「ダウンロード」「複製」について文化庁を代弁してみます。
去る26日に開催された文化審議会著作権分科会の私的録音録画小委員会での議論が物議を醸しているようです。とりわけ、その会合を報じたINTERNET Watchの記事中、
なお、本日の会合では、第30条の適用範囲から除外について検討してきた「違法録音録画物、違法サイトからの私的録音録画」の利用形態の説明として、「視聴のみを目的とするストリーミング配信サービス(例 投稿動画視聴サービス)については、一般にダウンロードを伴わないので検討の対象外である」という脚注を追記することが事務局から提案された。
この脚注を加えた理由について文化庁著作権課の川瀬真氏は、一部の新聞や雑誌で「YouTube」などの動画共有サイトを視聴することも第30条の適用から除外されるという記事があったためと説明。この点については「誤解である」と述べ、視聴のみを目的とするストリーミング配信は一般にダウンロードを伴わないため、動画共有サイトを視聴するだけでは違法行為にはならないとする見解を示した。
なお、YouTubeなどの動画共有サイトを視聴する際には、動画ファイルのキャッシュがPC内のHDDに一時的に保存される。この点について IT・ジャーナリストの津田大介氏は、「違法ダウンロードが法制化された場合は、キャッシュとして保存することも複製と見なされ、違法行為になってしまうのか」と疑問を示した。
この質問に対して川瀬氏は、「それが複製にあたるかどうかの知識はない」と前置きした上で、2006年1月に提出された文化審議会著作権分科会報告書の内容を紹介。それによれば、文化審議会著作権分科会に設けられた「法制小委員会」において、仮に現行の著作権法でキャッシュが「複製」と解釈されても、権利制限を加えるべきではないとする見解が示され、法改正事項として挙げられていると答えた。
INTERNET Watch「「法改正後はYouTube見るだけで違法」は誤解、文化庁が見解示す」
における川瀬真文化庁長官官房著作権課著作物流通推進室長の発言が、はてなブックマークでのコメントが問題視されています。曰く、
- ストリーミングにおいてダウンロードを伴わないというのはストリーミングのことがわかっていない(ここで具体名が出ているYouTubeについていえば、FLVファイルがtempファイルとして一時的に保存されるのだから、データを取得してローカルに保存すること=ダウンロードそのものである)し、
- 「それが複製にあたるかどうかの知識はない」と公言する、
ような者がこの問題を担当するのはおかしい、と。
しかし、言及されている文化審議会著作権分科会報告書を読めば、川瀬室長が頓珍漢なことを言っているわけではなさそうでもあります。以下、関連部分を抜粋します。
デジタル化,ネットワーク化の進展に伴い,コンピュータの機器内部における蓄積,ネットワーク上の中継サーバなどにおける蓄積など,機器の使用・利用に伴う,瞬間的かつ過渡的なものを含め,プログラムの著作物及びその他の著作物に関する電子データを一時的に固定する利用形態が広く用いられている。
(略)
著作権審議会においては,これまでも著作権法上の複製権の対象となる「複製」の範囲について検討が行われており,例えば,昭和48年6月の同審議会第2小委員会(コンピューター関係)報告書では,「(コンピュータの)内部記憶装置における著作物の貯蔵は,瞬間的かつ過渡的で直ちに消え去るものであるため,著作物を内部記憶装置へたくわえる行為を著作物の『複製』に該当すると解することはできない。」としていた。
これらを受けて,一般的には,RAMへの蓄積(電源を切れば消去される蓄積)などのいわゆる「一時的蓄積」は,著作権法上の複製権の対象となる「複製」ではないと解されてきた。
(略)
著作権法においては,「複製」は「有形的に再製すること」と定義されており,規定の文言上は,有形的な再製であるが「一時的」なものであれば複製には該当しないとはされていない。そのため,いわゆる「一時的蓄積」であっても,複製に該当すると解することができないではない。
