オークン法則に基づく日本のGDPギャップ推計
一昨日のエントリに関し、クルーグマンによるオークン法則に基づくGDPギャップ推計は最近においてもなお妥当するのか、とのご質問をlukeさんよりいただきました。というわけで、以下推計してみました。
まず、クルーグマンは1997年までのデータで推計していましたので、その後の実質GDP成長率と完全失業率の変化を掲げれば次のとおりです。
| 実質GDP成長率(対前年比) | 完全失業率(対前年差) | |
|---|---|---|
| 1998 | ▲2.0 | 0.7 |
| 1999 | ▲0.1 | 0.6 |
| 2000 | 2.9 | 0.0 |
| 2001 | 0.2 | 0.3 |
| 2002 | 0.3 | 0.4 |
| 2003 | 1.4 | ▲0.2 |
| 2004 | 2.7 | ▲0.5 |
| 2005 | 1.9 | ▲0.3 |
| 2006 | 2.2 | ▲0.3 |
これらから近似曲線を導出すると、
- y=−0.2413x+0.3324
- R-squared=0.7767
となり、それなりに妥当するようです。
この結果によれば、上記のクルーグマンの分析では失業率1%ポイントの改善に要する超過経済成長率は6%程度であるとされていましたが、その相場観は今なお有効今では4%程度にまで下がってきており、フラット化が進んでいる(8/24訂正)ということとなります(yにマイナス1を代入すれば、xは5.52(8/23訂正))。NAIRUが自然失業率であるとして、その水準が2%台後半〜3%台前半であるならば、現在の完全失業率が3%台後半ですから、GDPギャップの大きさは3%強〜5%台半ばといったところとなるのです。
#さらには、潜在成長率も1%台半ばということとなります。これについては、非正規雇用の増加や第一次ベビーブーマーの大量退職によって、失業率が同じ数値であっても投入労働量が下がってきていると考えられることの影響ではないか、という気がいたします。そのあたりをうまく補正する方法があればよいのですが・・・。(8/24追記)
