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  • 08/20/2007 (4:39 am)

    竹中先生はpainを甘受してgainできるのでしょうか?

    Filed under: economy, BOJ ::

     急激に円高が進んだことについては「日本経済は昨年以降、デフレのもとで日銀が金利を引き上げており、これがじわじわと効いている。内需が強くなくて、外需に依存しているような形になってきており、円高はそれに対して決定的な影響を与えていく」との見方を示した。

     日銀は今月22、23日の金融政策決定会合で利上げの是非について議論する。竹中氏は「いくらなんでも、この状況下で金利を引き上げることはしないとは思うが、日銀はデフレの中で金利を引き上げるというマーケットの常識からは信じ難いようなことをこの1年間やってきた。その総決算をしてもらいたい」と利上げを強くけん制。その上で「日銀がちゃんとやってくれないと、(デフレ脱却が後ズレし)国民の消費税負担が増える。今そのワナに陥り始めており、マーケットとしっかりとした対話をしてもらわないと困る」と注文をつけた。

    朝日(ロイター)「サブプライム問題、銀行巻き込まれておらず底は抜けない=前総務相」

    デフレ下での利上げに異論があるとの結論において、webmasterは竹中先生と同じ立場にありますが、その前提となると大いに異なります。より正確には、竹中先生の前提がどのようなものなのか、政策プロモータとして突っ込んで考えていないという見方をとらないなら、何がなんだかよくわからないとしかいいようがないのです。

    かつてwebmasterは、日銀が自らの金融引締めを正当化するロジックとして、次のようなものを用いているであろうと推測しました

    • 潜在成長率を上回る経済成長
    • 国際的なディスインフレーション傾向
    • 絶対水準としての低金利=緩和的状態

    3番目は捨象するとして、水の沸騰の比喩を用いるなら、日銀の筋書きは、

    1. 火力は十分にあり100度に達している(現在の経済成長は潜在成長率を上回り、インフレギャップが生じている)。
    2. しかしながら、重い蓋が載っているので、まだ沸騰は見られない(国際的なディスインフレーション傾向のため、1.の状況にかかわらず、物価は上昇していない)。
    3. このような状況下において、2.のみを見て火力をもっと強くする(金融緩和の維持)のは蓋を吹き飛ばすような急激な沸騰の危険を招くものであり(著しいインフレのリスクがある)、100度を維持できる程度の火力を保つのが賢いやり方だ。

    というものとなります。webmasterの管見では、そもそも現在程度の火力ではまだ100度に達していないから沸騰していない(経済成長では潜在成長率を安定的に上回るものではないからデフレ圧力が消えない)のであって、もっと火力を強めよということとなるわけですが、竹中先生は小泉構造改革のイデオローグとして潜在成長率の低下を説いてしまっているので、100度に達していないとは認められていないわけです。

    そんな腰の引けた態度(笑)で日銀にとやかく注文をつけたところで、「100度に達しているのに火力を強めよなんて、バカなこと言わないでくださいよ」とあしらわれて終わりに決まっています。それどころか、政府の失政=構造改革の進捗がみられないので潜在成長率が上がらないことを覆い隠すため、日銀に濡れ衣を着せようとしているんでしょ、と足元を見られるのがオチでしょう。

    真に日銀の金融引締めを批判したいならば、まずは自らの過ちを認め、日本の潜在成長率はそんなに低くはないのだ、と言うべきではありませんか、竹中先生?

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    41 Responses to “竹中先生はpainを甘受してgainできるのでしょうか?”

    1. すなふきん Says:

      すごく初歩的な疑問ですが、ここで言われる潜在成長率とは要するにサラリーマンの働きぶりとかそういった類のことを指すんでしょうか。その意味だとすれば長時間労働が常態化していて目いっぱい働いてるように見えるわが国の勤労者が怠け者とはにわかに信じがたいのですが。それともこれは企業や業態や職場によって差があり、怠け者の職場の方が多いから潜在成長力が低いということになるんでしょうか。単純な印象論としてもこれは成り立たないように思えるんですが。もちろん経営者も同じで、そんなにダメ経営者が多いとも思えないんですよね。この手の議論はかつてのサッチャー改革当時の英国なら妥当したかもしれないですが、今の日本では・・・・????

    2. luke Says:

      >ここで言われる潜在成長率とは要するにサラリーマンの働きぶりとかそういった類のことを指すんでしょうか。

      「働きぶり」よりは「働きぶりの変化率」の方が成長率に関連するかと。もし「目いっぱい働いてる」状態が続いているにもかかわらずGDPが増えないなら、潜在成長率が低いということになってしまうのかもしれません。(労働投入だけでなく、資本投入や技術進歩も考えないといけませんが。)

      むしろ私は、まだ不完全雇用(日本全体で見れば、目いっぱい働いてはいない状態)なんだから潜在成長率を超えてようが何の問題があるのか、つーかNAIRUの「岩盤」にぶちあたるまでは潜在成長率超えてるべきだろと突っ込みたくなります。

      しかし、一方で日本のオークン則は
      http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/Readings/krugokun....
      http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/Readings/kruggdpga...
      の頃から変わったんだろうかというのも気になります。
      こんな低成長でも、失業率は減っているようですので。
      http://www.nikkei.co.jp/keiki/shitugy/

      日本のNAIRUが2%台後半〜3%くらい
      http://d.hatena.ne.jp/econ-econome/20070607/p3
      http://d.hatena.ne.jp/econ-econome/20070627
      とすると、日銀理論としては「もうすぐNAIRUにぶち当たってインフレが加速する恐れがあるので利上げ」てなリクツが成り立ったりするのでしょうか。

