閉鎖経済のシミュレーション
昨日、スタンフォード大学でVirtual Goods Summit 2007というのがあったので行ってきました。ゲーム、デートサイト、SNS、バーチャルワールドなど、いろいろなオンライン事業で売り買いされるバーチャルグッズと、それにまつわる経済の話。
で、中身はさてはおきつ、しみじみ思ったのが、
「日本って、本当に世界から隔絶されてるんだなぁ」
ということ。
(略)
私としては、「これはこれでいいんじゃないの?」というのが自論。
「隔絶された巨大市場」というのは、欲しくても作れるものではない。いつも言うのだが、日本はアメリカに次ぐ第二位の市場。3位のドイツあたりを大きく引き離している。韓国やら中国やらインドなどと比べること自体間違ってるくらい大きい成熟した市場である。しかも、それが世界の他の国から隔絶された文化圏をもっている、というのは素晴しいことではないかと。
(略)
「外貨をそれほど稼がずとも、自立して清く貧しく美しく、割と幸せに生きる」
っていう選択肢は本当に無いのかなぁ、と思うのですよ。太陽発電等をもっと推し進めて輸入燃料依存度を減らす、都市を分散して個々の生活圏を縮小し、燃料を必要とする乗り物への依存度を減らす、などといった方法で燃料消費を極限まで押さえ、一方で食料自給率を圧倒的に上げる(家庭菜園の推奨・・はさすがに無理がありますな)。外貨だって、全く稼げなくなるわけではないし。世界と全く違う、というところを生かして観光客をもっと大量に呼び込むという手もある。
マクロ経済素人が考えることなので、まぁダメダメかもしれないが、本当にシュミレーションしてみたら面白いんじゃないかなぁ、と思うんですよね。(こういうシュミレーションが既にあったら教えてください。)まぁ、この辺は大学の頃から考えていることなんですが、今回のコンファレンスでさらに、「世界から孤立した日本」というイメージを強めたので、ちょっと言ってみました。
「日本は世界のブラックホールか桃源郷か」(@On Off and Beyond6/24付)
まず、それほど日本は世界から隔絶していないよね、という話はあるわけですが(直近のQEでいえば、GDP(季節調整済実質値)559.7兆円に対して粗輸出(同)84.9兆円(対GDP15.1%)、粗輸入(同)60.8兆円(同10.9%)。ちなみにアメリカの直近(2007年第1四半期)値でいえば、GDP(同)11.53兆ドルに対して粗輸出(同)1.34兆ドル(同11.6%)、粗輸入1.95兆ドル(同16.9%)なので、大差ない程度だといえるでしょう)、「外貨をそれほど稼がずとも、自立して清く貧しく美しく、割と幸せに生きる」姿というものを、ここではあえて考えてみたいと思います。
#緻密な包括的シミュレーションといった代物ではなく、個別のパーツについての適当な考察です。それでよろしければ、以下ご覧ください。
新エネルギ源
「太陽発電等をもっと推し進めて輸入燃料依存度を減らす」ことができるのかどうか、まず現時点での見通しとして電気事業連合会の電源別発電電力量の実績および見通しを見れば、火力・原子力・水力以外のすべてを合計しても、せいぜいが1%程度だということになります。電気事業連合会のものですから、それら新エネルギ源のポテンシャルを低く見積もっている可能性があるとして、実際にはもっと上積みが可能だとしても、少なくともここ10年の見通しとしては、5%とか10%とか、その程度で御の字といったところでしょうか。
他方、そのエネルギ収支を考えますと、
他方、エネルギー起源CO2の削減という観点から見れば、風力発電自体はエネルギー起源CO2の排出がないが、「風力+石油補完」では合計で151gC/kWhの排出となるため、LNG複合火力発電の109gC/kWhから比較すると大幅にエネルギー起源CO2排出が増加してしまい、新エネルギーの導入がエネルギー起源CO2排出を削減するとは言えなくなってしまう。「風力+揚水補完」でも、揚水用の動力となる電源が何かという問題が残り、何より他の大規模電源と比較して全く経済性がなくなってしまう。
(略)
新エネルギ発電については、以下のような議論から特別な取扱を行うことが必要であると考えられる。
- 現実に大規模電源と比較して経済性を持った導入の可能性があるのは、産業廃棄物発電のみであるが、潜在導入量に上限があり一般的議論は困難。
