サブプライム問題について一言。
webmasterの自意識過剰ではあるのでしょうけれども、呼ばれたような気がしまして(笑)。
こんなことを言うととばっちりが来そうだが、ネットの経済屋さん、とくにリフレさんというか、こういう状況で具体的なビジョンというのは語らない感じがする。総じていえば、経済学が抽象度が高い学問のせいか、その抽象性の優位に知性が居座っていて、状況や政治力学(軍事++)の感性が鈍いように思われる。
「朝日社説 米信用不安―「対岸の火事」ではない」(@finalventの日記8/11日付)
この手の金融危機については、最近の経験則(日本の金融危機等)により、
- 当座の対応としては、流動性危機が連鎖しないよう、中央銀行による流動性供給に万全を図る。
- 原因への対応としては、マクロ的な下支えを十分に果たした上で、市場での調整にゆだねる。
- 再発防止に向けた制度的対応としては、不安の連鎖を断ち切れるよう、情報開示の充実に努める。
というパターンがベストプラクティスとして確立しています。現時点は1.の段階にあり、その巧拙は議論になり得るにせよ(ECBの対応についてのbank.of.japanさんの考察は、どのような観点から中央銀行の対応を分析すべきかを示していて、興味深いものだと思います)、当面は推移を見守る以上のものではないでしょう。
マクロの底抜けの危険が生じてしまった事態を想定するなら、マクロ対応としては、欧米ともにインフレ警戒で引締め気味の運営の中、インフレ率が明確に反転しないようですと、難しい話になってくるのは否めません。財政刺激に頼らざるを得なくなるのかもしれないでしょう。





8月 13th, 2007 at 0:21:31
これこそ「全てを金融政策に押しつけるのは間違い」の典型的な例ですね。つまり、ITバブル崩壊の後始末で劇的な金融緩和を行ったグリンスパンが、結局は住宅バブルを生み出したと批判する人が多いわけですが、私見に寄ればITバブルや、それに先立つLTCM崩壊劇から教訓をくみ取り、適切な規制強化を行っておくべきだったのに、それをサボったツケをバーナンキに回してきたということでしょう。
とはいえ、「政府が適切な対処をしないなら緩和はできない」なんて速水さんみたいなことを言って世界恐慌を招くわけにもいきませんから、事態がここから悪化する可能性が出てくればインフレ目標は棚上げにして金利引き下げを行うことになるのでは?
流動性危機の本質は「質への逃避」ですから流動性供給を増やしてもさし当たりはインフレ率は上がらないでしょうし。上がるなら、そもそも流動性危機ではなかったということでしょう。
8月 13th, 2007 at 0:58:53
私なんかはそもそもたいした問題じゃないと思っていた上に念押しのように今回の措置が執られたのでこれでもう万全と安心したんですが甘いんでしょうか
騒動の原因はサブプライム問題の規模よりは、世界の信用全体が膨らみすぎていて弾けるんじゃないかという不安にあると思うんですけど、もう十分下がったし安心だろうと高をくくってます。私みたいなのが多数派なら日本銀行もやり甲斐があるってものなんでしょうけどね(笑)
8月 13th, 2007 at 1:26:17
あまりわかっていないのですが、流動性供給は流動性の危機に対する対症療法で、根本原因の解決にはならないような気がするのですが。
つまり、不安の解消によって危機の連鎖を防ぐことはできても、サブプライム関連の損失がなくなるわけではなく、ましてやその損失の全体像すらまだ把握されていないとしたら、bewaadさんの言うところの2、3の段階では結構手こずるのではないでしょうか。
8月 13th, 2007 at 7:37:43
>銅鑼さま
グリーンスパンに責任を押しつけるならまだましで、例の円キャリーの話と絡めて日銀の引締めがtoo little too lateだからだと言い出す人々までいるわけでorz。LTCMをうまく処理できたから、再発防止を怠った面もあるのかな、という気はします。
マネタリーをゆるめずにプルーデンスとして十分な流動性供給、というのは難しいんでしょうか。ロンバートで下支えする、なんていうのは、マネタリーにはあまり影響しないような気がするのですが・・・。
>労働無価値さん
私はアメリカの景気がこれによって腰折れして、(日本にとっての)外需がどうにかなってしまうのでは、というのが一番心配です。
>yyさん
ITバブル崩壊時とどちらが難しい状況なのか、私にはよくわかりませんが、あのときはうまく捌いたのだから今回もそれなりに何とかなるのでは、とは思っています。ただ、エントリでも書いたように、金融政策の方向性が見いだしづらい点が心配ではあります。銅鑼さまのおっしゃるように、若干インフレ警戒に目をつぶって思い切った緩和、という方向転換が可能であればそれに越したことはないのでしょう。
8月 13th, 2007 at 10:51:36
今こそ、日本企業の対米直接投資のタイミングです
設備投資は不況の時にやるのが一番良い
米国経済の弱点であるスタグフレーションにも最善の処方です。
8月 14th, 2007 at 0:04:17
ご指摘のような整理でよろしいのではないかと思います。不安が生じたインタバンクに対する流動性供給は、現時点では「とりあえずは庭先の火事にどのような消火方法を取るのか」というテクニカルな問題にとどまっております。もちろん、ここから先、マーケットの火事が予想外に広範なものとなり、実体経済に悪影響を及ぼすであれば、マクロ的な観点でどのような金融政策を行うべきかが課題となります。
なお、日銀は金融政策はあれですが、少なくともこの手のテクニカルな問題では相当に能力は高いです。どうかご安心を(笑)。
8月 14th, 2007 at 4:43:27
>PKさん
スタグフレーションが生産性の低下によりもたらされるならば、資本投下量が増えても問題の解決にはならないでしょう。
>本石町日記さん
私もプルーデンスは信頼しているのです。本当に(笑)。