しかしながら,いわゆる「一時的蓄積」を「複製」に当たるとする方向で解する場合には,機器内部や通信過程の技術的プロセスにおいて不可欠なものなどについては,機器の使用や円滑な通信に支障が生じるおそれもあることから,権利を及ぼすことが適当ではないため,立法的措置の必要性について検討すべきである。
(略)
現時点において,いわゆる「一時的蓄積」の様々な類型について,そのすべてを「複製」に当たると解すべきとする具体的な要請は見当たらないが,国際的な動向を考慮すれば,「複製」に当たると解する方向もあり得る。その場合に,どのような立法的措置が必要であるかを検討しておく必要がある。
(略)
一時的固定(複製)のうち権利を及ぼすことが適当ではないと考えられる行為として,次の1〜3の要件を全て充たすものがあると考えられ,仮に立法的措置を行う場合には,これらを要件とすることが考えられる。
- 著作物の使用又は利用に係る技術的過程において生じる
- 付随的又は不可避的(著作物の本来の使用・利用に伴うもので,行為主体の意思に基づかない)
- 合理的な時間の範囲内
(略)
しかし,技術の進展に伴い,様々な形態の一時的固定が出現しており,また今後も出現することが予想されるため,上記1〜3の要件では,権利を及ぼすべきではない場合のすべてを対象とすることは困難であると思われる。例えば,通信の効率性を高めるために行われるミラーサーバにおける蓄積や,災害時等のサーバの故障に備えたWebサイトのバックアップサービスなどは「不可避的又は付随的」とは言い難いため,上記の要件からは外れてしまうが,通信の効率性や安全性の点から,権利を及ぼすべきではないとする社会的な要請が強いと考えられる。このため,権利制限規定を新たに設ける場合においても,明示的に権利が制限されていない一時的固定がすべて複製権の対象であるとする反対解釈は,避けるべきである。更に,必要な場面を想定し,個別に別途の権利制限規定を設けるなど,必要な措置を追加して検討する必要があると考えられる(デジタル機器の保守・修理時における一時的固定については,後述参照)。
(略)
したがって,これらの課題については,今後の技術動向を見極める必要もあることから,現時点では緊急に立法的措置を行うべきとの結論には至らなかった。しかし,法的予測可能性を高め,萎縮的効果を防止することにより,権利者や利用者が安心して著作物を流通・利用できる法制度を構築する観点から,今後も立法措置の必要性について慎重な検討を行い,平成19年を目途に結論を得るべきものとした。
文化審議会著作権分科会報告書(案)/第1章 法制問題小委員会/第3節 デジタル対応ワーキングチーム(webmaster注:1〜3の箇条書きは、原文では丸付き数字です)
長くなりましたのでwebmasterなりに要約すれば、
- これまで「一時的蓄積」は著作権法上の「複製」ではないと解されてきた。
- しかし、法律の文言上は「複製」と解する余地はあり、他国が「複製」に相当するものとして扱う可能性もあることから、今後においても「複製」でないとの解釈が継続しない可能性はある。
- 解釈を変更する場合においても、他の「複製」と同様に取り扱うと情報通信に支障が生じる恐れがあるので、そうした事情を勘案した特別な「複製」にする必要があり、かつ、「複製」と解される「一時的蓄積」の範囲については、むやみに広くならぬよう慎重な検討が必要である。
- この問題については、技術動向(それこそ、発信側は「ストリーミング」のみを想定していても、受信側で「ダウンロード」が可能な手段の普及も含まれるでしょう)も見極めながら、平成19年を目途に結論を得る予定。
ということとなります。川瀬室長の発言について、以上を踏まえて補足してみると(括弧書きがwebmasterによる補足部分)、
- 視聴のみを目的とするストリーミング配信は一般に(著作権法上の「複製」に該当する)ダウンロードを伴わ(ず、あくまで「一時的蓄積」しか行わ)ないため、(著作権法上の「複製」に関する規定である同法第30条を見直しても「一時的蓄積」にはそもそも同条の効力が及ばないことから、「一時的蓄積」のみを行う)動画共有サイトを視聴するだけでは(同条に係る)違法行為(である「複製」)にはならない。