- 太陽光発電・風力発電などは、現状の技術水準では、大規模電源と同様の評価方法を適用した場合、経済合理性を以て導入されることはない。
- 新エネルギー発電の導入については、必ずしも「エネルギー起源CO2削減である」とは言えない場合がある。
とのことですから、建設から保守管理・廃棄までのライフサイクルで考えれば、かえってCO2排出源となるエネルギ源、すなわち化石燃料をより多く輸入する必要が出てくる可能性すら出てくるというのが現実なのです。
都市分散
そもそも都市分散すればエネルギ消費量は減少するのでしょうか。家庭におけるエネルギ消費(表第212-2-4)を見れば、暖房や給湯は分散するかどうかには無関係でしょうから、引用部にも書かれているとおり交通機関の使用量が分散かどうかによって大きく変わってくることでしょう。端的には、公共交通機関に比べて自家用車のエネルギ効率が悪いことは明らかですが、自家用車保有量が多いのは地方であり(上記リンク先の表第212-3-19)、このことからも、そう簡単な話ではないと察せられます。
まして、今東京をはじめとする大都市で提供されるさまざまなサービスを分散してなお享受しようとすれば、大いに非効率になります。わかりやすい例で言えば、歌舞伎町並みの歓楽街を各地に作っても閑古鳥が鳴くだけで、それを維持しようとすれば補助金でも突っ込むより他ありません。東京ほど集中が進んでしまうとかえって非効率ではないかとの研究もありますが、基本は、現状よりも都市への集中が進んだ方が効率的だ、との方向で間違いはないでしょう。
食料自給率の向上
これについては、農林水産省による2,000kcal自給達成のシミュレーションがあります(リンク先の第4表)。わかりやすく言えば、年間477kgの食料を摂取するとして、その6割弱の282kgがいも類という食生活が我慢できるならば、カロリーベース食料自給率100%は可能です。贅沢言わなければとか、いろいろと注文はつくかもしれませんが、上記のようなエネルギ消費まで視野に入れるならば、いも類の生産に必要な投入エネルギ量の少なさ(米や麦の概ね10%)は特筆すべきものがあるので、ますますいも類に特化すべきということになります。
なお、蛇足ながら、輸入するとそれに必要なエネルギの無駄だから自国の産品、それも近郊で収穫されたものを、という意見もよく見られますが、財団法人省エネルギーセンター「食生活に伴う直接的・間接的エネルギー消費実態調査報告書」によると、家庭における食料関連のエネルギ消費量年間52,072MJのうち、食料の輸送に関わるものはわずか496MJ(0.9%)に過ぎません。生産に32,469MJ、調理に10,270MJの2大消費で実に80%以上のエネルギを消費しています(後片付け3,232MJ、買い物2,066MJ、飲料容器生産1,954MJを足してトップ5で見れば約96%!)。輸入か国産かという話は、少なくともエネルギ消費量の観点からは、枝葉末節のきわみというのが現実なのです。
観光収入
世界一の外国人観光客受入れ大国といえばフランスですが、その外国人からの観光収入は、2005年で340億ユーロとのこと。余裕を見て1ユーロ170円で計算しても、約5.8兆円といったところです。つまり、フランス並みに海外から観光客が殺到したとしても(地理的条件を見れば非現実的ではありますが)、現在の粗輸出額の1割にも及ばないのです。
「外貨を稼がない」の意味するもの
つまりは輸出をしないということでしょうけれども、輸出企業は無理に輸出しているわけではなく、国内で売るより海外で売った方が得だから輸出しているわけです。なんだか背伸びをして輸出しているようなイメージがあるのかもしれませんが、輸出をしない方が、海外よりも売りづらい国内向けで生産物を捌かなければならないわけですから、よほど背伸びをしなければならないというのが実態です。
背伸びをせずとも国内で売れるようになるためには、マクロ的には、
- 国内の経済主体がもっと気前よくお金を使うか、
- 国内での生産をもっと減らすか、
のいずれでしか達成できません。前者はますますエネルギ消費量が増えるでしょうし(笑)、後者は多くの人が失業して、お金を使いたくても使えないような状態になるからこそ、少ない生産と少ない消費でバランスするということです。つまりは、「隔絶した巨大市場」という日本ではなくなる、ということなのです。
