続・何でもかんでも官僚のせいにするのは勘弁してください。
昨日のエントリについて、藤代裕之さんより言及をいただきました。
追記・上記エントリーに対して「何でもかんでも官僚のせいにするのは勘弁してください。」というトラックバックを頂きました。よく読んで頂きたいのですが、政治に問題があることは指摘していますが(小池氏の手法についても言及している)、それは後で国民が審判を下せることであるということです。このエントリーのポイントは官僚の分をわきまえぬ行動にあります。bewaad氏がどのような人物か知りませんが、何でもかんでも官僚のせいにしているわけでもないのに、あえてステレオタイプの官僚バッシングのように見せ、他に責任を擦り付けるのは官僚の常套手段ですね(苦笑
bewaad氏は『民間企業でたとえるならば、部長人事は本部長権限ではなく取締役会事項とされているような場合において、取締役会をさしおいて本部長が部長人事を決定したので…』と書かれているのですが、そもそも次官の任命権者は所管の閣僚にあるわけで、慣例がまかり通っているに過ぎません。『次官の任命権者は所管閣僚だが、制度上、官房長官が主催する閣議人事検討会議に諮る必要があり、塩崎長官が会議開催を拒否すれば、人事は事実上凍結される』(毎日新聞)、『事務次官などの省庁幹部人事は通例、大臣と官邸双方の意向が反映される。大臣が現職事務次官と相談して大筋の人事を決め、正副官房長官による人事検討会議の了承を得て閣議で決定するのが慣例となっていた』(朝日新聞)。それに、民間企業ならお家騒動で価値が下がれば株を売ることも出来ますが、省庁は株を売ることはできません。
大臣が事務次官人事を行うのは普通のことであり「慣例」は反対の根拠のなりません(何度も言いますが、小池大臣の手法と官邸と官僚の政治の力学などに問題はありますが、ここではそれが論点ではありません)守屋次官におかれましては、国民の貴重な税金で給与が支払われている執務時間内に、人事白紙撤回や後任の阻止といった「政治活動」にいそしむことなく、本来の防衛省職員としての仕事に励んでいただきたいものです。
「官僚天国ニッポン、事務次官はクビに出来ないのか」(@ガ島通信8/13付)
まず事実関係については、branchさんが詳細に検証されているように、人事検討会議を経て閣議了解、という流れは閣議決定事項ですから、制度的な根拠のない慣例などではありません。対外的効力が問われているのであればさておき、行政府内においては、総理大臣といえども閣議決定に服する必要がありますから、(昨日と半ば重なりますが)藤代さんがエントリのタイトルに冠されている「事務次官はクビに出来ないのか」との問いについては、きちんと手続を踏めば出来ますよ、今回は手続に瑕疵があって騒ぎになっていますが、というのが答えなのです。「クビに出来ない」と事実に基づかない前提を立てて、「官僚天国ニッポン」とレッテルを貼られたことにつき、それは違います、と申し上げているわけです。
続いて、藤代さんご自身がエントリのポイントとされている「官僚の分をわきまえぬ行動」というのが、webmasterにはよくわからないのです。守屋次官自身については、今回の騒動(やその長期政権、およびその期間中の部内統制)を見るに、webmasterの好みを言えば決していい評価を与えたいものではありません。不満があっても呑み込む方が見習いたい立居振舞であるのは事実です。しかし、それは人の常というものでしょう。
人事に対して不満を持つ人はこの世にいくらでもいます。主観的に理不尽だと思う人事について、何ら不平もいわず淡々と受け入れる人ばかりでないからこそ、そのような行動が賞賛されもするのでしょう。そして不平不満がある際、手続的瑕疵に着目してその効力を争うというのも、これまた世の中にいくらでもある話です。手続に何ら問題なく正式に組織決定された事項に対して反抗するのであればともかく、不平不満を抱くことそのものや、手続の問題に着目して挽回を図ることまでもが「分をわきまえぬ」というのであれば、官僚は聖人君子であらねばならぬし、手続に瑕疵があっても文句を言うな、ということになってしまいます。
結局のところ、
国民は、今回の小池大臣の行動が気にいらなければ選挙で審判を下すことが出来ますが、官僚は選べません。官僚機構が現実として国を動かしているとすれば、政治にはせめて事務次官をクビにする(選ぶ)ぐらいしか出来ない、それすら否定されれば選挙、民主政治の意味がなくなってしまいかねません。
「官僚天国ニッポン、事務次官はクビに出来ないのか」(@ガ島通信8/13付)
という事実認識が藤代さんの論を支えているのだとwebmasterは思います。「政治にはせめて事務次官をクビにする(選ぶ)ぐらいしか出来ない」というご指摘は、webmasterは違うと考えていますが、そこは水掛け論なのでしょう。その判断は読者諸賢にゆだねたいと思いますが、たとえば横田由美子「私が愛した官僚たち」に出てくる政治家に転身した元官僚たちは、皆官僚ではできることに限界がある、本当にやりたいことをやるには政治家でないと、といって役所を辞めているわけです。webmasterの管見では政治家だってやりたいようにやるなんてことは出来ない(といいますか、そんな人はこの世に何人いるのでしょう?)と思うのですが、とまれ、官僚だからといって好き放題できるのであれば、そのような理由で政治家に転身する人はいないのではないでしょうか。
#官僚を志望して官僚となる=世間の平均よりは霞が関の情報を収集しているであろう者であっても、入ってみてこんなはずではなかったと思うぐらいですから、なかなかわからなくても無理はないと思いますが。





8月 15th, 2007 at 5:01:58
はろー管理人さん
管理人さんにメールを
送りたいのですが、
メアドはどこに書いてありますか?