- それが複製にあたるかどうかの知識は(、一般論として「一時的蓄積」は「複製」ではなく、したがって一般論としては「複製」にあたらないというのが現在の解釈であるが、個別の事情によっては「複製」と解される可能性がゼロではないので、絶対に「複製」にあたらないとはいえないし、いずれにしても津田さんが質問するようなことはまさに今後デジタル対応ワーキングチームで検討が進められる事柄であるので、それを差し置いて現段階で言えることは)ない。
ということになるのではないでしょうか。
#前者については、もし報道とおり川瀬室長が発言したならば、注記のとおり「検討の対象外」としておけばより誤解される可能性は少なかっただろうとは思います。あくまでここでの検討対象は「複製」であり、そもそも「複製」ではない「一時的蓄積」は、検討の対象ではないのですから。ただ、ITmediaの報道によると、あくまで川瀬室長は注記に沿って、「小委員会の議論の対象はあくまでダウンロードサービスと説明」したようですが。
仮にwebmasterの補足を妥当とお認めいただいたとしても、著作権法の用語が技術的なそれと乖離していることが問題であり、そんなものを「ストリーミング」「ダウンロード」「複製」と呼ぶな、というご意見もあるでしょう。しかし、少なくとも「複製」については、引用の報告のとおり30年以上前からこのような事態を包含し得る議論をしていたわけで、法律の用語法が後追い・場当たり・泥縄というのは一方的ではないでしょうか。また、「ストリーミング」「ダウンロード」についても、たとえば当のYouTubeは川瀬室長と同様の使い方をしているわけで、一般的に許容されざるほどの乖離かどうか、webmasterには疑問も残ります。
#もう少し対外的な説明の仕方に気をつけた方がいいのは間違いありませんが。
ちなみに、デジタル対応ワーキングチームで「一時的蓄積」についての議論を深めていくことは、今年の3月19日の段階で既に同分科会法制問題小委員会において明らかにされていて、サーチエンジンについての検討に次いで俎上に載せられるようです。同ワーキングチームでのサーチエンジンについての検討は中間報告の案文を詰めるところまできているので、この問題にご関心の向きは、これからの同ワーキングチームの動向に要注目でしょう。
なお、本件については、小倉弁護士が、
現在著作権法の専門家の中で、ハードディスクへのキャッシュを、「一時的蓄積」に過ぎず著作権法上の「複製」にはあたらないとするものは決して多くはなく、むしろ、世渡りのうまい人たちはRAMへの一時的記憶すら著作権法上の「複製」に含めるべきであるとの強く主張しています。従って、違法にアップロードされた著作物を受信して複製する行為について著作権法30条1項から除外した場合には、YouTubeの画像を視聴したに過ぎない人々も、ハードディスクにキャッシュを保存したことにより、あるいは、RAMにデータを一時的に記憶させたことにより、複製権侵害に当たるとされる虞が十分にあります。
文化庁の川瀬氏は「それが複製にあたるかどうかの知識はない」としていますが、文化庁の著作権課の官僚さんが一時的蓄積に関する学説の状況を知らないとはにわかに信じがたいです。その上で、「仮に現行の著作権法でキャッシュが「複製」と解釈されても、権利制限を加えるべきではない」としているのは、裁判所が少なくともディスク上へのキャッシュについては裁判所がこれを著作権法上の「複製」とする可能性がそれなりに高く、その場合にはYouTubeでの動画視聴が違法とされることになることを十分に知りつつも、その場合には、これを適法なものとするような法改正は行わず、日本ではYouTubeの視聴自体をずっと違法なものということにしておきますよという趣旨ではないかと思います。
「文科省とダウンロード規制と思想統制」(@benli9/27付)
とおっしゃっているのは、以上に照らせば文化庁へのフェアな評価とは言いがたいのではないでしょうか。先に引用した著作権分科会報告において、先の引用では略した部分に、次のような記載があります。