実は、外貨が稼げなくなる将来
といっても、粗輸出が激減する、ということではありません。ある程度は粗輸出額が減るかもしれませんが、その分所得収支が改善(利払いや配当など、今までの海外投資(日本は世界最大の債権国です。為念)の成果が得られる)するので、得られる外貨の量は安定的に推移していくことでしょう。
将来外貨が稼げなくなるとは、少子高齢化の進展に伴い現役人口が減少し、その分生産額が減少する一方で、生産部門に携わらない年金受給世代=それまでの貯蓄の取崩し(年金を含む)で消費のみをする者が増えるので、彼/女らの消費のために輸入する量が輸出量を上回り、純輸出はマイナス=輸入超過になる、ということです。すなわち、入ってくる外貨よりも出て行く外貨の方が多くなるのです。
だからといって心配することがあるかといえば、実はそれほど心配する必要はない、というのがwebmasterの管見です。上記のとおり日本は世界最大の債権国ですから、その債権を取り崩していくという外貨獲得手段もあります。といっても無限大の債権があるわけではないので、いつかはなくなってしまうのではないか、そのような心配もあるでしょう。
しかし、なければ借りればいいだけのことです。借金というだけで罪悪視するような風潮は世の習いですが、借金は返せなくなることが問題であって、返せるものであれば何の問題もないといっていいでしょう。具体的には、個人であれば収入の一定の範囲内に返済額が収まるということでしょうし、これを国全体に広げるならば、対GDP負債比率が発散しない、ということとなるでしょう。つまり、GDP成長率をたとえば4%とするならば、借金残高の伸び率を中長期的な平均でそれ以内に押さえ込んでいけばよい、ということになります。
もちろん、歴史上幾度か見られた通貨危機のように、流動性の問題、つまり財務状態で言えば十分返せる状態であるにもかかわらず、外貨調達がショートして手許に外貨がなくて返せなくなる、という事態に陥る危険は出てきます。今後の日本の以上のような趨勢を見据えるならば、そうした事態への対処法‐各国当局との通貨スワップ協定の締結、機動的な資本規制の検討等‐の準備を怠るべきではありませんが、外貨が稼げなくなるからといって、新エネルギ開発に血道をあげたり、無理に疎開を進めたり、食料自給率向上を金科玉条とする必要はまったくないといえるのです‐むしろ、そのような資源の無駄遣いは慎んでしかるべきでしょう。
基本的に、海外からの輸入は、自国で生産するよりも有利であるからこそ、買ってきているわけです。それを強引に自国生産に切り替えたところで、生産資源は有限なのに生産性の低い部門に資源をシフトさせたり、本来安く買えるはずのものを高く買わなければならなかったりと、碌なことはありません。「むしろ、そのような資源の無駄遣いは慎んでしかるべきでしょう」とは、そのような意味なのです。





6月 26th, 2007 at 10:29:41
いつも日本との対比でアメリカが持ち出されるのは不自然だと思っているのですが、ヨーロッパ諸国の(いわゆる)貿易依存度は、ノルウェーとロシアを除けば20%超が普通で(2005年度・輸入依存度)、日米両国は先進諸国の中では少数派に属することを考える必要があると思います。
エネルギー消費をベースに考えた生産効率でも、日本は先進国中最低水準だったと思います。
また、単純に、人口減少によって輸出額が減少する一方で、輸入額は現在よりもむしろ増加すると考えなければいけない理由はないように思います。輸入も減少するのが当たり前であって、もし、入超に転じるとしたら、それもまた国際的分業の上で必要且つ経済合理的な範囲で行われれば良いだけのことです。
6月 26th, 2007 at 10:49:55
ちょっと場所が良くないですが、ニセ科学、悪徳商法、裁判ネタです
http://www.minusionwater.com/ochaacjp.htm
http://atom11.phys.ocha.ac.jp/bbs01/list.php
6月 26th, 2007 at 12:38:27
経済学的に見て理想的なのは、こういう例なのかもしれませんね。
かさぶた。 ゲーム業界は「パラダイス鎖国」ならぬ「パラダイス開国」
http://gamenokasabuta.blog86.fc2.com/blog-entry-221.htm...