8月 15th, 2007 at 5:23:28
事実としての専門家集団としての官僚人事のオートノミーと最終的な民主的統制確保のための政治(小池・内閣)の法的人事権留保との関係(かつての内藤局長更迭事件)の議論と、
省の事務の責任者としての大臣の人事権と割拠性克服のための内閣承認制の議論は分けて考えないと議論が混乱するのでは。
8月 15th, 2007 at 7:27:23
>とくめいさんへ
旧サイトのメールホームはこちらですよ。
http://bewaad.sakura.ne.jp/contact.html
右タブのコンタクトはページが開かないみたいですね。
国民に対する説明責任を一切果たしていない行政執行部に説明と接見を求めてもだめみたいですよ。
預金封鎖目前の緊迫した状態を認識していないみたいですね。
8月 15th, 2007 at 8:50:07
藤代氏は反論しなさそうだな。
説明責任って便利な言葉だよね。
具体性無いのに相手を批判できるし。
8月 15th, 2007 at 8:51:41
藤代氏は反論できるのかな。
説明責任って便利な言葉だよね。
具体性無いのに簡単に相手を批判できるし。
8月 15th, 2007 at 8:53:40
藤代氏の反論に、ある意味期待。
説明責任って便利な言葉だよね。
具体性無いのに簡単に相手を批判できるし。
8月 15th, 2007 at 9:31:40
>ななしさんへ
説明責任を真正保守に求めても組織の使命命題的に不適切かも知れません。
間違いがあってはならない機関ですから。
廃藩置県から廃警置忍へ(笑)
8月 15th, 2007 at 10:04:48
すいません。コメント投稿間違えました…
4、5のコメントは無しで…
8月 15th, 2007 at 10:20:56
小池大臣も本気で部下を更迭したいなら、手順を踏んで官邸に予め根回ししておけば、今回のようなことにはならないのに。13日に官邸に話を持っていって15日に閣議決定してくれというのは非常識すぎ。民間企業でもそんな乱暴なことしない。ちゃんと稟議書まわすよね。某社では某○○名誉会長の了承もちゃんととる。
結局、今回の件は、郵政の次なる生贄として、官僚制を「国民共通の敵」に仕立て上げるためのパフォーマンスではないかと。つまり、最初から実行不可能なことを打ち上げておき、それが行き詰まったら「官僚の抵抗で頓挫した!」とあることないことリークしまくっているように見える。この内閣は情報をリークするのが兎に角早く、根回し不足で頓挫するのも早い。臨時国会を8月中に召集しようとしたのも同じ。
という中で、bewaadさんが、ここで正論を言っても、「また官僚が『自分は悪くない』って言っているよ」と曲解されて世間的に「官僚の反抗」と利用されるだけのような気がするわけです。「事実関係が違うのだけは訂正させてくれ」という気持ちはよく理解できるのですが……
8月 15th, 2007 at 10:30:10
シンプルに考えて、事務次官の任命を摩り替えることを大臣がするとは思えないんですよね。防衛省職員からの嫌がらせ覚悟でしょうね。
小泉も郵政民営化でだいぶ嫌がらせ受けたみたいですし。でも、小泉の場合、財源をアメリカにごっそり渡す売国を策謀していたんでどうしようもないですけどね。
官僚は特殊法人に財源を流すことしか考えていませんし。
8月 15th, 2007 at 12:07:03
今日(8月15日)の読売に大きく出ていましたね
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe7700/fe_022_070815_0...
「閣議人事検討会議」についても説明されてます。
藤代氏は感情に走って、官僚制度への理解が不十分なようですね。米国のspoils systemと違って、日本はmerit systemをとっています(米国も猟官制度だけではありませんが)。トップの意向である日突然人事が左右されるというのは、日本の官僚制度の成り立ちを考えると異例であり、新聞沙汰になるのも、うなずけます。(どちらがいいかという制度設計の話はさておき。そのあたりは比較政治学をやってらっしゃる方にお任せします)
藤代氏は「大臣が事務次官人事を行うのは普通」と主張しますが、読売の記事にもあるように普通ではありません。少なくとも橋本内閣以後は。
8月 15th, 2007 at 14:54:25
人事の話とはさっぱり関係がないのですが。
何でもかんでも官僚のせいにするのは間違いだけど、
では、総務省が行っている「通信・放送の総合的な法体系」の研究会はどうなのでしょうか?
あそこで話し合われている内容は、インターネットに対する規制ではないですか?公然通信と言う言葉を使った規制ではないでしょうか?
官僚がインターネット関連法規で叩かれる理由の一つが、情報技術について分らないのに変に首を突っ込むと癖があると言う点かも知れません。
官僚の人は、「何もしない、放っておく」というのが出来ないので、難儀だとは思いますが。
エントリーとは関係なくてすいません。官僚は、単に被害者なだけではなくて、よく分らないのものにコミットしなきゃならないので、官僚の振る舞いが非難を浴びやすいのでしょうね。
8月 15th, 2007 at 19:51:29
>決定された事項に対して反抗するのであればともかく、不>平不満を抱くことそのものや、手続の問題に着目して挽回>を図ることまでもが「分をわきまえぬ」というのであれ
>ば、官僚は聖人君子であらねばならぬし、手続に瑕疵があ>っても文句を言うな、ということになってしまいます。
結局この点がbewaad氏との温度差のような気がします。bewaad氏にしてみると、聖人君子たれと言われても我々は人間ですということのなのでしょうが、外部に見える形で大臣との権力闘争を始めてしまったのですから(守屋氏個人というよりは防衛省の幹部と考えるべきでは?)、これには最終的に権限は閣議(小池大臣はその中の一人)にあるのに何を出すぎたマネをと取られるのは仕方ないと思います。現時点ではまだ守屋氏は自分の意見を述べただけというふうにも取れなくもないですが(かなり無理やりですが)、今後こじれていき防衛省が組織をバックに反発を強めるようでは、官僚のせい(何でもかんでもではないですよ)と言われるのも時間の問題だと思います。そしてbewaad氏の言うとおり官僚だって聖人君子ではありませんので、自分達の思うとおりに人事が運ばなかった時、しょうもない嫌がらせを始めたりするのではないでしょうか?
もちろん、これは先の話なので少し言い過ぎですが、過去の外務省、郵政省などで人事で紛糾した経緯がありますので、守屋氏の動向に過敏になるのはある意味当然だし、官僚のせいというには拙速だとしても、官僚も当然責任を担ってると思いますよ。
8月 15th, 2007 at 21:24:26
>官僚は聖人君子であらねばならぬし、手続に瑕疵があっても文句を言うな
ただ、今までのシステムは官僚が聖人君子であることを前提としたものだったのじゃないかという点は否定できないんじゃないかと思います。もちろん民間だってできていたわけじゃなくって、今もJ-SOX法とかでひぃひぃ言っているわけですが。
今は「性善説」のシステムから人間「性悪説」「性愚説」的なシステムに移り変わる過渡期なのかもしれません。まぁ、それが一番必要なのは政治家よりも役人よりもマスコミでしょうが…
8月 15th, 2007 at 21:36:58
手続きや更迭もいいんだけど結局この件で得したのは
誰なんでしょうね?
小池さんは自分のポイント上げなんでしょうけど
果たして自民党内でこの一件が評価されるとは思えないんだけどなぁ。
引いて見ても民主党が得してるぐらいにしか見えない。
小池さんもだまされてるんじゃないかなぁ。
まあ力量ないのは今回の件でもうわかったからこの人はどうでもいいんだけど。
8月 15th, 2007 at 23:42:15
官房長官は交代で、小池大臣は留任だろうし、守屋事務次官の辞任も間違い無し。残る小池大臣の意見が尊重されるだろう。
内閣改造まで延期となった時点で、勝敗は決まったように思う。
小池大臣も少し慎重さが必要だったが、官僚トップの事務次官としても対応は稚拙だった。(後任人事について、まだ大臣と話し合ってなかったのか?)官僚のイメージダウンのつながっただろう。
官僚トップと、一般の官僚では立場が違う。内閣や大臣に不満で従えないなら、辞任すべき。不承不承従ってもらっても、困るだろうが。
8月 16th, 2007 at 2:52:44
この一件で「これだから官僚は」などと言うのは確かに「坊主憎けりゃ」の類だとは思いますが、bewaadさんがここまでマジレスするというのもなんだかなあ。いくら釣られるのが趣味といっても、これは「完全魚拓」以外の何者でもないような。。。
そんなことより気になるのですよ。この騒動の前に出た日経新聞の「風見鶏」における空前絶後の守屋批判。大新聞が政治家ならともかく官僚一個人を相手にあそこまで罵詈雑言を書き連ねたことなど過去記憶になく、その後のこの騒動でしょ。これはもっと根が深いような。
8月 16th, 2007 at 8:03:40
> 手続の問題に着目して挽回を図ることまでもが「分をわきまえぬ」
> というのであれば、官僚は聖人君子であらねばならぬし、手続に
> 瑕疵があっても文句を言うな、ということになってしまいます。
ふむ。
では、守屋さんは正当な異議申し立て手続きで挽回しているのでしょうか?