    3. yy Says:

      >すなふきんさん

      私も初歩で申し訳ないのですが、労働時間あたりの限界生産量が平均生産量を上回っていない限り、長時間労働は逆に生産性を低下させるのではないでしょうか。
      (用語が間違っていたら、どなたか訂正願います)
      使用者側から見れば、長時間働くのに収益が上がらないのは生産性の低い証拠だ、ということになるでしょうし。
      じゃあどうすれば生産性が上がるんだ、というと、イノベーションだなんだと、甚だ抽象的な話になってしまいそうですが。

      >bewaadさん

      竹中先生については、森永先生が以前の記事で面白い評価をされていますね。「毒をもって毒を制す、竹中をもって日銀を制す」という発想で、日銀総裁には適任だと仰っていました。もっとも、その誠実さには疑問を呈して、悪人であるがゆえに適任、という評価ですが。
      ところで、逆に大田経済財政担当相は、いい人だから何もできないだろう、という評価でしたが、あの方は今は一体何をしておられるのでしょうか。

    4. 鍋象 Says:

      >>すなふきんさん
      あんまり関係ないかと思います。

      参考までに。
      http://www.boj.or.jp/type/ronbun/ron/research/data/ron0...

      それと、働いている人にとっては労働時間が長時間化しているかも知れませんが、失業者が増加している分、全体としての労働投入時間は減少していると思います。というか、増加しているのは「サービス」残業ではないかと思ったりして。

    5. 民間人 Says:

      竹中さんの潜在成長率が低いというのは、日本のそれが海外のそれと比べて低いということではないでしょうか。
      でも、日本の潜在成長率が海外より低くても、日本の実際の成長率が潜在成長率より低くて、需給ギャップがあっても不思議ではないでしょう。
      米国の潜在成長率が3%強、日本の潜在成長率が2%強、日本の成長率が2%なら、長期的には構造改革で潜在成長率を引き上げよ、でも、まだ需給ギャップがあるから、短期的には利上げするなというのは、おかしくないでしょう。

    6. kumakuma1967 Says:

      >すなふきんさん
      http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0705/23/news122...
      ↑こんな記事がありました。
      日本のビジネスマンの時間単価は中国に負けちゃってます。
      なんかの参考になりませんかね?

    7. ナナちゃん Says:

      webmasterが冷たい。
      ( p_q)

      日銀総裁人事は一部の例外を除き、日銀出身者と財務省出身者が交互に就くのが慣例。

      元財務事務次官の武藤敏郎日銀副総裁が候補となった場合は、国会で同意しない考えを示唆したとの記事がありました。

      http://news.goo.ne.jp/article/kyodo/politics/CO20070803...

      福井総裁も三井出身、郵政株式会社の初代社長も元三井住友銀行総裁の西川社長。小泉マジックは三井を舞台裏に整えられたようですね。そして、国連追従の竹中が日銀ポストに就くとなると、アジア通貨バスケットに資金を集中させることは必死。

      財務省側としても、エリザベスを継承する年金システムを採択するならば、竹中を出し抜くことは出来ないはず。

      革命の舞台が出揃いましたね。

    8. 通りすがりの金融マン Says:

      「真の潜在成長率」が政府や日銀の主張する2%弱より高く3%程度とすれば、「真の中立的実質金利」も3%前後ということになり、現在の0.5%、長期でも1%台半ばという金利水準が「超緩和状態」というBOJの言い分を補強することになるのでは?また、量的緩和以来6年間もその「超緩和状態」を続けても実際の成長率が2%前後で安定していたことをどう説明するのでしょう。

    9. yy Says:

      >通りすがりの金融マンさん

      素人の横レスで恐縮ですが。
      潜在成長率が日銀の主張より高いとした場合、日銀の把握より現状はデフレであると考えられることから、現状の実質金利は日銀の把握より高いものとなるのではないでしょうか。
      結果、現状の実質金利と中立的実質金利の差は広がらず、少なくとも日銀の言い分を「補強」することにはならないでしょう。
      であれば、論点はそもそも実際に実質金利を中立的実質金利並に上昇させることが妥当であるか、ということになろうかと思います。
      日銀の主張するように、今、潜在成長率と同じ2%弱の実質金利まで金利を上昇させた場合、日本経済はどうなるでしょうか。それで日本経済が好転するのであれば、「実質金利は潜在成長率並みにすべき」という命題は正しいのでしょうが、そうでなければ命題自体が誤っていることになります。
      私は、日銀が中立金利の話を持ち出しているのは、そもそも利上げありきのための話で、現実はそう単純な話ではないと思います。

      ご主張の後段については、前段が正しいという前提の話ですので、この辺で失礼いたします。

    10. 通りすがりの金融マン Says:

      >yyさん

      若干議論が噛み合ってないようですね。私の言いたかったのは単純な頭の体操です。

      潜在成長率2%の経済での政策金利0.5%(現状ゼロインフレとすればほぼ実質金利に等しいと考えられます)と、潜在成長率3%経済での政策金利0.5%とどちらがより緩和的な金利かということです。

      >日銀の主張するように、今、潜在成長率と同じ2%弱の実質金利まで金利を上昇させた場合、それで日本経済が好転するのであれば、「実質金利は潜在成長率並みにすべき」という命題は正しいのでしょうが、そうでなければ命題自体が誤っていることになります。

      短期と中長期の話がごっちゃになっているように思えます。日銀の超タカ派委員でもそのような主張はしていないでしょう。

    11. yy Says:

      >通りすがりの金融マンさん
      >潜在成長率2%の経済での政策金利0.5%(現状ゼロインフレとすればほぼ実質金利に等しいと考えられます)と、潜在成長率3%経済での政策金利0.5%とどちらがより緩和的な金利かということです。

      またずれていたら申し訳ないですが、実質金利でのお話をされていますよね。でしたら、単純に政策金利0.5%という名目の数値を用いて論じるのは、この場合妥当なのでしょうか。

      >短期と中長期の話がごっちゃになっているように思えます。日銀の超タカ派委員でもそのような主張はしていないでしょう。

      極端な物言いをしたのは確かなので、その点についてはおっしゃるとおりです。
      ただ、それでしたら中長期的に見れば、潜在成長率と同レベルまで金利を引き上げることは本当に妥当なのでしょうか。
      例えば現状で、「段階的に金利を引き上げ、潜在成長率を目標に実質金利を上昇させる」ことは「長期的には潜在成長率は中立的実質金利と等しい」から正しい、と言えるのかということです。
      政府債務の利払い等の影響もありますし、中長期的にも正しいと言いきれるかどうか、疑問なのですが。

    12. webmaster Says:

      >すなふきんさん
      ご疑問については、門倉貴史「ホワイトカラーは給料ドロボーか?」がお薦めです。
      http://www.amazon.co.jp/dp/4334034055/
      門倉本の議論から離れて世でよく見られる議論としては、
      ・人口減少
      ・「護送船団」だから云々
      といったものがあるように思います。

      >lukeさん
      spamフィルタではねられてしまい恐縮です。一番包括的なものを復活させましたが、このコメントでよろしかったでしょうか?

      で、内容についてですが、当サイトで定期的に試算している「真の失業率」(の高齢化等補正後の計数)を見るに、まだまだNAIRUにはほどとおい、ということかと存じます。「真の失業率」が最近になって完全失業率以上に回復を見せているのは、労働市場の供給超過ゆえに、求職活動の機会費用が就職の可能性と給与の積を下回り労働市場から退出して非労働人口になっていた者が存在し、それが労働市場の需要超過により再び労働市場に参入してきたことを示しているのでしょう。

      >yyさん
      竹中先生につきましては、日銀総裁になるとこれまでのお立場を一変させて日銀理論のイデオローグになるのでは、という可能性を否定しきれないんですよねぇ・・・。

      >鍋象さん
      ただ、メディアなどでの論調の分析としては、的を得ていますよね。

      >民間人さん
      平成13年度経済財政白書(竹中元経済財政政策担当大臣の下での最初のもの)では、日本の潜在成長率は1%前後だとされています。
      http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je01/wp-je01-00203.html...

      >kumakuma1967さん
      統計的に意味のある調査なのか、ちょっと疑問が残りますね、その調査は。

      >ナナちゃんさん
      福井総裁が民間時代にいたのは富士通総研で、一般に富士通はみずほ(第一勧銀)系列とされています。また、西川社長は旧住友出身です。

      >通りすがりの金融マンさん
      一般に均衡金利は長期で考えられると思いますが、現在のインフレ率がコアコアCPIで年▲0.5%程度、これにCPIの上方バイアス(穏当には1%ポイント弱と考えられますが、ワインシュタイン教授などは日本の場合は1%台後半だとまでおっしゃっています)を加味すれば実質長期金利は3%台半ば〜後半ということとなります。すなわち、均衡金利よりもいくばくかは高めの状況ということとなると考えています。

    13. ナナちゃん Says:

      >webmasterさま

      詳細な返答ありがとうございます。しかしながら、ナナちゃんは通貨バスケットからくる通貨戦争が云わんとするところで、ほぼ財務省の縄張りなのではないかと推測し、ポスト森永の植草も同胞で、通貨戦争を止める流れが見当たらない、完全なるアメリカ学派の一人勝ち状態であることを危惧しているのです。そしてwebmasterもまた…。

    14. 通りすがりの金融マン Says:

      >yyさん

      >実質金利でのお話をされていますよね。でしたら、単純に政策金利0.5%という名目の数値を用いて論じるのは、この場合妥当なのでしょうか。

      だから、

      (現状ゼロインフレとすればほぼ実質金利に等しいと考えられます)と、

      断りを入れたのです。これに対しては、

      >webmasterさんが

      インフレ率は1%以上過大評価されているので実質金利はもっと高いと主張されていますが、それなら実質所得や実質成長率は過小評価されているわけで、「真の」成長率は3%と結局潜在成長率を達成しているじゃないのということになってしまいますよね(^^)。物価、GDP、デフレーター等の間のテクニカルな関係について熟知しているわけでないのであくまでラフな議論ですが、ここ数年同じ価格で手に入る効用がかなり増しているように感じるので生活実感とは整合的です。

    15. kumakuma1967 Says:

      統計的意味はないでしょうね。400人もの民間のビジネスパーソンと呼ばれる人たちが、たかだかこの程度の数字を答えるあたり、おもしろくありません?
      「役所には経済感覚がない」なんて言ってられません。民間も含めて『一億総経済音痴』なのかもしれないと思いました。

      …..進め一億火の車

    16. 銅鑼衣紋 Says:

      「潜在成長率と現実成長率の大小」と「潜在GDPと現実GDPの大小」は厳密に区別しなければなりません。潜在GDP>現実GDPが「不況」の常識的な定義ですが、その状態を維持したままでも潜在成長率=現実成長率は可能です。

