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  • 07/20/2007 (9:57 pm)

    FEDヴューとBIS(BD)ヴュー

    Filed under: economy ::

    某所で議論になり興味がわいていたのですが、田中秀臣先生からソースのご紹介がありましたので、クリップします。

     経済実態に不整合な過度の通貨高が大恐慌の発生と不可分の関係にあることは、今日ではだれもが認めることである。これは大恐慌当時は金本位制であったため「金の足かせ」と呼ばれているが、その本質は為替レートという(相対)価格が正常な経済状態とバランスを失していることである。

     その意味では、日本経済の長期停滞とプラザ合意による円高は深い関係にあるし、それ以前への実質実効レートの回帰と景気回復が同時に起こっていることは当然であると言えるのだ。

     だが、この一方的な正のフィードバックは、発散的な円安の懸念を引き起こしている。つまり経済実態とかけ離れた円安とその裏側の円キャリートレードを一種のバブルであるとすると、それが崩壊するとき、世界的な為替投機家のバランスシート調整が暴力的な形で起こるのではないかと危ぐされているのだ。

     結局、われわれはこの15年ほど議論し続けてきた問題に立ち戻っているのである。つまりある時期に必要とされる金融政策が成功し、結果的にバブルが形成される可能性が生じたとき、何をすべきなのかという問題だ。 

     これには2つの答えが用意されている。1つはFEDビューと呼ばれるものであり、「危機が起これば必要な流動性を十二分に供給し、危機を押さえ込め」と教えている。人によってはグリーンスパン前FRB議長の政策運営はこれだけだったと酷評する人がいるが、確かに彼の行ったことのある一面を的確に評価しているとも言えよう。

     これに対して、BIS(国際決済銀行)ビューあるいはブンデスバンク(ドイツ連銀)ビューとでも言うべきものがある。これは「混乱を引き起こすバブル崩壊の原因となる資産価格の過度の上昇それ自体を押さえ込め」と教えている。

     この2つの教義のどちらが正しいのか、純粋な理論レベルでは必ずしも決着はついてはいない。しかし、実績をみれば、米国はITバブル崩壊を乗り越え、依然として成長を持続しているのに対し、バブルつぶしを決行した日本は15年の低成長に苦しんできたのである。

    ロイター「COLUMN-〔インサイト〕世界同時好況の裏で進む新たな危機=エコノミスト・岡田靖}

    もしBIS(BD)ヴューが世間的に支持される背景に、戦後長らく世界最高の中央銀行と賞されてきたブンデスバンクの威信・権威があるのであれば、FEDヴューへの転換に当たってはまずはブンデスバンク(とその衣鉢を継ぐ欧州中銀)の評価を相対化する必要があるわけで、これは思いの外の難事であるような。果たして、グリーンスパン個人が如何に名声を勝ち得ているとはいえ、ブンデスバンクの「実績」に抗することができるほどのものなのでしょうか・・・。

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    6 Responses to “FEDヴューとBIS(BD)ヴュー”

    1. 鍋象 Says:

      日銀は本当にBISビューなんですか?

      ポリシーというのは理屈で判断できないときの行動指針であり、そのポリシーで行動した際に起こりうる不測事態に対し徹底した対応を断固として行う事がポリシーの存続を支えるわけで。それでなんとなくうまく行っているのであれば、BISビューだろうがFEDビューだろうがかまわないわけです。

      日銀は脇が甘く、自らの行動でミス連発する事でポリシーを守れていないわけで。こういうのはノンポリというのかなと。

    2. アングラ Says:

      ポリシーがないのはノンポリというよりオポチュニスト(機会主義者)ですね。

    3. webmaster Says:

      >鍋象さん
      少なくとも三重野時代の後半(引締め路線転換後)は、BDヴューなのではないでしょうか。速水時代のゼロ金利解除で確かにいったん挫折はしましたが、そこから(こちらからすれば迷惑な話ですが(笑))教訓を得て、今はそれなりに「うまく」やってしまっているわけですし。

      >アングラさん
      一般論としてはさておき、今の日銀の見立てとしては、そのような認識となることは理解できます(私自身はポリシーがあると思いますが・・・って、あくまで鍋象さんの文脈でしょうから、アングラさん自身がそうお考えと限ったわけでもないのですが)。

    4. 韓リフ Says:

      この資産価格の安定化という日本風「第二の柱」に象徴される話題は、将来の日銀法改正(直近の実現性は風前の灯?)をどう構築するかを巡っても一大争点になりそうですね。日本の場合は、伸縮的なインフレ目標をどう法案化するかが勝負なのかな。

    5. webmaster Says:

      >韓リフさん
      法改正となると、そういう環境が整う必要がありますので、手っ取り早くは山本議員のような人を財務大臣にして、日銀法第2条の「物価の安定」とは(イェレン流に)コアコアCPIで年2%±1%と解される、と法律の所管大臣として宣言させてしまう、ということなんだろうと個人的には思ってます。大臣が権限内の事項について強権発動すればなかなか止めがたいというのは、暗黒卿の雇い主(笑)が実証したところですし。もちろん日銀は抵抗するでしょうけれども、余の注目を集め論争に持ち込めればしめたものだと思いますし。

    6. EURO SELLER Says:

      現行の日銀には雇用の安定とか景気刺激に関するMandateがないと思われますので,そこを整備しない限り予防的なBISビューにしかならないのかなと漠然と思います。

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