人事権者が人事対象者に事前に人事を相談しなければならない、なんてことがあるわけがありません。(だから、人事権なのです)
民間企業でも「辞令一枚」の話です。
(単に上司との力関係で上司が気を遣ってくれることがある場合もあるというだけ)
許し難いのは、上司、しかも政治家たる上司の指示に一軍事官僚が従おうとせず、あまつさえ、自分が受けた指示を覆すための根回しを省外で行ったことです。
これは、懲戒免職に値する、とすら私は思います。
守屋氏の振る舞いは旧軍の暴走と変わるところがありません。
今回の話は、畢竟、守屋氏の保身の問題でしかなく。
その手段も、自分に親しい政治家を利用した官僚の分を超えた振る舞いです。
それに対する批判に対して、「何でもかんでも官僚のせいにするのは勘弁してください」と言うのは、あまりに筋違い。
藤代裕之さんが怒るのも無理ありません(怒っているかは知りませんが)
※「何でもかんでも」役人のせいにしているのではないのですから
本気で言っているなら、ことの重要性が分かっていませんし、冗談で言っているなら、しかるべきタイミングで藤代裕之さんには、頭を下げておくのが礼儀でしょう。
(藤代裕之さんの言い分が100%正しいわけではないとしても)
ま、ボクにとっては、所詮、他人事ですが、ポジショントークも度が過ぎるとユーモアの範囲は超えると思います。
我ながら、お節介とは思いますが、これを機会に一層成長してください。(愛情があるから厳しいことを言っているつもりです。いらん愛情でしょうけど)
8月 16th, 2007 at 12:01:22
branchさんをよんでも、昨日のenka07さんのコメント先をみても、読売新聞をみても、やっぱりわかりません。(昨日のコメントも、半分は自分に言っております)
事務次官の任免について、正式な法制度的な手続きはどうなっているのか。慣例はどこまでか? ということです。人事検討会議を経るのは、法律なのか慣例なのか。閣議の承認って何なのか(HPで公表される、各議案件にでてこないようですが)。あるいはそもそも閣議決定にも「慣例」があることが思慮されるところ、そこの法制度や慣例はどうなっているのか。
ネット上では、事務次官等会議を経た案件が閣議案件となるのは慣例だとされており、そうすればくだんの次官さんは、「次官のオレが聞いていない」のではなく、「次官等会議にかかっていない」ことを問題にしているとも考えられるわけで。次官等会議も、省庁間協議を経たものがあがってくるのが慣例だとされているわけで、「防衛省として関知していない」ということかもしれません。
8月 16th, 2007 at 12:12:02
いつも不思議に思ってるんですけど、西麻布夢彦さんってナニサマなんでしょうねぇ。
8月 16th, 2007 at 12:23:15
閣議事項である以上、人事権者は小池大臣ではないです。
小池大臣こそが越権なのであって、個人的に虫が好かないのであんまり守屋次官を擁護したくはないのですが、それにしても小池大臣のやってることはめちゃくちゃです。守屋次官を変えたいのなら黙って閣議にかければよかっただけですし、わざわざ事前にリークする意味がわかりません。個人的な話題・知名度のアップを狙った、というのが自然な解釈でしょう。
この件に関しては塩崎官房長官が全面的に正しいです。
8月 16th, 2007 at 12:57:13
>とくめいさん
どこにも出ていないのに気がついてorz。
webmasterあっとまーくbewaadどっとcom
となります(お手数になりますが、「あっとまーく」は「@」に、「どっと」は「.」にしてください)。失礼いたしました。
>ふにゃさん
論旨が錯綜していたのはご指摘のとおりと思います。申し訳ないです。
>ナナちゃんさん
不手際を補っていただきありがとうございました。
>ななしさん
天漢日乗さんのところでも、似たような趣旨でとりあげていただきました。ご参考まで。
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/08/po...
>alexさん
小池大臣が総理の了解は取り付けた上でのことと言っているにもかかわらず、総理ははしごをはずしてしまって、率直なところ総理と小池大臣の間で何があったのかもよくわからなくなってきました・・・。
>AtoZさん
情報提供ありがとうございました。
>hogeさん
官僚はある意味世の中の動きを映し出す鏡のようなもので、インターネットを規制すべしとの意見を持つ方々が、少なからずいることの反映でしょう。世の中の多数派が望んでいるわけでもないのに、官僚が独自の価値観に基づいて政策を打ち出すなんてことは、まったくないとは言いませんが、例外的であると認識しています。
>ゲストさん
総理(・官房長官)・大臣の三者が一致しているなら、守屋次官とてどうしようもないわけで、このような騒ぎにはならなかったでしょう、というのが私の状況観察の基本です。また、辞めるにせよ、後任が彼の意に沿う人物であってもまた、このような騒ぎにはならなかったでしょう。民間のリストラにしたって、いかに不満を爆発させずに辞めさせるかが人事の腕の見せ所なわけで、いかにも不満を抱かせるようなことをする割には、小池大臣の脇が甘かった、ということなのだと思うのですが。
>kogeさん
人事検討会議はそうした制度的対応だったはず、なんですが、まあ試行錯誤の過程ということなのでしょう。
>pankoさん
最近は、あまり党内の評判を上げて、という行動ではなくなってきているように思います。そうなった要因としては、やはりそうしたプロセス抜きに総理総裁に上り詰めた、小泉前総理の存在が大きいのではないでしょうか。
>Kさん
小池大臣、ご留任なんでしょうか。この騒動の前であれば私もそう思いましたが、方針を変えないとする小池大臣と、まだ何も決まっていないとする総理との間には、かなりの溝が出来てしまっているようにも見えるのです。
>上海馬券王さん
ご心配いただきありがとうございます。
日経の背景は、私にはまったくわからないので、何かあるのでしょうとは思うものの、触れないようにはしています。
>西麻布夢彦さん
省外、といっても閣内ですよ。正式な異議申立て手続がない中で、直属の上司と意見の相違があった際、そのさらに上にお伺いをたてるというのは、大いに推奨すべきというつもりもありませんが、懲戒免職事由では到底あり得ないでしょう。
>通りすがりさん
少なくとも件の手続は、閣議決定によって内閣部内においてはこのようにするのだ、ということを機関決定したわけですから、慣例ではありません。事務次官等会議を経ているかどうかは、今回についてはまったく問題になっていませんし、先日の天下りに関する質問主意書への回答において、事務次官等会議では了承されなかった案件が閣議決定されたように、慣例は制度的根拠のある運営(閣議決定についていえば、事務次官等会議は発議の必要条件になっていない)を覆せないわけです。
>Oさん
私もあちらからはそう思われてるかもしれませんし(笑)。
>中の人さん
私もそのようなもっとニュートラルな書き方をしていればよかったような気が・・・。
8月 16th, 2007 at 13:09:20
bewaadさんの言いたかったことは、「事実に基づいた批判なら言われてもしょうがないけど、事実に基づかないことで「批判のための批判」はやめてほしい。」と受け取りました。