6月 26th, 2007 at 19:28:41
ここは酷い松本糸魚川連絡道路ですね…
痛いニュース(ノ∀`):自転車日本一周の80歳 ゴール目前で事故死
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/995177.h (more…)
6月 26th, 2007 at 21:13:37
>Baatarismさん
すみません、見られません。
6月 26th, 2007 at 21:45:14
参考にどうぞ
石油代替エネルギー供給技術の有効性の検討
http://env01.cool.ne.jp/ss02/ss022/ss0225.htm
6月 27th, 2007 at 1:22:44
「自立して清く貧しく美しく、割と幸せに生きる」
の意味が良くわからないわけで・・・
現代において貧しかったら、清潔も美しさも手に入らないんですが。貧しいと自立もできませんし。
貧しいって結構ヤバイってことが、どうも最近目に触れにくいところに隔絶されている気がします。
インテリ層が「貧しさ」を語ると、プロテスタンティズムの倫理的イメージが強くなりますが、漫画喫茶難民からすれば貧しさはかなり切実な問題でして・・・。黙って社会の片隅に生きてる連中に更に「清く貧しく美しく、割と幸せに」とは中々主張できない気がします。
6月 27th, 2007 at 1:30:15
自然エネルギーをうんぬんする人って、アイスランドあたりの成功を見てすげーって思ってしまうんでしょうが、人口たった30万人の国と同じことが1億2千万人の日本でできるわけもなく。
> rijinさん
> エネルギー消費をベースに考えた生産効率でも、日本は先進国中最低水準
http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_countries_by_ratio...
↑名目為替レート換算GDP per CO2排出単位のリストでいくと、人口一千万以上の国で日本より上位にあるのはフランス、イタリア、イギリスで、日本はドイツより上です。「最低水準」と言うほど悪くはないのではないでしょうか。
この順位はだいたい石炭の使用の割合で決まってしまうようですね。ドイツは石炭が豊富なのでランク低い。日本は石油を減らした分石炭使用が増えてしまい悪化したように見えます。↓
http://www.iae.or.jp/energyinfo/energydata/data1016.htm...
もっと原子力を増やせばいいのになあと素朴に思ってしまうのですが。出力調整ができないので夜間の需要で抑えられてしまうとかいう話があるけど、フランスは普通に出力調整しているようですしね。
6月 27th, 2007 at 3:57:21
rijinさんの「最低水準」というのは「エネルギー消費が少ない」という意味だったのですね。逆に解釈していました。すみません。
御指摘のデータはこれでしょうか。
http://en.wikipedia.org/wiki/Energy_intensity
http://www.eia.doe.gov/pub/international/iealf/tablee1p...