      日銀や政府の主張は潜在成長率=現実成長率がほぼ成り立っているというものでしょうが、そうであったとしても、より緩和的な金融政策を必要であると言う主張は論理的に可能です。

      むしろ、政府日銀は、現在の失業者は怠け者だとか、産業構造変化によるやむを得ない摩擦失業であると積極的に証明する必要があります。また企業部門の資金余剰と政府の資金不足が潜在GDPを達成しても維持されているということで、大規模な法人税増税を行うべきだということになります。

      さもなければ、潜在GDP>現実GDPと認めたことになるわけですが。

    17. luke Says:

      通りすがりの金融マンさん:
      >インフレ率は1%以上過大評価されているので実質金利はもっと高いと主張されていますが、それなら実質所得や実質成長率は過小評価されているわけで

      そうはなりませんね。CPIと違ってGDP関連の統計は下方バイアスのあるパーシェ式指数ですから。

    18. econ-econome Says:

      >luke様
      私の推計した結果を取り上げて頂き、ありがとうございました。

      >webmaster様
      コメント欄で議論されている中立金利と潜在成長率、物価上昇率に関連してTBさせて頂きました。宜しければご覧ください。

    19. yy Says:

      >通りすがりの金融マンさん
      >(現状ゼロインフレとすればほぼ実質金利に等しいと考えられます)と、断りを入れたのです。

      ゼロインフレの仮定での話でしたか。でしたら、それについてはこれ以上の言及は控えます。

      >インフレ率は1%以上過大評価されているので実質金利はもっと高いと主張されていますが、それなら実質所得や実質成長率は過小評価されているわけで

      lukeさんも言及されていますが、webmasterが論じておられるのはCPIの上方バイアスについてですよね。
      CPIとGDPデフレーターを混同されてはいないでしょうか。

    20. adhoc Says:

      流れが読めてないので質問させてください。

      そもそもbewaadさんは、次の3つの立場のどれに近いんでしょうか?

      1.景気回復と構造改革はあまり関係ない。何より世界的な株価の回復やBRICS諸国の成長が景気回復の原動力であり、不良債権の処理だって景気回復の結果であるとも言える。

      2.構造改革は潜在成長率を引き上げるけれど、構造改革道半ばで小泉さんが降りたので不徹底に終わった。そのため潜在成長率は引き上げられていない。

      3.小泉構造改革のおかげで潜在成長率はすでに引き上げられているが、日銀のおかしな金融政策が足を引っ張って、潜在成長率以下の現実成長率になっている。

      これらについて、このへんで整理を御願いしたいのですが。

    21. luke Says:

      ところで上にも書きましたが、失業率が(「真の失業率」も)低下し続けているというのは何を意味しているのでしょう。このユル〜イ「景気拡大」でも潜在成長率を上回っている、なんていう恐ろしいことになったりするのでしょうか。

      2006年度は実質成長率2.1%で失業率の変化が-0.3%ということですが、クルーグマンが示したオークン則
      http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/Readings/krugokun....
      のグラフからずいぶん外れているように見えます。

    22. すなふきん Says:

      >adhocさん

      横入り失礼します。
      小泉構造改革のおかげで潜在成長率が上がったのではなく、もともと日本の潜在成長率は高い水準を維持していて「下がっていなかった」のに、金融政策の失敗に起因するデフレ不況が続いたためにそれが現実成長率の足を引っ張った、という話ではないでしょうか?よって「構造改革」騒動は日本経済にとって無駄な時間つぶしであった可能性があるとは思いますね。経済学的に合ってるかどうか自信ありませんが。

    23. 通りすがりの金融マン Says:

      >lukeさん

      >そうはなりませんね。CPIと違ってGDP関連の統計は下方バイアスのあるパーシェ式指数ですから。

      日銀の白塚氏の推計では、CPI の上方バイアスでラスパイレス・パーシェ要因の寄与は極めて小さく、殆どは個別物価の品質向上要因ということです。名目GDPの個別項目を実質化する時に使うのは結局個別の物価指数なので、それに上方バイアスがあれば、実質GDPには「下方バイアス」が生じることになる。というのが統計の素人の私なりの理解ですが、専門家のコメントを歓迎します。

      >econーeconomyさま

      ここで使用されているテーラー・ルールの式で「潜在成長率=均衡実質金利」のみを1.7%から3%に変えると、適正な政策金利は2%に上昇します。これは、テーラー・ルールで需給ギャップの係数が0.5になっていることから来る当然の帰結です。結局、「潜在成長率が高い」ことを以って利上げを牽制するというのは余り賢明なやり方とは思われないのです。

    24. 日本に絶望 Says:

      世界最大の鉱山会社BHPビリトンが28%増益(最高益)の決算を出しました。
      http://www.marketwatch.com/news/story/bhp-billiton-prof...