逆説的に言えば、藤代さんへの期待の裏返しだと思いました。期待できない人に言っても無駄ですから。
藤代さんへの批判をここにかくのはルール違反かもしれないですけど、調べれることを調べずに(事務次官の任用と人事検討会議のと関係など)書き飛ばしてしまった。それを指摘されると、別の論点で(官僚の分をわきまえぬ行動)強弁したとしか見えないんですよ。
藤代さんが、今後どのようなジャーナリストになっていくのか半ば期待している一人として、このことは残念だと思うのですよ。
無論、人事検討会議を「慣例」と言い切ってしまうのは、中央省庁等改革基本法13条、平成12年12年19日閣議決定、これらの根拠となる割拠性克服のための内閣承認制(行政は内閣が行うことから、大臣が独断専行を行わない。)を見れば分かるし、すぐに調べられることから見て、言い方がきついですがお粗末だなぁと思います。
>18.西麻布夢彦さん
初のコメントになります。国家公務員法55条と上の条文との関係がありますが、そもそも大臣にある人事権には制約がつきます。(内閣に拒否権があります。)「人事「権」がある」とまでは言い切れません。
仮に正当な異議申立を行うとすれば、任免処分後に、国家公務員法90条に基づく不服申し立てを行うことになりますが、内閣の承認なしに大臣の任免手続きに瑕疵がある場合、重大かつ明白な瑕疵として処分(人事発令)が当然無効、悪くても処分取消(最判昭和30年12月26日)となります。
裁判沙汰になるのが、行政法の判例蓄積の点で意義があるのかもれませんが。
「大臣だけが人事権者」というように捉えないほうがいいのではないでしょうか。
無論、人事検討会議にかけた上で、大臣が任免するのであれば、その意味で手続き的に瑕疵がないのですから、官僚の分、、、という趣旨は意味を持つとは思います。bewaadさんもそれは認めてますよね。
また、
>許し難いのは、上司、しかも政治家たる上司の指示に一軍事官僚が従おうとせず、あまつさえ、自分が受けた指示を覆すための根回しを省外で行ったことです。
これは、懲戒免職に値する、とすら私は思います。
ですが、これについて、労働法の判例か何か具体的な根拠、事例はありませんか?
民間企業の例ですと、銀行とか株主とかが財務部長を送り込んでいたとか、プロパー社員と特別なつながりを有している場合とかを想定したほうがいいのではないでしょうか。上司である代表取締役(形式的に人事権は持っていますよね)がその首をどうこうする場合、当の財務部長が親元とやりとりすることだけで懲戒事由になるとは思えませんが。
8月 16th, 2007 at 17:34:09
毎日新聞の報道によれば、小池大臣の意向通りに決着するようです。
今回の問題は、軍のシビリアンコントロールに深刻な懸念を生じさせた事でしょう。
軍隊(軍の高官)が政府に逆らったのに、それが許されるなら法律や制度の方に問題がある。早急に修正する必要があるでしょう。
8月 16th, 2007 at 21:13:28
>今回の問題は、軍のシビリアンコントロールに深刻な懸念を生じさせた事でしょう。
守屋次官は文民ですのでシビリアンコントロールとは直接関係ありません。
もしそれに触れるのであれば、左翼とサヨクが大騒ぎしております。
8月 16th, 2007 at 22:41:31
「事務次官はクビに出来ないのか」との問いについては「出来ない」が正解ではないでしょうか。
公務員には身分保障があり、事務次官になると身分保障がなくなるという話は聞いたことがありません。今回の場合、(少なくとも最初の報道時点では)懲戒免職に該当する事例ではないし、分限免職にも、失職にも該当しないでしょう。当然、死亡退職ではありませんし、定年退職はいつまで延長されているは存じ上げませんが、話の流れから該当しないと思われます。
普通、このような場合は「辞職の承認」になると思われますが、辞職は本人が辞意を表明しないかぎり承認することは出来ません。
実際、その場で抵抗できるかどうかはともかく、抵抗する権利は存在すると思います。
それが「官僚の横暴か」と言われれば、単に「そういうシステムだから」ですが。
8月 17th, 2007 at 0:09:16
「事務次官はクビに出来ない」かもしれませんが、「事務次官を変えることはできる」というのが正確なのではないでしょうか。
適材適所だと言い張って、地方局にでも送るなり何なりしまえばいいのですよ。
8月 17th, 2007 at 0:46:10
>守屋次官は文民ですのでシビリアンコントロールとは直接関係ありません。
文民より、文官と言うべきだろう。
日本の場合は諸外国とは異なって政治家の下に軍人が配置されるのではなく、間に官僚が存在している。
当然、その官僚もシビリアンコントロール下にあると判断すべきだろう。
いやなら直接の指揮権を政治家に渡すべき。
8月 17th, 2007 at 0:51:45
>もしそれに触れるのであれば、左翼とサヨクが大騒ぎしております。
左翼とサヨクは間抜けだ。大変な問題なのに。
8月 17th, 2007 at 5:52:10
>昼休み中ですさん
情報提供ありがとうございました。そのような判例があったとは、私もまだまだ勉強不足です。言われてみれば、いかにもありそうな話ではありますが、次官人事に結びつけて考えられませんでした・・・。
>Kさん
「政府」には逆らってません。個人に着目するにしても、自衛隊の最高指揮監督権は総理に属していますし。
>うしさん
実は防衛事務次官は自衛隊員なのですが、それを言い出すと防衛大臣もまた、自衛隊員なんですよね(笑。自衛隊法第2条第5項)。
>ishidaさん
言われてみればおっしゃるとおりですね。となると、本当に久間前大臣が9月に辞めさせる前提で定年延長をしたなら、延長期間を1年ではなく半年にしておけばこんなことにはならなかった、というつまらない話なのかも(笑)。
>ばたーかっぷさん
そういえば、現日銀副総裁の武藤敏郎さんが、官房長→総務審議官という霞が関の慣例としては珍しい降格人事になったことがありますね。
8月 18th, 2007 at 10:11:53
公務員たたきはひどいですねえ。
ところで、とばっちりぽい西川官房長が一番の被害者という感じですね。「無関係なのに、上層部同士の手打ちで被害」という良くあるパターンにも見えます。西川氏がもし裏で動いていたら別ですけど。(一地方公務員なのでわかりませんが)
西川さんは警察庁に戻れるのでしょうか。警察の年次とか人事ローテーションで難しいのでしょうかね。
もし、西川氏が今回の動きに無関係だったら、官房長官やら守屋さんが、警察の怒りを買うのでしょうか。それとも小池さん?世間話レベルですみません。
8月 20th, 2007 at 4:43:53
>大ファンさん
西川さんは肩たたきでしょう。ま、彼ひとりが狙い打ちというわけでなく、新次官より年次が古いひとは皆そうなるわけですから・・・。
警察庁からすれば、まあ事故みたいなものですから、とりたてて怒るとかそういったことはないと思います。個人的にあれこれ思う人はいるでしょうけれども、組織としては。
8月 21st, 2007 at 14:41:08
こんなの拾ってきました