権利を及ぼすべきではない範囲に関して,立法により法文上明確化する方法としては,(a)著作権法上の「複製」の定義から除外する,(b)著作権法上の「複製」であるとした上で権利制限規定を新たに設ける,という2つの方向性が考えられる。また,法文上明確にしない場合には,(c)「黙示の許諾」,「権利の濫用」等の解釈による司法判断に委ねる,という方向性も考えられる。このうち,(a)及び(b)の方向性を採る場合には,著作物の使用(視聴,受信,プログラムの実行等),又は利用(通信等)に伴い,「付随的」又は「不可避的」に生じる「一時的」固定(複製)であるものといった限定的な要件を付した上で,権利の対象から除外する必要がある。
なお,権利制限という方向性を採る場合の許容性について検証すると,権利者は一時的固定の前段階である媒体への固定やアップロード等の行為に対して権利を行使する機会があり,その時点で,その後の著作物の視聴等を予測することができるのであるから,限定的な要件を付した上で,一時的固定に関する権利制限を行ったとしても,販売機会を失うなど,権利者に現実的な経済的不利益を与えることは想定されず,権利制限の許容性を有していると考えられる。
文化審議会著作権分科会報告書(案)/第1章 法制問題小委員会/第3節 デジタル対応ワーキングチーム
つまりは立法措置により著作権者の複製権行使の対象外としたり、そのあり方を通常の行使よりも制限的にすることを選択肢として明示しています。既述のデジタル対応ワーキングチームでの今後の検討の結果、上記の(c)が選ばれた後であればともかく、現時点で「これを適法なものとするような法改正は行わず、日本ではYouTubeの視聴自体をずっと違法なものということにしておきますよという趣旨」との批判を甘受すべき状態に、文化庁はないのです。





9月 30th, 2007 at 13:40:24
著作権法30条の改正と、複製に関する権利の制限等の立法化は、同時に行われようとしているのでしょうか。その間をぬって、あるいは、同時に法律になったとしても、権利者側のオレオレ解釈で、YouTube等を試聴した人に対し訴訟をチラつかせて和解金を取るといったようなことは起こりえないとは言えないと思うのですがどうでしょうか。もちろん、どうやってYouTubeの試聴の事実をつきとめるのだ、という疑問はありますが、例えば、ニコニコ動画のような半クローズドなサービスではそれも不可能ではないですよね。
9月 30th, 2007 at 15:42:33
ダウンロードと複製は分けて考えるべき…
ウェブにものを公開するってのは映画の上映みたいなものである。映画を見て記憶するのも、すぐ忘れてしまうのも、それは観客の勝手である。一生懸命観るのも、寝てしまうのも観客の (more…)
9月 30th, 2007 at 16:52:17
なんか動画ばかりが言われているが
これって画像を保存(ダウンロード保存)して
私的利用するのも×って言ってるのか???
全体的な整合性が取れないような気がするんだけど。
利用者からすればテレビで視聴したり、録画するのと
大差ないんだし、CM見るくらいの行為は
許容されるだろう。
9月 30th, 2007 at 18:02:39
自分の認識だけで発言すると会話は成立しません…
相手がどういった前提に基づいて会話をしているのか、全てを理解することは難しい。もちろん全てをゼロから説明していては話が冗長になりすぎるし、そんな説明だと多くの人が読まな (more…)
10月 1st, 2007 at 2:20:01
「分科会報告書≠川瀬室長の発言」ではないですが、
「私的録音録画小委員会での議論=川瀬室長の発言」です。
私の読んだ限りでは、報告書を書いたのが川瀬室長であると
そう書いてある箇所は見当たりませんが、有りますか?
以上の点から、このような輩(川瀬室長)がこの問題を担当するのはおかしい
と言う、ブックマークコメントは妥当な評価だと思いますが如何でしょう?