      プレスリポートでBHPは中国、欧州の高成長とアメリカ経済は住宅市況の不況にもかかわらず低失業率、高賃金によりソフトランディングするだろうとの見通しを示しました。

      その上でありがたいことに「日本については住宅分野の弱含みによりデフレに再突入するリスクが増大した。」と指摘しています。
      このところの分譲や不動産関連の株価を見ていてもやはり世界の賢い人々の目はごまかせないなあと。
      どこぞの総裁と財務官僚どもに見せてやりたいものです。

    25. econ-econome Says:

      >通りすがりの金融マン様
       ご案内のとおり金融政策を評価するには何らかの評価基準が必要です。ですので、最適金融政策を議論する際の枠組みであるテーラールールに基づいて議論したわけです。勿論0.5のウエイトにはあくまで政策ルールとしてのウエイトづけですので、実際の日銀の政策を評価するには不適当であるという批判はもっともかもしれませんね(笑)。
       通りすがりの金融マン様が指摘されるとおり、潜在成長率の多寡から中立金利を持ち出すのは賢明なやり方ではないと思います。だからこそテーラールールに基づいて僕のブログでエントリしてみたのです。
       元々潜在成長率の水準の議論は成長率の対応においてインフレギャップが生じるのかデフレギャップが生じるのかという論点に繋がるため物価上昇率の議論とセットで考えるべき話でしょうし、webmaster様のエントリも潜在成長率を低く見積もる竹中さんがもっと火力を上げろと言っても説得力ない、というご趣旨だと愚考します。長々とすみません。

    26. luke Says:

      > 名目GDPの個別項目を実質化する時に使うのは結局個別の物価指数なので、それに上方バイアスがあれば、実質GDPには「下方バイアス」が生じることになる。

      (専門家ではないですが)違うと思います。「個別の物価指数」というのはよく分かりませんが、個別の品目の価格が正確にわかったと仮定してもラスパイレス指数なら上方バイアスが、パーシェ指数なら下方バイアスが生じます。

      具体的な例が econ-econome さんのサイトにあります。
      http://d.hatena.ne.jp/econ-econome/20070812

      指数の計算方法については
      http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8C%87%E6%95%B0#.E3.83....
      をご参照ください。

      > 日銀の白塚氏の推計では、CPI の上方バイアスでラスパイレス・パーシェ要因の寄与は極めて小さく

      たしかに「ラスパイレス/パーシェ指数だから」だけがCPI/GDPデフレータの違いではありませんでした。お詫びします。

      固定バスケットで物価指数を計算した時の、ラスパイレス指数の上位代替バイアスを白塚氏が0.1%と推計したことをおっしゃっているのだと思いますが、最近話題のBroda&Weinstein論文
      http://digitalcommons.libraries.columbia.edu/cgi/viewco...
      では、2000年までは白塚の推定通り0.1%程度だったが、2000〜2005年には0.25%に上昇した(p.14)とあります。

      また、CPIには、他に下位代替・品質変化/新製品・アウトレット代替などの上方バイアス要因がありますが、これは「家計のバスケット」を決めるCPI特有の問題点で、いずれもGDPにはない誤差だと理解しています。

      なお、同論文では(白塚論文の批判も含めて)日本のCPIの集計方法について激しく批判しており、上方バイアスを1.8%と見積もっています。

      デフレは日銀の推計よりずっとひどいからもっと緩和すべきだとも述べています。この誤差を考慮すればインフレ率を2%未満にしてはいけないことになるが、これは日銀が公表しているCPI参照値の上限をなぜか超えている、ともw

    27. webmaster Says:

      >ナナちゃんさん
      「通貨バスケットからくる通貨戦争」なるものが、私にはよくわからないのです。その当事者は誰で、どうなれば勝ち、どうなれば負けなのでしょうか?

      >通りすがりの金融マンさん
      yyさんがご指摘のとおり、CPIの上方バイアスに対してGDPデフレータは下方バイアスを持つ(といっても、最近用いられている連鎖式ではかなりの程度解消されていますが)ので、おっしゃるようにはならないと理解しています。

      >kumakuma1967さん
      一歩踏み込んで標本が均質であると仮定すると、ドイツの時間価値の高さは、強い労働時間規制により、労働者にレントが生じていることをあらわすのかな、という気はします。アメリカの高さを考えると、そもそも均質じゃない標本を比較しているような気はしますが(笑)。

      >銅鑼さま
      ご指摘の点、あいまいに理解・議論していた自分が恥ずかしいです。

      他方、政府(内閣府)・日銀はGDPギャップそのものがプラスに転じたとの理解をしていると認識しています。つまり、実現GDP>潜在GDPと。
      http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je06/06-1-2-07z.html
      http://www.boj.or.jp/type/release/teiki/tenbo/data/gor0...

      >lukeさん
      補足いただきありがとうございました。

      クルーグマン推計については、8/22付エントリで取り上げてみましたので、ご高覧いただければ幸いです。

      >econ-economeさん
      拝読いたしました。簡潔にして要を得たエントリ、私も書けるようになりたいなぁ・・・テイラールールの当てはめ、完全に忘却してました(笑)。他方、マッカラムルールを適用すればまだまだ量的緩和の継続が必要だという話もありますよね(笑)。

      >webmaster様のエントリも潜在成長率を低く見積もる竹中さんがもっと火力を上げろと言っても説得力ない、というご趣旨だと愚考します。

      ご賢察いただきありがとうございました。

      >adhocさん
      1番でございます。

      >すなふきんさん
      私もおおよそ同感です。

      >日本に絶望さん
      「デフレに再突入」って、脱出していないので再突入なんてできませんよ! というのはツッコミどころが違いますか(笑)。

    28. 通りすがりの金融マン Says:

      >webmasterさん、lukeさん

      通りすがりの割りに長くなりましたが面白いテーマなので(^^)

      >yyさんがご指摘のとおり、CPIの上方バイアスに対してGDPデフレータは下方バイアスを持つ(といっても、最近用いられている連鎖式ではかなりの程度解消されていますが)ので、おっしゃるようにはならないと理解しています。

      だからその要因は上方バイアスのごく一部で重要なのは品質要因だと言っているのですよ。そしてlukeさんが引用された英語の論文を読んでみたら、「上方バイアスの結果、日本の実質個人消費が著しく過少評価されてきた」という私の主張そのままの結論が示されています。ただ、これが正しいとすると日本では大幅な物価下落と、3%程度の高成長が両立してきたことになり、「良いデフレ」論者が泣いて喜ぶような話になりますね(笑)