「小池 VS 守屋戦争・・・報道されない裏側」
http://www.eda-k.net/chokugen/316.html
どんな事でも宣伝に使う人がいるようで。
8月 21st, 2007 at 19:31:51
>警察庁からすれば、まあ事故みたいなものですから、
>とりたてて怒るとかそういったことはないと思います。
世間話で失礼しました。
branchさんのブログ情報では、増田氏はもともと守屋氏直系ではない方。年次的にも若い。そして警察は官房長を奪われ、来たばかりの財務省出身の方が官房長へ。
それで、警察庁が怒るのではないかと思ったのですが・・・
8月 21st, 2007 at 19:33:54
ゲスの勘ぐりでした。本当に失礼しました。
8月 22nd, 2007 at 3:41:14
>通行人さん
江田議員らしいなぁといいますか、留学の際に添付するCVを見ると、たいていの役所では入ったばかりの1、2年生が役所を牛耳っていることになってしまうわけですが(笑)、そのノリが続いていますね、というのが正直な感想だったり(笑)。
>大ファンさん
手元に政官要覧等の資料がないので根拠レスですが、いきなり官房長に出向ではないと思いますので、官房長の後任としてまた警察庁から官房長を送り込むというわけにはいかないでしょう(少なくとも西川官房長は、↓によると、審議官級(局次長級)から防衛庁に出向しています)。
http://www007.upp.so-net.ne.jp/togo/human/ni/tetsuyan.h...
8月 24th, 2007 at 2:25:26
本シリーズとコメント欄の議論を興味深く拝見しました。ただ、bewaadさんはいくつかのポイントを見逃していると感じました。
>>文民統制
とは、民主的な手続き(選挙)で選ばれた政治家が軍隊を統率するという原理であり、それは軍事が軍隊の自己目的化することを防ぎ、政治・外交の手段として正しく機能するための仕組みであると理解しています。政治家の代表である首相に指名された国会議員である小池氏は統率する立場にあり、一軍事官僚の守屋氏は統率される立場にあります。防衛大臣が自衛隊員であるかどうかは無関係です。
軍隊は殺戮・破壊を伴う実力組織であり、その構成員は服務規程に厳格に準じて行動しなければなりません。その点でBewaadさんがこの問題を他の行政組織や民間企業になぞらえることに強い違和感を覚えます。
隊員は、その職務の遂行に当つては、上官の職務上の命令に忠実に従わなければならない。(自衛隊法第五十七条)
ある軍事行動が正当とされるためには、それが正統な指揮系統に基づいて実行されることが要件の一つとなっています。守屋氏はその上官である防衛大臣の命令が気に食わないとして公然と従わなかっただけでなく、これを反故にするために指揮系統を逸脱して懇意にする政治家に働きかけました。これは重篤な服務違反です。考えてもみてください。命令を受けた自衛官が、それが気に食わないからといって外部の政治家に働きかけて反故にする、なんてことが許されたらとんでもない混乱になりますよ。米軍の将軍たちの中にはイラク戦争を批判する人もいますが、文民の統率者でるラムズフェルド前国防長官の方針を公然と批判したのはいずれも退役した人たちです。軍隊の原理をわきまえているからです。
8月 24th, 2007 at 3:04:25
長くなったので続き。
Bewaadさんはなぜそもそも、「人事検討会議」なるものが内閣にあるのかが理解できていないような気がします。
Branchさんが引用している通り、それは「行政各部に対する内閣の優位性を明確にするため」に存在しています。つまり、今回、守屋氏が発揮したような、官僚自身が後任の人事に隠然と行使する影響力を排除し、政治家が官僚から独立して主体的に人事を行うための仕組みであるわけです。これまた、民主主義の肝となる部分です。守屋氏はこの手続きが踏まれていないことを逆手にとって、いわば悪用して、政治家が主体的に下した人事に反抗したわけで、本末転倒もはなはだしい。
小池氏のやり方に問題があったことは確かでしょう。塩崎官房長官に伝える前に新聞社にリークするとか。ただ、これは内閣の中で解決すべき問題です。問題が露見した時点で首相・官房長官・防衛大臣の三者で集まって、話し合っていれば済んだ話です。官僚の人事とは本来そうなものでしょう。そうするわかりに、塩崎氏はわざわざその官僚自身を議論に呼び込み、問題をこじらせて大きくし、内閣ががたがたしていることを演出したわけで、責任は重いと思います。私は政治家の自殺行為だと思いますね。
8月 24th, 2007 at 7:04:34
>バグってハニーさん
事務次官の交代をいう場合、本件も含め次官の辞職とセットになっていますが、当然ながら辞職せよという命令はありません(懲戒免職や定年退職等ならばさておき)。その意味で本件においては命令違反はありません。異動であればともかく、懲戒事由等が不存在であるにもかかわらず、辞職・免職させる権限は防衛大臣にはありませんし、正当な権限のない人事権行使については服務義務は及びません。本件は、お示しの自衛隊法第57条の「職務上の命令」に該当しないのです。
結局のところ、辞表を書かせるのはあくまで任意でなければならず、本人が積極的に同意して辞表を書くのがもっとも穏当ではあるのでしょうけれども、そのような同意が得られなくとも、なだめたりお百度踏んだりしながらしぶしぶ受け容れさせるのが人事の腕の見せ所だったりするわけですが・・・。
いずれにしても、シビリアンコントロールの頂点に立つ総理は小池大臣の案を採用しなかったわけで、お言葉を借りれば、総理は主体的に小池大臣の案を否定したわけです。舞台裏でどのような動きがあったかは知りませんが、外形的には、直属の上司の意向がさらに上位の者の意向と食い違っているのではとの疑念を抱いて「さらに上位の者」に確認したところ、「直属の上司の意向」は自衛隊のラインにおいて正統な権限の行使ではなかったことが確認された、ということとなるのでしょう。
8月 24th, 2007 at 10:53:48
webmasterのお立場から興味の対象が正当性や技術的問題に集中するのはやむを得ないと思いますが、人事の目的や機能といった面からの御検討が必要ではないでしょうか。
ずっと議論が擦れ違っているようですが、問題はこの辺りにはあるのではないかと思います。
8月 26th, 2007 at 13:45:25
>rijinさん
具体的には、どのようなことを検討すればよいのでしょうか? ご教示いただければ幸いです。
8月 27th, 2007 at 0:58:17
人事の目的は年功序列や適材適所とも言われますが、必ずしも常にそうではありません。論功行賞、信賞必罰…等々、人事を巡る4文字熟語をいくつか思い浮かべてみれば、しばしば、人事はトップマネジメントから組織全体に対するメッセージとしての側面を持つことは明らかであるように思います。
ちょうど厚労省事務次官と社保庁長官の更迭がありました。…これはご本人達にも一定の覚悟と同意があったようでもあり、また根回しと手続き上も問題なしとされています。格好の対照的事例となったように思います。
文脈から言って懲罰的人事であり、辞職の方では解釈の余地はないようです。…しかし、本当にそうなのでしょうか?