10月 1st, 2007 at 4:15:25
>ksasakiさん
霞が関の通例でいえば、一時的蓄積についての検討が年内に終わるのであれば、それは次期通常国会に提出される改正法案に反映されるでしょうから、第30条についての改正と同じ法案に盛り込まれることになると思います(第30条の改正は、今の臨時国会には間に合わないでしょうから)。
振り込め詐欺的な問題については、たとえば典型的な振り込め詐欺において交通事故なり痴漢なりが引き合いに出されるからといって、それらについて損害賠償請求権を否定すべき、ということにはならないと思います。それと同様に、振り込め詐欺に悪用される可能性があるからという理由だけで、権利者の損害賠償請求権を否定するのは妥当ではないと個人的には思います。ちなみに、損害賠償請求については、損害額の算定もかなり難しいのではないかと思います。受信側が「無料だからダウンロードした。有料だったらしなかった」という主張をする場合、理念的には損害額はゼロですから。人格権と絡めたもの(違法のものが広く出回っていることで精神的に傷ついた、といった類のもの)があり得なくはないのでしょうけれども。
>はぁ・・・・・さん
画像でも同じこととなるでしょう。ちなみに、デジタル著作権の問題は、たとえばVTRによるアナログ録画等とは異なり複製に伴う劣化がないという技術的特性を踏まえた議論ですので、直ちに同列に論じられるものではないと思います(議論の結果、同じように取り扱うべきとの結論になることが否定されるものではありませんが)。
>通りすがりさん
第1に、報道のとおりに川瀬室長が話したとは限りません。大筋は外していないでしょうけれども、細かな文言がそのとおりでない可能性は大いにあります(現に、エントリで紹介したように、INTERNET WatchとITmediaでは違う文言になっています)。
第2に、川瀬室長の発言は小委員会の場で委員に向けてしたもので、一般人に向けてのものではありません。小委員会の場でするものである以上、委員の間で共通認識になっていること等は省いて話すのが自然であり、話した内容について部外者がそうした事情を斟酌せずに解釈しても、趣旨を取り違えるおそれが多分にあります。
第3に、川瀬室長はあくまで事務局として小委員会に出席しており、各委員とは異なって役所の公式見解や、従来の検討状況等を事務的に述べること等が許される(個人的見解を述べることは基本的に差し控えるべき)立場です。そうした者が報告書に言及しての発言ですから、報告書の内容に基づくものであると考えるのが合理的です(なお、川瀬室長は著作権分科会の報告書をとりまとめる際にも事務局に籍があり、当時の検討に携わっていた者です(議事要旨を見ればわかります)。このことを加味すればなおさら、中間報告から離れた独自の意見を開陳したとは考えづらいでしょう)。
以上から、そもそも報告書が間違っているからその意見に意味はないと批判するのであればさておき、報告書から離れて川瀬室長の発言を難ずるのは、私は妥当ではないと考えます。
10月 2nd, 2007 at 3:47:22
>それが複製にあたるかどうかの知識はない
前後の文脈を考えれば「キャッシュが複製にあたるかどうか判断できる立場ではない」という趣旨の発言なように思うわけですが。
10月 2nd, 2007 at 8:55:22
官僚が誤解されるのはこれまで何度も見てきましたが、今回の事例は今まででもかなりひどいような気がします。ネットでの反応を見てると、議事録はおろかINTERNET Watchの記事すらろくに読めない人たちがコメントしていて、そんなのに馬鹿呼ばわりされちゃあ川瀬室長もかわいそうだなあ。
10月 2nd, 2007 at 16:37:45
IPを特定されないようにするため、プロキシ・インターネットカフェを使う人が増えます。より著作権侵害行為が巧妙化することが予想されます。
結局、未成年の飲酒や喫煙、スピード違反の如く、ばれなきゃ良いんだという感じになります。単なる萎縮効果を狙った法制ですから、どうせ見せしめでしか取り締まれないのです。
ネットによる販売が伸びていること等から、CDの売り上げが減っています。よって今後もCDの売り上げは減り続けます。
ドイツでは確かにダウンロード違法化されています。しかし私の知る限り、他の先進国では法制されていません。これは制度の国際的調和という点では、問題があると考えます。
将来的に罰則を設けることが予想されます。
などと自分の意見を書いてみました。川瀬真室長がどうとか、官僚の人がどう思っているとか、私はあんまり興味がありません。
10月 2nd, 2007 at 16:55:16
法改正されたあと、結局ようつべ視聴が違法と判決がでるかもしれないですね。所詮「解され」ですから。文化庁の見解がひっくり返されることも少なくないですしね。
なんか、特別の意思が働いてる気がしてならんわけです。人選がアレなのも・・・。
10月 3rd, 2007 at 0:05:05
>bn2islanderさん
そのような趣旨での発言だとするならば、言葉の選び方が不用意だったのだろうと思います。わが身を省みても適切な言葉の選択は難しいものですが・・・。
>官僚志望さん
志望を変えられたほうが幸せな人生が待っているのでは(笑)?