こちらのデータ(CO2関係なしの全エネルギー÷PPP換算GDP)だとノルウェイやスウェーデンが韓国なみに劣化しているのが面白いですね。
6月 27th, 2007 at 4:05:07
>猿マシーンさん
バブル期に「清貧の思想」がもてはやされましたが、どうしても人文系知識人のその路線は、竹林の七賢というか高等遊民というか、金持っているからそんな余裕をかましてられるんだよね、という気になってしまいます。といいますか、人力がいかに贅沢なエネルギであるか、もう少し理解して欲しいなぁと。
6月 27th, 2007 at 4:07:39
>rijinさん
ヨーロッパは地理的環境の違いもあるので、ヨーロッパと単純に比較することには慎重であるべきだと思います。にしても、(前のエントリにいただいたコメントへのお応えとも重なりますが)EPA等によってもっと貿易を自由化し、輸出入比率が上がる余地があることは否定しませんが。
純輸出のプラスマイナスはISバランスで決まる、すなわち国内の総生産から国内の総消費と総投資を差し引いた額が純輸出となる=(総生産と総消費の差分が総貯蓄なので)総貯蓄と総投資の差分が純輸出となります。個人の一生を考えれば、ライフサイクルにおいて現役世代において貯蓄し、退職後にそれを消費するというのは明らかで、つまりは老齢世代の人口比が上がれば、必然的に総貯蓄は減少せざるを得ません。そうしたマクロ的な枠組みの中で、どういったものを国内で生産し(それを国内消費や輸出に回し)、どういったものを輸入するかという点については国際分業の議論が当てはまるものの、純輸出の動向は国内要因でほぼ決まるということになります。
>報告さん
情報提供ありがとうございました。この手の話題をご教示いただくには、blogだと不便というか、掲示板併設だと便利なんだろうなぁと。
>Baatarismさん
携帯電話なんていうのは、販売奨励金があるからこういった状況になっているわけで、それがなくなったら海外メイカーが日本市場も席巻すると思います。そういったところを無視して日本の特殊性がどうのこうのといわれてもなぁ、という気がします。加えて、たとえば携帯市場で日本メイカーが敗れ去ったら日本の将来はお先真っ暗、というのも、また切込隊長さんに釣られた認定されてしまう(笑)ので取り上げませんが、比較劣位な分野で負けたっていいじゃないというか、むしろ負けて喜ぶべきなんじゃないのと思うわけですし。
>Fochさん
私が見たときは大丈夫だったのですが・・・ゲーム業界では日米欧同時発売みたいなことがよく見られ、それぞれで成功している例も多く、したがって文化が違うからどこかでは受けても他では受けない、というのはローカライズの工夫のなさに過ぎない、といった趣旨の内容でした。
>⊂二二二( ^ω^)二⊃さん
実は戎能論文も、そこから見つけたものだったりします(笑)。内容が高度でうまく噛み砕けなかったので、引用はしませんでしたが、わからないなりに勉強になったと思います。
>cloudyさん
原子力については、フランスはEU内で余剰分を売却できるからこそ、という話を聞いたことがあります。日本のように他国への売却ができないと、定格出力を維持するにはおのずと限度があるのだと思います。
6月 27th, 2007 at 7:33:57
>貧しいって結構ヤバイ
シャレになりませんね。清貧をすすめる連中に俺と同じ生活ができるかというとまず無理なわけで。
そのへん日記にしようかと思わないでもないですが(ただし私が下手に書くとほのぼのギャグになりかねない。)、最近は生活保護者は恵まれているとか言われるので思いっきり躊躇中。orz
6月 27th, 2007 at 9:51:15
>Fochさん
どうやらURLを2回貼り付けてしまったようですね。
もう一度貼っておきます。
http://gamenokasabuta.blog86.fc2.com/blog-entry-221.htm...