ただ、むしろ問題は後任人事で、いずれも過去にあまり例のない「抜擢」がなされました。…あるいはこういうときこそ、年功序列であるべきではないのかとも思います。そうでなかったことがどう捉えられるのか、政権から厚労省全体に対してどういうメッセージが送られたのかが検討されるべきでしょう。…意図せざる、あるいは「隠された」メッセージも含めて、です。
そういう目でもう一度防衛省事務次官人事を眺めると、結果として内局生え抜きだが非主流派が後任についたこと、遡って、讃えられるべき業績こそあれ、これといった失点のなかったとされる大物事務次官が本人の意志に反して辞任を強制され、急遽推薦した子飼いすら後任を外されたことが、今後、どういう影響を省内に及ぼしていくのか、そちらの方が重要であるように思えてくるのです。
また、警察官僚を含めた旧内務省系の他省庁に対して、これはどういうメッセージとなったのでしょう。
さらに言えば、肝腎の防衛相自身が、経緯は不明ながら閣外に去ることとなったようでもあります。これは与党政治家に対してどういうメッセージとなったのでしょうか。
いつも思うのですが、相手の知識不足や無理解を指弾しているときは、実は自分の方が相手の意図や目的を理解していないことがしばしばです。
官僚の文化と方法論で世の中の全てが解決できると信じている人が、政治家なんぞを目指すとは思いません。むしろ官僚の文化と方法論は、政治家にとって時に全否定の対象になって不思議はないと思います。
そのとき、新たなコミュニケーションは、否定されているという場所から出発する必要があるのだろうと思います。
如何思われますか。
8月 27th, 2007 at 22:57:20
>rijinさん
私自身の嗜好と向き不向きもあり、エヴィデンスに基づく議論を旨としてサイト運営をしておりますので、rijinさんからご覧になればつまらない、あるいは固定観念にとらわれたと捉えられるようなものしか出ないとは思いますが、本件についてお示しのような手法での私の認識を示すなら、もともと守屋次官の長期政権には疑問の声も多かったことや久間前大臣時代には9月退任が既定路線であった(と伝えられている)こと等の漏れ伝わってくる話を含め、官邸は守屋次官の言い分に相対的に理を認めた、ということとなります。
8月 28th, 2007 at 16:52:50
既定路線というのがほんとうであれば、前防衛相は既定路線を明示しただけであり、また前官房長官の反応は不可解、次官も何も気色ばんで総理官邸に乗り込む必要はないわけです。
あるいは問題は後任人事であったのだということであれば、少し違う検討が必要かも知れません。
…しかし、誰も疑問に思われないということでしょうか。
8月 28th, 2007 at 23:14:33
>rijinさん
私はまさに、「問題は後任人事であったのだ」という理解をしています。
8月 29th, 2007 at 10:34:35
後任人事が既定路線でなかった、少なくとも前防衛相の意図した人事と、前官房長官と事務次官が内々に敷いていた路線とが異なっていたということであれば、これは結果として両者痛み分け、典型的なケンカ両成敗となっているのではないかと思うのでが、如何なものでしょう。
クリティカルなところまで追い込んでみれば、この場合の足して二で割ったような人事が両者の妥協点であったことは疑いようにないところです。
この官邸の裁定が、双方に一定の譲歩を呑ませた上でのものであれば、特に事務次官に一方的に肩入れしたと言えるようなものであったという評価は取れないと考えます。
また、もし、本件で事務次官が一方的な勝利感を味わっているのであるとすれば、それはやはり、軍政を司る者としての能力に一抹の疑問を感じざるを得ません。
さらに言えば、次代の事務次官が内局非主流派から出されることの影響は避けられないでしょう。残された者、特に内局主流派にとっては、そのことだけが重要であるはずです。
内局や制服組が本件を事務次官の一方的勝利と評価しているようでは、外交の一端としての国防を司る集団としてはあまりにセンスがないと言わざるを得ません。疑問を感じて然るべきであるし、相手の意図を知る努力が為されて当然です。
8月 31st, 2007 at 0:15:54
>rijinさん
勝ち負けでは考えていないのですが、少なくとも事務方のプライオリティとしては生え抜きであることが最大関心事項だったと思いますので、その意味で結論がより希望に近いのは、事務方なのではないでしょうか。
8月 31st, 2007 at 10:08:46
もし、そんな刹那的な判断しか為されていないのであれば、今後は難しいことになりましょう。…特に内局旧主流派にとって。
8月 31st, 2007 at 19:25:13
>rijinさん
おっしゃられている問題は、branchさんがご指摘の、守屋長期政権の弊害の表れだと認識しています。彼は彼で、彼の在任期間中という短期的視野で人事をゆがめてしまった面はありますから。
8月 31st, 2007 at 23:15:37
Bewaadさん、返事が遅くなってすみません。コメントありがとうございます。ただ、唖然としてしまいました。おそらく、私が役所の仕組みを知らないだけなのでしょうが。
Bewaad>事務次官の交代をいう場合、本件も含め次官の辞職とセットになっています
これは明文化されたルールなのですか?ただの慣習のような感じがしますが。
Bewaad>結局のところ、辞表を書かせるのはあくまで任意でなければならず、本人が積極的に同意して辞表を書くのがもっとも穏当ではあるのでしょうけれども、そのような同意が得られなくとも、なだめたりお百度踏んだりしながらしぶしぶ受け容れさせるのが人事の腕の見せ所だったりするわけですが・・・。
仮に「次官の辞職」は絶対的な規則であり、Bewaadさんの言い分が正しいとすると、守屋次官はこの制度も逆手にとって粘ることができますね。人事権者にできることはせいぜい「なだめたりお百度踏んだり」するぐらいなので無視すればいいだけなのですから。
つまり、Bewaadさんの言い分では一旦次官になってしまえばあとは自分の天下だと。自分から辞めると言い出さない限り定年まで居座れるわけですから。
それとも、小池前大臣は守屋氏を閑職に追いやる降格人事を命令していればオーケーだったということですか?