>ベルヌ条約ばんざいさん
私は川瀬室長への批判に対して、それが誤解である可能性を指摘したかったので、そもそも川瀬室長への批判をされていないというのであれば、このエントリの文脈において申し上げることはございません。
裁判所の法解釈への不安については、エントリで引用の選択肢中、文化庁に対して法改正を選ぶよう求めるのがよいのではないでしょうか。
10月 3rd, 2007 at 1:17:41
>官僚志望さん
ウチで最近あった実例ですが・・・
とある研究会で。
10年来の懸案だけど、自力解決の見通しも周囲の状況の改善もないので、15年来の懸案に持ち越しでイイよね?ってことで、報告書に「引き続き検討」と書く
↓
報告書は読んだけど議事録読んでいないとしか思えない某新聞に「過去に葬られたはずの悪法制定の検討の動きがゾンビのように復活」な旨のミスリード記事を書かれる
↓
その新聞記事を読んだ某省庁(笑)が、記事を信じ込んでしまい、「○○省の方針は国益にならないのできわめて遺憾」と公式発表
一次ソース見つけるのがきわめて簡単なこの時代。頼むからウラ取りしてから行動してください・・・。
10月 5th, 2007 at 17:23:48
http://www.computerworld.jp/news/trd/35506.html
p2pソフト自体を禁止するんだってさ。
日本より進んでるよ。
日本の著作権保護は遅れている。
10月 6th, 2007 at 11:55:08
日本の著作権保護が遅れているとは思わない。
法改正はベルヌ条約の線を守りつつ各国で判断すべきだ。
実際イギリスは著作権保護期間を延長しなかった。
10月 8th, 2007 at 1:01:46
審議会の議事録は法源たり得ないので、「審議会の議事録でこのような発言があるから心配には及ばない」というのは意味のない話かと思われます。
10月 8th, 2007 at 4:21:36
>小倉様
法源たり得ないからといって、こういう議論のもとで報告書が書かれたというバックグランドデータを意味がないと言ってしまわれるのは乱暴だと思います。
それ言い出したら、ナントカ調査会とかカントカ諮問会議とかはどうすりゃいいんでしょう(笑)
自転車歩道通行のときにも似たような話がありましたね。
10月 8th, 2007 at 9:51:57
私のような実務法曹からすると、著作物等の受信に付随する複製であって反復継続的な使用を予定しないものを21条の「複製」から除外する旨の法改正を伴わずして、30条1項3号として、23条の権利を侵害して送信可能化された著作物を受信して複製した場合を30条1項本文の適用除外とする法改正をされてしまえば、「ナントカ調査会とかカントカ諮問会議」で何が語られようとも、「YouTubeで、自分の居住地域を放送対象地域としないテレビ番組を視聴すると、損害賠償請求を命じられる虞があるし、テレビ局やJASRACに、自分のパソコンのハードディスクの内容を丸裸にされて、文科省や総務省に報告される危険がある」と答えざるを得ないでしょう。
自動公衆送信権や送信可能化権を新規立法するときにの審議会の資料を読んだって、MYUTAのようなサービスまで規制できることを伺わせるものはないわけですし。
10月 9th, 2007 at 4:20:35
>のんきゃりさん
メディア以上に某省庁が情けないですね。普段フォローしていないことがバレバレで、そのくせ公式発表をしてしまうわけですから。その前に確認ぐらいしろ、と。
審議会については、内閣提出法案であれば、議員への説明等にも用いられて立法者意思の推定材料ぐらいにはなりますから、まったく無意味ということでもないと理解しています。立法者意思=司法府の解釈ではないのは当然ですが、程度問題として。
>ヒューヒューだよさん
フランスの法制の是非はさておき、デジタル分野での著作物は複製のしやすさのアーキテクチャが従来のそれとは異なるわけで、それに応じて別の制度を、というのは筋論としては検討に値するものだと思います。
>ゲストさん
強弱はしょせん相対論であって、永遠に絶対値としてあるべきものが確定するわけでもないとは思います。著作権者といってもさまざまですし、利用者といってもさまざまですから。
>小倉秀夫さん
引用させていただいた部分において問題になるのは制度を改正する意思の有無についてであって、法解釈についてではありませんので、法源足り得るかどうかを問う局面ではないものと理解しています。
11月 30th, 2007 at 22:29:36
議事録がアップされたようです。川瀬氏の発言について引用すると
“ 【川瀬室長】