>bewaadさん
日本には「ハイテク分野で負けてはならぬ」という強迫観念があるような気がしますね。「技術立国」意識が強すぎるのかも。
6月 27th, 2007 at 11:46:43
cloudyさん、データありがとうございました。…さすがに大きく専門外で、きちんと引用ができず、申し訳ありませんでした。
> 個人の一生を考えれば、ライフサイクルにおいて現役世代において貯蓄し、退職後にそれを消費するというのは明らかで、つまりは老齢世代の人口比が上がれば、必然的に総貯蓄は減少せざるを得ません。
そうでしょうか。
高齢者では若年世代で見られるような住宅購入のような大型消費は減りますし、指定への養育・教育費用負担もなくなります。衣食住、余暇や趣味に投じられる金額も目に見えて減るように思います。
実際、消費の縮小が問題となっているわけでもあり、これについては一般的な固定観念がほんとうにマクロ経済においても適応できるものかどうか、データに基づいた検討が必要であるように思います。
だいたい、若年人口が急増していれば経常黒字、老年人口が急増すれば経常赤字などということには、諸外国でいくらかの例外が見られるように思います。…アメリカ合衆国とか。
…ワケあって、生活保護水準で半年ほど暮らしたことがありましたが、死なない程度の生活というのは、たとえ若いうちであっても、あまり人に勧められるものではないように思います。
6月 27th, 2007 at 18:20:32
>>Baatarismさん
>日本には「ハイテク分野で負けてはならぬ」という強迫観念があるような気がしますね。「技術立国」意識が強すぎるのかも。
思います。企業には国籍なんぞないのに。
もし、本気で日本「国」はハイテクで負けてはならぬと思っているなら、米兵器産業のように補助金を大量に突っ込んだ上で、輸出・技術移転に国会の議決が必要とかにしなければならないはず。
つい20年ほど前までコピー文化と言われ続けた過去がありますので、開発者の名誉が欲しいんでしょうか。いや、昨今の中国よりはかわいいものですが、やってきた事は大差ないわけで。
6月 28th, 2007 at 0:38:16
>bewaadさん
>バブル期に「清貧の思想」がもてはやされましたが
バブル崩壊以前から、日本人には抜きがたいデフレ志向があるってことじゃないでしょうか。
高橋是清の評価も、日本史上ではそれほど芳しくないようですし、どうも日本人には「清く正しければ、貧しくても良い」という思想が底流にあるのではないかという気がします。
6月 28th, 2007 at 4:54:47
>BUNTENさん
ほのぼのギャグが書ける才能がうらやましい・・・。
>Baatarismさん
たとえばYS11に関する↓を見ても、記事自体はプロジェクトX的なノリでもっとうまくやっていれば、というトーンですが、比較優位なのかどうかという視点がないように思われ、それと同列の問題ではないかと思うわけです。なんでもかんでも自分たちだってできるのに、みたいな。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/anohi/CK200...
>rijinさん
ミクロ的な話としては、長期的な消費性向に関するライフサイクル仮説は、それなりに実証的根拠のある話です。マクロ的な話としては、こと日本に関しては、貯蓄超過=経常黒字化はほぼ第一次ベビーブーマーのライフサイクルと重なって説明可能です。結局のところ、絶対的な消費量よりも貯蓄と消費のバランスの問題であり、現役世代がそれなりに多く消費しようとも、それと同時に貯蓄が累増するのであれば、その貯蓄の裏側として対外投資が必要となり、経常黒字となって還流せざるを得ないわけです。
>鍋象さん
救いは、その手の声は外野で大きく、当の製造業にあまりその気がないことでしょうか(笑)。
>yyさん
一応は高度経済成長は肯定的評価を受けているようですから、反バブル志向というものなのかな、という気はします。ライブドア関連で「虚業」なんて言葉がよく見られましたが、その手のものへの違和感とでも言えましょうか。
6月 28th, 2007 at 7:04:39
>「清く正しければ、貧しくても良い」という思想
「貧すれば鈍す」だの「衣食足りて礼節を知る」といった言葉もありますです。限度を超えた貧しさは良くないと日本人は思っている…と信じたい。orz