    29. webmaster Says:

      >通りすがりさん
      私も専門家ではないので、引用の紹介でしかないのですが、例えば次のような指摘があります。

      >食料品とパソコンの2つの財だけからなる経済を考え、両方の価格指数を「100」と定義する。基準年には1単位ずつ消費される、その後、食料品は価格も消費量も変わらない、パソコンも表面価格、消費台数とも変わらないが、機能が毎年2倍のペースで向上することを反映して、物価指数作成上の「価格」は毎年 50%ずつ低下、「数量」は毎年2倍になる、というケースを想定する。

      >(略)

      >ラスパイレス指数の場合、今の例では、常に1:1 のウエイトで食料品価格とパソコン価格を合成する。ところでパソコン価格をよくみると、「半値になる」という点は毎年同じでも、指数の絶対水準が低くなるにつれて、「指数の低下幅」も小さくなっていく。したがって、数量ウエイトを固定しているラスパイレス指数の場合、パソコンの「価格水準」が低くなるにつれ、パソコンの「価格変動」を年々少なくしか反映しなくなっていく。ラスパイレス指数の前年比下落率が、25→17→10%と年々小さくなっていくのは、このためである。

      >一方、パーシェ指数の場合は、品質調整によって、パソコンの「価格水準」が低くなると、「数量」が増えるとみなされ、パソコン対食料品のウエイトが、2:1、4:1、8:1 と大幅に上昇していく。このウエイト上昇の効果によって、パソコンの影響力が先ほどとは逆に高まっていく。上の例で、パーシェ指数の前年比下落率が、33→40→45%と年々大きくなっていくのは、このためである。

      >今の例からわかるように、ラスパイレス指数とパーシェ指数は、価格と数量が大幅かつ逆方向に変化し続けるIT関連財のような財が存在し、かつ基準時点から時間が経過するほど、乖離が大きくなる。上の例では、「3年後の経済」という同一の事象を、ラスパイレス指数では−10%のデフレ、パーシェ指数では−45%のデフレ、と全く異なるものとして捉えていることになる。
      http://www.boj.or.jp/type/ronbun/rev/rkt/data/rkt03j02....

      この指摘によれば、お示しの品質要因(品質調整)に関しても、ラスパイレスとパーシェは逆向きに影響が出てくるということになります。つまり、SNA統計上は、各種デフレータが過小評価(実態以上にデフレ)され、実質計数(消費にせよ、GDPにせよ)が過大評価された可能性が高い、ということではないでしょうか。

    30. luke Says:

      通りすがりの金融マンさん、bewaadさん、おつきあいいただきありがとうございます。

      >lukeさんが引用された英語の論文を読んでみたら、「上方バイアスの結果、日本の実質個人消費が著しく過少評価されてきた」という私の主張そのままの結論が示されています。

      Broda&WeinsteinのTable 5ですね。なぜ名目GDPをCPIで実質化しているのか私には最初わかりませんでした。実質GDPの計算では、物価指数を用いて名目GDPから求めるのではなく、各品目の数量と基準年の価格を用いて求めるのだと思っていましたから。

      しかし、米国の実質GDP計算では、数量を求める際に多くの品目で「総額÷物価指数」による推定を用いているようです。物価指数としてはCPIやPPI(生産者物価指数)を用いているようです。
      http://www.bea.gov/bea/an/0398niw/maintext.htm
      (Appendixの”Real Estimates”の部分)

      そうすると、名目GDPからCPIやPPIで実質化して実質GDPを求めるのに近い話になってしまいますね。

      日本ではどうなのかについては、分かりませんでした。

      ともあれ、

      >これが正しいとすると日本では大幅な物価下落と、3%程度の高成長が両立してきたことになり

      「3%」は過大だと思います。公式数値が平均0.4%。米国流CPI(日本より0.8%低い)だと1.2%。米国CPIにも1%の上方バイアスがある(日本のCPIに1.8%のバイアスがある)としても2.2%です。

    31. econ-econome Says:

      >lukeさん、webmaster様
      自分が紹介するに足るかどうか不明ですが(汗、GDPデフレータの作成方法について纏めてみましたので、宜しければご覧下さい。

      http://d.hatena.ne.jp/econ-econome/20070823/p1

      昨日のテーラールールに関するエントリについてですが、過分なコメントを頂きありがとうございます。御礼まで。

    32. ナナちゃん Says:

      >webmasterさま

      ナポレオン大戦の勝者がロスチャイルドであり、BISを創設し、専制金融システムを築いたのはご存知ですよね。大戦は植民地を拡大させるために、敵国の国債を暴落させ、莫大な対外負債を焦げ付かせることにより、敵国を支配することが目的になります。

      BISで義援金投機の会議がなされます。債権国であるアメリカが地政学的リスクから、資金を引き上げることが引き金としてあります。当然として、その地政学的リスクはアメリカが引き起こしています。アメリカは犯罪バンクを凍結させ、外務省と財務省で凍結解除の為の外交努力を強いります。

      その結果、交渉により、勝者と敗者が決定付けられます。

      一般的に、暴落させて、安値で買い取ったほうが勝者にはなります。
      戦争に反対するだけで非国民扱いされ、非人扱いを受けます。

      エリザベスを守ろうとする世論より、倒そうとする世論の方が多いわけですからね。

      非人の解放交渉は相当金がかかる作業となり、大麻取引から始まる警察の対外裏口座は膨らむ一方でしょう。

    33. ナナちゃん Says:

      ↑すみません、個人的な理由で、急いで投稿してしまい、文が粗野なものになってしまいました。参考文件は以下になります。

      http://www.geocities.jp/hcyym228/file9.html
      http://www.geocities.jp/hcyym228/file11.html

      いずれも義援金投機システムの仕掛人となり、近年でいうイラク戦争の町村外務省のような、戦争による独占型練り金システムを非公式な会議の場で締結されることに違和感を覚え、また、領土拡大戦争を愛国心と捉えることこそ疑問に感じています。

      云わんとするところは、対外債権を多く保有する日本にとって、外国投資の焦げ付きの危機から、引き上げを政治的材料に、対アジア負債をより政治不安材料にしてくるんじゃないかと危惧しているのです。

      EUがそうでしたからね。桝添が比例票の首位である限り、アジア共通通貨構想は国連並びにBISの後ろ楯は手堅いと感じます。
      BIS法により、自己資本積立てが法的に義務付けられ、引き出せない状況にあります。法的に紙屑となるのも時間の問題でしょう。
      戦費を民間に義務付けたという話です。

    34. yy Says:

      >通りすがりの金融マンさん

      しつこくて申し訳ないですが、「CPIに上方バイアスがあるならば、実質GDPには必ず同程度の下方バイアスが存在する」という命題が成立するには、少なくとも下記2条件が必要かと思われます。

      1.CPIとGDPデフレーターの調査対象が概ね一致している。
      2.CPIの数値変動は、実質GDPに必ず逆方向・同程度の変動をもたらす。

      しかしながら、まず1については統計局によると「消費者物価指数とGDPデフレーターが乖離していることについては、対象の違いによる要因が大きく」とのことです(下記リンク参照)。
      http://www.stat.go.jp/data/cpi/4-1.htm

      また、2については輸入価格の上昇は実質輸入の減から実質GDPの増要因ともなるため、CPIの上昇が必ずしも実質GDPの減につながりません。よく言われることですが、原油価格の上昇がこれに当てはまります。

      以上2条件の否定から、「CPIに上方バイアスがあるならば、実質GDPには必ず同程度の下方バイアスが存在する」という命題は成り立たないものと考えます。
      もっとも、Broda&Weinstein論文で言及されるように、ある程度の実質GDPの下方バイアスにはつながるとは思いますが、それがCPIの上方バイアスほどのものになるかを論証するのは困難ではないでしょうか。

    35. 通りすがりの金融マン Says:

      >webmaster,luke,yyさん

      通りすがりの思いつきのレスに長々と付き合って下さり恐縮です(^^)。まとめてお答えしましょう。

      GDPデフレーターについてはeconさんの解説に尽きているでしょう。デフレーターは、名目と実質の差として事後的に出てくるもの(implicit deflator)で名目GDPを実質化する際に使用しているのは結局個々の項目の物価指数です。従って物価指数の上方バイアスを修正すれば、当然実質GDPは何がしか上方修正される訳です。勿論その修正の程度は皆さんが述べられている集計手法や対象の相違により違ってくるでしょう(GDPが連鎖指数になっているのでその相違は以前よりは小さくなるでしょうが)。
      それが実際にどれくらいになるだろうかを試算したのが、まさしくBroda&Weinstein論文のtable5ですね。これでみると公式統計ではわずか0.4%だった99年から06年までの日本の一人当たり実質個人消費の年平均伸び率は、CPIをバイアスの少ない(と彼等の主張する)アメリカ方式で計算すると1.2%に上昇します。同時期のアメリカの2.1には及びませんが、アメリカの数字は個人貯蓄率がマイナスになるという異常事態でのものですから、それを勘案すればこの時期の日本は不況といえるような状況ではなかったということになるでしょう。私自身は上方バイアスが1.8%というのは過大推計でこのペーパーは眉唾ものだと思っていますが。

    36. luke Says:

      >従って物価指数の上方バイアスを修正すれば、当然実質GDPは何がしか上方修正される訳です。

      実質GDPの計算で用いられる品目別価格指数(パーシェ式)には下方バイアスがあり、実質GDPには上方バイアスがある(バイアスを修正すれば、実質GDPは下方修正される)とecon-economeさんは書いておられると思うのですけど。

      >私自身は上方バイアスが1.8%というのは過大推計でこのペーパーは眉唾ものだと思っていますが。

      私は、パッと見でNBER Working Paperにケチをつけるほどの専門知識は持ち合わせていませんが、どこに誤りがあるのか簡単に教えていただけると幸いです。他の研究とも整合的であるようですが。

    37. yy Says:

      >従って物価指数の上方バイアスを修正すれば、当然実質GDPは何がしか上方修正される訳です。

      このこと自体は異論はありませんが、その「何がしか」に大きな認識の相違があるかと思います。
      特に、Broda&Weinstein論文で述べられている個人消費の伸びが、そのまま実質GDPの伸びとして反映されるかという点ですが、実質GDPには前述したような原油価格等の算出上の要因があるため、実際にどれだけの影響が出るかを算出するのは困難だと思うわけです。
      実際、CPIの上方バイアスから実質GDPの下方バイアスと「良いデフレ」を語る向きが出てこないのは、その相関関係を数値として示すのが困難だというのもあるのではないでしょうか。
      ですから、CPIとGDPデフレーターの関係を語るのであれば、まず実質GDPの算出方法を熟知している必要があると私は思います。

    38. econ-econome Says:

      >通りすがりの金融マンさん
       ご覧頂きありがとうございました。

      >lukeさん、webmaster様
      ご案内のとおり僕もESRIの人間ではありませんのでその点はご容赦頂きたいのですが(汗、以下Broda and Weinsteinの論文の話題と関連してお答えさせて頂きます。誤解等あれば、どなたか補足的にご説明下さい。

       まず、Broda and Weinsteinの「CPIの上方バイアスが改善された場合、その影響で実質ベースの消費が高くなる」という議論は正しいです。消費デフレータはパーシェ方式で推計されます。このとき消費財別に価格指数を選択するわけですが、消費デフレータを算出する際の価格指数として(どの程度の比重かは知りませんが)CPIが使われます。

      よってCPIを参照している財について上方バイアスが改善され、結果として財の価格が低く観測されれば、それらを用いてパーシェ統合した価格指数(消費デフレータ)は、CPIを参照している財の価格低下分を反映して低くなります。名目消費は変わらないので、消費デフレータが低下することを反映して、実質消費は高まります。CPIのバイアス調整分がフルに消費デフレータ及び実質消費に反映されるかどうかは、yyさんご説明のとおりCPIを参照している財のウエイトに依存するのではないかと思います。さらにCPIの調整分がGDPデフレータにどの程度影響するのかは、投資、輸出入といったGDPの他の項目と消費のシェアにも依存すると思います。

      尚、消費者物価指数の基準年次変更により、新たに追加された品目・及び整理統合された品目をSNAの消費デフレータ推計に反映させた場合の消費デフレータ及び実質消費への影響をESRIで試算していますのでそちらも参考になると思います(http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/061122/shiryou4.pdf)。一応、上のコメント欄でリンクしたブログのエントリの注に参照文献として忍ばせていましたが(笑)。

      CPIで新規に追加された品目(新規製品)の効果・もしくは廃止した品目の効果により、消費デフレータを構成する個別デフレータ(「ラジオ・テレビ受信機」、「ビデオ機器」、「携帯電話機」等)の値は下方修正されており、下方修正された品目が上方修正された品目の2倍以上と報告されています。
      以上の影響の参考試算結果によれば、家計最終消費デフレータはマイナス0.5%、GDPデフレータはマイナス0.3%、実質GDP、実質家計最終消費支出は年率でプラス0.2、プラス0.4となります。対応する物価指数のバイアスと実質値のバイアスが一致しないのは四半期系列を年率換算した値と前年同期比を見ていることが理由かもしれません。尚、家計最終消費デフレータに限っていえば、基準年次変更に伴うCPIの変更幅と家計最終消費デフレータの変更幅は要因が異なるもののほぼ一致しているとのことです。(これはたまたまの可能性が大でしょう)但し統合方法の差に基づく違いは、消費デフレータが連鎖方式に対応しているため無視できると資料では記載されています。

      Broda and Weinsteinが家計消費をCPIのバイアス修正後の値でデフレートしているのは、‐暖颯妊侫譟璽燭鮃柔する品目のほとんどがCPIでカバーできること、個別財の価格指数の値の違いを反映させるという意味ならば、ラスパイレスかパーシェかといった集計方法の違いは無視できること、CPIのバイアスと消費デフレータのバイアスがほぼ一致していたとのESRIの結果を知っていた、という理由から行っているという側面もあるかもしれませんね。勿論、彼らは消費デフレータを算出する際のウエイトも知らないので消費デフレータを作りようがありませんが(笑)。長文につきご容赦下さい。

    39. webmaster Says:

      >lukeさん
      アメリカがそのようなことをやっているとは存じませんでした。

      >econ-economeさん
      度々補足いただきありがとうございました。勉強になりました。

      >ナナちゃんさん
      アメリカは純債務国ですが・・・。

      >通りすがりの金融マンさん
      「不況」の原因としては設備投資がより大きく影響しているでしょうし、政府消費・投資の減少もあり、個人消費の水準だけでは「不況」かどうかを判断することは難しいのではないでしょうか。

      >yyさん
      しばらく前には、実質GDPが高めに出ているのではないか(GDPデフレータが低すぎるのではないか)という議論がよくありましたよね。

    40. ナナちゃん Says:

      >webmasterさま

      蛇足ながら、先に提示したのはアメリカが覇権的に浮上した例です。もう一つ例を挙げると、ソ連が崩壊したとき、やはり対外負債の焦げ付きでアメリカや共産国は莫大な損失を受けました。

      ソ連民は大量に流出するルーブルを売り、ドルを買い、軍人の雇用給与までもがドル立てとなりました。そして、石油を裏付けにした対外債権を結ぶことでようやくルーブル危機は脱しました。

      今や中国と日本の取引は円で決算されることが多く、基軸通貨のドル離れは加速する一方です。円が高くなるということはマーケットゾーンの拡大で、外需が拡大するということを意味しています。

      対中国の決算にドルを使われるだけで10円くらいは円安に傾くでしょう。

      韓国通貨の崩壊から、またヨン様ブームのようなものが輸入されるのはウンザリです。

      明らかにシニョリッジ狙いの通貨マフィアの画策です。

      表で通貨を買い支え、裏で通貨の売り浴びせをするのがアメリカ式通常外交です。

      徳川幕府は物価の高騰に対処すべく蔓延小判を大量に流出させました。地金の量が通常よりかなり少なめのはりぼて小判です。

      これが幕府終結の引き金となりました。

    41. webmaster Says:

      >ナナちゃんさん
      ↓を読まれてみてはいかがでしょうか?
      http://cruel.org/krugman/euroj.html

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