら、お示しのとおり農漁協を想像するわけで。

    6. Robbie Says:

      はじめて投稿いたします。
      「マネーサプライ」というと日銀がマネーを供給している(コントロールしている)というイメージがあり、それを払拭したいという日銀の意向もあるときています。
      10年ほど前にベースマネーを、ひいてはマネーサプライを日銀がコントロールできるかどうかについて翁ー岩田論争があったと記憶しています。
      現実は日銀の量的緩和策でベースマネーをジャブジャブに供給できた(やればできるじゃん)けど、全然マネーサプライは増えなかった(結局コントロール不能)ということで論争は引分に終わったという感じでしょうか。
      そんな経緯を経てマネーサプライのコントロール性やマネーサプライ自体についてもあまり重要視にされなくなってきた現時点で、日銀が「サプライ」という言葉を気にするのも少し時代遅れの気もします(翁−岩田論争の時に名称変更していれば、いいか悪いかは別にして日銀の考えを明確に世間に知らせることになったでしょうが)。
      ちなみに、バブルの時のマネーサプライの急増とバブル崩壊前後のマネーサプライの低迷を経験している私は、もう少しマネーサプライに注目する必要があると思っています。デフレ脱却前に金融引締めの方向に動いた日銀政策に批判的な竹中元大臣もマネーサプライを重視する発言をしています。他の先進国をみても、実質GDP成長率が2-3%、物価が1-2%、名目成長が4-5%というのが黄金比のように思えますが、例外的にデフレが続く(GDPデフレーター9年連続マイナス!)日本経済の体質はなかなか変わらない(変われない、変えようとしない)のでしょうか?
      長文失礼しました。

    7. webmaster Says:

      >Robbieさん
      操作可能性を連想させるかどうかというのは、とても面白い着眼だと思います。日銀がそういう意図を持つことはよくわかるのですが、他方でマネーストックといったらそれほど操作可能性についての認識が変わるのかどうか、個人的には疑問ではありますが(笑)。

      翁・岩田論争については、おそらくは「コントロール」の語感の違いが実はすれ違いの原因ではないか、と素人ながら思っています。日銀からすれば、極端に言えば日々の動きを思ったとおりに落ち着かせるようなものが「コントロール」であって、その意味でのマネーサプライのコントローラビリティをいえば、ヴォルカー就任後しばらくのFRBが失敗したようにうまくいかないだろうと。他方、インフレターゲットの下でのインフレ率のように、一定の幅の中にそれなりの高い(95%ぐらい?)確率での制御(幅の程度にもよりますが)として「コントロール」を捉えるなら、中央銀行がそうできないはずがないだろう、ということもいえるのだろうなと。

      なお、マネーサプライに着目することの意義については、私も同感で、当サイトでは毎月のマネーサプライ公表に当たって前年同月比をフォローしております。よろしければご覧ください。

    8. Robbie Says:

      beweaadさん、クイックレスポンスありがとうございます。当サイトを見始めたばかりの私ですが、広範囲なテーマに関して高度な議論が展開されていて感銘いたしました。
      >当サイトでは毎月のマネーサプライ公表に当たっ て前年同月比をフォローしております。よろしけ ればご覧ください。
      マネーサプライもしっかりフォローされていたのですね。グラフ&長期比較派の私は下記サイトでマネーサプライ動向をチェックしています。
      日銀金融統計月報の最後の方http://www.boj.or.jp/type/release/teiki/gp/data/gp0706.pdf
      日経ネット http://www.nikkei.co.jp/keiki/tuuka/
      竹中前大臣は昨年からのM1急落に対して日銀を批判しているようですが、M2+CDや広義流動性は伸びています。

      ちなみに、私もbewaad氏が恩師の一人とされている故佐藤誠三郎教授に直接指導を受けたというほどではないですが、かなり影響を受けた一人です。(同教授を検索したらヒットしたの当サイト訪問のきっかけでした)。安全保障問題等でもコメントできらば思っております。よろしくお願いします。

    9. webmaster Says:

      >Robbieさん
      もったいないお言葉ありがとうございます。

      マネーサプライについては、基本的に経済成長と相似で伸びていかないことには、「触媒」不足で成長を制約しかねないので、M2+CDの伸び率が徐々に上向いているとはいえ、絶対水準として低すぎると考えています。M1(というよりマネタリーベースでしょうけれども)の急減は量的緩和解除に伴う技術的側面がありますが、竹中前大臣はM1の減少そのものというより、量的緩和解除そのものに対して批判的なのだと理解しています(で、私もそれについては同感です)。

      佐藤先生、なつかしいですねぇ。不肖の弟子を草葉の陰でどうご覧になっているかはわかりませんが(笑)、最近ご無沙汰している安全保障問題も、面白そうな話題があれば取り上げたいと思います。

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