6月 28th, 2007 at 10:55:02
> マクロ的な話としては、こと日本に関しては、貯蓄超過=経常黒字化はほぼ第一次ベビーブーマーのライフサイクルと重なって説明可能です。
おっしゃることは正統的理解として分かるつもりですが、たとえば年金制度がの整備されたことが、ベビーブーマーの消費・貯蓄性向にどのような影響を与えるかは未知数ではありませんか。
過去のデータは、貯蓄の取り崩しと子孫世代からの所得移転によって生活する…しかも比較的短期間…しかなかった世代の影響が大きく、今後の状況の推測にそのまま当てはめて良いかどうかについては疑問の余地があると考えます。
(…年金については例示です。念のため。)
6月 29th, 2007 at 5:10:04
>BUNTENさん
私も信じたいです・・・。
>rijinさん
>過去のデータは、貯蓄の取り崩しと子孫世代からの所得移転によって生活する…しかも比較的短期間…しかなかった世代の影響が大きく
年金も、積立金部分は「貯蓄」で、その余の給付は「子孫世代からの所得移転」ですから、大まかな傾向は変わらないだろう、とは予測しています。もちろん、実証してみたら予測が外れていた、という可能性は大いにあるわけですが。
6月 29th, 2007 at 15:39:08
> 年金も、積立金部分は「貯蓄」で、その余の給付は「子孫世代からの所得移転」ですから、大まかな傾向は変わらないだろう、とは予測しています。
賦課方式となっても年金積立金を取り崩して給付に充てるという話は聞かないのですが、ひょっとして、取り崩すと経常赤字が発生する原因となるとの判断によるものなのでしょうか?
6月 30th, 2007 at 16:15:49
>rijinさん
↓には、「今回の改正では、100年後の積立金を支出の1年分とする財政方式が取られた」とあり(今回の改正=平成16年改正)、緩慢にではありますが今後取り崩していくこととなります(現行の積立て水準は5年強分の支出相当額です)。
http://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/zaisei/repor...
7月 1st, 2007 at 6:48:24
> 緩慢にではありますが今後取り崩していくこととなります
ありがとうございました。
…150兆円(?)を100年かけて30兆円まで(??)減らしていくということですね。(100年後の給付人口や給付水準って…)
これだけゆっくりなら、経常収支への影響は、生じたとしてもごくわずかという判断なのでしょう。
7月 1st, 2007 at 16:33:09
むしろ、これで財政赤字が解消したりするんだよね。
7月 2nd, 2007 at 5:13:45
>rijinさん
賦課方式の下で巨額な積立金を持つことを正当化するなら、大規模な世代人口差を埋めるためとしか言いようがないはずで、第一次ベビーブーマー用にそれなりに、残りのほとんどを第二次ベビーブーマー用に充てるのが合理的な用途だと思います。
>通行人さん
といいますか、民間部門での貯蓄投資差額が投資超過になってしまった場合になお財政赤字が残れば、よほどの経済成長がない限り、それは維持不可能ということに・・・(といっても、ここ数十年を見れば、アメリカ程度の経済成長で足りるようですが)。
7月 2nd, 2007 at 11:00:33
第2次ベビーブーマーの年金受給が開始されるのは2040年代前半で、100年後までだいぶ間がありますよね…。いいところ、向こう50年で切り崩してしまって良いように思いますが、…。
何か既に別の話題に変わってきているような…。
7月 3rd, 2007 at 5:05:06
>rijinさん
ま、100年というのは遠い将来を表す便宜的な時点であって、100年それ自体には意味がない(50〜150ぐらいで任意に設定可能)ということだと思います。
なお、話題がシフトしてしまったのは、私が目先の応酬に目を奪われがちで、大局をうまく見据えられない故かと。失礼いたしました。
7月 3rd, 2007 at 10:00:32
いやいや、楽しく考えさせていただいております。脱線も時には良いものかと思います。
いつもありがとうございます。
7月 4th, 2007 at 4:10:22
>rijinさん
そうおっしゃっていただけると救われます・・・。