Bewaad>いずれにしても、シビリアンコントロールの頂点に立つ総理は小池大臣の案を採用しなかったわけで、お言葉を借りれば、総理は主体的に小池大臣の案を否定したわけです。
これに関しては異論を差し挟む余地はあるでしょう。報道によると小池氏は訪米前に人事案を安倍首相に伝えたとされています。さらに、すでに指摘したとおり、塩崎前官房長官に伝える前に新聞社にリークしたということです。そして、人事問題が露見すると、安倍首相は静観する構えを見せて放置プレイに走りました。ですから「総理は主体的に小池大臣の案を否定した」という積極的な事実は存在しないと思います。むしろ、犬猿の仲の小池氏と塩崎氏がいがみ合っているときにどっちつかずの対応しかできなかったわけで、「お友達」びいきのお坊ちゃま首相の面目躍如といったところでしょう。今回の問題の根本的な要因は内閣・政治家のガバナンスの欠如と私は受け止めています。
8月 31st, 2007 at 23:24:30
最新の報道はご覧になりましたか?どうやらBewaadさんの言い分は正しかったようですね。守屋氏は退任後も顧問として防衛省に居座るんだそうです。
高村正彦新防衛相曰く「守屋氏はかつて(自身の後任人事を報じた新聞の)朝刊を見てびっくりしたことがあったそうだが、わたしはきょう新聞を見てびっくりした。」
私は唖然として口がふさがりません。
9月 3rd, 2007 at 0:21:08
昔三権分立という権力(パワー)を均衡させたバランス論がありました。
又昔、治安維持法による言論・思想の自由を蹂躙する時代がありました。
今、情報化社会において、メディアの自由は守られ、逆に政治、人権、司法は、それに圧倒され、均衡した権力の分立は意味をなくそうとしています。
世論は、メディアにコントロールされていないか?道徳で、政治論争を変えられなければ、子供の社会問題すらも解決できないのでは?
従うべき法律も、権力も、世論を逆利用したパワーに、抑えつけられているならば、真の世論は反映されないと思います。
9月 3rd, 2007 at 0:47:36
>バグってハニーさん
最初の点については、
>それとも、小池前大臣は守屋氏を閑職に追いやる降格人事を命令していればオーケーだったということですか?
ということかと存じます。
二点目については、小池大臣が究極的には総理の了解を得ていたことを正統性の根拠としていたにもかかわらず、
>そして、人事問題が露見すると、安倍首相は静観する構えを見せて放置プレイに走りました。
というのは、見捨てたということと同義でしょう。
なお、顧問については、あくまで観測記事ですよね?
>魚さん
そのような問題意識をお持ちでしたら、蒲島郁夫、竹下俊郎、芹川洋一「メディアと政治」の一読をお薦めいたします。↓にて取り上げたことがありますので、ご参考まで。
http://bewaad.com/2007/05/06/103/
9月 3rd, 2007 at 0:49:32
上記のコメントを、説明すると、子供のプロフいじめ、巨人のTV視聴率低下や、選挙の投票率低下に顕著にあらわていると思います。
9月 5th, 2007 at 5:01:50
Bewaadさん、コメントありがとうございます。守屋氏、常勤顧問に就きましたね。
「なお、顧問については、あくまで観測記事ですよね?」
という口ぶりからすると、Bewaadさんもありえないと思ったようですね。少しだけ安心しました。
今回の件が示したのは、事務次官に対して任命権者がせいぜいできるのは「なだめたりお百度踏んだり」するぐらいであるのに対して、被任命者は任命権者に相談なく次のポストを決めることができるということで、「行政各部に対する内閣の優位性」なんてのは単なる建前に過ぎないことがよくわかりました。
何度も書きますが、悪いのは政治家なんですよ。官僚機構はこれだけ強固なのにつまらぬ意地の張り合いで、内閣の中でさえいがみ合うことにしか能がないわけですから。政治家が無能でだらしがないので、官僚はらくちんな商売ですね。
9月 5th, 2007 at 22:52:06
>バグってハニーさん
せっかく好意的な評価をいただいたのに恐縮ですが、観測記事だとしたのは決定権者である大臣に上がっていない=決定したわけでもないのに決定したと報道されたことであって、守屋顧問自身が顧問に就任したいと考えるのは自由ですが、大臣が反対であればけっ飛ばせばいいだけの話です。けっ飛ばさなかったのであれば、それを是とご判断されたのでしょう。
9月 6th, 2007 at 1:24:09
なるほど。つまり、今回の問題の発端となった守屋氏退任、西川氏就任を報じる新聞報道も、決定権者である事務次官に上がっていない=決定したわけでもないのに決定したと報道した観測記事でしかなくて、小池大臣が誰を事務次官にしたいのかを考えるのは大臣の自由・勝手ですが、事務次官が反対であれば蹴っ飛ばせばいいだけの話だ、ということですね。
すいません、つまらぬ皮肉を思いついたので。もう止めます。
「大臣が反対であればけっ飛ばせばいいだけ」
そんな権限が大臣にはないことを証明したのが今回の騒動でしょ。でも、官僚がどんなふうに考えているのかよく分かって勉強になりました。今まで付き合っていただいたことに感謝いたします。
9月 7th, 2007 at 0:00:53
>バグってハニーさん
官僚は大臣を無視するような輩であるかどうかは平行線とならざるを得ないのでしょうけれども、
>そんな権限が大臣にはないことを証明したのが今回の騒動でしょ
というのは、人事検討会議等、官邸が大臣の権限を制約していることの現れであると認識しています(といっても、それにご賛同いただけないのもわかっております)。
9月 7th, 2007 at 13:58:35
じゃあ、お言葉に甘えてもう少しだけ。
>>人事検討会議等、官邸が大臣の権限を制約している
Bewaadさんは「人事検討会議、官邸は政だろ」という図式なのでしょうが、官邸も「官」邸というくらいで「政」ではなくて「官」ですから。以下は竹中平蔵の見解から
http://netplus.nikkei.co.jp/nikkei/forum/for070822_2.ht...