資料2をご覧頂けますでしょうか。資料2の脚注でございますが、平成18年1月に著作権分科会の報告書が出ており、そこでデジタル対応ワーキンググループでいろいろと一時的蓄積の問題について整理されております。したがって、この但し書きのところですけれども、ネットワークの伝送の過程で行われる技術的手段としての一時的蓄積の問題については報告書を参照して欲しいということになっていますけれども、基本的には、一時的蓄積については複製だと考えるべきではないという意見。仮に複製であるとしても、それは権利を及ぼすべきではないという意見、それから、権利が及ぶという意見に整理しております。基本的には、審議会の中で、データの伝送の過程で行われるキャッシュのようなものについては、仮に現行の法制で著作権が及ぶとしても、それは権利を及ぼすべきではないという見解が出ているわけでございます。別の検討の場ではきちっと整理されているということで、それも法改正事項に挙がっておりますので、どういうタイミングで、どういう形で整理をするかというのは、また別の問題もありますけれども、文化審議会の著作権分科会としては、今、津田委員が御指摘の点についても、これはその私的録音録画問題ということではなくて、いわゆる、コンピュータを巡る著作権の利活用という中で問題視されていると理解しています。
ただ、申し分けないのですが、今、津田委員の具体的な御指摘の点について、私がそれに対して、あれは複製でないとか、複製であるという知識を持ち合わせておりませんので今この場で回答できませんけれども、一般論としては、そこについては著作権分科会として全く認識がないわけではなく、小委員会で検討し、かつ、法改正事項として提案もされているということだけ、この場で御説明させて頂きたいと思います。”
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/020/...
通して読んだ印象ですが、川瀬氏の発言が、不適切な発言であるとは必ずしもいえない様に思いました。川瀬氏自身は、慎重に、言葉を選んで発言されておられるようですが、それがマスコミには伝わらなかったという事なのでしょうか。
12月 6th, 2007 at 10:55:58
以下の発言ではyoutubeやブラウザのキャッシュ(ハードディスク上に記録されるので電源を切ってもわざわざ消さない限り消えず、いかなる意味でも瞬間的ではない)は「一時的蓄積」に該当しないでしょ。メモリ上の「一時的蓄積」ですら、電源切れば消えるとはいえ、休止状態では電源切る前にハードディスクにコピーして、再立ち上げしたらメモリに戻りますし、そういう状態で何週間もパソコン使い続けるのも普通。そのへんのごく基本的なパソコンの仕組みすら小委員会の誰もわかってないから、文化庁は嘲笑われて当然。
> 「(コンピュータの)内部記憶装置における著作物の貯蔵は,瞬間的かつ過渡的で直ちに消え去るものであるため,著作物を内部記憶装置へたくわえる行為を著作物の『複製』に該当すると解することはできない。」としていた。
> これらを受けて,一般的には,RAMへの蓄積(電源を切れば消去される蓄積)などのいわゆる「一時的蓄積」は,著作権法上の複製権の対象となる「複製」ではないと解されてきた。
それなのにさらに、
> そのため,いわゆる「一時的蓄積」であっても,複製に該当すると解することができないではない。
と、ただでさえ狭い「一時的蓄積」の一部を複製にしたいってんだから、、、
ただ、
> このため,権利制限規定を新たに設ける場合においても,明示的に権利が制限されていない一時的固定がすべて複製権の対象であるとする反対解釈は,避けるべきである。
この発言は、限定列挙解釈の破綻を認めてるので、評価しますが。
1月 4th, 2008 at 5:39:15
>bn2islanderさん
ま、マスメディアにおいては、それが全体の文脈を正しく表すかどうかとは無関係に部分的に発言が取り上げられるというのは、よくいわれるマスメディア批判ではあるのですが、対霞が関となると、こうした批判はなぜか忘れ去られてしまうんですよねぇ(笑)。もちろん、官僚の発言を文字通り報道しても、小泉前総理的なわかりやすさはゼロですから、メディアとしては商売にならないのはよくわかるのですが。
>さすらいのななしさん
OSやアプリ、サービス提供者側の実装で決まる事情によって、ユーザ側の行為が複製かどうかが判定されるというのも不便な話で、この文脈においてキャッシュがハードディスクに確保されるのかメモリに確保されるのかは本質的ではないと思います(=あくまで法解釈上は、ということで、それ以外の文脈において本質的な違いであることを否定するものではありません)。