−−−
第2のポイントとして、防衛相が官邸に根回ししていなかった、という批判がある。しかし防衛相はすでに長い閣僚経験があり、官邸の人事検討会議でこれを決するということを十分承知していたはずだ。
この点については、防衛相があえて官邸に十分知らせなかった、と私は考える。これも、自身の経験から言えば、官邸に伝えた瞬間に外部に漏れ、構想つぶしが始まる可能性があるからだ。
官邸とひと口に言うが、首相・官房長官以外は基本的に官僚の集団である。しかも官邸官僚は、財務省出身者を中心に霞が関官僚組織の総指令本部のような性格を有している。大臣が官僚集団と妥協せずに、独自の政策や人事を実行しようと強く決意すればするほど、官邸への根回しのタイミングが早すぎてはならないことに気づく。防衛相ほどの経験を有する政治家であれば、そう判断していたとみるべきではないか。
−−−
小池氏がやろうとしていたのは小泉前首相のようなトップダウンの決断なんですよ。それに対して根回し・調整という「しきたり」をボトムアップにしか能がない「抵抗勢力」が持ち出して激烈に拒絶反応を示したんですね。
小池氏にはトップダウンの決断を下す必要があったのです。この方どういうわけか安全保障のセンスがあって、防衛省自衛隊の情報保全体制に対して危機感を持っていました。短期的にはイージス艦情報漏洩で米政府にもたれた不信感を払拭してF-22問題を進展させること、長期的には防諜体制を築いて自衛隊を戦える軍隊にすることが目的であるわけです。
イージス艦情報漏洩事件は奇妙な事件でして、警察の捜査にまで及んだ前代未聞の不祥事であるにもかかわらず、小池氏も言っていたように、誰も責任を取って辞めてないんですよ。そして、調べてみると実際誰も悪くないんですね。どこにも悪意を持って情報を漏らした人はいない。つまり、これは防衛省自衛隊の体質自体に由来している問題なんですね。だから、防衛省の自浄作用で解決するのは難しい。それで、小池氏は情報保全に詳しい警察庁出身の西川氏に白羽の矢を立てたわけです。
それを総理にだけ伝えて新聞社にリークして意気揚々と訪米しました。そして、米国政府首脳からは破格の歓待を受けました(まあ参院選のせいでしょうが)。米国は日本の安全保障にとって肝ですから。そして、日本と違ってトップダウンの風土のお国柄ですね。大統領がうんと言えばなんでも実現するし、逆に日本の官僚がどんだけがんばっても超えられない一線がある。最後にものを言うのは日本の政治家に対する信頼感ですよ。小池氏としては「宗主国」に対して自分の手腕はどうだ、必ずご期待にお応えしますよ、というような気分だったのでしょう。
それでまあ、後はご存知の通りです。小池氏にもポカがあって全然思ったとおりにいきませんでした。退任会見で情報保全体制の強化を業績として強調していましたが、今となっては虚しい話です。
つまり、今回の投稿で私が言いたかったのは「ボトムアップ(守屋氏)VSトップダウン(小池氏)」という図式ですね。この新しい政治的手法が日本に浸透するにはまだまだ時間がかかりそうです。小池氏に与した、気骨のある政治家(?)は竹中氏以外では石破茂元防衛庁長官と中川秀直前幹事長だけです。私の知る限り。それ以外の政治家は塩崎恭久前官房長官を筆頭とする「抵抗勢力」ですね。まあ、まだまだBewaadさんたちの地位は安泰ですよ。
9月 8th, 2007 at 0:12:11
>バグってハニーさん
「官邸」という言い方に違和感がおありだというのであれば、総理・官房長官でもいいのですが。くどいようですが、事務次官人事は大臣の専権事項ではないので、そもそもトップダウンvsボトムアップという構造ではないわけです(人事検討会議での決定事項に逆らうならばそういうことになりますが)。大臣に決定権があるわけでもないことを決定権があると勘違いして、自分の決定どおりに物事が運ばないと憤慨するのはおかしな話だと申し上げているわけで、人事検討会議の決定事項であっても当事者の同意がないのが問題だと言っているならば、そのようなトップダウンvsボトムアップの構造から反論いただくのもわかるのですが・・・。
ちなみに竹中先生は、こと官僚批判については、↓にまとめてありますが、ご自身の前言を平気で翻すような方ですから。
http://bewaad.com/2007/08/24/245/
9月 11th, 2007 at 6:59:47
なるほど。竹中先生の批判にはもう答えていたのですね。読んでなかったです。私が言及しているのも同じ記事です。
>>人事検討会議での決定事項に逆らうならばそういうことになりますが
一官僚にすぎない的場順三官房副長官が大臣を批判する以下の発言はBewaadさん的にはどうですか?
「人事検討会議を開く手続きは今のところなく決めようがない」
「常識的には、きちんと決まってから報告するもので、事前に漏れるのは良くない」と不快感を示した。
http://www.sanyo.oni.co.jp/newsk/2007/08/14/20070814010...
一官僚が人事検討会議は開かん、とか言ってるわけで、そんな内閣官房に官僚が抵抗することが目に見えている人事案を小池氏が伝えられるはずがないじゃないですか。
こういう批判はどうですか?http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20070822/132811/?P=1
(日本は議院内閣制ではなくて)各省庁の官僚たちの代理人が集まる「官僚内閣制」
9月 11th, 2007 at 12:14:44
「官僚と相談して人事を決めるなど、ありえない」というのは竹中氏がいきがっているだけで、本当のところは「次官を中心として幹部と相談して決めた」というのが実情なんでしょ?次官を含めて官僚の人事は次官と相談しないと決まらないんですから、まさに「ボトムアップ」式の人事じゃないですか。
小池氏の人事案がつぶされたのはこの次官(と官房長官)に相談するというプロセスを怠ったからでしょ?
的場官房副長官が示した防衛事務次官の後任人事が内閣改造後になるとの見通しは間違っていました。実際にはその前に後任は決まりました。要するに的場氏は小池氏の元で人事検討会議なんてやりたくない、それは防衛省に新しい大臣が来てからだ、と言ってるだけですよ。官僚トップのあずかり知らないところで一大臣の分際で大臣に決定権があるわけでもないことを決定権があると勘違いするのは何事かと的場氏は憤慨したというのがこの不快感と違うのですか?
前にも書きましたが人事検討会議は大臣の権限を制限するためにあるのではなくて、「行政各部に対する内閣の優位性を明確にするため」、つまり官僚の権限を制限するためでしょ?そして、こんな当たり前の原則をわざわざ書き添える必要があること自体が次官人事に対する官僚の影響力が無視できないことを証明しているじゃないですか。
9月 12th, 2007 at 5:04:05
>バグってハニーさん
人事検討会議の主宰者は官房長官であって、的場副長官に開催するかどうかを決める権限などあるはずもありません。直属の上司である塩崎官房長官(当時)が小池大臣(当時)を同趣旨で批判しているのですから、(自らの監督権を持つ)政治家の意向に素直にしたがっただけのことでしょう。それとも、官房長官に逆らう方が「政治主導」なのでしょうか? 竹中大臣のコメントについては、百歩譲って彼の指摘が正しいとしても、総理・官房長官の了解を取り付けていなかったことの正当化には何らなりませんし。
でまあ何度も繰り返しで恐縮ですが、相談することが通例であっても、相談しなければならないということにはならず、官僚に相談しなくても人事検討会議決定・閣議了解で決定可能です。事務次官交代といえば厚生労働省でもありましたが、江利川事務次官なんていうのはそれこそ通例に反する話で、ボトムアップで出てくるはずもないアイデアなので、トップダウン人事も十分可能であることの傍証でしょう。